日本ドライケミカル 【東証スタンダード:1909】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消防自動車の製造・販売、防災用品の仕入・販売等の防災事業を行っており、単一セグメントであるため、研究開発活動について営業種目別に記載しております。
当社グループでは、消防法等関連法規の改正、社会の構造的変換、市場の要請、技術環境の変化等に適応できる新技術を研究、開発し、また基盤保有技術を深耕することを目的として研究開発活動しております。
消火設備・消火器等の機器は、消防法等関連法規により主要な仕様・規格あるいは性能・機能が定められており、研究開発活動はそれらをいかに効率的に実現するかのエンジニアリング開発もしくは商品化開発が主体であります。
また、最近の地球環境保護への考えの広がり、資源のリサイクル活用、建築・構造物の大規模・複合化や新しい使用形態の施設の発現、バイオ燃料や燃料電池をはじめとする代替エネルギーや新素材の開発等による化学物質の多様化、少子高齢化に伴う省力化等の社会環境変化により、消火設備・消火器等の機器の機能・性能並びに物性や使用材料に対するレベルアップが要求されており、それら社会環境変化による市場潮流を先取りした商品の拡充・技術開発が不可欠であり、法規制にとどまらない消火設備・消火器等の開発等にも積極的にビジネスチャンスを捉えるべく、機動的な運営に取り組んでおります。
さらに、既存技術・製品においてもその深耕戦略として生産技術の改善や品質及び生産性の向上に努め、それらの競争力強化を図ることも重要で、営業部門と開発部門との緊密な連携にも注力しております。
当連結会計年度における主な研究開発活動を営業種目別に示すと、以下のとおりであります。
(1)防災設備事業
次世代の防災製品・防災システムの開発を進めており、火災の熱に対して高感度に作動し、かつ、広範囲に散水可能なスプリンクラーヘッド及び超高感度の火災検知システムについて、国家検定型式取得に向けて製品認証機関と協議を開始しました。また、ガス系消火設備について、施工効率向上等を目的とした制御盤のリニューアル開発に着手し、製品認証型式取得を目指しております。
PFOA、PFHxS、PFHxAなどの直鎖系有機ふっ素化合物を含まない、危険物施設向けの泡消火薬剤については、商品名「グリーンアルコエース」として販売開始しておりますが、その発展形として泡原液を二分の一に濃縮した製品を開発し、国家検定型式を申請中です。
近年、火災の様相が変化し、消防車輌に積載する資機材が増えておりますが、消防車輌の総重量は関係法令で規制されており、ボディ・積載装置等の軽量化が必須となっております。このような背景から、消防車輌のボディ材質に樹脂系材料・アルミニウム・高張力鋼などを導入し、軽量化に関連した技術の開発を行い、当該技術を小型化学消防自動車の製造に応用しました。
(2)商品事業
新しいコンセプトによる消火器用の液体消火薬剤の開発を推進しております。有機ふっ素化合物を一切含んでおらず、環境にやさしく、かつ、従来品と比較して高い濡れ性、浸透性を有している当該薬剤について、国家検定型式を申請しました。当該薬剤を使用した消火器について、国家検定型式を取得しました。
火災抑制剤放射器「クイックスプラッシャー」について、想定する使用者(一般・警備・消防・警察等)や使用場所(エントランスホール・公共交通機関・金融機関・商業施設・事務所等)に応じて、使い易さを追求した機種を開発し、販売開始しておりますが、固定式の自動装置としての製品も開発しました。
工作機械用の自動消火装置について、販売開始しておりますが、さらに標準化・量産化を目的とした開発にも着手しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、634百万円であります。
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