企業兼大株主川崎重工業東証プライム:7012】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

[経営の基本方針]

 当社グループは、カワサキグループ・ミッションステートメントにおいて、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り拓く企業グループを目指しています。

 また、「選択と集中」「質主量従」「リスクマネジメント」を指針とし、資本コストを上回る利益を安定的に創出するとともに、社会課題に対するソリューションの提供を通じてSDGs達成に貢献すべく、経済的価値・社会的価値の2つの軸で企業価値を高める経営を推進していきます。

[中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題]

2020年11月から、当社グループの目指す将来像として「グループビジョン2030」を推進しています。現有主力事業の強化、事業間シナジー促進による将来の柱となる新事業育成、更に事業の選択と集中を行って事業ポートフォリオの変革を実現し、持続的な成長を追求します。

《注力するフィールド》

 新たな時代の社会課題を見据え、地球環境保護のための脱炭素社会の実現、先進国を中心とした高齢化社会・労働力不足への対応、医療などの種々の地域間格差の解消、自然災害の抑止や早期復旧、各種資源・物資やエネルギーの安定供給など、様々な社会課題に対するソリューションをタイムリーに提供するため、以下の3つのフィールドに注力しています。

「安全安心リモート社会」-ロボティクスとネットワークを活用した新しい価値の創出

 医療・ヘルスケア、ものづくり、産業インフラなど様々な分野で、当社グループが持つ遠隔操作・遠隔情報技術・ロボティクス等を用いて、安全かつ安心して暮らせる社会を創るとともに、リモート社会の実現によりすべての人々が社会参加できる新しい働き方・くらし方も提案していきます。

「近未来モビリティ」-人とモノの移動の変化・トレンドに素早く対応

 宅配需要やライフスタイルの変化に伴う個人モビリティ需要の増加など、人とモノの移動の変化・トレンドに素早く対応するため、無人で物資を運ぶヘリコプタや自動配送ロボットなど、新しい輸送・移動手段を提案し、豊かでスマートかつシームレスな移動が可能な社会を創造します。

「エネルギー・環境ソリューション」-クリーンエネルギーの安定供給に向けて

 カーボンニュートラル社会の早期実現に向け、世界に先駆けて水素サプライチェーンを構築します。また、当社及び国内連結子会社事業所のCO2排出を2030年までに実質ゼロにするという、自立的なカーボンニュートラルも推進します。世界各地で、様々な方法で作ることができる水素は、カーボンニュートラルだけでなくエネルギー安全保障面からも期待が高まっており、早期に水素社会を実現できるよう取組を加速します。更に、電動化なども含めた当社グループの脱炭素ソリューションを社会やステークホルダーの皆様にも幅広くその輪を広げ、2040年にZero-Carbon Ready、2050年にはグループ全体でのCO2排出量の実質ゼロを目指します。

《成長シナリオ》

2022年度に過去最高益を記録したパワースポーツ&エンジン事業等の量産系事業が全社の収益を支えていますが、国際線を含む航空需要の本格的な回復に伴い、航空宇宙システム事業をはじめとする受注系事業の収益が安定的に拡大し、当社グループの成長を牽引します。更に、水素事業や医療ロボット事業、近未来モビリティ等をはじめとする新規事業も収益の柱となり、安定した成長軌道を描くことを目指します。成長シナリオの実現のため、モノ売りからコト売りへのシフトなどのビジネスモデルの見直し、政府や自治体、他企業、研究機関との連携による新しい社会創造、ポートフォリオ改革・組織改革にも取り組み、高収益体質を実現していきます。

 それらを支える仕組みとして、デジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進し、データ活用による新たなソリューションの創出と業務プロセスの効率化・高付加価値化を追求し、経営の意思決定のスピードアップにも取組んでいきます。また、人財は成長シナリオを支える最も重要な財産であり、多様な人財の獲得・育成、その個性と能力を発揮する環境整備、前向きに挑戦し続ける人と組織の実現に向けて、各種施策も展開しています。人財を年齢に関係なくそのポテンシャルを最大限発揮できるポストに配置するなど、人事制度の刷新を含め様々な改革を絶えず推進できる企業風土が醸成されつつあります。

