企業山喜東証スタンダード:3598】「繊維製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

 当社グループは、創業以来「最大の企業たらんより最良の企業たれ」を社是とし、常に豊かな感性と大胆な発想によって時代の変化に対応した様々なシャツファッションを提案し、生活文化の向上に貢献することを基本理念としております。

 また、「株主・顧客・社員・取引先から信頼される企業」を行動指針とし、収益の向上とともに共存共栄を図ってまいります。

(2)中長期的なグループ経営戦略

2023年度からスタートした「新中期3ヵ年経営計画」に掲げた基本方針を着実に実行することで、売上の拡大と収益の回復に取り組んでおります。

① 「FANFUN150」のスローガン

 お客様に一生を通してシャツを選んでいただく楽しさ、お客様がシャツに袖を通す喜び、当社の商品を通して山のような喜びをご提供することで、山喜のファンになっていただくこと。つまり新規顧客へのアプローチにより、山喜のファンを150倍に増やすこと・・・『FAN』

 そのためには、シャツの広がりを創造する楽しさ、お客様の生活文化の向上に貢献できる楽しさ、お客様の幸せな笑顔を感じる楽しさを追求し、2025年度(第74期)には、売上高150億円を達成し、全社員が楽しみながら仕事をし、生活を豊かにしていくこと・・・『FUN』

 以上のような想いが、このスローガンには込められています。

② オリジナルブランドの構築

 百貨店チャネルのドレスシャツ売場におきましては、継続して実施している「CHOYA」ブランドのコーナー化・一社化・ショップ化の営業政策により、既製ドレスシャツのシェアは75%、同じくオーダーシャツのシェアも75%と高水準を維持しております。既製ドレスシャツにつきましては、「CHOYA」ブランドの超形態安定シャツ・スリムフィットに加え、地域特性・店舗特性に適応した新たなスタイルと価格のバリエーションを提案強化しており、加えてレディースシャツの展開を拡充することで、さらなるFAN獲得を図ってまいります。

 オーダーシャツにつきましては、ライセンスブランドの絞り込みに伴い、「CHOYA」ブランドの品揃えを充実させるなど、店頭フェイスの拡大を図ることで、お客様への認知度をアップさせております。

 量販店チャネルの消費者直販型事業である「SHIRT HOUSE」におきましては、前連結会計年度末の109店舗から、当連結会計年度末では119店舗まで増加しております。既に展開しているSWANグリーンレーベルに加え、更にホワイトレーベル・ブルーレーベル・ブラックレーベルのラインナップを増やすことにより、SWANブランドのフェイス拡大と、当社一社化の売り場へもチャレンジしてまいります。

③ BtoCの強化による収益アップ

 消費者直販型事業(BtoC)の強化におきましては、自社サイトである山喜オンラインショップの会員数が、前連結会計年度末の26,651名から、当連結会計年度末では、33,144名にまで増加しました。今後、ネット販売における営業人員のスキルアップ、人員補強を継続的に行いながらカスタマーサービス、システム面の補強を行い運営体制の強化を進め、さらなる売上・収益の拡大を図ってまいります。

 百貨店チャネルの既製ドレスシャツ・オーダーシャツ売場の消費者直販型事業におきましては、取引形態の消化売上移行による条件改定、小売価格のアップ等により、収益が拡大しております。今後は、都心大型百貨店の販売員増によるシェアアップを図り、継続的に進めている消化売上店舗の拡大と、直営店の新規出店も視野に入れ、収益拡大に努めてまいります。

 量販店チャネルの消費者直販型事業である「SHIRT HOUSE」は、量販店ドレスシャツ売場で当社商品によるコーナー展開をしているコンセ店舗です。この「SHIRT HOUSE」におきましては、小売価格の見直し、コーディネイト販売の強化、店頭販売員のスキルアップの教育などを徹底したことにより、売上・収益面ともに順調に推移しております。引き続き、1店舗あたりの運営効率を向上させるために、無人店舗を減らし販売員付きのコンセ売場を拡充することにより、売上の拡大を図ってまいります。

④ ドレス・カジュアル・レディース・ユニフォームの新商品開発と売上拡大

 ドレスシャツにおきましては、2024年春物のフレッシャーズ商戦は、やや盛り上がりに欠けましたが、前期から継続して実施している納品価格交渉の成果と、為替予約方法の見直しにより、粗利率は改善できました。

 カジュアルにおきましては、3月に入っても気温が上がらず、春物については一部苦戦を強いられましたが、秋冬から展開している3WAYアウター等の動きが良く、シーズンレスで着用可能な商品は好調に推移しました。

 レディースにおきましては、専門店各社のフレッシャーズ需要が、立ち上がりは低迷しましたが、後半戦の3月は好調に推移しました。

 ユニフォーム関連におきましては、イージーケア性に優れたトリコット素材を使用した商品が好調に推移しており、同素材を使用したスクールシャツの提案など、新商品を強化することで、売上の拡大を図っております。

 また、2025年春夏物に向けては、吸湿吸熱冷感機能のキシリトール・ドットコーティング加工素材の強化、遮熱性効果素材「サンシェルタ」ブラウスなど、新商品の提案を強化し、受注拡大に努めております。

(3)経営環境、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 国内アパレル業界をめぐる環境は、物価上昇による消費者の買い控えや、コロナ禍による一時的な需要回復の停滞などにより、依然として厳しい経営環境が続いております。

 国内小売市場は、オムニチャネル化の進展、デジタルマーケティングの拡大、消費者ニーズの多様化に加え、サステナビリティへの取り組みや、SDGsなど、環境配慮に対する考え方は、ますます重要になっております。

 また、世界的なエネルギー資源の高騰や、日米金利差等による円安ドル高の影響により、原副材料価格の上昇や、生産拠点における製造原価の高騰などが予想されます。また、国内におきましても労働需給の逼迫による人件費、物流費などの上昇により、販売・流通コストはさらに、上昇傾向にあります。

 このような状況に対応すべく、2024年度に2年目を迎える「新中期3ヵ年経営計画」を継続的に実行するとともに、百貨店、量販店のドレスシャツ売場での当社オリジナル商品のシェア拡大と取引条件の改定、山喜公式サイトを中心としたネット販売の売上拡大、品質、コスト競争力によるアパレル、セレクトショップ、シャツ専門店でのシェア拡大、差別化商品の企画開発力の強化による専門店、量販店のストアブランドの受注拡大、小ロット短サイクル生産の構築によるカジュアル事業、レディース事業での新規受注拡大、自社工場におけるドレスシャツ以外の多様なアイテムに対応すべく技術開発力を強化し、ユニフォーム事業での官公庁や企業の制服等の新規受注拡大など、継続的に進めている各施策をさらに強化していくことで、売上および収益のさらなる拡大を目指してまいります。

 また、今後の運転資金需要に備えて、取引金融機関とシンジケート型のタームローンを引き続き契約し、手元流動性の高い現金及び預金を確保するとともに、当座貸越枠も継続しており、短期間での手元流動性の問題は生じないと考えております。さらに、キャッシュ・フローの改善策の一環として、仕入抑制と在庫販売の強化による製品在庫の削減も引き続き実行していくことで、有利子負債の削減にも努めてまいります。

(4)目標とする経営指標

 当社グループは、転換期を迎えているアパレル業界において、事業戦略の見直しや新規事業を検討、次なる成長への対策を講じ、2年後の2025年度(第74期)には、売上高150億円、経常利益4.3億円を目標として、業績の回復と収益基盤の安定化に努めてまいります。

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