壽屋 【東証スタンダード:7809】「その他製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「社会に貢献し、感謝される分野において常に感動と驚きを提供する健全なる№1企業であり続ける」という企業理念のもと、既存のマーケットにとらわれることなく、柔軟な事業展開を推進していく方針であります。
(2)目標とする経営指標
当社は、営業活動から生じた営業利益に、金融収支を加味した経常利益の売上高に対する比率である売上高経常利益率を主要な経営指標とし、安定的に10.0%以上とすることを目標としております。
(3)会社の経営戦略
当社が主に取り扱っている製品は、プラモデル、フィギュア、雑貨であります。今後は、これらの製品を大切にしながらも、より大きなフィールドとして、エンターテインメント分野全般を扱う会社へのシフトを目指してまいります。また、自社IP(自社で創造したキャラクターなどの知的財産)は版権使用料が発生しないため利益率が高く、キャラクター使用の範囲を縛られることもないので、複合的な製品展開ができます。
国内では自社IPの積極展開とともにエンターテインメント分野への進出、海外では流通・販売力の強化、それらに社内体制強化に伴うスピード感が一体となったときに、当社は新たな飛躍の時を迎えることができると考えています。また、新領域の拡大に向けた新たな取り組みの一環として、デジタルコンテンツを含めた当社の持続的成長のエンジンとなるようなプロジェクトも複数進行しております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く経営環境につきましては、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられたものの、国際的な政情不安等に起因する国内外への経済活動への影響、不安定な為替相場及びエネルギー・原材料価格の上昇などにより、依然、先行き不透明な状況が続くものと想定されます。
当社は、このような状況において、企業理念のもと、“私たちが作り出すホビーを通じて世界の人々と幸せを共有する”及び、“世界の人々に感謝される「感動と驚きのサービス」を提供し続ける”をミッションとして、企業価値の向上に取り組んでおります。
その中でも、下記の5項目を当社にとっての重点的な課題としてとらえ、その対応に取り組んでまいります。
①自社IP拡充に向けた投資・育成
当社は、従来、自社IP製品の開発・製造について継続的に注力しております。
今後もオリジナルIP創出、拡充にも積極的に取り組み、収益力の強化に取り組んでまいります。また、当社の得意としている美少女及びロボットカテゴリーにおいても長期的にキャラクターを投下できるシリーズを創出するとともに、他メディアを活用したビジネスモデルを確立する必要があるものと考えております。そのために、これらを可能にする社内外のリソースを確保・育成し、ケイパビリティの底上げを図るとともに、顧客の心をつかむキャラクター、ストーリー、世界観をゼロから作り出すことができる当社の強みを活かすよう積極的に取り組んでまいります。
②海外展開・EC機能の強化
当社は、従来、国内市場と同様、海外市場での事業展開の強化が重要事項と考えており、継続的な事業拡大を図ってまいります。
アジア地域においては、韓国、台湾、香港にてオープンした「プレミアムパートナーショップ」をはじめ、引き続き当社の強みである製販一体のサービスを主とした戦略的パートナーシップの拡大・拡充を図ってまいります。
中国については、「KOTOBUKIYA」ブランドの認知向上及び製品・サービスの拡充を目的として深圳地区に企画製造販売を請け負う合弁会社「寿屋風正」を設立し、さらなる事業展開を進めてまいります。
また、北米地域においても、イベント出展や自社運営ECサイトを設立し、マーケティング戦略のもと、市場へのアプローチを推し進めてまいります。
引き続き、海外において新たな顧客を獲得するとともに、世界各国に当社の製品・サービスをさらに浸透させるため、海外ディストリビューターとの関係強化、マーケティング活動強化、ショールーム出店及びECサイト等のネットワーク構築を図ってまいります。そして、海外展開を見据えた採用を実施するとともに、定着に向けての各種諸制度の整備に取り組んでまいります。
③サプライチェーンの拡充
自社製品を海外で製造する当社のビジネスモデル上、サプライチェーンの拡充は重要事項と捉え、継続して開拓、調査及び連携などの対応を図っております。
販売数量及び商品種類数増加に向けて、既存の製造工場、原型師などの協力会社とさらなる関係強化を図るとともに、日本の高い製造技術を背景とした「TOKYO Mark」製品の開発も順調に進行しており、「TOKYO Mark」製品をベンチマークとして現在の製品クオリティを維持向上させながら、高品質な商品を安定的に供給できる体制の整備に取り組んでまいります。
引き続き、日本国内を含めた有力な新規取引先の開拓を推進してまいります。
④プラモデル・フィギュアに続く新領域の確立
当社のビジネス拡大のためには、現在対象としている顧客層のニーズに応えることのできる商品開発を推進するとともに、新規の顧客層を開拓するために新領域の事業分野での製品開発を行う必要があるものと考えております。2023年に発売した『ARTIST SUPPORT ITEM』「ハンドモデル」は国内外のお客様に高い評価をいただきました。今後も同シリーズの拡充を図ってまいります。
当社の持つ「高品質な商品をゼロから作り出す」という強みを活かし、現状の主力分野であるプラモデル・フィギュア・グッズに留まらず、新領域の事業分野への参入とその分野から主力であるプラモデル・フィギュア・グッズに誘引するビジネスモデルの確立に取り組みます。
⑤経営基盤の強化と人的資本投資の拡充
より正確で精度の高い情報をより速く社内に展開し意思決定の質を高めるために、BCP対策も含めたセキュリティレベルの向上を主軸に基幹システムのリプレイスを実施中であるとともに、階層別・職階別・テーマ別人材育成プログラムと連動した人事制度を拡充することにより、従業員のエンゲージメントを高め、人的資本のさらなる拡充に取り組んでまいります。
特に将来を担う人材の確保及び育成は最も重要なテーマであり、全力で取り組む課題であります。そのため、採用体制の強化を図ると共に、人事制度により柔軟な変化対応能力を持つ人材を育成してまいります。
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