小田原エンジニアリング 【東証スタンダード:6149】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来、社是である「開拓の精神で顧客に奉仕する」をモットーに事業を展開しております。また、顧客第一主義を経営の基本方針として掲げ、お客さまの求めに対して果敢に応じ、お客さまの満足を得ることを追究いたします。その実現のため、技術と品質でナンバーワンとなることを目指すとともに、活気ある職場づくりと企業体質の強化に努めてまいります。
(2) 経営環境
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い経済活動の正常化が進んだことにより、消費者物価の上昇の影響を受けながらも雇用情勢や所得環境の改善が続き、企業の業況判断も改善が進むなど、全体として景気は緩やかに回復しました。
一方世界経済は、欧州ではGDP成長率が一年を通して伸び悩むなど景気の足踏み状態が続き、中国でも固定資産投資の伸びが低下し持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、一部の地域において弱さがみられたものの、米国では個人消費、雇用者数、設備投資の増加により景気の回復が続くなど、全体として景気の持ち直しが続きました。
当社グループを取り巻く環境におきましては、巻線機事業の主要顧客である自動車産業において、複数の自動車メーカーが、中国・北米市場での好調な販売を背景に、電気自動車の販売台数が過去最高となり、また、欧州ではハイブリッド車の販売台数が続伸するなど、脱炭素化に向けた世界的な流れが持続しましたが、電気自動車の成長率が補助金の停止や金利の上昇などにより一部の地域で鈍化しはじめ、また、長期化するウクライナ情勢の影響等によりエネルギー価格の高止まりや原材料価格の高騰などの下振れリスクもみられました。
今後の見通しにつきましては、世界経済は持ち直しの動きが続くことが期待されますが、世界的な金融引き締め強化の継続等を背景とした欧米の景気後退懸念、中国における不動産市場の停滞に伴う影響、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、2024年に主要国で行われる選挙結果による影響など、様々な下振れリスクが顕在化しております。我が国経済は、30年来続いてきたコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済へ変革するため、新しい資本主義の取組が加速する中、雇用情勢や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回
復が続くことが期待されているものの、海外景気の下振れリスク、物価上昇、金融資本市場、為替の変動の影響に引き続き留意する必要があります。
巻線機事業の主要顧客である自動車産業においては、各国の政策もある中で電気自動車の成長が一時的に鈍化しはじめたことでより競争が激しくなっていくものの、今後に向けて主要自動車メーカーの新型xEV車の市場投入や安全運転、自動運転等に向けた車の電動化がより一層進むことが予想され、モーター巻線機の需要は引き続き拡大することが期待されております。一方で、送風機・住設関連事業の市場は、中国経済の停滞が継続することが予想され、送風機事業において顧客の在庫調整もあって工作機械や産業用ロボット、半導体製造装置等向けの軸流ファンの需要が低下したまま横ばいで推移、また、住設関連事業においては、浴室用照明器具は堅調な需要が見込めるものの、住宅換気装置は、住宅着工件数の減少や、資材高騰の影響を受けるなど、全体として厳しい状況が予測されます。
(3) 中期経営戦略
当社グループは、2021年12月度からの3年間を対象とする中期経営計画において、主力の巻線機事業の市場拡大に伴い、競争もより一層激化することを予想し、絶えざる技術開発により競争力の高い製品を開発するとともに、品質、コスト、納期等の重点施策とグローバル市場に合わせた地域別戦略を進め、送風機・住設関連事業においては、新製品開発による差別化や付加価値向上、拡販に向けた宣伝・販売強化、市場ニーズに合わせた商品化の検討など成長戦略の推進を遂行するとともに、経営人材の計画的育成、教育体系整備、人事評価制度のアップデートなど、グループガバナンスの向上に向け様々な取り組みを行った結果、財務目標については、売上高は達成率98.0%と目標未達であったものの、営業利益は達成率173.3%、巻線機事業における受注は達成率130.3%と、それぞれ目標を達成いたしました。
こうした中、当社グループは2024年2月14日付で2024年12月度から2026年12月度を対象とする中期経営計画を新たに策定し、最終年度である2026年12月期において、売上高180億円、営業利益18億円を連結財務目標として設定いたしました。主力の巻線機事業においては、競合メーカーとの競争激化が進むマーケットにおいて、事業競争力を強化し、スピードと品質を高めるため、資本コストを意識した投資戦略により資本収益性を高め、持続的成長可能な組織を構築するとともに、絶えざる技術開発により競争力の高い製品を開発し、スピード、品質、コスト、納期の重点施策を推進し、送風機・住設関連事業の成長戦略の遂行により、連結財務目標の達成を目指します。
(4) 会社の優先的に対処すべき課題
巻線機事業では、マーケティングの強化を行い、市場・お客さま・競合メーカーの先を行く競争力ある製品と要素技術の開発を進めるとともに、製品の共通化・標準化を進めることで、技術、品質、コスト、スピード・納期・供給能力における競争力を強化してまいります。
送風機・住設関連事業では、予測される需要の低迷や受注減少に対応すべく、マーケティングの強化を行い、送風・換気・照明技術をもとにした応用製品や改良製品の商品開発を推進し、新商品の早期開発、販売促進を進めてまいります。
また、市場拡大が続くモーター巻線機市場の需要に対応するため、グループ全体として生産面でのシナジー効果を高め、生産能力、納期の改善を進めるとともに、技術開発を積極的に進めることで、新製品開発力の向上にグループ総力をあげて取り組んでまいります。
当社グループは、社是である「開拓の精神で顧客に奉仕する」を常に念頭に置き、他社に差別化した製品を通して顧客満足度を向上させるとともに、常に新しい市場を開拓していくことにより当社グループの優位性を更に高める経営に邁進してまいります。
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