大英産業 【福証:2974】「不動産業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念
当社グループは、「元気な街、心豊かな暮らし」を経営理念としております。「私たちが住み、働く街を元気にする、活性化する。そして私たちが関わる全ての人に幸せになってもらう、心豊かな暮らしを送ってもらう。そんな社会を実現したい」これが当社グループの経営理念の根幹であります。この経営理念のもと、“ライフスタイルに合った良質な「すまい」を提供し、持続的に発展する「まち」を作る”をミッションとし、九州全域と山口県にて事業を展開し、お客様一人ひとりに寄り添った「すまい」の提供を行っております。
以下は大英グループの価値創造ストーリーであります。
世の中の課題をどのように捉え、自社の強みや戦略を活かし、どのような社会を成し遂げたいかを1枚にまとめました。(注1)
(2)経営方針
当社グループは「地域愛着経営」を経営方針としております。
① 地域の課題を解決する
② 地域の魅力を創造する
③ 地域のコミュニティと共存する
この3点を地域愛着経営のテーマとし、地域に根差した事業展開を行うことで、地域の皆様に愛され、必要とされる会社を目指してまいります。当社グループの「地域愛着経営」の形として、まずは当社従業員が働きがいを感じ、モチベーションに基づく接客や商品・サービスの改善・強化を行うこと、関係業者の方々との継続取引の中でその想いを伝達しながら商品づくりを行っていただく、そしてその商品をご購入いただくお客様の満足度が高まる、その喜びが従業員のモチベーションや働きがいに繋がる、この循環が回ることで、地域の皆様や株主・投資家の方々への期待感へつなげていく、これが、「地域愛着経営」が実現できた時の形だと考えております。
(3)当社の人材採用・育成方針
当社グループの経営方針の軸となる従業員の採用、育成の軸としているものが、以下の3点です。
(当社では以下を「大英バリュー」と呼んでおります)
①人を大切にしている
②溌剌としている
③向上心がある
お客様の想いを預かる大切な仕事だからこそ、いつも元気で溌溂とした対応にて、お客様や取引業者、そして一緒に働いている仲間を大切にしながら業務を遂行し、従業員個々人の日々の成長へと繋げたいと考えております。
(4)経営環境並びに中長期的な会社の経営戦略
当社グループは当期からの3ヶ年(2023年9月期~2025年9月期)における成長戦略を開示いたしております。「地域愛着経営」の方針を基に、地域に愛され必要とされる会社を目指すべく、重点戦略として3点、そして中長期的に当社共通で取り組む共通戦略を3点設定しております。
重点戦略①住まいのワンストップ体制の構築
中長期的に、これまでの事業別組織からエリア別組織への移行を目指し、重点エリアとするエリアの
中で、ワンストップで住まいやサービスの提供ができる体制を整えます。
②事業領域の拡大
人口・世帯数の減少を見据え、重点エリア内でのひとりのお客様との関係性を深め、住まいだけでない、
生涯におけるサービスの提供や新たな事業の拡大を目指します。
③組織風土・人材戦略
ワンストップ戦略、事業領域を拡大するうえで、業務改善や組織風土の変革、人材の育成方針や評価制度
の見直しを行う必要があります。チャレンジしながら成長する組織を目指してまいります。
共通戦略①DXの推進
不動産テックの推進として、土地情報、お客様情報の一元化、メタバースの活用幅を広げてまいります。
②SDGsへの取組み
現在既に着手している、地域産木材の活用、建築端材の活用、そして今後は主要事業である分譲マンショ
ンや分譲住宅の環境配慮型商品の開発などを強化してまいります。
③少子高齢化への取組み
お客様への商品・サービスの拡充、また当グループ従業員の働きがいの2軸にて取組みを行っておりま
す。
3ヶ年におきましては、上記の重点戦略、共通戦略のもと事業を推進してまいります。(注2)
(5)優先的に対処すべき事業及び財務上の課題
当社グループが属する不動産業におきましては、建築資材の高騰、諸外国による軍事侵攻などの地政学的問題など、経済環境は刻々と変化しております。
このような経済環境が変化する中、当社グループは、経営資源の効率化と多種多様な「すまい」の提供に邁進し、地域に根付き、地域に愛される会社を目指してまいります。
①利益率の低下
