企業広栄化学東証スタンダード:4367】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2024年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当社を取り巻く環境

今後の見通しにつきましては、緩やかな回復が続くと想定されますが、ロシア・ウクライナ紛争の終結が見えないことや、日本国内において賃上げや物価高を踏まえた金融政策の見直しが議論されていることなど、今後も不透明な経営環境が続くものと予想されます

このような状況の中、当社製品の需要は、触媒関連製品や電材関連製品について徐々に回復していくことを見込んでおりますが、引き続き売価是正や拡販に取り組み収益の確保を図るとともに、次期が最終年度となる中期経営計画に掲げた、「事業成長戦略加速」、「経営基盤強化」、「人材育成強化加速」を着実に実行し、企業価値向上を一層推進してまいります

中期経営計画(2022年度-2024年度)進捗状況

中期経営計画の最終年度である2024年度は、触媒関連製品及び電材関連製品の需要回復に加えて、光学材料製品の大幅な伸長を見込んでおります。一方、医薬中間体や樹脂関連製品は、中長期的には引き続き堅調な需要を見込んでいるものの一部製品の販売時期ずれにより前期比で減少する見込みです

中期経営計画で策定したアクションプランは概ね計画どおり進捗しているものの、経営環境は上述のとおり依然として厳しく、2024年度の利益目標達成は非常にハードルが高いと認識しております。このような状況下ですが、全社一丸となって諸課題に取り組み早期の業績回復に努めてまいります


※EBITDA:金利・税金・償却前利益

(Earnings before interest, taxes, depreciation and amortization)

<経営指標推移>


※ROIC  :投下資本利益率 (Return on invested capital)

※CCC  :現金循環化日数(Cash conversion cycle)

 <事業成長戦略加速>

基盤製品の競争力強化/高付加価値化、機能製品・新規事業拡大及び事業ポートフォリオの高度化の諸課題については、次の項目(①から③)に示すとおり順調に進捗しております。特に2023年10月に稼働開始した研究パイロットプラントでは医薬原料である少量高付加価値製品の初生産を実施する等、これまで対応できなかった領域でのビジネスが可能となり一層の拡充に向け取り組んでおります。また、一層の競争力強化を図る為、アミンビジネスにおけるインド現地企業との事業提携の可能性や基盤プラント再編について継続検討しております


 <経営基盤強化>

デジタル革新、ガバナンス革新、サステナビリティ革新は概ね計画どおり進捗しております。マネジメント革新のうち投下資本利益率(ROIC)は、当社の資本コスト(WACC)である8%をROIC目標に掲げ取り組んでおりますが、2023年度のROIC実績は1%と最終年度である2024年度での目標達成のハードルは極めて高い状況です。一層の収益性の改善を図るほか、よりBS(効率性向上)を意識した経営へのシフトの重要性を社内に浸透させるとともに、ROIC改善に繋がるKPIを部署別に設定し実現を図ることにより、目標の早期達成に向け全社員の最優先課題として推進してまいります。また、現金循環化日数(CCC)については、更なる短縮に取り組み一層の資本効率化を進め企業価値向上を図ってまいります


 <人材育成強化・加速>

継続課題である幹部社員及び管理社員のマネジメント能力の強化に加え中堅・若手社員の早期戦力化に注力してまいります。また、人的資本に関わる指標の積極開示を行うとともに、指標の改善・向上に向けた諸課題の解決を通じて従業員のエンゲージメント向上につなげてまいります


将来の成長ドライバーによる業績の改善

 中長期的なビジネスの拡大及び業績改善への寄与を牽引する成長ドライバーとして、以下の製品群の開発、拡販に注力してまいります。

①CO2吸収材関連

 当社のアミン化合物製品のラインナップは100種類にも及んでおり、顧客ニーズに応じて様々な用途向けの製品開発を行うことが可能です。CO2吸収材用途については、昨今のカーボンニュートラル達成に向けた世界的な関心の高まりを背景に、国内外のメーカー・研究機関から多数の引き合いを受けております。また、顧客からの要求に柔軟に対応するとともに、当社独自のアミン化合物の開発を推進するために、CO2吸脱着評価システムを導入しており、カーボンニュートラルの実現に向けて検討を加速してまいります。

②有機金属触媒

 当社では従来から、世界の主要ポリマーメーカー向けに有機金属触媒の供給を行っております。現在、世界的な景気停滞や個人消費の低迷等により、需要が大きく減退しておりますが、2024年度後半にはポリマー需要の回復に伴い既存製品の拡販及び業績への大幅な寄与を見込んでおります。また、複数の顧客から新規製品開発の引き合いを受けており、将来に向けてビジネスの拡大に注力してまいります。

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