大成建設 【東証プライム:1801】「建設業」 へ投稿
企業概要
建設投資は、新型コロナウイルス感染症の流行により、中長期的に縮小することも想定されましたが、大きく縮小することはなく、底堅い公共投資と、コロナ後を見据えた製造業を中心とした旺盛な民間設備投資に牽引され、コロナ前を上回る水準まで持ち直しつつあります。
しかしながら、建設資材価格が幅広い品目で高騰したことが工事の損益に甚大な影響をもたらしており、当社グループを取り巻く経営環境は非常に厳しい状況となっております。
このような状況の下、2023年度を最終年度とする「中期経営計画(2021-2023)」に取り組んでおりますが、事業量拡大に向けた生産体制整備の遅れや、高騰した建設資材価格の価格転嫁が進まなかったこと、厳しい競争の中で複数の大型工事を低い利益率で受注したこと等の影響を受け、2023年度の業績予想は、中期経営計画最終年度の数値目標を下回る見通しとなっております。
2023年度は、中期経営計画未達の原因分析を行い、2024年度から始まる次期中期経営計画を策定してまいります。
最終年度(2023年度)における数値目標(連結)
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| 中期経営計画(2021-2023)最終年度(2023年度) | ||
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| 数値目標 | 業績予想 | 差額 |
| 売上高 | 20,000億円 | 17,600億円 | △2,400億円 |
| 営業利益 | 1,400億円 | 640億円 | △760億円 |
| 当期純利益 | 1,000億円 | 450億円 | △550億円 |
| ROE | 10%程度 | 5.4% | ― |
| 配当性向 | 25%程度 | 53.7% | ― |
| 純有利子負債(※) | 実質無借金の維持 | ― | ― |
※ 純有利子負債 = 有利子負債 - 現金預金
中長期的に目指す姿 [TAISEI VISION 2030]
進化し続ける The CDE³(キューブ)カンパニー |
CDE³(キューブ) :Construction, Development, Engineering, Energy, Environment
■基本姿勢
安全・安心の実現
「人」と「技術」と「情報」の最適活用
■業績数値イメージ
グループ売上高 | 2.5兆円程度 |
グループ純利益 | 1,500億円程度 |
ROE | 10%程度 |
■ステークホルダーへの還元
顧客・サプライヤー・社会 | CDE³を通じた還元 |
株主 | 配当性向25~30% |
社員 | ダイバーシティ&インクルージョンを進め、多様な能力を最大限発揮できる働きやすい環境や人事・給与制度を実現 |
中期経営計画(2021-2023)
■重点課題|事業関連
グループ国内建築事業 | 厳しい競争環境下における優位性の確立 |
グループ国内土木事業 | 強固な事業基盤確立のための体制整備 |
グループ海外建設事業 | 安定的な事業基盤の確立と確実に利益を上げる体制の構築 |
グループ開発事業 | 不動産ポートフォリオの最適化と投資効率の追求による安定的な収益基盤の構築 |
グループエンジニアリング事業 | 強みを生かした事業領域の拡大 |
■重点課題|サステナビリティ関連
エネルギー・環境 | 環境分野のフロントランナーを目指して、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速させる スコープ1・2:事業活動によるCO2排出量目標を「実質ゼロ」へ スコープ3 :ZEB性能の向上とグリーン調達の拡大 |
基盤整備 | サステナビリティを踏まえた基盤整備を実施する 安全 :死亡災害・重大事故ゼロ 技術開発 :環境・社会課題解決に向けた技術開発の推進 DX※ :生産システム変革と働き方改革の実現 働き方改革:魅力ある職場環境やダイバーシティ&インクルージョンを重視した 施策推進 ガバナンス:グループガバナンス体制の再構築 |
※DX:デジタル・トランスフォーメーション
■投資計画
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| 中期経営計画 | 3ヵ年実施予定 |
| ●投資額 | 2,500億円 | 2,500億円 |
| 1.技術開発投資 | 600億円 | 720億円 |
| 2.情報投資 | 600億円 | 590億円 |
| 3.設備・人材関連投資 | 150億円 | 150億円 |
| 4.事業関連投資 | 1,250億円 | 1,100億円 |
※1・2には一部重複を含む
※事業領域拡大を目的とするM&A投資等は別枠で実施
投資額のうち環境関連投資に含まれるもの
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| 中期経営計画 | 3ヵ年実施予定 |
| 技術開発投資 | 420億円 | 540億円 |
| 事業関連投資 | 180億円 | 90億円 |
| 計 | 600億円 | 630億円 |
(3)その他経営方針に関する事項
①施工中工事における鉄骨建方等の精度不良について
札幌支店で施工中の「(仮称)札幌北1西5計画」において、鉄骨建方等の精度不良が発生しました。品質管理部門の独立をはじめとした品質管理体制の強化等、再発防止に向けた対策を実施し、全社を挙げて信用・信頼の回復に努めてまいります。
②独占禁止法違反容疑事件に係る控訴審判決及び上告申立てについて
2018年3月にリニア中央新幹線ターミナル駅新設工事に関する独占禁止法違反容疑で当社及び当社顧問が東京地方検察庁により起訴された事件について控訴を提起しておりましたが、2023年3月に東京高等裁判所より、当社に対する有罪判決及び当社顧問に対する執行猶予付き有罪判決が言い渡されました。
当社は、これらを受け、2023年3月に最高裁判所へ上告いたしました。
なお、2021年3月に東京地方裁判所へ提起した公正取引委員会による排除措置命令の取消訴訟につきましては、継続しております。
引き続き、裁判手続において、独占禁止法違反がなかったことを主張してまいります。
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