大日光・エンジニアリング 【東証スタンダード:6635】「電気機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループでは、2020年度におけるマネジメント体制の刷新を機に「DNE WAY 長期経営計画2030」を策定し、「すべてのステークホルダーから信頼され、期待され、愛される企業集団を目指し、技術とアイデアで社会に貢献する」という企業理念の実現に向け、新たな一歩をスタートしました。
この「DNE WAY 長期経営計画2030」に基づく、次の3ヵ年に向けた「中期経営計画 Phase2(2024-2026)」を策定いたしました。本計画においては、資本コストを意識した「収益性の向上」と「投下資本効率の改善」に資する施策を展開してまいります。加えて、ESG・人的資本・IR手法の多様化等、サステナビリティ経営を推進し、中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
(2)経営環境
当社グループの主たる事業は、車載機器、医療機器、産業機器(半導体製造装置)、オフィス機器、社会生活機器、その他機器に使用するプリント配線基板への電子部品実装部門と、実装したプリント配線基板も含めた機構組立部門(最終製品に組み込まれるユニット)を有するEMS(エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス)であり、EMS業界は次々に新しい電子機器が誕生し続けていること、また、大手セットメーカーにおける開発設計部門への特化傾向等により需要は年々増加しており、市場規模は今後も拡大が見込まれております。
一方、経営環境は、中国の景気停滞が長期化する兆しであること、ウクライナ・パレスチナ情勢等の地政学リスクが長期化していることに伴いあらゆるコストが増加していること等、世界経済全体の不確実性は引き続き高い状況が見込まれます。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(前期の振り返り)
「DNE WAY 長期経営計画2030」に基づく「中期経営計画Phase1(2021-2023)」の最終年として①経営基盤の強化、②経営基盤の拡充、③人材育成に対する取組強化を優先的に対処すべき課題として取り組んでまいりました。
①経営基盤の強化
・2022年11月に子会社化した中国・無錫栄志電子と無錫子会社との連携・協業体制を継続
・社内横断的組織による在庫削減プロジェクト展開(2023年1月)
・大日光グループ「カーボンニュートラル宣言」を公表(2023年3月)
<2023年実績と目標> (t-CO2/年)
2021年 | 2023年(実績) | 2030年(目標) | 2040年(目標) | 2045年(目標) |
20,152.0 | 16,101.2 | 12,534.5 | 4,070.7 | 0.0 |
基準年 | 20.1% | 37.8% | 79.8% | 100.0% |
・2022年4月に生産を終了した中国・深圳子会社の譲渡手続き完了(2023年9月)
・外部コンサルタントを交えた生産改善活動(継続実施)
②経営基盤の拡充
・医療系製品組み立ての新たな拠点として那須工場を新設(2023年1月)
・クリーンエネルギー利用促進に繋がる蓄電技術の向上を図るため「佐茂股份有限公司(台湾、高雄市)」と包括的業務提携を締結(2023年8月)
・中国内需等の受注拡大に向け中国子会社にて中国系・欧米系車載メーカーからの受注を拡大(通期)
・地域振興型ビジネスとして自社所有地および耕作放棄地を有効活用したアグリ事業に参入
③人材育成に対する取組強化
・現場力向上、カイゼン分野を網羅した人材育成コンテンツ(eラーニング)導入(2023年7月試行開始)
・人事マネジメント再構築に向けタレントマネジメントシステム導入(2023年10月試行開始)
(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
