企業兼大株主大王製紙東証プライム:3880】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)大王グループサステナビリティ・ビジョン

 大王グループでは、当社グループのサステナビリティ戦略として、2021年5月に「大王グループサステナビリティ・ビジョン」を策定しました。その戦略に沿った取組を推進するため、当社グループは、経営に社会課題解決を織り込んだサステナビリティ活動を進めて行きます。

  ・大王グループサステナビリティ・ビジョン

   https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/2021_daio-sustainability-vision.pdf

① ガバナンス

 大王グープでは、「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関する戦略や方針等を議論しています。サステナビリティ戦略である「大王グループサステナビリティ・ビジョン」についても「サステナビリティ委員会」で議論の上、取締役会で策定しました。

「サステナビリティ委員会」の下部会には、サステナビリティを巡る動きやマテリアリティと連動する8つの部会(①地球温暖化対策部会、②物流GHG削減部会、③環境負荷低減部会、④SDGs調達推進部会、⑤TCFD対応部会、⑥森林・生物多様性対応部会、⑦価値共創部会、⑧ESG情報開示充実部会)を設置し、具体的なマイルストーンや取組項目を決めて実行しています。

「サステナビリティ委員会」では部会の具体策を評価・進捗確認し、これらを含めたサステナビリティの課題や進捗を定期的に取締役会に諮る体制とし、機能させています。

 なお、委員長は「サステナビリティ委員会」設立時より代表取締役副社長が務めていましたが、2023年7月以降は代表取締役社長を委員長として、サステナビリティ経営の強化を図ってまいります。

② 戦略

 当社グループのパーパスは、社是「誠意と熱意」をもって「3つの生きる(衛生・人生・再生)」を成し遂げ、「やさしい未来」を実現することです。経営理念の4つの柱「ものづくりへのこだわり」「地域社会とのきずな」「安全で働きがいのある企業風土」「地球環境への貢献」を体現するなかで、過去から取り組んできた社会課題解決とSDGsを連動させて、ありたい姿「やさしい未来」を実現していきます。

 ありたい姿「やさしい未来」の実現にあたっては、マテリアリティに沿って取組を進めています。マテリアリティについては、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針を参照ください。

 マテリアリティのうち、「気候変動への対応」「循環型社会の実現」「森林保全と生物多様性の維持」は、「3つの生きる(衛生・人生・再生)」の3つ目の「再生(地球を再生する)」に関する重要課題であり、特に「気候変動への対応」は当社グループにとっての最重要課題と認識しています。

 また、当社グループは、持続的な企業価値の創造に挑戦する人財を育成していくため、安全で働きがいのある企業風土の構築を目指しています。その実現のために、「人権尊重と人財育成、社員への思いやり」をマテリアリティの一つとしており、人的資本への対応を重要課題と位置づけ、取組を進めています。

③ リスク管理

 大王グループでは、サステナビリティに関する総合的な管理は「サステナビリティ委員会」に集約しています。

「サステナビリティ委員会」では、その下部会である8つの部会(①地球温暖化対策部会、②物流GHG削減部会、③環境負荷低減部会、④SDGs調達推進部会、⑤TCFD対応部会、⑥森林・生物多様性対応部会、⑦価値共創部会、⑧ESG情報開示充実部会)で議論されたサステナビリティに関する取組、国内外の動向や当社グループを取り巻く状況変化、取組のKPIに対する進捗状況などの報告を受け、審議しています。

「サステナビリティ委員会」で審議された事項は、四半期に1回、取締役会に報告され、当社グループの運営に反映されます。同様に、コンプライアンス違反、不祥事を含む経営に重大な影響を及ぼす恐れのあるリスクの識別・評価は、リスク・コンプライアンス担当の取締役を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」で審議され、取締役会に定期的に報告の上、反映されます。

④ 指標及び目標

 大王グループでは、マテリアリティやサステナビリティ戦略と連動する以下のKPIを設定しています。上記のガバナンス体制に沿って、各指標の進捗状況を具体的に評価・確認し、サステナビリティに取り組んでいます。

経営理念の

4つの柱

マテリアリティ

事業戦略・主な取組

事業を通じた主な社会課題解決
および目標とする指標(2030年度KPI)

2020年度

実績(注1)

2021年度

実績(注1)

1.ものづくりへのこだわり

事業ポートフォリオの戦略的変革

新聞・洋紙事業

●洋紙から板紙への転抄

 

(注2)

(注2)

