日本オラクル 【東証スタンダード:4716】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりであります。これらは投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えておりますが、記載した項目は当事業年度末現在において当社が判断したものであり、全てのリスクが網羅されているわけではありません。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績等に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は当該リスクの把握・評価および対策を実施する体制を構築しております。詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
(1) オラクル・コーポレーションとの関係
当社は、米国オラクル・コーポレーションを実質的な親会社とし、同社を中心とする企業集団に属しております。当社の今後の事業展開等は、同社のクラウド事業その他の経営戦略等の影響を受ける可能性があります。
① オラクル・コーポレーションの製品・技術への依存
当社は、オラクル・コーポレーションの製品やサービスを日本市場に提供しているため、同社の製品・技術に依存しております。従って、同社の新製品やサービス、更新版製品の投入や同社が買収した製品の統合が遅れた場合、製品やサービスが顧客のニーズを満たせない、もしくは重大な欠陥や瑕疵が存在した場合、製品やサービス等の提供ポリシーが変更された場合などにおいて、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
② ロイヤルティの料率および適用範囲の変更の可能性
当社は、親会社であるオラクル・コーポレーションの知的財産権の保有・管理を行っているオラクル・インターナショナル・コーポレーションと販売代理店契約を結んでおります。また、オラクル・コーポレーションの子会社で、オラクル・コーポレーションによる買収製品(ソフトウェアおよびハードウェア)およびクラウドサービスの日本におけるライセンス許諾権・製品販売権を保有している日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社と販売代理店契約を結んでおります。
これらの契約に基づき、当社はオラクル・コーポレーションより日本市場向けに製品の供給を受け、その対価として当該製品の売上高に対する一定割合をロイヤルティとしてオラクル・インターナショナル・コーポレーションに支払っております。また、当該買収製品およびクラウドサービスについては日本オラクルインフォメーションシステムズ合同会社から供給を受け、その対価(売上高に対する一定割合のロイヤルティまたは製品仕入代金)を支払っております。
当該ロイヤルティの料率および適用範囲は、オラクル・コーポレーションと当社を含むオラクル製品を取り扱うグループ会社との間で合理的な基準により決定しております。オラクル・コーポレーションから供給を受ける製品やサービスの内容等の変更、移転価格税制等により、料率または適用範囲が変更となった場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
なお、日米税務当局間の移転価格に関しての合意に基づき、2011年5月期より、オラクル・インターナショナル・コーポレーションに対するロイヤルティ料率が引き上げられました。
③ Oracle Cloud戦略に係るリスク
当社は、SaaS、PaaS、IaaS等からなるクラウドサービスを顧客のニーズに即した形で提供しています。これらのビジネスモデルは親会社であるオラクル・コーポレーション主導のもとに提供しているところ、当社の顧客に対して効果的に提供できない場合、当社の競争力低下をまねき、財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクがあります。
④ 自然災害等によるシステム障害
オラクル・コーポレーションを中心としたオラクル・グループにおいて、総勘定元帳(General Ledger)をはじめ、統合基幹業務システム(OracleERP)をクラウド化(オラクル・パブリック・クラウド)しております。当社はこれらクラウド上のシステムや電子メールサーバーなどをオラクル・グループ企業と共用しております。日本国内のみならず、日本国外において地震等自然災害によって、共用システムに障害等が生じた場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社の経営成績および今後の事業展開に影響を受ける可能性があります。こうした事態を想定し、当社独自の災害発生時の対処、復旧計画、データのバックアップ体制を構築、定期的に内容の見直しを実施するとともに、当社を含む全世界のオラクル・グループ共通のBusiness Continuity Management Program(事業継続マネジメントプログラム)を構築しています。
⑤ Shared Service Center(シェアードサービスセンター)との関係
当社は、全世界のオラクル・グループの事務管理業務を統合・標準化したシェアードサービスセンターを利用し、経営の効率化を図っております。未払金等の支払処理、給与計算等の経理業務や受注業務等を同センターに移管しておりますが、同センターの処理能力を超えた場合や、予期せぬ事象等により同センターが適切なサービスを提供できなかった場合等には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(2) クラウド事業等の運営
当社の「クラウドサービス」は、ソフトウェアやソフトウェアを稼働する実行基盤をデータセンター(オラクル・グループのデータセンターを含む)から顧客にサービス提供しております。また、「クラウドサービス」に含まれる「マネージド・クラウド・サービス」は、親会社、パートナーあるいは顧客のデータセンターにある顧客の情報システムの管理運用業務を提供しています。これらは顧客の基幹業務にかかる情報システムや重要情報の管理運用を行っており、セキュリティ対策およびデータのバックアップ、リカバリ等の対策には万全を期しております。しかしながら、機器の不具合、災害発生時の対応瑕疵、管理運用に関わる要員の過失、または、悪意ある第三者によるウイルス、ハッキング、不正なアクセス、サイバーアタックを受けた場合等により、顧客の情報システムの停止や重要情報の漏洩等が発生し、顧客業務の遅滞や機会損失が起きた場合、顧客からの損害賠償請求等により、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(3) 情報管理