新たな「中期経営計画Phase2(2024-2026)」においては、ROICに着目したKPIを設定するとともに責任部署の明確化と目標のブレイクダウンを実施、中期経営計画の諸施策を着実に実行することにより経営目標の実現を目指してまいります。加えて、ESG・人的資本・IR手法の多様化等、サステナビリティ経営を推進し中長期的な企業価値向上に取り組んでまいります。
①事業戦略
基本方針 | ◆既存領域の収益性改善 ◆外部リスクに強いセグメントポートフォリオの構築(事業領域多層化) ◆開発・設計力強化による高付加価値案件の獲得 |
主な施策 | ◆客先別・受注案件毎の採算モニタリング ◆「東南アジア」ならびに「医療分野」「半導体分野」の売上比率を拡大 ◆「航空宇宙関連」への更なる挑戦 ◆「バッテリ・バッテリ周辺機器」受注拡大 |
主なKPI | <2026年目標> ◇東南アジア売上比率の拡大 <売上比率:20%> ◇医療分野の新規顧客開拓・売上拡大 <売上比率:20%> ◇半導体分野(産業機器)の新規顧客開拓・売上拡大 <売上比率:20%> ◇非日系売上比率(海外拠点)の拡大 <売上比率:21.5%> ◇航空宇宙・バッテリー等、開発設計案件売上高の拡大 <売上高:20億円> |
②財務戦略
基本方針 | ◆資本コストを意識した財務戦略 ◆投下資本利益率(ROIC)向上 |
主な施策 | ◆在庫・有利子負債の圧縮(BSの改善) ◆為替エクスポージャーの最適化 |
主なKPI | <2026年目標> ◇棚卸資産回転期間 <1.9ヵ月> ◇ROIC <4.5%> |
③経営基盤の強化
基本方針 | ◆人事マネジメント再構築と人材育成 ◆DX推進による生産性向上と管理業務の効率改善 ◆サステナビリティの推進 |
主な施策 | ◆新たな研修プログラムの構築と人材ポートフォリオの有効活用に向けた取組み ◆新基幹システムの導入 ◆ESG推進 |
主なKPI | ◇「タレントマネジメントシステム(本格展開)」と「新たな社内研修制度の構築」 <2024年度導入> ◇連結決算システムの導入<2025年度導入> ◇新基幹システムの導入 <2026年度導入> |
④ESG/SDGsへの取組み
| 基本方針 | 主な施策 |
E 環境 | ◆地域環境の維持 ◆持続可能な社会に貢献できる製品の提供 | ◇「カーボンニュートラル宣言(2023年3月)」に基づく温室効果ガス排出量(Scope1.2)の削減 ◇「リチウムバッテリのリユース事業」ならびに「自然エネルギー活用製品」への取組強化 |
S 社会 | ◆地域経済への貢献 ◆食品ロス削減 ◆多様性の裾野拡大 | ◇アグリ事業参入による地域貢献と効率的な農業の実現 ◇「廃棄農産品の福祉施設・子ども食堂への提供」を継続 ◇管理職・管理職予備軍への女性登用/障がい者雇用 ◇海外拠点におけるマネジメント層へのローカル人材の登用 ◇ノー残業デーの浸透/有給・育休(全体・男性)取得率向上 |
G ガバナンス | ◆コーポレートガバナンス ◆リスクマネジメント・ コンプライアンスの推進 | ◇ガバナンス・コンプライアンスの更なる強化 ◇IR活動(投資家向け決算説明会等)の多様化 |
⑤人的資本への取組
人材の 確保・育成 | ◆階層別、リーダー・プロフェッショナル人材育成に向けた研修プログラムの再構築 ◆社内プロジェクト活用により「自らが考える力」「やる気」意識を醸成 ◆評価制度高度化に向けた考課者研修 |
人材の 最適配置 | ◆キャリアパスを考慮した人材の最適配置 ◆ベテラン人材を活用できる人事制度導入 ◆タレントマネジメントシステム本格運用による個人別キャリア・スキルの見える化 |
働き方改革・健康経営 | ◆ノー残業デー浸透率の向上 ◆有給・育休(全体・男性)取得率向上 |
ダイバーシティー | ◆管理職・管理職予備軍へ女性登用 ◆マネジメント層へローカル人材登用(海外) ◆障がい者雇用の積極展開 |
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