大阪製鐵 【東証スタンダード:5449】「鉄鋼」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社はサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバ
ナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
①サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会は気候変動に関する事項を含むマテリアリティ(重要課題)の特定やサステナビリティ戦略について審議し、取締役会に報告します。
同委員会の委員長は代表取締役社長が務め、委員長が指名したものにおいて構成されます。サステナビリティに関するリスク及び機会を評価し、識別したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針を示し、社内関係部門・グループ会社に対応を指示します。対応策の取組み状況や設定した目標の達成状況を審議し、定期的に取締役会に報告し、監督を受けています。
②監督体制
代表取締役社長等が出席する経営会議・取締役会は、定期的にサステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受けることによりリスク管理の監督を行っております。
(2)気候変動への対応について
当社は、気候変動が当社事業に与える影響を想定し、適応に向けた取組みとしてリスクに適切に備えるとともに、ビジネス機会の捕捉に向けた取組みを推進しております。
①気候変動によるリスク及び機会とその戦略
項目 | 重要なリスク及び機会 | 戦略 | |
リスク | 政策・法 | 気候変動抑制のための規制・制度導入による事業コストの増加 | 省エネ設備導入などエネルギーコスト低減推進 |
市場ニーズ | 鉄から低炭素他素材などへの置換による鉄需要の減少 | 省エネ設備導入などによるカーボンニュートラルの早期実現 | |
高炉から電炉への切替 | 高炉から電炉への移行による鉄スクラップ、資材の需要増加 | 多様な品位の鉄スクラップ使用可能化、調達ソースの拡大による調達量の確保 | |
調達品 | サプライチェーンにおける低炭素化コスト増加による調達コスト増大 | 製品価格への転嫁、調達ソースの拡大による収益力確保 | |
再生エネルギー拡大による電力料金の上昇 | 製品価格への転嫁、省エネ設備導入などエネルギーコスト低減推進による収益力確保 | ||
自然災害 | 自然災害に伴う工場の操業不能化 | BCP対策の推進(台風、洪水、地震等の対策継続) | |
自然災害に伴う原材料調達の困難化 | 調達ソースの拡大、適正在庫の管理強化 | ||
気温上昇 | 気温上昇に伴う職場作業環境の悪化 | 省力化投資の推進及び職場環境対策投資の継続 | |
機会 | 資源・エネルギー効率 | 省資源・省エネルギー化の社会的要求の高まりによる新技術開発の進展 | 省資源・省エネルギープロセスの導入検討による更なるコストダウンの進展 |
電炉素材評価 | 気候変動抑制のための規制強化による低炭素・循環型鋼材の需要拡大 | コスト・品質競争力の更なる向上及び生産上方弾力性の確保による需要の捕捉 | |
電炉製品の高炉製品に対する環境面での優位性による需要の移行 | 品質競争力の更なる向上、新品種の生産拡大等による需要の捕捉 | ||
国土強靭化の進展 | 国土強靭化の進展に伴う土木建築需要の拡大 | コスト・品質競争力の更なる向上及び生産上方弾力性の確保による需要の捕捉 |
②指標及び目標
当社は、Co2排出量について、2030年度において2013年度比30%の削減をターゲットに、2050年度においてカーボンニュートラル実現をビジョンとして目標設定しております。
進捗として、2021年度は2013年度比26%の削減を実行しております。
(3)人的資本、多様性について
①人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針とその実施状況
ⅰ.人材育成基本方針
当社グループは、人的資本が企業価値を構成する最重要な価値と位置づけ、経営理念において、「全ての力を人材育成と技術力強化に向け、自己実現を通じ、社会に貢献します」と行動指針を定めております。
当社グループの人材育成の基本は、上司と部下が業務に関し日々の対話を重ねながら、具体的な業務スキルを伝えていくものです。あわせて人材育成に関する社内環境整備を図ることによる実効性ある人材育成施策を講じて、最終的に社会貢献を果たしていくとともに、従業員エンゲージメントの最大化も図ってまいります。