●生産体制・販売構成の見直し

 →マシン稼働継続による雇用維持

 

●川下の印刷事業の強化

 

 

産業用紙・段ボール事業

 

 

●国内での安定供給の継続

 

 

●海外展開の加速

 

 

グローバル展開の加速

H&PC国内事業

●海外各拠点での地域発展に貢献

(注2)

(注2)

●吸収体事業と国内シェア向上

 →技術・開発能力の向上・雇用維持

●衛生用紙と複合事業モデル確立

 

 

H&PC海外事業

 

 

●既進出国での複合事業化

 

 

●新規市場に進出し事業基盤構築

 

 

新規事業の創出

新規事業

●セルロースナノファイバーの商品・用途開発

(注2)

(注2)

●セルロースナノファイバー

●RFIDによる業務効率化・働き方改革

●RFID(ICタグ)

●環境対策商品(脱プラスチック等)の販売

 

●感染症対策商品(マスク・除菌ウェット等)の販売

2.地域社会とのきずな

地域社会との
共生

●南米チリで地域の農業・酪農を支援する生活・灌漑用水の安定供給

(注2)

持続可能なサプライチェーンの構築

●CSR調達

調達アンケート回収率

100%

87%

95%

 

5段階評価で3.5以上の取引先数

90%

56%

62%

●森林認証

国内外での森林認証の維持継続

100%

100%

100%

3.安全で働きがいのある企業風土

人権尊重と人財育成、社員への思いやり

(注3)

公正で透明性の高い経営

4.地球環境への貢献

気候変動への対応

●バイオマス由来燃料への転換、廃棄物燃料の有効利用など

化石由来のCO2排出量削減
(対2013年度比)(注4)

46%

9.3%

2.1%

循環型社会の実現

●難処理古紙の利用促進

板紙への配合率

30%

16.7%

16.2%

●ゼロエミッション

再資源化率

100%

98.7%

98.4%

●水の循環・再利用、適正な用排水処理による排水の浄化

用水・排水COD売上高当り原単位

(対前年度比)

1%/年削減

用水 1.6%
COD 3.0%

用水 5.6%
COD 9.9%

森林保全と生物多様性の維持

●南米チリの天然記念物「アレルセ」を現地NPOと連携し保護

(注2)

●希少淡水魚「カワバタモロコ」を徳島県と連携し、繁殖・放流

(注2)

(注1)2022年度実績につきましては未確定のため2021年度までの実績を掲載しています。

(注2)KPIの設定については今後検討してまいります。

(注3)取組やKPIにつきましては、2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本への対応を参照ください。

(注4)2022年度に株式取得をした吉沢工業株式会社(2022年5月)と株式会社大貴(2022年10月)を除き、基準年である2013年度以降に当社グループとなった連結子会社も含め、算定しています。

(2)気候変動への対応

 当社グループでは、「気候変動への対応」をマテリアリティの1つに挙げ、最重要課題として位置づけ、取り組んでいます。

2021年5月の「大王グループサステナビリティ・ビジョン」の策定と同時にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しており、TCFDの提言に沿った気候変動関連のリスク・機会評価を行い、経営戦略やリスク管理などに反映させ、財務上の影響などの情報開示の充実を進めています。

  ① ガバナンス

 気候変動への対応に関する基本的なガバナンスはサステナビリティ戦略全体のガバナンスに含まれます(詳細は2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)大王グループサステナビリティ・ビジョンを参照)。

 当社グループでは、特に「気候変動の対応」をマテリアリティのひとつに挙げ、石炭ゼロ化の推進に力を入れています。サステナビリティ戦略全体のガバナンスの中で、気候変動に関する具体的な取組については「サステナビリティ委員会」の8つの下部会のうち、「地球温暖化対策部会」「TCFD対応部会」「物流GHG削減部会」「森林・生物多様性対応部会」の4部会を中心に検討・推進し、取組の進捗も含め管理しています。

  ② 戦略

 大王グループは、国内紙・板紙部門とホーム&パーソナルケア部門において、2℃未満シナリオと4℃シナリオの2つの気候変動シナリオを基に、事業への影響を分析しました。1.5℃未満シナリオについても現在分析を進めており、把握・開示に努めてまいります。

 各シナリオの前提条件はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)のシナリオなどを参照し、物理的リスクについてはWRI(世界資源研究所)や文部科学省気象庁、Four Twenty Seven、Encoreのデータを基にリスク評価を行いました。

