企業帝国電機製作所東証プライム:6333】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、「私たちは事業活動を通じて人の心を豊かにするとともに、持続可能な社会の実現に貢献します。」を経営理念としており、サステナビリティ課題を重要な経営課題の1つであると認識しております。

 現在取組み中の中期経営計画においては、中期ビジョンとして「すべてのステークホルダーの満足度向上」を掲げており、ESGを積極的に推進していくことを目標としております。

 これまでに、自家消費型太陽光発電設備の設置や高効率型キャンドモータポンプの開発等の環境対応、そして階層別研修の拡充や女性活躍推進等の人事施策など、当社のサステナビリティ課題に対応した様々な取組みを行ってまいりました。

 今後も業績向上に努めていくことは勿論のこと、サステナビリティ課題への取組みも着実に進めながら企業価値の向上に努めてまいります。

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

①ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティに関連する事項については、取締役専務執行役員総務本部長を委員長とするリスク管理委員会にて、検討を行っております。同委員会は原則年12回開催し、サステナビリティに関連する事項を含む各種リスク・機会の抽出、分析、評価、及びこれらの対応方針について、審議・決定しております。

 リスク管理委員会で審議決定された事項は取締役会に年2回報告され、報告を受けた取締役会は必要に応じて指示を行う等、当社のサステナビリティに関連する事項を含む各種リスク・機会への対応方針及び実行計画等についての監督を適切に行っております。

<サステナビリティ関連事項を含む各種リスクに関するガバナンス体制図>

②リスク管理

 サステナビリティに係るリスクについてはリスク管理委員会が抽出、分析、評価、及びこれらの対応方針を決定し、全社的リスクと併せて対応しております。

 リスク管理委員会で検討した内容及びその結果は取締役会に報告しており、報告を受けた取締役会は、必要に応じ、リスク管理委員会に対して指示を行う等の監督を行っております。

 具体的には、期初にリスク管理委員会事務局がリスク管理委員及び各部門の管理職に対してリスクに関するアンケート調査を実施し、リスクの抽出を行います。そして、抽出されたリスクを発生可能性・頻度及び財務・レピュテーションへの影響を評価軸にマトリックスを作成し、対応優先度をリスク管理委員会で議論の上決定します。その結果、対応優先度が高いリスクについては、当該リスクに関連する部門をリスクオーナーとして対応策を検討し、部門ごとにリスクマネジメント計画を策定します。各部門が策定したリスクマネジメント計画はリスク管理委員会で承認され、その結果がリスク管理委員会事務局を通じて取締役会に報告されます。そして、各部門で実行されるリスクマネジメント計画の取組結果については、半期ごとにリスク管理委員会で報告され、リスク管理委員会事務局は、当該報告内容を取締役会に報告しております。報告を受けた取締役会は、必要に応じ、リスク管理委員会に対して指示を行う等の監督を行っております。

(リスク管理体制図)

(リスク評価マテリアリティ)

 上記リスク管理委員会において、当社のサステナビリティ課題として気候変動リスク・機会への対応と人材育成が挙げられており、重点課題として取り組みを進めております。

(2)気候変動リスク・機会に対する戦略及び指標と目標

 当社の主力製品であるキャンドモータポンプは、完全無漏洩構造であることから、環境負荷の高い液体を漏らすことなく移送することが可能であります。このポンプを世界中に拡販していくことが当社グループのミッションであり、事業を通じて地球環境や世界の人々の安全に貢献できると考えております。また、社内においても温室効果ガス(GHG)排出量の削減に努めております。

 この度、TCFDの提言に基づき気候変動関連リスク及び機会が当社グループの事業に及ぼす影響の分析を進めることにより、気候関連の適切な情報開示を行ってまいります。

 なお、当社は2023年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明いたしました。

①戦略

<前提>

TCFD提言では、気候変動に起因する事業への影響を考察するため、複数の気候関連シナリオに基づき検討を行う「シナリオ分析」を行うことが推奨されており、当社グループでも不確実な将来に対応した事業戦略の立案・検討を行うため、下記のようにシナリオ分析を実施いたしました。

