企業兼大株主山九東証プライム:9065】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、「人を大切にすることを基本理念とし、お客様にとってなくてはならない存在としての山九を築きます。そして、社業の発展を通じて社員の福祉向上並びに社会の発展に貢献します。」とする経営理念のもと、各事業分野における豊富な実績と、技術・技能に裏付けられた質の高いサービスを提供することにより、お客様・株主・従業員・社会(地域)から信頼を獲得し、世の中から選ばれる企業であり続ける事を目指してまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 世界の人口構造変化、地政学的リスクの高まり、気候変動対応やデジタル技術の進展に伴う競争激化など、当社グループを取り巻く環境は、先を見通すことが難しい混沌とした状況が続いています。そのような環境下、我々の最も重要な経営資源である「人」の確保に関わる労働力不足の問題をはじめ、サプライチェーンの変化、カーボンニュートラル、DXなど、様々な事業環境変化による課題への対応が迫られています。

このような状況を踏まえ、2023年度を初年度とする「Vision2030」、「中期経営計画2026」を策定いたしました。当計画に基づき、急速に変化する事業環境においても、世界の産業を支え続けるという使命を果たしていけるよう、取り組んでまいります。

<Vision 2030>

1.パーパス

「心に「Thank you」を、世界の産業に山九を。」

私たち山九は自分たちを取り巻く様々な人たちへ常に感謝の念を忘れません。

その想いを分かち合うパートナーとともに、 

新たな価値を創造し、世界の産業とその先にある暮らしを支え続けます。

 

2.あるべき姿

「人・社会・環境への感謝」を事業で実現する人間力企業

 

3.長期経営戦略2030

あるべき姿を実現するための3つの方針

方針1.事業ポートフォリオのマネジメントと再構築

    将来の事業環境変化に備え、人財・投資を適切に管理し、経営資源を最適配分する仕組みの構築

     ・経営資源の有効活用を目的とした事業ポートフォリオマネジメント

    ・データ活用による経営意思決定の高度化(経営の見える化)

 

方針2.既存顧客の領域拡大(ビジネスモデル革新)

    最新技術の活用による生産性向上と新たな付加価値サービスの構築

    ・現場の知恵とテクノロジーを融合した事業モデルの構築(DX)

    ・サービスの付加価値創造(人にしか出来ない作業の追求)

 

方針3.成長市場への挑戦

    ソリューション力を高め、社会課題解決への対応力強化

    ・山九グループの強みを活かした新規事業創出

    ・海外(グローバル)展開の強化

    ・グリーン成長戦略の強化

 

<中期経営計画2026> 

1.4つの基本戦略

(1)既存事業の収益強化

世の中の変化が加速する中においても、中期4年間においては、既存領域における需要は旺盛であると見込んでいます。安全・品質・技術・技能・生産性を徹底的に高めて差別化を図り、顧客ニーズを捉え、確実な案件獲得に繋げてまいります。

 

(2)海外事業拡大

日本で培った事業のノウハウ・強みを活かして海外展開を拡大してまいります。日系企業に留まらず、現地の有力企業との取引拡大を見据え、海外ナショナル社員の育成拠点整備、物流施設の整備を進め、サービスレベルの高度化、グローバルな人財の流動化を図ることで、海外売上高比率を高めてまいります。

 

(3)グリーン機会の獲得・準備

主要顧客においても、既にカーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでおり、将来の機会獲得に向けた積極的な顧客へのサポートや、必要な技術・人財等への先行投資を行ってまいります。再生可能エネルギー関連等の事業拡大も図り、既存事業の需要を獲得しながら、将来の事業機会獲得に備えることで、継続的な事業拡大・成長を図ってまいります。

 

(4)新規事業領域進出

我々がこれまで培ってきた物流・操業・設備工事・メンテナンスなどの既存の強みを活かし、新たな事業領域への拡大に挑戦することで、事業の可能性を広げてまいります。

 

2.基本戦略を支える機能強化と経営基盤強化

(1)機能強化

①人財強化

事業拡大に必要な人財を確保・育成し、個人の能力と組織のパフォーマンスを最大化

②DX推進

現場力(人)とデジタル/先進技術を融合し、生産性向上とビジネスモデル変革を推進

③パートナー連携強化

パートナーとの協調・協創による機能の補完・拡充

 

(2)経営基盤強化、リスクマネジメント

安全・品質・コンプライアンス・ガバナンス強化の継続、及び多様化する事業環境変化に対して、中期計画を確実に進めるためのリスクマネジメントの強化を行ってまいります。

 

3.各事業戦略

基本戦略に基づき、物流・機工各事業の戦略を策定し、持続的成長に向けた取り組みを推進してまいります。

 