当社グループは、サステナビリティの基本方針(マテリアリティ)に、「地球環境への対応」「人権を尊重し、社員一人ひとりが多様性を活かした働きがいのある職場環境の実現」を掲げており、
・新しい技術や社会的課題に積極果敢にチャレンジできる人材
・多様性を尊重し、対話と協働による持続的な成長ができる人材
・当社グループの成長戦略であるインドネシアプロジェクトを中心にグローバルに活躍できる人材
の育成に重点的に取り組んでまいります。
1)技術職の人材育成
技術職の人材育成は、当社の技術力を根幹から支えており、円滑に技能伝承を行うことが必須であり、入社した従業員全員を一人前に育て上げる仕組みの構築が必要不可欠なため、習得すべき技能を明確にした上で上司と部下が会話し、具体的な育成計画を作成・実行しております。また、必要な資格取得の特別講習や、指導員としての役割意識の向上及び日常におけるコミュニケーション能力の向上等を図る「指導員研修」、ストレスマネジメント等を学ぶ「教わり方研修」などのOFF-JT研修を階層別に実施し、一人ひとりがスキルアップの向上が図れる人材育成に努めております。
2)スタッフ系人材育成
スタッフ系についてはOJTを基盤とした人材育成を進めております。具体的には、上司・部下との対話をより活発化させ、相互の意思疎通を深め、目標の設定・共有化を図ることを目的とした「個人育成対話シート」の取り組みにより、PDCAを効果的に回す仕組みを構築しております。とりわけ入社後一定期間を育成期間と定め、全社適材適所を目指した人員配置/ローテーションを行い、経営方針に基づくOJTによる人材育成を図るとともに、各世代にわたり階層別研修や目的別研修の充実化を図り、DX研修や部門別エキスパート研修、海外人材育成研修等のOFF‐JT研修による人材育成を進めております。
3)管理者人材育成
マネジメントを狙いとした管理職研修をはじめ、管理者としての成長、経営層への登用等も踏まえた階層別研修をOFF-JT研修として実施しています。管理職の役割、責任を正しく理解した上で、円滑に管理者としてのスタートを切るべく新任管理者教育も新設しました。当社グループの中枢を担う人材育成強化を目指して、更に充実を図ってまいります。
また、海外事業等においてジョブ型雇用を開始し、制度化も図りました。今後、多様化する雇用形態に対応した制度化、人材育成施策の充実をさらに推進してまいります。
ⅱ.社内環境整備方針
当社グループの経営計画、人材育成基本方針に基づき、現在~将来にわたる人材ポートフォリオを整備し、階層別、社員区分別の人員配置・人材育成に視点を当てたローテーション計画を作成した上で、人事施策、人材育成施策に反映しております。
人材ポートフォリオにおいては、成長戦略で海外事業に関連する人材、地球環境に対応しうる人材、DX対応人材、将来の経営を担う人材等、事業継続性を考慮した中で細分化した上で策定し、必要な人材育成施策の検討に繋げています。その結果を踏まえ、時代の変化に応じた要員管理、人員配置、ローテーション施策を実行してまいります。
②指標及び目標(提出会社)
人的資本、多様性に関し、以下の指標についてマテリアリティのKPIとして管理しております。
指標 | 目標 | 2022年度実績 |
管理職に占める女性労働者の割合(注1) | 2025年:21年度比2倍(約3%) 2030年:21年度比3~4倍(約4.5~6%) | 1.5% |
男性労働者の育児休業取得率(注1) | 80%以上 | 19% |
育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率(注2) | 80%以上 | 76% |
労働者の男女の賃金の差異(全労働者)(注3) | 中長期目標100% | 78.7% |
同(正規雇用労働者) | 〃 | 74.9% |
同(パート・有期労働者)(注4) | 〃 | ― |
有給休暇平均取得率 | 80%以上 | 79% |
人材活性化研修受講率 | 100% | 100% |
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
正規雇用労働者においては、それぞれの社員に求められる役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、管理職、スタッフ、エリアスタッフ、技術職の区分を設定し、区分別の給与制度を設けております。各区分の給与制度および評価・運用は、男女の別なく全社員同一としております。
男女の賃金差異は、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることや、同一区分内でも男女での平均勤続年数が異なることによって発生しております。
4 パート・有期労働者に女性はおりません。
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