 今回のシナリオ分析においては、SDGsの目標である2030年時点を想定し、現状を上回る気候変動対策が施されず、異常気象の激甚化が想定される「4℃シナリオ」と、脱炭素に向けてより野心的な気候変動対策の実施が想定される「1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)」を参考に、定性・定量の両側面から考察を行いました。

<当社グループ事業における気候変動関連リスク・機会の概要>

・顕在化時期の定義

「短期」:~3年  「中期」:4~10年  「長期」:11年~30年

・影響度の定義

「大」:営業利益に5億円以上の影響が見込まれる

「中」:営業利益に5千万円以上5億円未満の影響が見込まれる

「小」:営業利益に5千万円未満の影響が見込まれる

 当社グループの主力事業であるポンプ事業は、製品の製造段階において多くの燃料や電力を使用することや、原材料として多種多様な金属を使用することから、カーボンプライシングに関する政策規制や、脱炭素への移行に伴う金属価格の上昇、再生可能エネルギーの市場普及に伴う電力価格の上昇を移行リスクとして特定しています。また、気候変動に伴う異常気象の激甚化が、当社グループのサプライチェーンに係る物流の寸断や、当社グループ各拠点の被災による影響を物理リスクとして特定しています。

 一方で、脱炭素社会の進展により、再生可能エネルギーの普及や再生可能燃料の生産量の増加といった、脱炭素分野における当社グループの製品・サービスの需要増加を機会として特定しています。

<環境負荷低減に関する取り組み>

 当社グループは、事業を通じて地球環境や人々の安全に貢献していくため、完全無漏洩構造であり、環境負荷の高い液体を漏らすことなく移送することが可能であるキャンドモータポンプを世界中に拡販していくことが、ミッションであると考えております。

◆ 脱炭素ビジネスで活用されるキャンドモータポンプ

 世界的な脱炭素社会の進展により、化石燃料からのエネルギー転換等、CO₂排出ゼロに向けた取り組みが加速しております。そのような中で、当社のキャンドモータポンプは脱炭素に関連する設備にも対応することが可能であり、市場の裾野を広げる新たなチャンスと捉えております。

◆ 環境配慮型工場設備

 当社グループでは、事業活動におけるGHG排出量の継続的な削減に向けて、工場で使用するエネルギー効率の向上や、自然エネルギーの有効利用などに取り組んでいます。

・本社屋及び本社工場の全面LED化

2017年4月に建設した新本社工場はもちろん、旧工場設備についても全面的にLED照明への換装を行っております。また、2022年9月に本社事務所についてもLED照明へと換装いたしました。これにより年間約110,000kWh程度の電力量削減が見込まれます。今後とも工場全体としてのエネルギー効率向上に務めてまいります。

・自然エネルギーの有効利用

2017年4月に建設した新本社工場には約300kWの太陽光パネルを設置しております(売電)。また、2021年12月に本社工場内に移転した技術開発センターにも40kWの太陽光パネル(自家消費型)を設置し、更に2023年2月に本社工場内のサービス工場棟にも531kWの太陽光パネル(自家消費型)を設置しております(合計871kW)。これにより、自然エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に務めております。

・冷暖房等の効率向上

 新本社工場の外壁には、断熱効果の高い建材・工法を採用し、合わせてエアー搬送ファンによる空調効率の向上で空調エネルギーを抑制し、CO2の削減と作業環境の改善にも取り組んでおります。
また、超高効率変圧器の導入等により、工場全体としてのエネルギー効率向上に務めております。

・本社工場全体でのエネルギー管理システムの導入

 本社工場内のエリアごとのエネルギー使用量を可視化するデマンドモニタの設置により、全体のエネルギー使用量を集中管理し、効果的な節電対策を実施しております。

・社用車のハイブリッド化

 当社は、2021年度よりハイブリッド車の導入を本格的に開始いたしました。当社の社用リース車35台のうち、リース期間が終了して更新するものから順次ハイブリッド車への切り替えを行っており、2023年3月末現在で約3割がハイブリッド車に切り替わっております。

