名糖産業 【東証プライム:2207】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、食品および化成品事業を中核事業として位置付け、「食品と化成品の関連分野をベースとして、おいしさ、たのしさ、健康を追求し、お客様に喜ばれる商品を提供します」の企業理念のもと、①お客様重視の経営、②迅速、確実な仕事とたゆまぬ創意工夫に基づく独自性のある経営、③人間性を尊重し、能力、意欲を最大限に発揮する活力ある経営を基本姿勢として、企業価値の永続的な向上を目指し、お客様、株主の皆様、取引先様、社員ならびに地域社会に強く支持されるよう努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年計画である中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2026」を策定し、連結売上高、連結営業利益、連結経常利益、ROE、PBRを重要な経営指標としております。中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の経営指標は、連結売上高300億円、連結営業利益18億円、連結経常利益30億円、ROE5.0%以上、PBR1.0倍として、達成に向けて取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の規制緩和により社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善などにより、景気が持ち直していくことが期待される中、不安定な国際情勢による資源価格の変動や世界的な金融引締めによる景気の下振れ懸念など、先行きは不透明な状況が継続すると考えられます。
当社の主力事業であります食品事業につきましては、更なる原材料価格の高騰やエネルギーコストの高止まりが続き、また、人口減少や高齢化に伴う国内市場の縮小や消費者の根強い低価格志向による販売競争の激化、人件費や物流費の上昇など、今後も厳しい経営環境が続くものと予想されます。
また、国内外に市場をもつ化成品事業につきましては、特に酵素事業では脱炭素やグリーンケミストリーなど環境問題対策が追風として期待される一方、技術の進歩や情報化社会の高度化により、新規市場参入やM&Aによる市場再編が起きやすい環境になっております。また、ロシア・ウクライナや中東情勢など、各国同士の複雑な政治問題や国政の変動による為替変動や貿易規制への影響が読みにくい状況であります。
このような状況のなか、当社グループは2020年度に掲げた中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2023」の成長戦略に取り組んでまいりました。
・中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2023」の振り返り
最終年度となる当連結会計年度の連結売上高につきましては、ブランド強化を中心とした成長戦略が功を奏し、計画前の2019年度比24.8%増の244億円となりました。食品事業においては中核ブランドへの戦略的な経営資源の投入により、アルファベットチョコブランド、スティックメイトブランドを中心に、化成品事業では高付加価値製品の販売強化により売上が伸長しました。なお、成長戦略の一つに掲げていたM&Aを本年2月に実現させ、参考までに子会社化した株式会社おいもやの年間売上高21億円を加えると、連結売上高は計画の260億円を超過することになります。利益面につきましては、工場の生産性向上などに取り組みましたが、想定を超える原材料やエネルギー価格の高騰などが影響し、未達となりました。
| 2023年度実績 | 中期経営計画 |
連結売上高 | 244億円 | 260億円 |
連結営業利益 | 2.3億円 | 8.0億円 |
連結経常利益 | 14.3億円 | 16.0億円 |
「MEITO CHALLENGE 2023」の重点施策の1つとして推進しました「M&A等による事業拡張」につきましては、さつまいもを主力品目とした菓子・スイーツ商品のインターネット通販を展開している「株式会社おいもや」と、干し芋および焼き芋の製造販売会社である「株式会社平松商店」を子会社化いたしました。両社の強みを活かした事業展開を推進し、グループ全体のさらなる業容拡大を目指します。
・新中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2026」策定
またこの度、2024年度を初年度とする次の3カ年計画である中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2026」を策定しました。計画の概要については次のとおりです。
ス ロ | ガ ン |
| ・Challenge for the future 未来を創造する挑戦 |
|
|
|
コ ン セ プ ト |
| ・持続的な成長に資するバックキャスト思考 (*1) ・事業ポートフォリオ(*2)の最適化に向けた戦略の推進 ・人的資本、資本コスト・株価を意識した経営の強化 |
<経営目標(経営指標)>
連結売上高 |
| 連結営業利益 |
| 連結経常利益 |
| ROE |
| PBR |
300億円 |
| 18億円 |
| 30億円 |
| 5.0%以上 |
| 1.0倍 |
<成長戦略>
①販売戦略
[食品事業]
・中核ブランドへの戦略的な経営資源投入による売上拡大
・グループ会社間のシナジー強化を含む新需要の創造
[化成品事業]
・高付加価値製品の世界市場でのプロモーション強化(グローバルニッチトップ(*3)の維持)
・新規用途開発による新規顧客獲得
②生産戦略
[食品事業]
・安全・品質・生産の向上に直結するDX化(スマートファクトリー(*4)化)
・設備投資・増員および予知予防保全による増産体制の確立
[化成品事業]
・製造技術・プロセスの最適化および設備増強、増員による厳格化する品質要求への対応と生産性の向上
③組織・人事戦略
・組織力向上のための組織再構築、コミュニケーション促進(課題解決プロジェクト発足、グループ会社間交流)
・人的資本強化のための教育・リスキリング(*5)の充実(拡充)およびダイバーシティ推進
④財務戦略
・経営資源の再配分による事業ポートフォリオ(*2)の最適化(ROEの向上)
・累進配当等による株主還元の強化※
※当社は、将来に向けた成長投資を行い、収益力の向上と資本効率の改善を図りつつ、株主の皆様に対しては安定的な配当を維持継続することを利益配分の基本とし、累進配当を継続して実施する方針を決定のうえ発表いたしました。年間配当につきましては、次のとおり予想・計画しております。
| 2025年3月期(予想) | 2026年3月期(計画) | 2027年3月期(計画) |
一株当たり配当金(DPS) | 30円 | 35円 | 40円 |
新中期経営計画「MEITO CHALLENGE 2026」の達成に向けて着実に成長戦略を実行し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
*1 未来の目標から逆算してステップを計画する思考方法
*2 企業の事業の構成やバランスを一覧化したもの
*3 独自の技術力などを武器にニッチ分野(規模は大きくないが専門的な分野)において世界市場でトップシェア
を獲得している企業
*4 AIやロボットなどの技術やデータ活用により、業務プロセス、品質、生産性の向上を実現した工場
*5 従業員が新たなスキルや知識を習得し、異なる業務に適応すること
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