  <気候変動におけるリスクと機会>

 以下で示す気候変動のシナリオ分析におけるリスクと機会の財務インパクトは、大:300億円以上、中:150億円~300億円、小:50億円~150億円、微小:50億円未満です。

 

リスク項目

予測される事象

財務インパクト

戦略・対応策

移行リスク
(2℃未満シナリオ)

政策・法規制

CO2排出量削減の義務化
GHG排出量の規制強化
カーボンプライシングの上昇

●GHG排出規制とカーボンプライシングの導入
●エネルギー価格上昇による原価アップ

●2030年までにリサイクルボイラー2缶設置、
石炭ボイラー1缶停止による化石燃料から廃棄物燃料への転換
●省エネルギー技術導入、投資継続実施
●太陽光などの再生可能エネルギーの導入
●植林面積の拡大
●四国中央市カーボンニュートラル協議会などの取組推進

●炭素税導入により、各種資材価格が上昇

●商品開発段階からGHG排出量がより少ない資材を選定しコスト上昇を抑制

技術

商品物流を低炭素
エネルギーへ転換

●物流手段の低炭素化の取組として新技術の導入などによるコスト増加

●トラックから内航船・RORO船へのモーダルシフトと輸送距離の短縮を推進中。今後の自動運転や水素・アンモニアトラックなどの技術革新にあわせて導入を推進

 

リスク項目

予測される事象

財務インパクト

戦略・対応策

物理的リスク
(4℃シナリオ)

急性的

台風の多発、
集中豪雨の多発

●自然災害による生産活動への影響(洪水)
●道路・鉄道・港湾設備被害によるサプライチェーン寸断、商品や原材料輸送の停止

微小

●BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)対応の推進

慢性的

降水・気象パターンの
変化や平均気温上昇

●植林地、原料調達先が被害を受け、安定調達に影響が出る

●調達先の多角化による調達の安定化
●植林の推進による原材料の調達量の確保
●植林する地域・気候に適した樹種の選定、育種開発

 

機会項目

予測される事象

財務インパクト

戦略・対応策

機会

商品と
サービス

需要家の
品質要求が変化
技術革新による
新商品・サービスの開発

●環境配慮型商品(FSC商品、脱プラ・減プラ商品)の需要増加
●環境貢献商品(制汗、防災・避難グッズ商品)の需要増加
●リサイクルに対する認識の変化
●産業廃棄物を減らす風潮
●水資源の節約から
節水型商品の増加

微小

〈紙・板紙部門〉
●脱プラ製品、包装機能材の拡大
●FSCなどの認証品拡大
●CNF素材、RFIDの開発推進、製品拡大
〈H&PC部門〉
●脱プラ包装材への転換
●マスク、衛生用品などの気候変動対応商品の拡大
●制汗商品、熱中症対策商品の開発、販売拡大
●水に溶けやすい商品などの開発、節水支援

プラスチック
リサイクル

●プラスチックリサイクル需要、
バイオマス由来の補強素材への需要が増加

●リサイクルプラスチックをCNFにより補強する技術
の開発を具現化

エネルギー源

再生可能エネルギーの
利用拡大
リサイクル、ゴミゼロ
エミッションの強化

●現在、有効利用されていない廃棄物由来燃料を調達することで燃料コスト改善
●単純焼却されている廃棄物をサーマルリサイクル
●夾雑物が多く単純焼却や埋設処理されている古紙をマテリアルリサイクル

微小

●地域全体に寄与するリサイクルボイラーの建設
●有効利用されていない産業廃棄物・一般廃棄物の調査
●難処理古紙及び夾雑物(プラスチック類)の利用拡大

資源
効率

原料のリサイクル
資材の再利用

●原材料のリサイクルシステム構築による費用低減
●消費者環境政策要求の満足度向上

●使用済み紙おむつを回収、リサイクルする仕組みの構築
●資材を再利用する設備導入
●環境配慮型商品の上市

  ③ リスク管理

 気候変動への対応に関する基本的なリスク管理はサステナビリティ戦略全体のリスク管理に含まれます(詳細は2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)大王グループサステナビリティ・ビジョンを参照)。

 特に、気候関連リスクの識別・評価においてはシナリオ分析を行い、移行リスク、物理的リスク、機会に分けて網羅的に抽出して、財務に影響を与える項目を整理しました。また、リスクの特定や不確実性の高/低の評価、定性的・定量的な財務インパクトの検討を行っています。

