大阪ソーダ 【東証プライム:4046】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループ企業理念「独創的な技術と製品により安心で豊かな社会の実現に貢献します」のもと、経営ビジョンである「化学を通じて社会が求める新たな価値を提供する企業グループ」を目指します。
その実現に向け、当社グループは、環境・安全に配慮したものづくりで、サステナブルな社会の実現に貢献し、グローバル競争力のある技術と品質で、お客様のニーズに応え、社員一人ひとりの価値観を大切にし、ともに成長する企業を目指します。
(2)対処すべき課題、中期的な経営戦略
今後の経済見通しにつきましては、景気の持ち直しが継続するものと期待されますが、原燃料価格のさらなる高騰や物価の上昇のみならず、ウクライナ情勢の長期化、緊迫化する中東情勢、中国経済の先行き懸念、世界的な金融引き締めに伴う景気の下振れリスク等が懸念され、引き続き厳しい状況が続くものと予想されます。
このような情勢のもと、当社グループは、中期経営計画「Shape the Future-2025」(2023年~2025年度)の2年目を迎えます。中期経営計画初年度は、ヘルスケア事業は計画どおり順調に拡大しましたが、基礎化学品と機能化学品で水島工場アリルクロライド製造設備の不具合や主要製品の需要低下の影響があったため、前年度を大きく下回る結果となりました。引き続き、業務改革活動のさらなる浸透を図りながら、「既存事業の継続的基盤強化」、「新製品創出力の強化」、「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針からなる中期経営計画の具体的な施策を着実に実行し、中期経営計画の目標数字の達成を目指してまいります。
「既存事業の継続的基盤強化」においては、引き続き安定したキャッシュの創出と成長分野への積極的な投資により事業基盤の拡充を図ってまいります。
基礎化学品事業では、水島工場アリルクロライド製造設備については2024年6月末の全面補修を目指すとともに、安定稼働を継続できるよう設備管理強化および更新維持投資に積極的に取り組んでまいります。
機能化学品事業では、合成樹脂・合成ゴム等のグローバルニッチトップ製品の市場深耕、新規用途開拓に取り組みます。アクリルゴムとノンフタレート型アリル樹脂は新規開拓により規模の拡大を図ってまいります。
ヘルスケア事業では、医薬品精製材料においては、糖尿病治療薬や急速に拡大する肥満治療薬向けの将来の需要増を確実に取り込むための生産能力増強投資を行うとともに、医薬品原薬・中間体においては、2023年3月に新設した設備のフル稼働に引き続き、新たにバイオ医薬品領域への本格的な進出を目指した設備投資を検討します。中期経営計画の3年間で80億円強の投資を計画し、当社第3の高収益事業としての基盤を確立してまいります。
「新製品創出力の強化」では、「環境・エネルギー」・「モビリティ」・「情報・通信」・「健康・ヘルスケア」の4つの分野を中心にさらなる強化を図り、次のグローバルニッチトップ製品の早期上市を達成いたします。
「環境・エネルギー」の分野では、半固体電池の量産化に向けた特殊ポリエーテルやNEDOのグリーンイノベーション基金事業として採択された全固体電池用超高イオン伝導性ポリマー等の次世代蓄電池用材料の開発をさらに加速してまいります。
「モビリティ」の分野では、アクリルゴムの新規グレードや新規シランカップリング剤の早期上市を進めるとともに、今後の自動車電動化・自動運転化を支えるセンサー・アクチュエータ等の自動車ニューノーマル素材の開発に注力してまいります。
「情報・通信」の分野では、今後大きな需要が見込まれるパワー半導体の高熱伝導性接合剤としての銀ナノ粒子や、次世代半導体および電子素子向けのカーボンナノチューブ等の半導体周辺材料の開発にも引き続き注力してまいります。
「健康・ヘルスケア」の分野では、医薬モダリティに対応したバイオ医薬品用の新規精製材料としてポリマーゲルの開発を進めるとともに、健康寿命の延伸に寄与する新規アンチエイジング素材として開発を進めてきた植物性乳酸菌OS-1010の新規採用の拡大を図ってまいります。
「サステナビリティ経営の推進」では、「事業活動を通じて持続可能な社会の実現への貢献と自らの企業価値の向上を両立させる」という当社サステナビリティの基本方針の下、サステナビリティ委員会が中心となり、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応として、TCFD対応・GHG排出量の算定・環境負荷低減策の立案と実行・健康経営の推進・人的資本への投資の一環として業務改革活動の浸透による人材育成等を実施してまいります。また、統合報告書等の開示情報の充足により投資家をはじめとするすべてのステークホルダーとの対話を深め、企業価値のより一層の向上に努めてまいります。
また、当社グループは、環境・安全と製品の品質の確保には、レスポンシブル・ケア活動とISO活動を通じて万全を期すとともに、省資源・省エネルギー活動など持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを強化しながら、地球環境と調和した企業の発展を図ってまいります。さらに、企業の社会的責任を重視し、日々の事業活動において法令遵守に積極的に取り組んでまいりますとともに内部統制システムを強化し、当社グループのコーポレートガバナンスのさらなる充実に努め、社会に信頼される企業グループを目指してまいります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
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