[経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題]

 世界経済は、各国の渡航規制の緩和による航空需要の増加や中国のゼロコロナ政策終了に伴う内需拡大などにより堅調に推移しており、国内においても、新型コロナウイルス感染症に関する各種規制が緩和され、サービス消費やインバウンドを中心として着実に回復に向かっています。一方、欧米各国を中心に高インフレや金融引き締めに伴う景気減速への警戒感が強まっており、世界経済の先行きや国内景気への影響については引き続き注視が必要です。

 このような状況の下、当社グループは収益性の向上に向け、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化、サプライチェーンの多様化に取り組んでいきます。また、経営資源の投入については、案件の厳選に努めつつも、注力する3つのフィールドについては、スピード感をもって積極的な投資を実行するなど、メリハリのある意思決定を行っていきます。資金面に関しても、前述の収益性向上や投資選別のほか、適正在庫の実現、資産圧縮などの対応策を進めることで、キャッシュ・フロー創出力の強化及び有利子負債の削減に努めていきます。

[経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等]

2022年度までは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標を、利益(営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益)及び資本効率を測る指標である投下資本利益率(税前ROIC = EBIT(税引前利益 + 支払利息) ÷ 投下資本(有利子負債 + 自己資本))としていました。

2023年度以降は、グループ全体として資本コストを意識した経営を推進する視点に立ち、資本市場からの要請に応え対話をより促進するため、利益(事業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益)及び税後ROIC※を指標とします。

 なお、2022年度は税前ROICに加え税後ROICも開示することとし、2023年度以降は一般的に理解しやすい税後ROICに統一する予定です。

 そして、世界GDP成長率を上回る売上高の成長を目指し、成長分野・新規事業への開発投資を継続しつつ、グループ全体として事業利益率は5~8%、統一後の指標である税後ROICは資本コスト(WACC)+3%以上を確保すべく努めていきます。これらの経営指標の改善の結果として自己資本利益率(ROE = 親会社の所有者に帰属する当期利益 ÷ 自己資本の期首・期末平均)の向上も図っていきます。

※税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)とします。これに伴い、税前ROICの投下資本も税後ROICの投下資本と一致させています。

[セグメントごとの戦略及び課題]

① 航空宇宙システム事業

P-1固定翼哨戒機・C-2輸送機の修理・部品供給を含めた量産の推進及び派生型機への展開と抜本的な防衛力強化という防衛省の方針に沿った活動強化、ボーイング既存機及び民間航空エンジンのコストダウン、需要回復に伴うサプライチェーン及び増産体制の再整備、市況変化を踏まえた技術戦略の見直し

② 車両事業

品質管理の強化、顧客ニーズに適合した技術・製品による差別化、コスト競争力の強化、海外プロジェクトのリスク管理強化、IoTを活用したメンテナンス事業及び軌道モニタリング事業参入等のストック型ビジネスの拡大、海外生産・海外調達及びパートナーシップの活用などグローバルな最適事業遂行体制の構築

③ エネルギーソリューション&マリン事業

 水素関連プロジェクトの研究開発・事業化の推進、コアコンポーネント強化とその組み合わせによる最適システム構築、分散型エネルギー供給システムの提案、新興国・資源国を中心とした海外事業の拡大、アフターサービス事業の強化、ガス関連船建造におけるコスト競争力の強化、船舶海洋事業における中国合弁会社の収益性改善

④ 精密機械・ロボット事業

 油圧事業は、新製品・戦略製品の早期開発・上市、アフターサービスビジネスの拡大、グローバル展開の加速によるコスト競争力の強化。ロボット事業は、それぞれの市場に応じた差別化による製品の付加価値向上、コスト競争力の強化、オープンイノベーションと協業の推進、デジタルプラットフォーム(Robo Cross)の構築、「hinotori™」を中心とする医療ビジネスの拡大

⑤ パワースポーツ&エンジン事業

“Kawasaki”らしい魅力ある新機種の継続投入、顧客に訴求する卓越した品質と信頼性、高いブランド価値の実現、新興国市場におけるコスト競争力の強化、連結ベースのマネジメントの徹底と効率化

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