企業兼大株主双葉電子工業東証プライム:6986】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)全般

①基本方針

 当社グループは、商品・サービスの提供を通じて企業価値を高めつつ、自然の営みを尊重し、次世代へ「負の遺産」を残さないよう、環境負荷の低減に取り組み、持続可能な社会の実現を目指します。

②ガバナンス

 当社グループは、環境面において、「気候変動問題」と「資源の有効活用」の2つのアイテムを、また、社会面において、「人財育成」、「ダイバーシティの実現」、「従業員の健康と安全の確保」、「人権への取り組み」、「働き方改革の推進」の5つのアイテムを優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)と捉え、真摯に向き合い、事業に影響するリスクと機会への理解を深め、それぞれのマテリアリティに対して指標と目標を明確化し、実現に向けて推進しています。

 気候変動問題については、「脱炭素社会の実現」を目指してCO₂排出量の削減に取り組んでいます。環境負荷の低減については、資源の有効活用の観点から廃棄物の有価物への移行およびリサイクル率向上に取り組んでいます。

 人的資本については、従業員の成長なしには企業の持続的な成長はないとの考えから、人財育成のための教育プログラムの充実を進めるとともに、多様な人財が働きがいをもって働き続けることのできる環境づくりに取り組んでいます。

 これらサステナビリティへの取り組みを一体となって加速させ、持続可能な社会の実現に貢献すべく、2021年10月に、代表取締役社長を委員長としたSDGs推進委員会を設置いたしました。委員会が主催するSDGs会議(マネジメントレビュー)を原則として年2回(6月、12月)開催し、サステナビリティに関する事項の審議・報告を行い、重要事項については、必要に応じて取締役会に報告し、取締役会が監督する体制となっています。

③リスク管理

 リスク管理体制として、コンプライアンス・リスク管理委員会(以下CR委員会)を設置し、グループ全体のリスクの管理の識別・評価・管理を実施しています。CR委員会は、リスクアセスメントを定期的に実施しています。リスクの脅威に関する影響度および発生可能性の両側面で一元的なマトリクス分析を実施の上、優先順位の高いリスクを全社レベルで抽出し、対策と結果を取締役会に報告しています。

 SDGs推進委員会は、抽出された課題をリスクとして捉え、CR委員会と連携し、取締役会に報告しています。

 

(2)気候変動への取り組み

①戦略

 当社グループは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP2.6(1.5℃シナリオ)、RCP8.5 (4℃シナリオ)を参照し、国際的な議論の動向や当社事業への影響度を考慮して重要なリスクと機会の抽出と財務影響度を評価しています。

 気候変動に伴うリスクと機会を認識し、「脱炭素社会の実現」を目指してCO₂排出量の削減のほか、お客様にとってCO₂排出量削減につながる製品・サービスの提供等を行なっています。

②指標と目標

 当社グループは、2050年度までにエネルギー使用に伴うCO₂排出量(Scope1、Scope2)を実質ゼロにすることを目指して、2030年度に向けたCO₂排出量の削減目標を策定し、指標をモニタリングし、施策の進捗管理および有効性評価を実施しています。

 2022年度末時点におけるグループ全体の削減率は、2013年度実績に対し32.0%となりました。2021年度に対し削減率が5.4ポイント低下しましたが、2022年4月から削減対象拠点を追加したことが要因となります。

 今後は削減対象をサプライチェーン全体に拡大(Scope3を追加)し、削減活動を推進していきます。2023年度中に当社単体の排出量の算定および開示を目指し、2025年度までに当社グループ全体の排出量の把握、2026年度以降に目標値を設定の上、削減活動を開始する予定です。

(3)資源の有効活用への取り組み

①戦略

 当社グループは、限りある資源を大切に使うため、廃棄物を細かく分解・分別し、有価物として処理することで再資源化に取り組んでいます。樹脂類は5種類に、金属類は8種類に適切な分別を行うことで資源の有効活用、天然資源使用の削減に貢献しています。また、この取り組みにより財務面においても、当社グループの廃棄物処理費削減の効果が得られています。今後も継続して廃棄量の発生抑制(分解・分別の徹底)を図っていくとともに、再資源化を推進してまいります。

②指標と目標

 当社グループは、2030年度末までにリサイクル率99%以上の達成を目標として、指標をモニタリングし、施策の進捗管理および有効性評価を実施しています。2022年度の当社グループ全体におけるリサイクル率は92.3%でした。排出量については、2021年度に対し増加となっていますが、対象拠点追加に伴うものとなります。

(4)人的資本・多様性への取り組み

①戦略

 当社グループは、「会社で最も大切なのは人」という考えから、人材を「人財」と表現しています。当社グループにおける人財戦略の中で、「人財育成」、「ダイバーシティの実現」、「従業員の健康と安全の確保」、「人権への取り組み」、「働き方改革の推進」の5つのアイテムを重要課題(マテリアリティ)と捉え、指標と目標を設定の上、グローバルな活躍の期待できる人財の育成と、働きがいのある環境づくりに積極的に取り組んでいます。

<人財育成>

 「将来的なコア人財」を育成するために、職位・階層に応じたさまざまな研修を計画し実施しています。新卒入社の従業員に対しては、入社3年目まで毎年「フォローアップ研修」を実施しています。