 気候変動リスクの識別・評価は、「サステナビリティ委員会」の8つの下部会のうち、「地球温暖化対策部会」「TCFD対応部会」「物流GHG削減部会」「森林・生物多様性対応部会」を中心に実施しています。

  ④ 指標と目標

2021年5月の大王グループサステナビリティ・ビジョンの公表・TCFDへの賛同表明と同時に、事業戦略と連動させる形で、地球温暖化対策の長期ビジョンとして「2050年カーボンニュートラル」を目指すことを発表しました。そのマイルストーンとして、Scope1+2における「2030年化石由来CO2排出量46%削減(2013年度比)」を宣言し、ロードマップも開示しています。

・大王グループ統合レポート2022(P57-58)

 https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/pdf/ir/2022_all_l.pdf

 ロードマップでは、2050年までに主要工場の三島工場で保有する石炭ボイラー全3缶停止の方針をかかげ、再生可能エネルギーや低炭素燃料(LNGなど)への燃料転換、省エネルギーを推進するとともに、地域における廃棄物等を燃料とするリサイクルボイラー(現在環境アセスメントを実施中)の導入により、地域全体でのCO2削減を進めていきます。

 さらに、植林拡大によるCO2吸収・固定量増にも取り組み、排出削減と吸収・固定で2050年までにカーボンニュートラルを実現していきます。

Scope3は、現在グループ全体の定量把握を進めており、大王製紙単体の2021年度実績については集計が完了し、2023年5月に第三者保証を取得しました。今後、グループ全体の目標を設定し開示するとともに、サプライチェーン全体での排出削減に取り組んでいきます。

<2021年度実績>

 化石由来CO2排出量:3,657千トン

 化石由来CO2排出量削減率(2013年度対比):2.1%

GHG排出量:4,388千トン (注)

          (うち、Scope1:3,878千トン、Scope2:510千トン)

(注) 2022年度に株式取得をした吉沢工業株式会社(2022年5月)と株式会社大貴(2022年10月)を除く、

 国内・海外の連結グループ全社の実績です。

2022年3月期グリーン電力証書販売分を含むGHG排出量は4,518千トンです。

Scope3は、大王製紙単体の2021年度実績のみであることから、2021年度のGHG排出量に含めていません。なお、2021年度の大王製紙単体のScope3排出量は1,782千トンでした。

  <四国中央市カーボンニュートラル協議会について>

 当社グループは地域全体での脱炭素化に取り組んでいくため、四国中央市カーボンニュートラル協議会に幹事会社の1社として積極的に関わっています。2023年3月には「四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」を公表しました。本協議会は、事業者、自治体、地元地方銀行、地元教育機関、地元業界団体等の結節点として、地域のカーボンニュートラル実現および地域課題の解決に今後も貢献してまいります。

・四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ(当社ホームページ開示資料)

 https://www.daio-paper.co.jp/wp-content/uploads/Attachment-Roadmap.pdf

(3)人的資本への対応

 当社グループは、社員一人ひとりの「働きがい」(エンゲージメントの向上)が企業の持続的成長に繋がるという考えのもと、「人権尊重と人財育成、社員への思いやり」をマテリアリティの一つとして掲げ、人的資本への対応を経営の重要課題と位置づけ、取り組んでいます。

  ① ガバナンス

 人的資本への対応に関する基本的なガバナンスはサステナビリティ戦略全体のガバナンスに含まれます(詳細は2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)大王グループサステナビリティ・ビジョンを参照)。

  ② 戦略

・人財育成方針:自ら考え、決断して実行する「自律型人財」の育成

 めまぐるしく変化する経営環境や事業リスク、多様化する生活者のニーズ等に柔軟に対応して持続的に企業価値の向上を図っていくため、果敢にチャレンジして「自ら考え、決断して実行する」自律型人財の育成が必要であり、当社グループの競争力の強化につながると考えます。

「誠意と熱意を持つ者が事を成す」という創業の精神に基づき、公正な評価・処遇を通じて自らの成長・働きがいが実感できる仕組みや、安全・安心を最優先とした環境において「自律型人財」を育成し、社員一人ひとりが能力を最大限発揮しイノベーションを生み出すことで、経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を実現します。

・社内環境整備方針

(a)ダイバーシティ&インクルージョンの推進

 当社グループの発展を支えるのは海外事業や新規事業等の拡大、いわゆるイノベーションであり、その実現には多様な人財の育成・活躍が欠かせません。当社グループでは代表取締役社長を委員長とするダイバーシティ委員会を設置し、多様な人財が挑戦・活躍できる風土改革及び環境整備を進めています。