Oracle Cloud Services を含む当社の製品およびサービスは、当社自身のデータだけでなく、お客様の情報やデータなど、第三者のデータを保存、取得、処理、管理しています。特にオラクルは、健康科学、金融サービス、小売、接客業、政府といった、機密性の高い情報を取り扱う顧客などのデータを大量に保存・処理するため、コンピュータハッカーやその他の悪質業者の標的になっていると考えております。このため、予期せぬ事態により流出する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社の社会的信用に影響を与えるとともに、その対応のための不測の費用負担や、損害賠償等により、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(4) 競争激化の可能性
当社が事業を展開する情報サービス産業は、競争が激しく、技術革新が急速に進展するため、業界や競合会社の動向によって、当社の経営成績および財政状態等は影響を受ける可能性があります。例えば、新規参入者を含めた競争激化による価格低下圧力の高まり、競合会社の競争優位な新製品の投入や競合会社同士の戦略的提携といった場合には、当社の競争力、市場占有率等に影響を与える可能性があります。
(5) テクニカルサポートサービスの提供に係るリスク
顧客は当社の製品に関連する技術的な問題を解決するために、当社のサポートサービスを利用しています。当社が顧客の需要増加を予測できずサポートサービスを迅速に供給できなかった場合、顧客の技術的な問題に対して効果的なサポートを提供できなかった場合等には、追加費用等が発生し、当社の財政状態、経営成績等に影響を与えるリスクがあります。
(6) プロジェクトの管理
当社は、顧客が当社製品を導入する際に、導入計画、システム設計計画、システム運用等の顧客支援作業を提供することがあります。提供に際しては品質、開発期間、採算の管理徹底等、プロジェクト管理の強化を図っておりますが、顧客からの仕様変更や当初見積以上の作業の発生等によりプロジェクトの進捗が当初の計画から乖離した場合、追加費用の発生や納期遅延に伴う違約金が発生し、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(7) 法的規制等
当社の事業遂行に際しては、様々な法律や規制の適用を受けております。当社は、これら法律、規制等を遵守すべく、社内体制の確立や従業員教育等に万全を期しておりますが、万一当社に対して訴訟や法的手続きが行われた場合には、多額の訴訟対応費用の発生や、損害賠償金の支払の可能性があります。このような場合、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(8) 人的資源
当社は、事業の継続、発展、成長のためには、高い専門性を備えた人材(営業職、技術職その他)の採用、育成、維持が最も重要な経営課題の一つであると認識しております。当社が事業を展開している情報サービス産業においては、継続的に人材の獲得競争があり、人材も不足傾向にあります。このため、重要な社員が流出する場合や、適格な人材を十分に採用、育成、維持出来ない場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(9) 特定の売上セグメントへの依存
当社において、クラウド&ライセンス売上(クラウドライセンス&オンプレミスライセンス、クラウドサービス&ライセンスサポート)の占める割合が高く、また利益への貢献割合が高いことが特徴です。これらの販売が悪化した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(10) 間接販売(パートナーモデル)への依存
当社の製品・サービスは、主に、ハードウェアメーカーやシステムインテグレータ、独立系ソフト開発会社等のパートナー企業との協業によって、販売されております。当社の顧客は、製造業、流通業、金融業、通信業、サービス業、官公庁、教育機関など業種、業態を問わず多岐にわたっており、規模的にも大企業から小規模事業者まで広範囲となっております。当社では、これらの幅広い顧客ニーズにきめ細かく応えるため、パートナー企業を経由した間接販売に依存しており、間接販売による売上高は、当事業年度において大きな割合を占めております。従って、パートナー企業との安定的信頼関係の維持は、当社の将来にとって重大な意義を持ちます。例えば、パートナー企業との関係が悪化した場合、競合会社が当社のパートナー企業と戦略的提携を行った場合、パートナー企業の財政状態が悪化した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
(11) 金融商品に係るリスク
資金の管理・運用については、当社が定める資金管理・運用規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policyに準拠)に則り、高格付の有価証券への投資および高格付の金融機関への資金預入等に限定し、高い安全性と適切な流動性の確保をはかっております。投資有価証券については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、リスク軽減に努めております。しかしながら、万一、運用先の金融機関の破綻や債券の債務不履行(デフォルト)、投資商品の元本割れ等が発生した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
営業債権である受取手形、売掛金、未収入金および貸付金に関しては、当社の与信管理規程(オラクル・コーポレーションが定めるglobal policyに準拠)に則り、取引先ごとの期日管理および残高管理を行うとともに、信用状況を定期的に把握し、リスク軽減に努めております。しかしながら取引先の財務状況が悪化した場合などには、損失が発生する可能性があります。なお、デリバティブ取引は行わない方針です。
(12) 将来の企業買収・合併
当社は、当社独自の事業戦略あるいは親会社のグローバルな事業戦略の一環で、将来、買収や合併を実施する可能性があります。これに伴い、買収先企業や買収先事業を効果的かつ効率的に当社の事業と統合出来ない可能性や、買収先企業の重要な顧客、仕入先、その他関係者との関係を維持出来ない可能性や買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性などがあります。このような事象が発生した場合には、当社の経営成績および財政状態等に影響を与える可能性があります。
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