当連結会計年度におきましては、建築資材の高騰や燃料費などにより、建築原価が高騰したものの販売価格への転嫁が行えず、値引きやお客様へのサービスにより販売を促進したことから、利益率の改善が図れていない状況にあります。一部企業においてはベースアップ等の対策が図れておりますが、物価の高騰は依然継続しており、家計を圧迫している状況に変わりはありません。特に新築一戸建てや中古住宅等の子育て世代向け商品においては、販売価格を上げることにより、売上が減少する懸念があり販売価格への転嫁が難しい状況にあります。
今後、建築における労働人員の費用等はさらに増加することが見込まれていることから、顧客ターゲットを変えた商品開発や付加価値の高い商品の開発、土地仕入れ価格抑制における地主様との直接的な取引割合の増加、利益率に制限を設けた選別した土地の仕入れによる原価率の抑制を行っていく必要があります。
また、販売経費においても人件費の増加や外部への販売委託の増加による販売手数料の増加を中心に経費が増加しております。選択と集中により、効率性の高い経営を行っていくこと、DX等の活用の推進、生産性を意識した働き方の変更や育成計画の実施が必要であると考えます。
②完成在庫の増加
戸建事業及び不動産流通事業において、完成在庫の増加が大きな課題となっております。要因としては、当社の強みである土地情報量の多さから仕入れ活動は順調に進捗しているものの、競合との差別化優位性を打ち出すことができておらず、当初の想定より販売進捗に遅れが出たことにあります。在庫が多くなることに伴い、値引きを活用したお客様への販売となり、売上総利益率の減少や有利子負債の増加による金利の増加につながっているという状況です。
各事業において、外部環境の変化に影響を受けにくい、財務体質にしていくため、戸建事業、不動産流通事業においては一時的な仕入れ件数の抑制と、利益率の基準値を上げた土地仕入れの実施、何よりも強力な完成在庫の販売促進を行い、完成在庫の圧縮を図ります。
③売上の偏重
当社は売上の約50%をマンション事業にて計上しております。分譲マンションは土地の仕入れからお客様への引渡しまでの期間が長く、通常約2~3年かかります。分譲マンションは完成前に販売を行い、完成とともにお客様への引渡しを行うというビジネスモデルであるため、まとめて数十戸の売上があがるという構図となり、偏重が起こりやすい事業特性であります。複数棟のマンションの竣工時期が重なることにより、大きな売り上げの偏重となり、この状況は財務体制の不安定さ、業務の偏り、災害発生時のリスク等に繋がります。
次期(2024年9月期)におきましては、特に偏重することが見込まれておりますが、57期(2025年9月期)以降に平準的な売上計上を行うため、土地の仕入れ時期、建物の完成時期の分散を行える体制を構築することが必要となります。
※次期(2024年9月期)のマンション事業の売上計上棟数
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
竣工棟数 | 1棟 | 2棟 | 0棟 | 8棟 |
④ストック事業の強化
当社の主たる売上は分譲業であるため、新型コロナウイルス感染症の蔓延、資材・エネルギー価格の高騰、金利の上昇など、あらゆる外部環境の変化を受けやすい状況にあり、安定した財務体質が図りにくい状況にあります。
当社10ヶ年戦略におきましては「地域愛着経営」の経営方針のもと、現在の主力事業である分譲マンションや分譲住宅に加え、新規事業戦略として、住宅・不動産以外の事業展開を行っていくことを掲げておりますが、外部環境に影響を受けにくい、財務体質の強化もその目的のひとつであります。
ほとんどの従業員が分譲業以外携わったことがない状況の中、ストック事業の新規立上げ、事業としての確立は簡単なことではなく、一定期間を有するとも考えております。自社のみならず、他社との協業、外部からの専門スキルを持った人材の採用なども踏まえ、長期的な企業の発展を目指すため、ストック事業の立上げ・強化を目指してまいります。
(6)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業を継続的に安定成長させるためには、利益の確保が重要であることから、当社グループは売上高経常利益率を重要な経営指標として認識しております。また、総資産から効率的な利益を生み出す指標として、総資産利益率(ROA)も重要視しております。
注1.大英グループの「価値創造ストーリー」においては、以下当社ホームページに動画を掲載。
注2.3ヶ年における成長戦略においても以下当社ホームページに動画を掲載。
https//www.daieisangyo.co.jp/ir/stocks/news 2023.6.15中期VISIONについて
- 検索
- 業種別業績ランキング