名村造船所 【東証スタンダード:7014】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
世界の物流を支える国際海運においてはGHG(温室効果ガス)排出量削減のため、国際海事機関(IMO)をはじめとして関係各国政府・海事関係者等による取り組みが進められています。
このような事業環境のもと、気候変動対策における当社の重要な役割は、造船事業者として優れた環境対応型船舶を提供していくことであると捉えており、顧客とともに環境対応型船舶の開発をはじめとする取り組みを進めています。
また、鉄構事業においては、国および地方自治体等ご発注による鋼製橋梁工事等を通じて地域交通の円滑化や災害復興に貢献しています。
加えて工場の省エネルギー化、安全への取り組み、人権の尊重、働き易い職場づくりによる人材の確保・育成、地域社会への貢献等についても今後とも積極的に取り組む必要があります。
かかる現状認識に基づき、当社は持続可能な社会の構築に向けた積極的役割を果たすため、2021年に従来の内部統制・コンプライアンス委員会を改組し社長直轄組織としてCSR委員会を設置しました。
さらに2023年3月には当社グループとして当社社長を委員長とするグループCSR委員会を設置するとともに、これまでのCSR委員会の活動範囲を拡大し、各課題に応じた担当部会を設けること等によりサステナビリティ課題について全社的・組織横断的な取り組みを推進していくこととしています。
またサステナビリティ特設ホームページを設けて当社の取り組みを対外的に紹介しています。
(2) 戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。なお、実績値につきましては、当社および主要な連結子会社2社(函館どつく株式会社および佐世保重工業株式会社)を集計の対象としております。
■人材育成方針
当社グループは、競争力の源泉は人材であるという認識のもと、人材育成を行っております。具体的な施策として、採用した人材に必要なスキルを身につけさせ、能力を拡大するために各年次・役職ごとの研修を実施しているほか、職種ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修を実施し、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援しております。
また、経営環境の急速な変化に対応するためには、従業員のリスキリングを促す必要があります。当社グループでは、社会人ドクターの取得、海外留学、コンプライアンス・法律教育などを通じ、既にスキルを持っている人材でもさらなる高みを目指すとともに、様々な状況変化に対応し能力を向上させられるよう、学びなおしを支援し、組織的な育成に取り組んでいます。
■社内環境整備方針
中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのが多様な個人の掛け合わせであります。そのため、人材の専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要であり、当社グループでは、経営理念「存在感」に基づき、従業員一人ひとりが様々な立場や価値観を認め合い、多様な働き方を実現できる環境づくりに向け、取り組みを進めてまいります。
①人材採用
・人材採用基本方針
グローバルにビジネスを展開する当社グループでは、世界中で活躍できる資質と高い志を持った、「存在感」ある人材を求めています。そうした人材の獲得のため、国籍、性別、障がい、人種、宗教、性的指向などに関係なく、応募者の適性・能力のみを基準とした公正公平な採用を活動の基本方針としています。
・経験者採用および外国人材の採用
我々を取り巻くビジネス環境は目まぐるしく変化しており、イノベーションの創出やグローバル展開の加速に向けて、活力と多様性に富む人材ポートフォリオの構築が必須です。そのため、当社では新卒採用のみならず、高い専門性や知見を有するプロフェッショナル人材の経験者採用・外国人材の採用を推進しております。また、データを活用し、当該人材の定着や能力発揮の状況を定期的に把握し、多様な人材が活躍しやすい風土を醸成しています。
・実績
2016年3月期~2023年3月期の8年間においては、新卒採用で493名を採用し、経験者採用では214名を採用しております。そのうち、外国籍の従業員については3名を採用しております。
②従業員エンゲージメントを高めるための取り組み
・働き方改革基本方針
我が国は「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しており、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
当社グループでは、この課題の解決のため、従業員の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる会社を実現し、従業員一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
・従業員エンゲージメントレベルの把握
経営戦略の実現に向けて、従業員が能力を十分に発揮するためには、やりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境の整備が重要です。
当社グループでは、中期的な組織力の維持・向上を目指し、従業員アンケート等を通じてグループにとって重要なエンゲージメント項目を整理し、従業員のエンゲージメントレベルを定期的に把握しています。
・実績
従業員エンゲージメントの向上・ワークライフバランスの実現にむけ、業務の効率化、在宅勤務(テレワーク)等を推進しております。また、有給休暇の取得率は、66.7%と厚生労働省が実施した令和4年就労条件総合調査における平均取得率58.3%と比べて高い取得率となっています。
そうした取り組みの結果、勤続年数は、2023年3月期平均で男性15.5年、女性17.8年となっております。
③女性活躍推進
・女性活躍基本方針
我が国では、自らの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍することがますます重要になっております。
その中で、当社グループでは、女性従業員の積極的な採用、雇用する女性従業員の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に自ら取り組むとともに、国または地方公共団体が実施する女性の職業生活における活躍の推進に関する施策に協力を行っております。
・具体的な取り組み
在宅勤務、小学校卒業までの育児時短勤務の導入、有給休暇取得の半日単位・時間単位取得制度の導入のほか、女性向けキャリア研修等の実施を行っております。
・実績
全従業員に占める女性従業員の割合は、2023年3月期には、5.7%であり、2016年3月期では0%だった女性管理職も、2023年3月期には3.0%に増加しております。
また、育児休業の取得率は、女性は2020年3月期~2023年3月期の3年連続で100%を達成しており、男性は2016年3月期の0.1%から2023年3月期の13.4%へ大幅に増加しております。
(3) リスク管理
当社はサステナビリティの各課題について、気候変動、人権、人材確保・育成、品質保証、労働安全衛生、コンプライアンスおよび危機管理の各分野においてCSR委員会においてリスクの特定等を行ったうえで、具体的な対応策について、担当部会等で実務的な検討を行う体制を構築しています。
また、CSR委員会において管理するリスクや機会および対応策についてはCSR委員会の開催後に取締役会に報告され、必要な対策が取られるとともに経営戦略の立案・対応等に活用される仕組みとしています。
(4) 指標および目標
当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
①女性の在籍人数 | 2030年までに150名 | 99名 |
②女性の管理職人数 | 2030年までに新たに10名増やす | 3名 |
当社グループでは、産業上の特性から、管理職の候補となり得る女性人材の絶対数が不足している状況です。そのため、今後新卒・経験者問わず女性人材の採用を強化し、まずは、女性が活躍する職場の土台作りを進めるとともに、管理職への育成を図ってまいります。
指標 | 目標 | 実績(当連結会計年度) |
③男性の育児休業取得率 | 2030年までに20% | 13.4% |
④有給休暇の取得率 | 2030年までに平均70%以上 | 66.7% |
男女問わず働きやすい職場づくりのため、従業員エンゲージメントの向上・ワークライフバランスの実現に向け、男性の育児休業取得率向上と有給休暇の取得率向上を目標といたします。
(注1)連結子会社のうち、常時雇用する労働者が301人以上で女性活躍に関する情報を公表している会社(函館どつく株式会社・佐世保重工業株式会社)を対象にしています。
(注2)女性の在籍人数は正規雇用者を対象としており、パート職員・有期労働者は対象者に含んでおりません。
(注3)有給休暇の取得率は正規雇用者を対象としており、パート職員・有期労働者は対象者に含んでおりません。
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