宮入バルブ製作所 【東証スタンダード:6495】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「共栄、団結、自律」(注)を経営理念(経営の基本方針)として、以下を実現していきます。
① 顧客満足度No.1を目指します。
② 新製品・新市場に果敢にチャレンジします。
③ 株主、従業員等ステークホルダーに対する利益還元を重視します。
(注) 共栄 : 社会、お客様、役職員、株主様と「共に栄える」を目指します。
団結 : 役職員全員が「緊密なチームワーク」をもって共栄を実現します。
自律 : 役職員全員が夫々の持ち場で「自らを律して」業務に邁進します。
(2)経営戦略等
主力製品であるLPガス容器用弁市場が縮小傾向にあるなか、会社の成長を支える新しい製品群(LNG用弁、水素用弁、食品加工用サニタリー弁、一般配管用汎用弁等)の開発と販売拡大に力点を置き、一方で、生産性向上、原価低減を進めることにより、収益体質の強化に努めることを主眼として経営を行っています。
① 営業戦略
主力製品であるLPガス容器用弁およびLPガス設備用弁の販売においては、既存シェアの維持拡大を目指すとともに、生産ラインの更新による生産性向上、海外OEMによる海外市場の開拓と適正利益の確保を図っています。
LPガスバルク供給システムの各種弁類は2023年度をピークに、当初設置後20年の更新需要が見込まれるため、現在のトップシェアを維持拡大すべく、在庫作りこみによる短納期対応を徹底していきます。
また、既存代理店やさまざまな分野の国内外の優良メーカーとの交流を深め、製品開発と新分野に対する総合的な営業力の拡充、強化を図っていきます。
② 製品開発
LPガス用弁類・関連製品の開発に加え、クリーンエネルギーとして注目されているLNG用弁類、液体水素用弁類、圧縮水素用弁類等の超低温弁分野、食品加工分野のサニタリー弁類、一般配管用の汎用弁類の開発を更に加速させていく方針です。
③ 生産改善
LPガス容器用弁の効率的な生産体制を確立し、利益確保と価格競争力を高めるため、2018年7月に一貫生産設備の更新を完了させました。また、生産性を追求するため、すべての工程でバーコードによる出来高管理を導入し、生産リードタイムの短縮、作業効率の改善を図っています。さらに、不適合品の撲滅、固定費の削減、VA提案、部材調達の多様化等により原価低減を持続的に推進しています。
④ 人材育成
役職員の能力評価、業績評価を定期的に行い、社内外の適切な研修・教育機会を設け、プロ意識の高い人材を育成すべく全社的取り組みを強化・推進しています。
(3)経営環境
当該事業年度における我が国の経済は、コロナ禍からの復興需要に加え、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東の戦禍、米中露の緊張関係を背景とした資源価格や原材料価格の高止まり、および円安による物価の上昇などによって、見かけ上は緩やかな回復を続けましたが、このような全般的なコスト高を持続的に賄っていくだけの力強さには欠けていますので、依然として先行き不透明な状況といえます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社のコア事業であるLPガス用各種バルブ(容器用弁および設備用弁)については、国内市場は既に成熟しており、新たな成長が見込まれませんが、中国市場では旺盛な新規投資が見込まれますので、現地企業との共同事業開発を推進しております。また、各種バルブの生産装置を更新し、工場建屋を含む生産設備の刷新を行うことで、環境に配慮した生産性の高い製造ラインにグレードアップさせ、収益性の拡大を図っております。
コア事業に次ぐ成長の「第2の柱」となる事業分野として、LNGおよび水素用弁等の低温弁事業を強化・拡大すべきであると考えております。そのために、製品開発に関わる業務提携先の模索や化学プラント会社や低温機器メーカー、エンジニアリング会社に対する新規開拓営業活動を強化しております。また、産業ガス分野について、空気分離装置周りのバルブ試作を行っており、さらには、容器弁での事業開発を現在進めております。
成長の「第3の柱」となるべき事業分野については、以下の取り組みを行っており、その中から事業ボリュームがつき始めた分野へ経営資源を重点的に配分していきます。
① 地球温暖化現象を背景とした猛暑対策やスマート農業実践に向けて、散水ノズルやミストノズルの品揃えを強化しております。
② 食品加工工場向けに分解洗浄可能なサニタリーバルブの納入実績を拡大しております。また、食品加工設備に設置される特殊ノズルの納入実績が出来ました。今後ともノズルやカップリングの製品開発を進めていきます。
③ ワインろ過機については、欧州と比較して低価格のろ過機を製造し、メンテナンスの国内対応により競争力を高める戦略を進めております。引き合い件数が増加しており、複数案件の成約を目指していきます。
④ 上記①~③の実践研究のため、甲府工場敷地で次の6次化農業を開始しております。
a) 空調、温度・湿度の管理機器を整備したテント型専用建屋での「きくらげ」栽培体制を整え、菌床製造から栽培・収穫・乾燥・パッキングまでの一貫生産による商品化に成功しており、道の駅、スーパー、高級惣菜店などに販路を拡大しております。
b) ぶどう栽培とワイン醸造については、経験豊富な地元の専門家の指導を仰いでおり、すでに栽培を開始し、醸造設備の建設も進んでおります(本年6月末完成予定)。80期から試験醸造を開始いたします。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社を取り巻く経営環境の変化が大きいことから、現在、中期経営計画を策定しておりません。当社は2014年9月8日付で中期経営計画を策定し、2018年3月期における中期経営指標として下記の数値目標を掲げましたが、その後の経営環境の変化により達成できておりません。しかしながら、これら指標は現時点においてもそれを達成することが望ましいと考え諸施策を展開しております。よって、数値目標はこのまま維持し、出来るだけ早期に達成するよう努めてまいります。
① 売上高 60億円以上
② 営業利益率 6%~8%を持続的に達成
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