岐阜造園 【東証スタンダード:1438】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、1927年の当社創業以来、一貫して街並みや住まいに緑の空間を提供する造園緑化事業を行ってまいりました。今後も引き続き、「街や暮らしに潤いを与える緑空間の創造」をコンセプトとして、分野や地域を限定することなく、幅広い視野を持って事業を展開してまいります。
また、環境問題が取り沙汰される昨今、緑を扱うプロフェッショナルとして、事業展開の場は拡大していくと認識しております。緑空間創造企業として使命を全うすることにも注力し、企業価値の向上に取り組んでまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、営業エリア展開等による事業規模の拡大と、予実管理の徹底による収益力の向上を目指しており、これらの目標を管理し実現するため、売上高、売上総利益率及び売上高経常利益率を経営指標として重視しております。
| 58期実績 | 59期予算 | ||
金額(千円) | 比率(%) | 金額(千円) | 比率(%) | |
売上高 | 5,002,157 | - | 5,150,000 | - |
売上総利益 | 1,372,731 | 27.4 | 1,488,796 | 28.9 |
経常利益 | 398,664 | 8.0 | 450,000 | 8.7 |
(3)経営戦略等
①職人型現場力による付加価値の高い造園緑化施設の提供
当社グループは、創業96年で培ったDNAを財産とし、工事監督やデザイナーであっても、いざとなればスコップを持って作業する能力や、重機等を操縦する技能、植物の取り扱いに関する知識を合わせ持っている「職人型現場力」を最大の強みとしております。この強みは、創業以来培った匠の技術が織りなす、観る人に感動を与えるエクステリアデザインによる顧客への提案力であり、当社グループが提案するエクステリアデザインを現実の造園緑化施設として実現する技術力の高さであることや、定められた期日までに安全かつ効率的に施工を完了させる長年の経験に裏付けされた施工管理のことであります。この強みを最大限活用することで、付加価値の高い造園緑化施設を提供することを目指しております。
②営業エリア拡大に向けた取り組み
当社グループは、当社において、本社・パインズ岐阜(岐阜県岐阜市)、名古屋支店(名古屋市西区)、東京支店(東京都千代田区)、パインズ長久手(愛知県長久手市)、大阪営業所(大阪市淀川区)の5拠点、そして、子会社である株式会社景匠館においては、本社(大阪市淀川区)、箕面店(大阪府箕面市)、四国営業所(香川県高松市)の3拠点の合計8拠点で営業活動を実施しております。特に中部及び関西エリアに拠点が多く、重点的な営業活動エリアではありますが、今後、事業を拡大するにあたっては、特に人口が集中している関東エリアにおける営業活動が必須であると考えております。関東エリアの都心部においては、都市型の施設に対応した壁面緑化や屋上緑化などのガーデンエクステリアや都市景観の構築を目的とした公園の再生緑化工事、メンテナンスなどのランドスケープをターゲットとしております。また、関東エリアでもその都市部近郊エリアでは、戸建住宅の高級造園工事などのガーデンエクステリアやショッピングモールや工場施設等の周辺における造園緑化工事などのランドスケープをターゲットとしております。
③アライアンスの積極的な推進による企業価値の増大
当社グループは、2020年5月に積水ハウス株式会社との間で業務提携契約を締結し、その一環として2020年6月には同社との間で資本提携を行っております。また、2023年2月には、同社との資本関係をより強化しております。同社とは、戸建住宅やマンション開発におけるガーデンエクステリアや大規模プロジェクトや宅地造成においてはランドスケープで協調関係を構築しております。当社グループの売上高全体に対する同社の比率は31.5%でありますが、同社とは取引関係だけでなく、相互の知見や技術を有効活用し、より一層、街や暮らしに潤いを与える緑空間創造企業としての使命を果たします。
④M&Aを活用した事業規模の拡大
当社グループが、事業規模を拡大するためには、優秀な人材の確保が欠かせません。当社グループは、職人による「匠」の技術による付加価値が最大の強みではありますが、その反面、事業規模を拡大する局面にあっては技術力のある人材確保が課題となります。当社はその解決策の一つとして、当社グループと同業種または近接業種の会社を対象としたM&Aによる人材確保も重要な経営戦略として考えております。M&Aを展開することでよりスピーディーな事業規模の拡大を目指しております。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行し、行動制限の大幅な緩和等により経済活動が回復しつつある一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰、欧米諸国での政策金利の引き上げに伴う大幅な為替変動等、景気に対する先行きは不透明な状況が継続しております。
そのような状況の中、企業活動においては、持続可能な社会へ向けた取り組みを行う企業が評価される時代となりました。当社グループは、造園緑化事業に特化した企業であり、社会からは、地球温暖化抑制に効果がある屋上緑化や壁面緑化を提供することが期待されております。当社グループとしては、そのような期待に応えるべく、以下の項目を優先的に対処すべき事業上の課題として取り組んでまいります。
①人材の確保、育成及び技能の伝承
当社グループが行う造園緑化事業では、設計や施工に関する技術は専門性が高く、熟練を要するため、一朝一夕では習得することが困難です。しかしながら、顧客に求められる品質・納期・価格を達成するためには、より多くの技術者を擁し、技術力を一層向上させることが必須であります。このため、今後の事業展開においては、優秀な人材の確保、育成及び技能の伝承が重要な課題となります。
人材の確保に関しては、優秀な人材確保という点においては、新卒・中途採用ともに業種を超えた競争状態にあります。このような状況において、当社は造園緑化事業の価値・魅力を積極的に発信するため、会社説明会の開催や合同企業展への参加、求人サイト・求人広告への掲載など、多彩なメディアを活用することに加え、インターンシップ制度の積極的な活用により、高等学校や大学との関係をより一層強化し、学生への認知度を高め、造園緑化事業として唯一の上場企業という優位性を活かすことで、優秀な人材の確保に努めてまいります。
人材の育成及び技能の伝承に関しては、人的資本への取り組みとして、詳細は「第2事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 ②人的資本への取り組み」に記載しております。
②営業エリアの拡大
事業規模を拡大するためには、現在の商圏に留まることなく、営業エリア拡大による新規の顧客の開拓が必須であると認識しております。このための具体的なエリア戦略として、現在の主たる営業エリアである中部及び関西エリアに加え、東京支店を中心に関東エリアにおける営業活動を強化してまいります。これに伴い、東京・大阪・名古屋を中心とした三大都市圏を拠点とし、その近郊へと営業エリアを拡大します。海外事業においては、新たにカナダにおける大規模体験型農場を受注しております。引き続き海外市場への進出も視野に入れてまいります。
③内部管理体制の強化
経営環境の変化に適応しつつ、更なる事業拡大を推進し企業価値を向上させるためには、内部管理体制の強化を通じた業務の標準化と効率化が重要な課題であると認識しております。当社では、取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を設置しております。それにより、取締役の指名・報酬決定に関するプロセスを明確にし、利害関係者の皆様への説明責任を果たしてまいります。
当社グループでは、内部統制の実効性の向上に向けた環境・体制を柔軟かつ適正に整備し、コーポレート・ガバナンスの充実に繋げていくことにより内部管理体制の強化に努めてまいります。
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