企業地盤ネットホールディングス東証グロース:6072】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造をめざします。」という経営理念の下、専門的な知識を持たない生活者が、専門的な知識・経験を持つ供給者から一方的に情報を提供されている不利益を解消するため、私たちはこの情報格差を埋める役割を担う住生活エージェントとして、高度な知見をもとに公正な立場で商品やサービスを今後も開発・提供してまいります。

 これを実現するためには、株主はもとより、お客様、お取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な関係を築き、企業倫理とコンプライアンス遵守を徹底するとともに、企業活動を律する枠組みであるコーポレート・ガバナンスを一層強化し、企業価値の向上に努めてまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、企業価値を高めるために、成長性・収益性の指標として、売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しております。また、経営指標としてROE(自己資本利益率)を採用し、株主資本コストを意識した経営により企業価値の向上に努めてまいります。

(3)会社の対処すべき課題

2008年の創業以来、「“生活者の不利益解消”という正義を貫き、安心で豊かな暮らしの創造を目指します」という経営理念の下、地盤改良工事を行わない地盤解析専門会社として、地盤セカンドオピニオン®から事業をスタートし、住宅事業者へ地盤調査・地盤解析サービスの提供を行ってまいりました。また、地盤情報を見える化した、地盤安心マップ®、地盤カルテ®の提供や新築住宅の設計施工及びリフォーム施工といった個人のお客様へのサービスも展開してまいりました。
 創業から2015年頃までは、売上・利益も順調に伸びておりましたが、その後は競合他社の影響による平均販売単価の下落による売上・利益の減少で事業が低迷し、一時的な回復の兆しはありましたが、厳しい状況が継続しております。また、株価の低迷による東京証券取引所グロース市場の上場維持基準における時価総額40億円に適合しない状態となっております。

 今後、国内住宅市場は、少子高齢化により緩やかに縮小していくことが予想されます。当社の継続的な事業発展のためには、高付加価値サービスの提供と新たな事業展開、これらを遂行するための組織体制強化が必要であると考え、2020年よりこれらの課題に取り組み、今後の成長のための新たな事業としてのBIMサービスの提供開始と組織体制の基礎を整えてまいりました。今後も企業価値向上のため、組織体制の更なる整備と強化、BIMサービス事業の拡大、新たな高付加価値サービス開発が課題であると認識しております。

① マーケットの拡大
 BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供開始により、従来の戸建住宅事業者の仕入・建築部署を窓口とした取引に加えて、新たに設計・販売部署との取引が生まれ、一社あたりの取引量が拡大しました。同時に、マンションや大型分譲地の3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを提供することで、不動産ディベロッパー等との取引も始まっております。また、BIMモデリングサービスを開始したことで、ゼネコン、設計事務所との取引も始まりました。
 2023年11月に、3DスキャンとBIMモデリングによる、図面のない既存建築物のデジタル化の取り組みが、京都市に採用され、自治体との取引も始まっております。
 今後も、戸建住宅事業者以外との取引を拡大させるために、より高い技術力を培い、その技術力を採用いただくための営業活動強化が課題と認識しております。

② BtoCビジネス

 当社グループが個人のお客様向けに提供している「地盤カルテ®」「地盤安心マップ®」「デジタル耐震チェック」は、地盤の良し悪し、建物の耐震性の結果のみを提供するサービスでしたが、当社グループの経営理念に賛同するお取引先・協力会社へ個人のお客様を紹介することで、安全安心な家づくりにおいて家の完成まで関わる仕組みを構築し、お取引先・協力会社より紹介手数料をいただく紹介ビジネスを開始しております。
 新築住宅建築において、地盤調査は法的に義務付けられているため、戸建住宅事業者は必要性を認識しておりますが、個人のお客様(施主様)には、地盤調査の価値や必要性をまだ十分に認識していただけているとは言えません。
 ホームページ、SNS等で個人のお客様向けの情報提供を行っておりますが、地盤調査の価値や必要性をより多くの方に認識していただくための普及活動が課題であると認識し、広報部門の強化を行い、普及活動にも取り組んでまいります。

③ BIMサービスの拡大
 BIMによる建築・設計業務は、設計から竣工後のファシリティマネジメントまで可能ですが、現在、当社グループが提供しているBIMサービスは、3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを活用したプレゼンテーションの分野が中心で設計BIM(意匠、構造、設備)と施工BIMは少数となっております。当社グループの事業拡大のためには、戸建住宅市場にとどまらず、設計BIM(意匠、構造、設備)と施工BIMといったレベルの高いBIMサービスの提供で、ビル・商業施設等の大型物件の非住宅建築の市場へ拡大、また、3DスキャンとBIMモデリングによる図面のない既存建築物のデジタル化といったBIMの新たな活用による市場開拓が必要です。
 既存の技術に留まることなく、BIMに関する研究開発の継続、日本及びベトナム・ダナンBCPOセンターにおける技術力の向上のための取り組みが課題と認識しております。

④ 自然災害への対応
 従来の地盤調査・解析では予見困難な自然災害が近年多発しております。
 当社が開発・リリースした事業者向けの地盤安心マップ®PRO、個人のお客様向けの地盤カルテ®において、津波マップ、地滑りマップ、災害伝承碑情報マップ、令和6年能登半島地震情報の取り込みにより情報量の拡大を実施し、各種自然災害リスク対応を行いました。また、これらのリスク情報を基に解析技術のアップデートも実施してまいります。
 今後も最新の情報へのアップデートを継続し、また、気象データ等の取り込みの検討も行い、多発する自然災害に対応することが課題と認識しております。

⑤ DX戦略
 地盤関連業界を含む建築業界は、他の業界と比較してIT化が進んでいないのが現状ですが、当社グループは2015年に当社グループとお取引先・協力会社がWEB上で相互に利用でき、物件の工程進捗を個別に管理できるシステムを構築いたしました。このシステムは多くのお取引先・協力会社に利用いただいております。また、地盤に関する膨大なデータも蓄積されております。
 今後は最新のテクノロジーによる業務効率化と収益化を目指し、建築業界における各種システムやアプリ等の外部連携、いつでも・どこでも・誰でも情報にアクセス可能な仕組みづくり、蓄積された地盤データの活用といった視点でのシステム開発が課題と認識しております。

 
⑥ ガバナンス
 当社グループの経営体制・組織体制の現状は、基礎を整えた状態であり、この体制を安定運用するためのガバナンス強化が必要であると認識しております。また、ガバナンス強化と同時に、従業員の能力や知識を高め人材価値を最大限に引き出すことで企業の価値向上を目指す「人的資本経営」に取り組む事も必要であると認識しております。
 
⑦ 上場維持
 当社は、東京証券取引所グロース市場の上場維持基準における時価総額40億円に適合しない状態となっております。
 上場維持のためには、株価を上昇させ、持続的な事業発展と企業価値を向上させる必要があります。
  上記課題に取り組み、また、中長期ビジョンの開示、IR・広報活動にも取り組んでまいります。

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