名工建設 【名証メイン:1869】「建設業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社及びグループ各社は、「誠実」ならびに「和して同ぜず」を社訓とし、企業理念として「私たちは安全第一を旨とし、お客様の満足が得られるものを誠実の心と先端の技術力でつくりあげ、未来に夢と希望を託せる働きがいのある企業を目指すとともに、社業の発展を通じて広く社会に貢献します。」と定めております。建設業を営む企業として、安全第一に仕事を遂行し、持てる技術力を最大限に投入して品質を確保することでお客様の高い評価を得るとともに、時代の趨勢や経営環境の変化に柔軟に対応して経営基盤の強化を図り、安定収益の確保と財務基盤の健全性を維持していくことを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは顧客の信頼をベースにして安定的に受注し、売上を伸ばす中で利益を確保することに努めており、営業利益額を経営指標として重視しております。
(3)経営環境及び中期的な会社の経営戦略
建設業界の中長期的な受注環境としては、激甚化する自然災害への備えや社会資本の老朽化への対応など建設市場が変化する一方、資材価格の高騰等コスト高による収益圧迫の懸念があるなど、先行きの不透明感が増しております。
そうした中、令和6年度から新たに第19次経営計画をスタートさせ、あらためて「安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」を目指すことにしております。
第19次経営計画(令和6年度~令和8年度)について
第18次経営計画の期間は、コロナによる経済活動の停滞、世界情勢の緊迫による物価上昇など、決して明るい材料ばかりではありませんでしたが、社業は順調に推移し、売上高・利益ともに計画を上回りました。安全面に関しては、引き続き安全を最優先に行動する文化のさらなる醸成と浸透を図りました。
これからの将来を俯瞰すると、時間外労働の上限規制適用や、労働力人口の減少、新幹線大規模改修工事の終息など、建設業界および当社をとりまく環境の大きな変化が否応なしに迫っています。これらの課題に対し受け身で対処するのではなく、挑戦する姿勢をもって、自分たちの力で成長することにより、明るい未来を目指すために経営目標としては、「安全第一」「コンプライアンス」といった経営基盤となる『信頼』を堅持しつつ、顧客や社会のニーズに応える『競争力』と、変化を乗り越える『実行力』をもって、未来に夢と希望を託せる企業を目指し、そしてさらなる社業の発展による社会貢献の実現に『挑戦』することとしました。
第19次経営計画の目標として「スローガン」とともに経営目標と数値目標を定めています。「目指す企業像」の実現に向け「将来に向けたキーワード」を常に心掛けて取り組んでいく考えです。
◎スローガン 「挑戦、未来へ 4つのC」
◎経営目標 「信 頼(Confidence)」 安全・品質の追求と社会的責務の遂行
「競 争 力(Competitiveness)」 受注確度の向上と顧客の多様なニーズへの対応
「実 行 力(Capability)」 変化を乗り越える技術力と機動力の発揮
「挑 戦(Challenge)」 未来に向けて
◎数値目標 ・受注高 950億円
・売上高 950億円
・営業利益額 60億円
◎目指す企業像 「安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」
◎『挑戦』のための目標
《さらなる安全と高い品質の追求》 《技術力のさらなる向上》
《DXによる業務執行方法の変革推進》《研修施設建設計画の推進》
《人的資本投資・活躍支援とWLB(ワーク・ライフ・バランス)の実現》
《社会的責任を果たすSDGs経営の遂行》《売上拡大に向けた戦略的な取組》
当連結会計年度を終えての第18次経営計画の実績
〇経営目標1 「信 頼(Confidence)」
・全員参加による安全文化の確立のための「環境(組織)・人・仕組み」づくり
事故防止基本計画に基づき、安全意識を高め、労働災害や工事事故防止に取組んでまいりました。改めて第19次経営計画を通じて事故の撲滅に取組みます。
・品質管理能力の向上
品質パトロールなど現業社員による現場の支援強化により品質管理体制を確立し、品質管理上の問題点について早期発見・解決に取組みました。
・自律的なコンプライアンス風土の確立とリスクへの迅速な組織的対処
コンプライアンスマニュアルに沿った体系的な講習を実施しコンプライアンス風土の確立に努めたほか、「法テックツール」の活用などによりリスクへの対応強化を行いました。
・CSR・ESG・SDGs、BCP、働き方改革対応