<人権尊重の取組について>

 当社グループが目指す「やさしい未来」には、すべての人が生まれながらにして持つ自由と尊厳、権利が尊重される社会の実現が必要であると考え、マテリアリティ(重要課題)の中に「人権尊重」を明示しています。

2021年10月には大王グループ人権方針を策定しており、今後もこの方針のもと、グローバルに事業展開を進める中で、ビジネスパートナーからの協力も得ながら、人権デュー・ディリジェンスプロセスの確立や人権尊重の教育の徹底等に取り組んでいます。

<女性活躍推進について>

 当社グループの成長事業であり、かつ女性の活躍フィールドが広がってきているホーム&パーソナルケア部門を中心に、積極的に女性の採用・配置を増やすとともに、異業種交流研修等を通じてリーダーの育成に取り組んでいます。

<男性育休取得推進について>

 当社グループは、「男性育休100%宣言」を掲げ、社内制度として、「GOO.N子育てサポートプログラム」(おむつケーキのプレゼント、GOO.N商品の特別割引、ベビーシッター利用補助等)、「GOO.Nすくすく休暇」(育児目的有給休暇)、事業所内保育所「GOO.N すくすくはうす」(愛媛県四国中央市)等を整備、推進することで、男性社員含め育児と仕事の両立を支援しています。

2022年度は、男性社員の育児休業取得率は大王製紙単体で8割を超え、当社グループにも取組を拡大しています。今後も働き方改革を通じて、多様な人財が活躍できる風土づくり、社員満足度の向上に繋げていきます。

(b)成長と挑戦を支援する人財育成

 社員が働きがいを持つことができ、持続的な挑戦と成長を支援する人事制度及び環境を整備します。

 自律型人財の育成を目指し、「Daio Career Challenge」(キャリア選択社内公募制度)を設ける等、社員が自律的にキャリア形成・能力開発できる体制を整えています。また、中長期的な働きがいやモチベーションの向上のために、管理職には株式報酬制度を導入しています。

 次世代リーダーや当社の成長エンジンであるホーム&パーソナルケア事業部門、海外事業を担う人財の育成・強化にも力を入れており、若手社員の内から海外留学や国内外MBAの取得支援等に挑戦できる制度を整備し、計画的な育成に取り組んでいます。

(c)安全で活力ある安心第一の職場環境づくり

 安全・安心を最優先に社員が生き生きと働ける「安全で活力のある安心第一の職場環境づくり」を推進します。

 災害ゼロを目指し、「安全な意識」「安全な環境」「安全な仕事」を3本柱に事業所内で働くすべての人の安全を守ります。また、「働き方改革宣言」及び「大王グループ健康宣言」に基づき、柔軟な勤務制度の導入などのライフ・ワークバランスの推進、心身の健康増進の各種取組を通じ、人生100年時代に適応した社員が安心して働ける環境を整備していきます。

  ③ リスク管理

 人的資本への対応に関する基本的なリスク管理はサステナビリティ戦略全体のリスク管理に含まれます(詳細は2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)大王グループサステナビリティ・ビジョンを参照)。

  ④ 指標と目標

主なKPI

単体

連結

対象範囲

2022年度
実績

2022年度
実績

2030年度
目標

一般社員時間外労働時間

23.0h/月

19.9h/月

10.0h/月

提出会社および国内・海外の連結子会社

年次休取得率

75.0%

72.6%

90.0%

提出会社および国内・海外の連結子会社

障がい者雇用率

2.3%

2.2%

2.8%

提出会社および障がい者の雇用義務がある常時雇用の労働者43.5名以上の国内連結子会社

女性管理職比率
(管理職に占める女性労働者の割合)

2.7%

5.2%

10.0%

提出会社および国内・海外の連結子会社
(性自認が多様であり性別管理を行っていない一部海外連結子会社を除く)

男性育休取得率
(男性労働者の育児休業取得率)

82.7%

79.3%

100.0%

提出会社および男性育休取得率の開示義務がある常時雇用の労働者1,000名を超える国内連結子会社

3年後新卒定着率(総合職)

82.2%

-

90.0%

新卒総合職定期採用制を導入している大王製紙(提出会社)
※2018年度~2020年度入社者の平均値を算出

 人的資本において、まだ十分に開示できていないリスクと機会やそれに対応する施策やKPIについては、引き続き把握に努めるとともに、開示の拡充を進めてまいります。

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