 また、次世代の核となるグローバル人財育成の一環として、入社5年目までの従業員を対象に、海外グループ会社へ一定期間赴任する研修制度を設定し、実施しています。これまでの参加者は、現地従業員と共に実践的な業務経験を積み、当社グループでの活躍の場を広げています。

 その後は「管理職候補者を対象とした研修」、「幹部人財を対象とした研修」などを実施し、従業員のキャリア形成を支援しています。

<ダイバーシティの実現>

 当社グループは、「女性活躍の促進」、「外国籍人財の雇用推進」、「障がい者の雇用推進」、「シニア人財の雇用推進」に取り組んでおり、その中でも女性活躍の促進は、加速を要する喫緊の課題と捉えています。また、管理職を対象に「女性社員活躍推進研修」を実施し、女性従業員育成のための考え方や取り組み方を学んでいます。さらに、女性従業員が当社で永続的に活躍できるように、自身のキャリアについて考える「キャリア教育研修」も実施しているほか、これまで男性の仕事と思われていた業務についても、環境などの見直しを実施し、職域の拡大に取り組んでいます。

<従業員の健康と安全の確保>

 当社は、毎年全社安全衛生統合管理者が全社安全衛生管理方針を出し、各職場ではこの方針に基づいた年間計画を策定し実行しています。また、毎年社内安全衛生スローガンを募集・選出し、全社への周知を行うことで、従業員の安全衛生に対する意識の維持・向上を図っています。

 また、暦年ゼロ災害を目標に掲げ、リスクアセスメント、安全教育と安全巡視の実施により、労働災害の未然防止に努めています。さらに、入社3年目の従業員を対象とする安全面に対する体験実習や、衛生面に対するセミナーを実施しています。

<人権への取り組み>

 当社は、就業規則において人権の尊重やあらゆる差別的取り扱いを禁止することを明示しているほか、企業倫理を明文化した「社員倫理行動規範ガイドブック」を配付し、周知徹底を図っています。また、ハラスメント防止教育を定期的に実施しています。

<働き方改革の推進>

 当社は、従業員が生き生きと働ける「働きがい」のある職場環境を目指し、さまざまな労務管理の改善を実施しています。働き方改革として、計画年休、テレワーク、兼業・副業、育児・介護休職、短時間勤務および年次有給休暇の一斉行使などの制度を整備し、推進しています。また、全従業員を対象に毎年ストレスチェックを実施し、従業員自らがメンタルヘルス不調の未然防止を図るとともに、職場環境の改善に活用しています。

②指標と目標

 当社グループでは、別表1に示すように人的資本・多様性に関する各マテリアリティに対して、指標と目標を設定し、施策の進捗管理および有効性評価を実施しています。

 グローバル人財育成研修は、新型コロナウイルス感染症への対応から2020年度から2022年度は未実施でしたが、2023年度より再開する計画で進めています。管理職候補者を対象とした研修の受講者数について、2022年度は目標を大幅に超えていますが、既存対象者の受講を一斉に実施したためです。2023年度以降は新規昇格者のみが対象となります。

 女性活躍の促進については、管理職への登用を継続して推進しますが、そのためには、正社員および新規雇用比率を向上させる必要があると考えています。女性従業員によるリクルーター活動の活性化や女性活躍推進施策の積極的なPR等を実施していきます。なお、正社員における2022年度の女性比率は、目標を超える結果となっていますが、現在当社で進めている事業ポートフォリオの見直しにより、2023年度は約25%に低下する見込みです。

 年休取得率については、積極的に年次有給休暇の取得を促すともに、休暇制度の見直し等を進めることにより、向上を図っていきます。

(別表1) 人的資本・多様性に関する指標と実績

マテリアリティ

取り組み

指標

2022年度実績

目標

人財育成

グローバル人財の育成

研修参加者数

0名

3名/年

幹部人財の育成

研修参加者数

18名

25名以上/年

管理職候補者の育成

研修参加者数

78名

40名以上/年

ダイバーシティの実現

女性活躍の促進

女性比率

管理職

13.8%(0.6%)

2030年度末までに20%以上

正社員

27.4%(12.8%)

2030年度末までに26%(18%)

新規雇用

18.8%(15.9%)

2030年度末までに38%(30%)

従業員の健康と安全の確保

労働災害の撲滅

休業4日以上の労働災害発生件数

1件

0件/年

人権への取り組み

ハラスメントの防止

ハラスメント教育の受講率

100%

100%

働き方改革の推進

育児と仕事の両立支援

育児休職後の復職率

100%

100%

男性の育児休職取得率

42.9%

2025年度末までに50%以上

ワークライフバランスの実現

年休取得率

70.6%

80%以上

(注)1. 連結グループにおける算定が困難であるため、2022年度の実績および目標は、女性比率を除き、当社単体の数値となります。

2. 2022年度のグローバル人財育成研修は、新型コロナウイルス感染症への対応から実施していません。

3. 女性比率の2022年度実績および目標内の()内数値は、当社単体の実績および目標となります。

4. 当社単体の管理職における女性比率の目標は、「積極的に登用」となります。

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