企業兼大株主日本製鉄東証プライム:5401】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(経営方針)

 日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献することを企業理念に掲げて事業を行っています。

<日本製鉄グループ企業理念>

 基本理念

 日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。

 経営理念

1.信用・信頼を大切にするグループであり続けます。

2.社会に役立つ製品・サービスを提供し、お客様とともに発展します。

3.常に世界最高の技術とものづくりの力を追求します。

4.変化を先取りし、自らの変革に努め、さらなる進歩を目指して挑戦します。

5.人を育て活かし、活力溢れるグループを築きます。

(経営環境)

 中長期的な環境変化については、次のとおり想定しています。

 世界の鉄鋼需要については、インドも含めたアジア地域を中心に確実な成長が見込まれます。また、カーボンニュートラルに向けた新規ニーズを含め高級鋼の需要は拡大が見込まれます。一方で、国内の鉄鋼需要については、人口減少・高齢化や需要家の海外現地生産拡大等に伴い引き続き減少していくことが想定されます。また、製造業における地産地消・自国産化の傾向が、グローバルに繋がっていた市場の分断を進展させると考えられます。さらに、世界の鉄鋼生産量の5割強を占める中国における需要の頭打ち等により、海外市場における競争が一層激化することが想定されます。

 世界的に気候変動に関する問題意識が高まるなか、カーボンニュートラルの実現は官民を挙げた総力戦となり、他国に先駆けたカーボンニュートラルスチールの製造技術の確立が、今後の鉄鋼業界における競争力、収益力、ブランド力を決める鍵となると考えています。

 2024年度においては、世界の鉄鋼需要については、未曾有の厳しい状況が当面継続すると見ざるを得ません。実需回復は現時点で見通しづらく、市況回復にも時間を要する見通しであり、原料と製品のデカップリング(非連動)構造が当面継続するリスクもあります。

(経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

 当社グループは、製鉄事業を中核として、鉄づくりを通じて培った技術をもとに、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しています。製鉄セグメントは、当社グループの連結売上収益の約9割を占めています。

 当社は、2020年度に断行した抜本的コスト改善による損益分岐点の大幅な引下げに加え、紐付き価格の是正、一貫能力絞込みによる注文選択の効果、海外グループ会社の収益力の向上等により、外部環境に関わらず高水準の事業利益を確保し得る収益構造の構築に取り組んできました。2024年度においては、経営環境が厳しさを増し、当面継続すると想定される状況にあっても、従来の収益構造対策の継続等に加え、将来ビジョンである1兆円の利益水準に向けさらに厚みを持った新たな事業構造へと進化し、外部環境に関わらずさらなる高収益を計上できる基盤を構築すべく施策を着実に進めていくとともに、将来を見据えた人材確保・活躍推進に資する投入も行っていきます。

2021年3月に策定した「日本製鉄グループ中長期経営計画」の概要と進捗は次のとおりです。

<日本製鉄グループ中長期経営計画(2021年3月5日公表)の概要と進捗>

 当社は、「総合力世界No.1 の鉄鋼メーカー」を目指し、日本製鉄グループ中長期経営計画を定め、その4つの柱である「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」、「カーボンニュートラルへの挑戦」及び「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」の実現に向け、諸施策に着実に取り組んでいます。

1.国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化

「戦略商品への積極投資による注文構成の高度化」、「技術力を確実に収益に結びつけるための設備新鋭化」、「商品と設備の取捨選択による生産体制のスリム化・効率化」を基本方針として、国内製鉄事業の最適生産体制を構築するとともに、競合他社を凌駕するコスト競争力の再構築と適正マージンの確保による収益基盤の強化を推進しています。

 当期においては、名古屋製鉄所への次世代熱延ライン、瀬戸内製鉄所阪神地区(堺)及び九州製鉄所八幡地区への電磁鋼板設備等、戦略商品の能力・品質向上対策への投資を含め競争力優位な設備への選択投資を行っており、競争力劣位な設備を休止することと合わせて、生産設備を新鋭化・スリム化・効率化し、品種高度化を推進するとともに、生産能力規模と固定費規模の適正化を進めてきました。また、原料事業については、カーボンニュートラル推進に資する高品質な製鉄用原料炭の安定確保に加え、より外部環境に左右されにくい連結収益構造の構築を目指し、カナダの原料炭事業会社Elk Valley Mining Limited Partnershipへ20%の出資を行いました。加えて、日鉄物産㈱の子会社化・非公開会社化を実施するなど、商社機能のグループでの効率化・強化、営業ノウハウ・インフラを一体活用した直接営業力強化、サプライチェーンのさらなる高度化の取組みも進めています。今後もこうした厚みを持った事業構造へ進化させていきます。

