山陰合同銀行 【東証プライム:8381】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ課題全般
当行グループでは、持続可能な地域社会と当行グループの持続的な成長は一体であるとの考えのもと、サステナビリティ課題を経営の重要課題として認識し、サステナビリティ課題解決と中長期的な企業価値の向上の両立を目指して取り組みを進めています。
① ガバナンス
頭取を委員長とする経営会議メンバーで構成される「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関連する事項について協議を行い、取締役会に報告・監督を受ける体制を構築しています。
また、当行グループ全体でSDGs/ESGの取り組みを強化するため経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置し、グループ全体の活動を企画・推進しています。
本部内にSDGs/ESG推進ワーキンググループを設置し、組織横断的な取組推進を図るとともに、グループ内での取組強化を図るため、関連会社・関係会社で構成されるグループサステナビリティ連絡会を定期的に開催し、方針の共有、グループ全体の一体となった取り組みを図っています。
気候変動対応を含むサステナビリティ課題に対する具体的な取組状況について、サステナビリティ委員会及び取締役会への定期的な報告を実施しています。
《サステナビリティ推進体制》
《2022年度のサステナビリティ委員会での主な協議・報告事項》
当該事業年度においてサステナビリティ委員会を9回開催しています。審議テーマは以下のとおりです。
開催回(開催月) | テーマ |
第1回( 5月) | 金融庁「金融機関における気候変動への対応についての基本的な考え方(案)」を踏まえた今後の対応 |
生物多様性保全に関する対応 | |
第2回( 6月) | TCFD提言に基づくシナリオ分析 |
第3回( 7月) | TCFD提言に基づく気候変動対応にかかる開示 |
第4回( 8月) | サステナビリティレポート2022の発行 |
第5回( 9月) | ESG関連施策の取組状況と今後の方針 |
第6回(12月) | 金融経済教育にかかる取組方針 |
第7回( 2月) | GHG排出削減目標達成に向けた具体的な取り組み |
女性のエンパワーメント原則への署名 | |
第8回( 3月) | 2023年度ESG業務計画策定 |
第9回( 3月) | TCFDシナリオ分析対応方針 |
② 戦略
当行グループでは、現中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定するにあたり、国際的なガイドライン等 (国連グローバル・コンパクト、GRIスタンダード等)が示すサステナビリティ課題や外部環境・社会構造の変化を踏まえ、リスクと機会を把握し、課題先進地域における社会性と経済合理性のバランスをはかりながら、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。特定した10のマテリアリティ(下表)に対し、方針・戦略を策定し取り組みを進めています。
マテリアリティについては、急激な変化を続ける外部環境を踏まえ、サステナビリティ委員会や取締役会における議論を通じ適宜見直しをはかってまいります。
《特定したマテリアリティ》
| マテリアリティ | リスク・課題 | 機会 |
Environment | 環境ビジネスの取り組み | ・脱炭素社会への移行を踏まえた政策変更 ・自然災害の激甚化による被害 | ・脱炭素等社会的要請への適応支援 |
気候変動への対応 | |||
環境負荷の低減 | |||
Society | 地域の事業の存続・成長 | ・事業環境変動への対応 ・後継者不足 ・労働力不足 ・事業所数減少 | ・事業支援 |
安心・安全な社会の形成 | ・豊かな生活の形成 ・人口減少 ・高齢化 | ・資産形成のお手伝い ・ライフサイクルに応じた資金支援 ・買い物時の利便性向上 ・デジタル技術活用による手続き簡素化 | |
地域社会への貢献 | ・地域社会の活力低下 ・企業イメージの低下 | ・環境保全 | |
地域・お客様のSDGs/ESG後押し | ・将来の規制強化 ・サプライチェーンからの疎外 ・企業イメージの低下 | ・脱炭素等社会的要請への適応支援 | |
ダイバーシティ推進 | ・質の高い金融サービスを提供できる人材の育成 | ・多様な人材の活用 | |
Governance | グループガバナンス強化 | ・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク | ・意思決定の透明性向上 |
リスク管理の強化 | ・企業価値の毀損 |
③ リスク管理