②指標と目標

 気候変動に対する当社グループの環境経営の進捗を測る評価指標としては、温室効果ガス(GHG)排出量を選定しております。

 当社グループは、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に、可能な限り1.5℃未満に抑える努力をするというパリ協定で示された世界共通の長期目標と、日本政府が掲げる2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを達成するという目標に準拠すべく、対応してまいります。

 今後、サプライチェーン全体の排出量を把握するため、Scope3の排出量算定を検討してまいります。

(3)人材育成に対する戦略及び指標と目標

 当社は、人材の成長こそが持続的な企業価値向上の源泉であり、多様な人材が自由闊達に意見を出し合い協同していく組織風土の醸成を目指しております。働きがいのある会社、即ち仕事にやりがいを感じ自分の仕事に誇りを持って取り組むことができること、そして働きやすい会社であることを目指してまいります。

①人材育成方針

 人材育成方針につきましては、次のとおりであります。

・多様な人材の採用、育成を計画的に推進し、積極的に「人材に投資」していく。

・優秀な人材には、積極的に活躍の場を提供する。

・ダイバーシティを推進し組織を活性化していく。

<具体的取組み>

 当社では、上記人材育成方針に基づき、当期においては階層別教育拡充とダイバーシティ推進に取り組んでまいりました。

 階層別研修は、本来組織が持つべき能力を十分に発揮できるよう個人の能力強化を目的としたものであり、当期については次期経営層向けの外部研修を実施いたしました。

 次期については、業務に必要な資格取得の推進に加え、階層別研修の対象範囲の拡大や自己啓発の推進等、個人能力の強化に取り組んでまいります。

 ダイバーシティ推進では、女性をはじめとした多様な人材がより一層活躍できるようにすることを目的に、当期において職群制度の見直しを行いました。連動する人事評価の見直しにも着手し、人材育成のツールとしての機能を高めるとともに、評価方式の一本化を進めることで、公平性を高め、メリハリのある評価につなげております。また、2021年3月期に実施した女性社員向け外部研修に続き、当期において役員と管理職向けに外部研修を実施、意識改革を推進いたしました。

 このような取り組みを踏まえ、2023年4月に初めて女性の管理職2名を任命いたしました。

 そして、高齢従業員の活躍推進として、定年退職後の嘱託契約者について、勤務時間、賃金体系に選択肢を増やし、意欲の高い人は今まで以上に働ける環境を整えました。

②社内環境整備方針

 社内環境整備方針につきましては、次のとおりであります。

・性別、年齢、国籍によらず、多様な人材が活躍できるよう機動的に制度改革を行う。

・これまで培ってきた組織の知識を適切に維持管理できるよう、教育制度の見直しを推進する。

・一人ひとりの従業員と向き合い、個々の能力が発揮できる自由闊達で働きやすい職場づくりを推進していく。

・心理的安全性を阻害する各種ハラスメントを徹底排除する。

③指標と目標

 上記人材育成方針の指標としては、「年間教育訓練費」及び「係長級以上に占める女性社員の人数」を用いております。

「年間教育訓練費」につきましては、当期は個人能力の強化を目的に次期経営層に対する階層別研修を約8か月間実施いたしました。2024年3月期は、業務に必要な資格の取得に加え、階層別研修の対象範囲拡充や自己啓発の推進、更に女性活躍推進に向けた外部講師を招いての社内セミナーも実施予定です。

「係長級以上に占める女性の人数」につきましては、2022年5月に更新した女性活躍推進の行動計画において、係長級以上の女性社員の人数を2026年3月期までに6名とすることを目標としております。

 

年間教育訓練費(単体)

(単位:千円)

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

目標

35,700

38,700

実績

14,600

31,500

 係長級以上に占める女性の人数(単体)

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

目標

6名

6名

実績

4名

3名

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