日本パレットプール 【東証スタンダード:4690】「サービス業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、企業理念として
①人と地球に優しいEco-Logistics企業をめざします。
②パレットプールシステムにより物流に貢献する企業をめざします。
③お客様、社会から信頼される企業をめざします。
の3項目を掲げております。
(2) 長期ビジョン
”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS” ~新たな挑戦 お客様とともに~
当社は、2022年5月に創立50周年という節目の年を迎え、まず10年後の当社のあるべき姿としての「長期ビジョン」を制定いたしました。そのブランドメッセージは”NEW CHALLENGES WITH CLIENTS”~新たな挑戦 お客様とともに~ であります。当社が更なる成長を遂げるために、新たな商品・サービスの開発は勿論のこと、新たな事業にも挑戦し、お客様のニーズに対応したソリューションビジネスを展開していく、という決意をメッセージに込めました。
当社が目指すべき姿は、「高品質な物流サービスの提供」、「物流の効率化」、「環境経営」に取り組み、社会やお客様に貢献できる企業であり、以下の4項目の重点項目に取り組んでまいります。
(長期ビジョンにおける4つの重点項目)
① 売上の拡大
支店、デポ、輸送などのネットワークやパレットプールシステム等の経営基盤を強化し、お客様の満足と信頼を得ることにより、レンタル・販売事業を拡大します。
② 環境経営の推進
グリーン調達や環境配慮商品・サービスの提供により、環境経営を推進します。
③ 新規事業の開発
当社の独自性を活かした新商品・サービスの開発に取り組むとともに、新たな事業に挑戦し、レンタル事業に続く第2の柱を育てます。
④ 職場環境の充実
従業員のマルチスキル化とIT化の推進により、更なる労働生産性の向上と快適で働きやすい職場環境を目指します。
これらの取組みによって、着実に成果を上げ、10年後の2031年度に売上高100億円以上、経常利益10億円以上を目指してまいります。
成長イメージ
(3) 経営3カ年計画2024
当社は、上記の「長期ビジョン」を踏まえて、中期経営計画「経営3カ年計画2024」を策定し、2022年4月1日より3年間に亘る取り組みを進めております。
本経営計画の基本的な考え方は、前経営計画の遂行中に洗い出した諸課題を解決するとともに、現在の経営環境を踏まえた方向性を定め、事業の更なる成長と企業価値の向上を目指すものであり、次の3項目の重点施策に取り組んでまいります。
(経営3カ年計画2024における3つの重点施策)
① コア事業の拡大と新規事業の展開
お客様ニーズに沿ったサービスの提供や物流機器類の商品ラインナップの拡充を図るとともに、パレット位置情報管理システム「フクLOW」付パレットの導入など新商品・サービスの拡販に取り組みます。また、アライアンスによる新規事業への進出も検討してまいります。
② 事業運営体制の強化
全国200カ所のデポの適正配置や、輸配送・回収業務の共同化、モーダルシフトの積極的展開などによる効率性向上を図ります。また、「フクLOW」システムの展開やRPAの推進、受発注・回収システムの導入などDXの推進にも取り組んでまいります。
③ ESG経営への取組み
内部統制機能の強化とコンプライアンスの徹底に取り組むとともに、環境保全活動や社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいります。
(経営数値目標)
当社は「経営3カ年計画2024」の中で、2022年度から2024年度までの収益目標を公表しましたが、2022年度の終了時点で2024年度計画の営業利益、経常利益、当期純利益を達成したため、2023年度及び2024年度の目標数値を見直しました。
「経営3カ年計画2024」の初年度となる2022年度の進捗と2023年度及び2024年度の見直し後の目標数値は、以下のとおりとなります。
[目標数値]
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| ( )内は当初目標 |
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
売上高(百万円) | 7,394(7,185) | 7,550(7,400) | 7,650(7,600) |
営業利益(百万円) | 984(700) | 900(720) | 1,050(750) |
経常利益(百万円) | 1,117(800) | 1,000(820) | 1,150(850) |
当期純利益(百万円) | 833(500) | 700(520) | 850(550) |
(2023年度の見通し)
国内経済につきましては、コロナ禍により抑制されていた経済活動の再開を背景として、国内景気が持ち直しつつあるものの、世界的なインフレの高止まりや国際情勢の緊張などによるリスクも想定され、依然として先行き不透明な状況で推移するものと思われます。
足元の事業環境につきましては、物流の2024年問題が1年後に迫っており、この問題に対しての最重点・最優先のソリューションとして「パレット化」が位置付けられていることから、2023年度もレンタルパレットに関する潜在的なニーズの高い状況が継続するものと考えております。
このような環境の中で、当社は「パレットプールシステムにより物流に貢献する企業をめざします」「お客様、社会から信頼される企業をめざします」という企業理念をもとに、お客様との接点を重視し、お客様の物流の効率化に関するニーズを見極めた上でのソリューション提案に注力することで、売上高の拡大を図ってまいります。
また、これからの成長戦略として、
① パレットの目的外利用や長期滞留防止を図るために開発したパレットの位置情報管理システム「フクLOW」の活用による新規顧客の開拓
② デポ(サービス拠点)の再配置や大型機械設備の導入によるパレットの修理・洗浄機能の強化や運用効率の改善
③ 基幹システムの更新やお客様向けの新システム開発
④ アライアンスによる新規事業の展開
を推進し、事業基盤の強化を目指してまいります。
これらにより、2023年度の経営目標につきましては、将来に向けた積極的な大型投資に伴う費用増を含め、売上高75億50百万円(前期比2.1%増)、営業利益9億円(前期比8.5%減)、経常利益10億円(前期比10.5%減)、当期純利益7億円(前期比16.0%減)としております。
[資本政策]
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| 目標数値 | 2022年度実績 |
ROE(自己資本利益率) | 10%以上 | 15.3% |
EPS(1株当たり当期純利益) | 300円以上 | 495円 |
自己資本比率 | 45%程度 | 48.2% |
当社は、「ROE」、「EPS」、「自己資本比率」の3つを資本政策の指標に掲げており、これら3つの指標のバランスを取りながら、攻めと守りの両面に配慮した経営を実施していく方針であります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
レンタルパレットを取り巻く環境と課題について
日本国内で流通しているパレット枚数は推定5億枚とも言われておりますが、そのうち、レンタルパレットの保有枚数は主要各社計で2,552万枚(2021年度実績・一般社団法人日本パレット協会調べ)であり、全体の5%程度にすぎません。このような実態から、パレットの紛失・流出リスクや管理の煩雑さなど、パレット運用に伴う課題を抱えておられる「自社保有」のお客様が相当見込まれ、レンタルの事業領域は十分あるものと認識しております。
さらに、トラックドライバーに時間外労働の上限規制が適用される、いわゆる物流の「2024年問題」への対応策として、従来のバラ積み・バラ降ろしから「パレット化」による作業の生産性向上・効率化が喫緊の課題となっており、パレットによる輸送需要は順調に拡大していくものと予測しております。
一方、安全や衛生面上の理由から、レンタルパレットの品質に関するお客様からの要求水準が高くなってきております。現在、当社は全国に約200カ所のデポ(サービス拠点)を保有しておりますが、パレット運用の効率化とお客様のニーズに対応したネットワークの確立、及びパレットの修理・自動機械洗浄を行う高機能型デポなどインフラを整備することにより、品質とコスト両面での競争力の一層の強化を図ってまいります。
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