当行グループでは、サステナビリティ課題を含む事業上のリスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築しています。当行が認識しているリスクの詳細は、第2「事業の状況」3「事業等のリスク」に記載しています。特にサステナビリティ課題の重要テーマである気候変動に関するリスク管理については、「(2) 気候変動への対応 ③リスク管理」に記載しています。
《リスク管理体制図》
④ 指標と目標
サステナビリティに関する重要課題について指標と目標を設定しています。主要な指標と目標については、「(2)気候変動への対応 ④指標と目標」及び「(3)人的資本 ②指標と目標」を参照ください。
(2) 気候変動への対応
近年、世界的に異常気象や大規模な自然災害による被害が甚大化する中、気候変動対応は世界共通の課題となっており、お客様や当行グループにとって事業環境や経営そのものに大きな影響を及ぼす要素になりつつあります。
こうした状況を踏まえ、当行グループでは気候変動への対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、ガバナンス体制を強化するとともに、気候変動の事業への影響分析や機会・リスクへの適切な対応への取り組みを進めています。
当行グループでは、2021年4月にTCFD提言に賛同し、同年よりホームページ、統合報告書及びサステナビリティレポートにて、TCFD提言を踏まえた情報を開示しています。2022年度からは移行リスクや物理的リスクにおけるシナリオ分析を実施し、2050年までの影響額の推計値(最大値)を公表しております。今後もリスク管理及び情報開示の高度化に取り組んでまいります。
① ガバナンス
気候変動に対するガバナンスは、サステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ課題全般 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
当行グループでは2019年5月に「サステナビリティ宣言」を制定し、持続可能な地域社会の実現に向け、気候変動対応を含む環境保全への対応を重点的に取り組む事項として定めています。気候変動対応を重要な経営課題の一つとして位置付け、機会及びリスクの両面から取り組みを進めています。地域金融機関として商品・サービスの提供を通じ、地域やお客様の気候変動対応を支援するとともに、当行グループの事業活動に伴う環境負荷低減の取り組みを推進してまいります。また、気候変動に関連するリスクについて、気候変動に伴う自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる物理的な被害に伴うリスク(物理的リスク)と、気候関連の規制強化や脱炭素に向けた技術革新への対応といった脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)を認識しています。
A.機会
(A) サステナブルファイナンス・コンサルティングの取り組み
再生可能エネルギー事業等にかかるグリーンファイナンスや脱炭素に向けた移行を促進するトランジションファイナンス、気候変動に対応する事業者を支援するコンサルティングへの取り組みは、当行グループのビジネス機会になると認識しています。
(B) 再生可能エネルギー発電事業への参入
地域における再生可能エネルギーの供給量不足や脱炭素経営への転換の遅れ等の課題を認識する中、これらの課題解決に貢献するため、2022年7月に当行100%出資による再生可能エネルギー発電事業を営む子会社「ごうぎんエナジー株式会社」を設立しました。同社では再生可能エネルギーの供給量増加と地産地消の推進を担い、地域脱炭素・カーボンニュートラルの早期実現と再生可能エネルギー利用拡大による地元企業の競争力強化等を通じ、地域と企業の成長戦略につなげていきます。
B.リスク
(A) 物理的リスク
気候変動による自然災害等の発生により、資産や事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大や、当行グループの営業店舗等の損壊によるオペレーショナル・リスクを想定しています。
《物理的リスクの例》
| 物理的リスクの主な内容 |
急性的 | ・台風や洪水などの極端な天候事象による被害の増加 |
慢性的 | ・降水パターンの変化と天候パターンの極端な変動 ・上昇する平均気温 ・海面上昇 |
(B) 移行リスク
気候関連の規制強化や脱炭素化に向けた技術革新の進展等により、事業活動に影響を受ける投融資先に対する信用リスクの増大等を想定しています。
《移行リスクの例》
| 移行リスクの主な内容 |
政策と法規制 | ・温室効果ガス排出価格(炭素税)の上昇 ・既存の製品及びサービスに関する規制 ・訴訟 |
テクノロジー | ・温室効果ガス排出量の少ない製品やサービスへの転換 ・新技術への投資の失敗 ・低排出技術への移行コスト |
市場 | ・顧客行動の変化 ・原材料価格の上昇 |