2.海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進

 世界の鋼材消費は、2025年さらに2030年に向けて引き続き緩やかな成長が見込まれています。当社は、規模及び成長率が世界的に見ても大きいアジアを中心に事業を展開しており、マーケットの規模や成長を当社の利益成長につなげ得るポジションにあります。

 このような環境のもと、需要の伸びが確実に期待できる地域において、当社の技術力・商品力を活かせる分野で、需要地での一貫生産体制を拡大し、現地需要を確実に捕捉することで、日本製鉄グループとして、「グローバル粗鋼1億トン体制」を目指しています。

 将来の市場拡大と自国産化のさらなる進展が見込まれるインド市場においては、ArcelorMittal Nippon Steel India Limitedによる拠点買収や新たな一貫製鉄所建設の検討を開始するなど、能力の拡張を進めています。さらに、最大の高級鋼需要国であり、かつ当社が培ってきた技術力・商品力を活かせる地域である米国において、United States Steel Corporationの買収を決定しました。これにより、インドとホームマーケットであるASEANに米国を加えた3つの重要拠点を確保することとなり、グローバル拠点の多様化につながることとなります。グローバル粗鋼1億トン体制の実現に向けて、今後も主要な海外市場における一貫生産体制拡大による収益力の向上を目指していきます。

3.カーボンニュートラルへの挑戦

 脱炭素社会に向けた取組みにおいて欧米・中国・韓国との開発競争に打ち勝ち、引き続き世界の鉄鋼業をリードするべく、「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を掲げ、経営の最重要課題として諸対策を検討・実行しています。

 東日本製鉄所君津地区の小型試験炉でのSuper COURSE50開発試験で世界最高水準を更新するCO2排出量33%の削減効果を確認するなど技術開発の進捗に加え、九州製鉄所八幡地区及び瀬戸内製鉄所広畑地区を候補地とした高炉プロセスから電炉プロセスへの転換に向けた本格検討を開始するなど、「高炉水素還元」、「水素による還元鉄製造」及び「大型電炉での高級鋼製造」の3つの超革新技術によるカーボンニュートラルの実現に向けて取組みを継続しています。また、カーボンニュートラル化を通じて当社が提供する2つの価値である「鉄鋼製造プロセスにおけるCO2排出量を削減したと認定される鉄鋼製品~『NSCarbolex® Neutral』」と「社会におけるCO2排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術~『NSCarbolex® Solution』」によりお客様の国際競争力を支えています。これらの取組みに対し、脱炭素化における鉄鋼業の役割の重要性が再認識され、グリーンイノベーション基金の鉄鋼業への配分が大幅に拡大されたことを受け、当社としても開発・実機化の加速化・前倒しを行うこととしています。

4.デジタルトランスフォーメーション戦略の推進

 デジタルトランスフォーメーション戦略に5年間で1,000億円以上を投入し、鉄鋼業におけるデジタル先進企業を目指しています。

 当期の具体的な取組みの一例として、原料を海上輸送する際の配船管理において、リアルタイムな運行情報取得を可能にするシステムを構築し、運用を開始しました。これにより意思決定の迅速化が促進され、原料調達から輸送、生産までのサプライチェーンの効率化に貢献し、さらには運航・輸送効率の向上等によりカーボンニュートラル社会の実現にもつながると考えています。また、日鉄ソリューションズ㈱と共同で、数理最適化技術を応用し、製鋼工程における生産計画を高速立案する出鋼スケジューリングシステムを開発し、東日本製鉄所君津地区で本格運用を開始しました。これによって、熟練技能者と同等以上の計画を短時間で導き出すことが可能となり、従来と比較し約70%の計画立案時間の削減を達成しました。今後は各製鉄所へ順次展開し、全社での生産計画の一元化を進めていく予定です。そのほか、IoT、AI による操業・設備保全の遠隔管理・予兆監視、自動化や、実績管理・一貫生産計画の一元化・迅速化等の各DX 施策にも引き続き取り組んでいます。

(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

「日本製鉄グループ中長期経営計画」の収益・財務体質目標等については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しています。

(注)  上記(経営環境)と(経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)の記載には、2024年5月9日決算発表時点の将来に関する前提・見通し・計画に基づく予測や目標が含まれている。これらはその発表又は公表の時点において当社が適切と考える情報や分析、一定の前提等に基づき策定したものであり、かかる見積りに固有の限界があることに加え、実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性がある。かかる要因については、後記「3 事業等のリスク」を参照されたい。

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