(1)物流事業

物流事業においては、2026年のあるべき姿を「顧客ロジスティクスの最適化・高度化を担うソリューション企業」と定め、2030年の長期に向けては、個別の顧客から業界全体の最適化を提供することを目指してまいります。あるべき姿の実現に向け、以下の戦略を推進してまいります。

 

①既存の強みを活かした事業展開

ターゲット業界とエリアを絞り、特定業界や地域に経営資源を集中することで効率的に事業拡大を図ってまいります。既存の強みである、化成品、鉄鋼、電気・電子部品、自動車部品などの業界を中心に、国際ネットワーク・港湾・3PL・輸配送・構内等のメニューを用い、顧客に対する最適物流ソリューションの提案を行うことで、事業を拡大してまいります。また、リサイクルなどの世の中のニーズに合わせて、グリーン物流領域など、新しい事業創出にも挑戦してまいります。

 

②デジタル化・自動化とデータ連携強化

事業拡大の最も重要な要素として、デジタル化・自動化等による顧客とのデータ連携強化を図ってまいります。基幹システムの再構築によるビッグデータの蓄積、自動化・省力化設備の積極的な導入により、顧客の最適なサプライチェーンの構築、CO2削減、生産性向上などに寄与する、ソリューション物流企業を目指してまいります。

 

③パートナーとの協調・協創、不足機能の補完・拡充

国内外において事業拡大のために補完・拡充が必要な機能については、外部パートナーとの協調・協創を推進することで、目標達成を目指してまいります。

 

(2)機工事業

機工事業においては、2026年のあるべき姿を「基盤事業の盤石化と成長事業への挑戦」と定義し、2030年の長期に向けては、保全・工事ノウハウを進化させ、世界の成長領域で戦えるポジションの確立を目指してまいります。あるべき姿の実現に向け、以下の戦略を推進してまいります。

 

①収益基盤となる事業の深化と強化

既存の主要業界である、石油・化学・鉄鋼の分野においては、国内外において引き続き旺盛な需要があると見込んでおり、強みである動員力や技術・技能を活かし、既存領域における事業強化を図ってまいります。今後、人手不足が深刻化する中でサービスの高度化を実現するために、人財リソースや技術・技能のデータベース化、プロジェクト管理のシステム化、最新技術を用いた予防保全サービスの提供など、効率化・生産性向上に向けたDX推進を実施してまいります。

 

②成長事業と新規事業への挑戦

既存事業で培ってきたノウハウと強みを活かし、国内外の中規模EPCや、再生可能エネルギーなどのグリーン関連事業、老朽化する社会インフラのメンテナンスなど、成長領域・新規領域における事業の拡大を図ってまいります。電気・計装などの補強が必要な機能は、外部のパートナーを選定し、資本提携等の手段も含めて連携することで機能強化を図ってまいります。

 

③プロジェクトマネージャー・エンジニアの育成と流動化

機工事業の拡大に最も重要な要素となる、プロジェクトマネージャー・エンジニアの育成に関しては、日本・東南アジア・中東の3つの人財育成拠点、エンジニアリング拠点を整備し、グローバルに人財育成と流動化を図ることで、品質を保ちながら事業機会の拡大に努めてまいります。

 

(3) 投資計画

2026年度までの中期4年間、2030年度までの長期8年間における累計の成長投資額および人財投資額は、次のとおりであります。

 

中期4年間累計

長期8年間累計

成長投資額

1,000億円規模

1,600億円規模

人財投資額

150億円規模

300億円規模

(4) 目標とする経営指標

①財務指標

財務指標

中期目標

2026年度

長期目標

2030年度

売上高

6,300億円 以上

7,000億円 以上

営業利益率

6.7% 以上

8.0% 以上

海外売上高成長率(2021年度比)

25% UP

65% UP

ROIC

8.0% 水準

10.0% 水準

②非財務指標

非財務指標

中期目標

2026年度

長期目標

2030年度

CO2排出量削減(2020年度比)

(Scope1,2、単体及び国内連結子会社)

18% 削減

42% 削減

女性管理職比率

9.5%

11.0%

(5) 資本政策

中期経営計画2026においては、事業活動における安定した営業キャッシュ・フローの創出を見込んでいる一方、中期4年間において、将来の持続的成長に向けた多くの戦略投資を計画しております。財務の健全性・安定性を確保しながら、負債も積極的に活用し成長投資に充てることで資本コストの抑制を図ります。また、配当に加え自己株式の取得を含めた4年間の総還元性向の指標を設定し、これまでに比べより充実した株主還元を図ることで、資本の効率性を重視しながら、企業価値の最大化を目指してまいります。

「中期経営計画2026」指標

ROE

10% 水準

ROIC

8.0% 水準

配当性向

40% 水準

4年間の総還元性向

70% 水準

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