評判 | ・消費者の嗜好の変化 ・特定の多排出セクターへの非難 ・ステークホルダーの関心の高まりやネガティブなフィードバック |
C.シナリオ分析
気候変動に関連するリスクと機会が当行の財務に及ぼす影響を評価するため、シナリオ分析を実施しています。分析にあたっては、与信費用への影響が最も大きいと想定される、気候変動による自然災害の増加や脱炭素社会の実現に向けた各種規制強化等を前提としています。シナリオ分析にあたっては、分析対象の範囲拡大や財務への影響の精緻化・高度化に継続的に取り組んでまいります。2022年度に分析を行った結果は以下のとおりです。
(A) 物理的リスク
近年全国的に頻発している水害による与信関連費用への影響について、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2℃以下シナリオを含む複数のシナリオを用い、当行の保有する担保物件が毀損する被害が及ぼす信用コストへの影響を推計しています。
分析の対象としたリスク | 豪雨による河川の氾濫等により生ずる浸水によって担保物件(建物)が毀損するリスク |
対象先 | 建物を担保提供いただいている与信取引先 |
参考としたシナリオ (IPCC) | ・RCP1.9(1.5℃シナリオ) ・RCP2.6(2.0℃シナリオ) ・RCP8.5(4.0℃シナリオ) |
対象期間 | 2050年まで |
分析結果 | 最大28億円 |
(B) 移行リスク
気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)の2℃以下シナリオを含む複数シナリオ下において、気候変動対応として炭素税が導入された場合の、与信取引先の費用負担が信用コストに与える影響を推計しています。
分析の対象としたリスク | 炭素税が導入された場合の費用負担増加により、与信先の財務内容が悪化するリスク |
対象先 | 財務情報を提供いただいている与信取引先(法人) |
参考としたシナリオ (NGFS) | ・Net Zero 2050(1.5℃シナリオ) ・Nationally Determined Contributions(2.0℃シナリオ) ・Current Policies(4.0℃シナリオ) |
対象期間 | 2050年まで |
分析結果 | 最大75億円 |
D.炭素関連資産(貸出金残高)の状況
当行の2023年3月末における貸出金残高に占める炭素関連資産の割合は以下のとおりです。
炭素関連セクター | 割合 |
エネルギー | 2.4% |
運輸 | 8.4% |
素材・建築物 | 14.7% |
農業・食糧・林業製品 | 4.8% |
③ リスク管理
気候変動を含む環境への取り組みを経営の重要課題の一つとして認識し、気候変動への対応方針を含む「サステナビリティ宣言を踏まえた投融資方針」を策定しています。
気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、中長期にわたり当行グループの事業内容・戦略・財務内容に影響を与えることを認識しています。当行グループでは、リスク管理を経営の安定性・健全性を維持するための最重要課題として位置付け、取締役会を頂点とするリスク管理態勢を構築していますが、今後、気候関連リスクについても、統合的リスク管理のプロセスへの組み入れを検討してまいります。
④ 指標と目標
当行グループでは、地域のサステナビリティやカーボンニュートラルの実現に向け、以下の指標と目標を設定し、取り組みを進めています。
A.温室効果ガス排出削減
当行グループでは、温室効果ガス排出削減の取り組みを進めるため、中期経営計画(2021年度~2023年度)において2023年度を目標年度とした温室効果ガス排出量削減目標や2030年度及び2050年度のカーボンニュートラル中長期目標を設定しています。
《指標と目標・実績(連結)》
指標 | 目標 | 実績 |
温室効果ガス排出削減 | (中期経営計画目標) 2023年度に2013年度比50%削減(Scope1,2) | 7,620t-CO2 (2013年度比▲38.8%) |
(カーボンニュートラル中長期目標) 2030年度までにScope1,2ネットゼロ | ||
2050年度までにScope1,2,3ネットゼロ | ―(※1) |
《温室効果ガス排出量の推移(連結)》
計測項目 | 単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
温室効果ガス | Scope1(直接排出) | t-CO2 | 1,512 | 1,483 | 1,396 |
Scope2(間接排出) | t-CO2 | 7,480 | 6,623 | 6,224 | |
合計(Scope1+Scope2) | t-CO2 | 8,992 | 8,106 | 7,620 |
