室町ケミカル 【東証スタンダード:4885】「医薬品」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は「健康」と「環境」をテーマに社会に貢献することを目指し、「私たちは人々との出会いを大切にし、常に新たなチャレンジと実現化の努力により生きがいと豊かさを提供し、健全な発展を通して社会に貢献する経営を目指します。」を経営理念として掲げております。
「医薬品」「健康食品」「化学品」の3つの事業に経営資源を集中し、問題解決型の企業としてさらなる技術力の向上に努め、持続的な成長を目指します。
(2) 中期経営計画
当社では、2025年5月期を最終年度とする3か年計画『中期経営計画2025』を策定しております。長期ビジョンとしての2032年5月期売上高100億円・営業利益率10%以上に向けて、成長に向けた取り組みを強化する3か年と位置付けており、開発強化と収益性改善を主要なテーマとしております。医薬品事業における輸入原薬の売上拡大による売上高の増加、健康食品事業・化学品事業での売上増加と工場稼働率上昇による利益率の改善を見込み最終年度目標を定めております。
しかしながら現時点において、輸入原薬の新規採用の進捗遅れや原材料費等の価格高騰などにより売上・利益ともに計画にやや遅れをとっている状況となっております。一方で、各事業での新製品の立ち上げとそれに伴う工場稼働率の向上、開発テーマの増加など、様々な取り組みの成果は着実に出てきていると考えております。
引き続き開発強化に力を入れ、今後の新製品の売上拡大や新領域での成長に向けた基盤を強化してまいります。
計画の達成状況を判断するための客観的な指標は以下のとおりです。
| 2024年5月期 (当事業年度)実績 | 2025年5月期 目標 |
売上高 | 6,369百万円 | 7,000百万円以上 |
営業利益 | 421百万円 | 600百万円以上 |
営業利益率 | 6.6% | 8.5%以上 |
ROE | 15.8% | 15%以上 |
自己資本比率 | 44.9% | 35%以上 |
(注) 上記目標値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等
① 医薬品事業
昨今の世界情勢を受け、原薬調達におけるカントリーリスクの懸念は高まっており、医薬品原薬の複数購買化はいっそう進むと考えております。当社においても、多地域からの調達ネットワークを強化し顧客の新たな要望に応えるとともに、既存品の安定供給に向けた施策を実施してまいります。また、メーカーとしての当社の技術と資源を最大限活かし、必要な設備投資を行いながら、お客様からいただいた多くの開発案件を着実に立ち上げ、取引の拡大につなげてまいります。
② 健康食品事業
健康食品業界において安全性の問題が発生して以降、消費者からの厳しい目が注がれているものの、現時点では当社が注力するゼリータイプの健康食品市場に冷え込みは見られていません。健康食品市場全体に関しても、当面緩やかな成長を続けると見込んでおります。顧客に安心安全な製品を継続してお届けできるよう、品質管理の精度を高める努力を続けてまいります。
当事業年度は売上が前事業年度を上回り工場稼働率は改善したものの、経費を吸収するには至らず営業損失となりました。新規案件の着実な獲得による売上の伸長と、生産体制の見直しによる効率改善を進め、利益改善に取り組んでまいります。また、機能性表示食品や高齢者向け製品など、健康関連分野に向けた製品開発を強化してまいります。
③ 化学品事業
競合が多く激しい競争の中、イオン交換樹脂を中心とした液体処理技術を活かし、各々の顧客の抱える課題を解決すべく製商品の開発を強化してまいります。海外のイオン交換樹脂メーカー等との共同開発にも積極的に取り組み、社会課題の解決に資する技術を含めた用途開発と、新たなターゲット市場の開拓を加速させてまいります。
④ 品質管理体制の強化
高品質な製品を安定的に提供するため、品質管理体制の強化は重要なものと考えております。新製品の立ち上げが増加していく中でも安定した品質管理を行えるよう、体制の維持・強化に努めてまいります。
⑤ 生産体制の強化
新製品の立ち上げや製造量の増加に対応すべく、生産技術の向上に取り組み、工場スペースの有効活用や最適な設備配置、工場インフラの強化など、今まで以上に効率的で安定生産が可能な体制を構築してまいります。
⑥ 人的資本経営への取り組み
魅力ある企業として持続的に成長するためには、人材への投資は不可欠だと考えております。当期は、リモートワークや時差出勤の恒常的な制度化やオフィスカジュアルの導入等、働きやすさ向上を目指した取り組みを進めてまいりました。職場環境の改善により従業員の意欲を引き出し、充実した教育研修により従業員の能力を伸ばすことで、従業員エンゲージメントの向上に努めてまいります。
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