CSRニュースの発行などを通じて社員へのCSR、ESGに係る啓蒙を行い、BCPではこれまでの継続した取組みが評価され、株式会社日本政策投資銀行より「DBJ BCM格付」の最高ランクを4年連続で取得しました。
働き方改革では、業務の平準化や土曜日勤務の削減・休日振替の指定など計画的に業務執行を行い、また、ICTを活用した更なる効率化により、令和6年4月に施行される時間外労働の上限規制適用を見据えながら、長時間労働の是正を図りました。
〇経営目標2 「競 争 力(Competitiveness)」
・低コストでの良質な工事成果品の提供
集中購買や推進などコストダウンの取組みを進めたのに加え、ケースにより営業と技術が一体となった営業を展開しました。
また、BIM/CIMを用いて施工・安全・品質の見える化を推進したほか、ITツールを活用しコンクリート構造物温度応力解析を行うなど、品質向上に取組みました。
・JR工事の確実な遂行
新幹線大規模改修工事および新幹線脱線逸脱防止対策工事、リニア関連工事などのプロジェクトを着実に遂行したほか、沼津駅付近鉄道高架事業の関連工事を受注し鋭意施工しております。
・官公庁工事での競争力向上
総合評価落札方式での入札を優位に運ぶため、高い工事評定点や技術提案評価点の獲得に向け関係各所が連携して取組みました。
・民間建築での安定受注
コストや機能などの顧客のニーズを捉えた総合力の強化や、営業の計画段階からの参入を図ったほか、生産性を考慮し、大型物件(10億円以上)への積極的な参画を行いました。
・成長戦略
土木部門では鉄道工事で培った経験や技術を活かし、NEXCOでの大型維持補修工事を受注しました。建築部門では脱炭素社会に向けた取組みとして省エネルギー、再エネルギー、木造建築の技術を推進しました。軌道部門では北陸新幹線の軌道新設を完遂し、今後の新幹線計画の布石となりました。
〇経営目標3 「実 行 力(Capability)」
・DX推進による業務執行方法の変革
常に情報セキュリティの維持向上を図りながら、電子データベース(Box)や、新グループウエア(M365)などの整備を行い、業務の効率化を行っております。
・技術力向上・技術開発等
将来の人材不足への対応、効率化、重労働の削減に向けた技術の導入の検討を行っているほか、知的財産権に係る動向を把握し開発事案の取得を進めております。
・中長期的視野に立った人材活用と育成
女性技術者の職域拡大や活躍を考慮したジョブローテーションや配置を行ったほか、シニア社員についてその経験や能力を活かせる配置を実施しております。
・要員の確保と機動的要員配置
人事部と技術部門が協業して採用活動を実施しており、令和5年度の採用では計画した採用人数を確保することができました。女性の採用も進めております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前項で述べたとおり、大幅な受注増により第84期への工事繰越高が増加したことを勘案し、当社グループは令和7年3月期の受注高を前期比11,776百万円減少の84,000百万円、売上高は前期比5,281百万円増の91,500百万円と計画しております。また、上記の第19次経営計画を踏まえ、令和6年度経営重点事項を下記の通り定めております。
☆「信 頼」 安全・品質の追求と社会的責務の遂行
〇全員参加による安全文化の確立のための「環境(組織)・人・仕組み」づくりを進める
〇品質管理能力の向上に努める
〇自律的なコンプライアンス風土の確立とリスクへの迅速な組織的対処を行う
〇CSR・ESG・SDGs、BCPに積極的に取組む
☆「競争力」 受注確度の向上と顧客の多様なニーズへの対応
〇競争に打ち勝つため筋肉質な体質への強化に努める
〇JR工事の確実な遂行を行う
〇実績の積み上げにより、官公庁工事での売上拡大に取組む
〇競争力を高めることにより、民間建築での売上拡大に取組む
〇地域に根差した売上拡大戦略を進める
☆「実行力」 変化を乗り越える技術力と機動力の発揮
〇DXツール活用による効率化と情報セキュリティ確保に取組む
〇継続的な技術力向上と技術開発に取組む
〇中長期的視野に立った人材活用と育成に努める
〇人材の確保と機動的要員配置を行う
☆「挑戦」未来に向けて
〇さらなる安全と高い品質を追求する
〇技術力のさらなる向上に取組む
〇DXによる業務執行方法の変革を推進する
〇人的資本投資として研修施設建設計画を推進する
〇人的資本投資・活躍支援とWLB(ワーク・ライフ・バランス)実現に取組む
〇社会に責任あるSDGs経営を遂行する
〇売上拡大に向けた戦略的な取組を推進する
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