当行グループの温室効果ガス排出量推移は上記のとおりです。2022年度は排出量削減の取り組みとして、新築移転した2店舗のZEB化(※2)をはじめ、LED照明の導入や空調設備の更新等、環境に配慮した事業活動に取り組んでいます。2023年度より主要拠点である本店ビル及び鳥取営業本部ビルで使用する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを行うなどの更なる温室効果ガス排出削減に取り組んでまいります。
※1 Scope3については、計測対象が一部にとどまっていることから実績の記載は省略しています。
※2 ZEBはNet Zero Energy Buildingの略で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目指した建物。安来支店(2022年10月竣工)をZEB、浜田支店(2023年3月竣工)をZEB Ready店舗として新築。
B.サステナブルファイナンス実行目標
地域の環境課題・社会課題解決に向けて、2021年度から2030年度までの10年間におけるサステナブルファイナンスの新規実行累計額を中長期目標として設定しています。
《指標と目標・実績》
指標 | 目標 | 実績 |
サステナブルファイナンス 新規実行累計額 | 2021年度~2030年度 1兆5,000億円 (うち環境分野5,000億円) | 累計 2,717億円 (うち環境分野1,093億円) 〈内訳〉 ・2021年度 1,277億円(うち環境分野 455億円) ・2022年度 1,440億円(うち環境分野 638億円) |
《サステナブルファイナンスの定義》
サステナブルファイナンスは、各種国際原則や政府の指針・ガイドラインに適合するファイナンスやそれらの原則・指針・ガイドラインに示されている対象事業・資金使途の例示等に合致する環境課題・社会課題の解決に資する投融資を対象範囲としています。
分野 | 事業 |
環境分野 | 気候変動緩和と適応及び環境配慮に資する事業 例)再生可能エネルギー事業、省エネルギー事業、脱炭素・低炭素事業等 |
社会分野 | 地域経済活性化及び持続可能な地域社会に資する事業 例)基本的インフラ整備、必要不可欠なサービス、雇用創出等 |
(3) 人的資本
当行は「地域の夢、お客様の夢をかなえる創造的なベストバンク」を経営理念に掲げ、地域・お客様の課題解決を通じて、地域やお客様と共に持続的な発展・成長の実現を目指しております。
経営理念の実現を支える最大の柱は人材であり、中期経営計画において、人材育成の強化、働きやすい職場環境の整備を経営上の重要課題であると認識しております。
経営戦略と連動した人材戦略の実践を通じて、長期ビジョンの実現、更に経営理念の実現に向け、人的資本への取り組みを強化してまいります。
① 戦略
当行グループでは、人材戦略や人材育成方針及び社内環境整備方針をサステナビリティに関する重要事項の一つとして捉え、経営執行会議・サステナビリティ委員会、取締役会等での審議を経て決議しています。
イ 人材育成方針
A 全体方針
経営理念の実現に向け、長期ビジョンで掲げている『No.1の課題解決力で持続的に成長する広域地方銀行』を実現するため、社内外で通用する高い専門性を有す人材の育成に取り組みます。そのために、質の高い成長機会を提供するなど、人材へ積極的に投資を行い、従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成をサポートします。
B 取組方針
(A) 多様な人材の確保・戦力化
新卒採用におけるコース別採用の活用やリファラル採用、キャリアリターン制度など経験者採用チャネルの拡充・多様化により、性別・年齢・国籍を問わず、多様な人材を積極的に採用しています。
(B) 質の高い成長機会の拡充
一人ひとりの成長を加速させるためには、実践の場である「良質な育成機会」を増やすことが重要との考えのもと、社内外のプロ人材との交流拡充などにより実践力向上を重視した研修・トレーニーの拡充に取り組んでいます。
(C) 自律的なキャリア形成をサポート
・個々人の能力の可視化を通じて、一人ひとりのレベルに沿った効果的かつ効率的なOJT、研修、自己啓発に取り組むことができる体制整備を進めています。
・一人ひとりのキャリアプランに沿った配置や自律的な学びの機会の提供など従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成をサポートすることにより、モチベーションの維持・向上に取り組んでいます。
ロ 社内環境整備方針
A 全体方針
当行グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境を実現します。
・高いエンゲージメントの実現
従業員と一体となり双方の成長に貢献し合う関係を構築することにより、従業員一人ひとりの働きがいを創出し、高いエンゲージメントの実現を図ります。
・ダイバーシティー&インクルージョンの実現
性別や年齢、障がいの有無等にとらわれず、従業員一人ひとりの価値観や適性を尊重し、かつ従業員が柔軟で働きやすい職場環境を実現します。
・心身の健康の実現
全ての従業員が安心して働き続けることができるよう、心身両面での健康サポートを行います。
B 取組方針
(A) 高いエンゲージメントの実現
2022年度より、当行グループ全従業員に対し「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施し、組織のエンゲージメント状況の可視化に取り組んでいます。本サーベイにより、当行グループ及び職場単位の強みや課題を明確にしたうえで、より良い職場の実現に向けた改善活動に取り組みます。
(B) ダイバーシティー&インクルージョン
多様な人材一人ひとりのライフステージに応じた柔軟な働き方の実現、ワークライフバランスの充実を図り、働きやすく長く活躍できる職場環境作りに取り組みます。
<女性活躍推進>
a 女性管理職比率の向上
所属長への登用など、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、女性管理職比率は年々向上しております。今後も多様なキャリアパスを提示し、女性の挑戦意欲向上を図ることにより、積極的なポスト登用に取り組みます。
《職位別の女性比率(連結)》
| 当連結会計年度 |
課長相当職以上 | 20.7% |
係長相当職以上 | 26.5% |
b 男女間の賃金差異の改善
・同一労働における男女間賃金格差はございません。
ただし、正規労働者については、主に平均勤続年数(年齢)の差異、管理職比率の差異、転居を伴う転勤を許容する者に支給するフリー手当受給者割合の差異などが男女間の賃金差異に影響しています。〔参考指標1に記載〕
加えて、全労働者の賃金格差については、非正規雇用者のうち女性の占める割合が8割超であるなど雇用形態別人員割合の差異などが影響しています。〔参考指標2に記載〕
・当行の人材戦略の柱である「能力を最大限発揮できるウェルビーイングな職場環境の実現」を進めるうえで、2022年度に立ち上げました「女性活躍推進チーム」を中心とした活動などを通じて、家庭と仕事の両立をサポートするなど、長く能力発揮できる職場環境作りに取り組むことにより、男女間の賃金差異の改善に取り組みます。
《男女間の賃金差異(連結)》
対象 | 当連結会計年度 |
全労働者 | 45.9% |
うち正社員 | 55.8% |
うち非正規雇用者 | 80.6% |
〔参考指標1〕※正社員のみ(出向者を含む)
男女別の平均年齢・勤続年数(連結)
項目 | 男性 | 女性 |
平均年齢 | 44.7歳 | 38.5歳 |
平均勤続年数 | 20.9年 | 15.0年 |
男女別の管理職比率(連結)
項目 | 男性 | 女性 |
管理職比率(課長相当職以上) | 79.3% | 20.7% |
管理職比率(係長相当職以上) | 73.5% | 26.5% |
男女別のフリー手当受給者割合(山陰合同銀行単体)
項目 | 男性 | 女性 |
フリー手当受給者割合 (注)1 | 83.4% | 7.6% |
(注)1 転居を伴う転勤を許容する者に支給する手当。
なお支給しているのは山陰合同銀行のみ。
〔参考指標2〕
雇用形態別人員割合(連結)
項目 | 男性 | 女性 | ||
正社員 | 1,070名 | 51.8% | 995名 | 48.2% |
非正規雇用者 | 176名 | 15.5% | 961名 | 84.5% |
※年間の平均人員にて算出。
c 男性労働者の育児休業等取得率の向上
育児や家事等の役割分担に対する固定概念を払拭し、一層の女性活躍を後押しするため、男性労働者の育児休業取得を促進しております。育児休業を子が3歳の誕生日の前日まで取得できる制度を設けるなど、取得しやすい環境の整備に取り組んでいます。
引き続き取得環境の整備や従業員意識の変革を図ることにより、取得率向上に取り組みます。
《男性の育児休業等取得率(連結)》
| 当連結会計年度 |
育児休業等の取得割合 | 82.7% |
育児休業等と育児目的休暇の取得割合 | 100.0% |
<多様な人材の活躍>
・性別・年齢・国籍を問わず、柔軟な採用に努めており、リファラル採用制度やキャリアリターン制度などの採用チャネルを拡充し、積極的に経験者採用を実施しています。1級建築士や弁護士、精神保健福祉士など金融業務に限らず幅広い人材を採用しています。
・当行は、障がいのある方が専門的に就労する事業所を島根(2007年開設)、鳥取(2017年開設)の2か所で運営しており、計32名(当事業年度末現在)が在籍しています。それぞれの能力を活かし、絵画制作を通じて創出される経済価値を地域の障がい者就労支援事業へ間接的に還流させる取り組みや、ITスキルを駆使した事務サポートや業務効率化など幅広く活躍しています。
(C) 心身の健康の実現
・2018年9月に「健康経営宣言」を策定し、頭取を健康づくりの責任者としてグループ一体となり従業員一人ひとりの心と身体の健康の保持・増進を図っています。なお、経済産業省及び日本健康会議が実施する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)ホワイト500」に5年連続認定されました。また、当行グループ関連会社7社も「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定を受けました。
・従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上を支援するため、2022年度は従業員持株会の奨励金引上げ(※)、全従業員を対象とした当行役員による金融教育などに取り組んでおります。なお、確定拠出年金については、対象者の約8割が自己資金を上乗せして積み立てるマッチング拠出を活用しています。今後も確定拠出年金の商品の拡充や金融教育の拡充など従業員の経済的な安定を支援する取り組みを継続的に行います。
(※)毎月の拠出額1口(1,000円)につき支給する奨励金の額を80円から100円に増額
② 指標と目標
・人材育成方針に沿ったそれぞれの指標・目標(連結)は以下のとおりです。
〔指標〕
取組項目 | 指標 | 当連結会計年度 | |
多様な人材の確保 質の高い成長機会の提供 自律的なキャリア形成のサポート | 1 | 経験者採用人数 | 13名 |
2 | 育成にかかる人的投資額 | 300百万円 |
〔目標〕
1 採用チャネルの拡大(リファラル採用制度、キャリアリターン制度拡充など)に取り組むことにより、経験者採用の強化を図り、年間20~30名程度の採用を目指します。
2 自己研鑽やリスキリングを後押しすることを目的として、2023年7月よりキャリアアップ手当を新設するなど、今後も人材に対する投資を拡充します。なお、算出定義は、行内研修・セミナー・勉強会・eラーニングにかかる費用、行外研修参加費用、自己啓発奨励金、研修にかかる旅費、研修受講時の人件費、内部研修講師の人件費、研修出向者の人件費を含んでおります。
・社内環境整備方針に沿ったそれぞれの指標・目標(連結)は以下のとおりです。
〔指標〕
取組事項 | 指標 | 当連結会計年度 | |
高いエンゲージメントの実現 | 1 | エンゲージメント・レーティング | BBB |
2 | 離職率(全体) | 5.1% | |
離職率(新卒3年以内) | 13.8% | ||
ダイバーシティー& | 3 | 女性管理職比率(課長相当職以上) | 20.7% |
女性管理職比率(係長相当職以上) | 26.5% | ||
4 | 男性育休取得率(育児目的休暇含む) | 100% | |
5 | 障がい者雇用比率 | 2.7% | |
心身の健康の実現 | 6 | 有給休暇取得率 | 89.0% |
7 | 月間平均時間外労働時間 | 5時間46分 |
〔目標〕
1 サーベイ結果に基づく当行グループ一丸となった組織改善活動により、よりよい職場環境の実現を目指します。なお、指標には2023年2月に初めて実施した株式会社リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」によるエンゲージメントサーベイの結果を示しております(全11段階に分かれており、現行「BBB」は、「AAA」「AA」「A」に次ぐ上位から4段階目のレーティングであり、金融業界平均「BB」、従業員1,000名以上企業の平均「B」よりも高い水準)。
2 離職率は低水準を維持しています。今後もエンゲージメント向上への取り組みなどを通じて、本水準の維持・低下を目指します。なお、新卒3年以内の離職率は、2020年度新卒入行の従業員を対象に算出しています。
《参考指標》
全体:離職率(一般労働者)11.1% 離職率(金融業・保険業)9.3%
出典:厚生労働省 令和3年雇用動向調査
新卒3年以内:離職率 31.5%(大学卒)、同(金融業・保険業)25.1%
出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)
3 女性の所属長への積極登用などにより比率は向上しており、現中期経営計画にて掲げる女性管理職比率(係長相当職以上)25.0%以上(2023年度末目標)を上回る水準となっております。引き続き、性別に関係なく能力に応じた登用などにより、さらなる比率の向上を目指します。
4 引き続き、取得しやすい職場環境整備などにより、比率の維持を目指します。
5 地域で障がい者の自立を支援する取り組みを継続し、比率の向上を目指します。
6 引き続き、取得しやすい職場環境整備などにより、比率の向上を目指します。
7 生産性の向上などにより、時間外労働時間の縮減を目指します。なお、法定労働時間(1日8時間)を超えて労働した時間を基に算出しています。
- 検索
- 業種別業績ランキング