南海化学 【東証スタンダード:4040】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループにおける研究開発は、当社研究開発本部及び土佐工場品質技術部にて実施しております。研究開発本部は、環境リサイクル事業を中心とする新規事業に関する調査・企画・研究、受託品の合成検討・中規模試作、既存製品の改善及び製品分析を主業務とし、当社グループの成長及び、当社グループの顧客の要望にいち早く応えるべく、スピーディーな対応に努めております。また当社土佐工場については、顧客へのよりスピーディーな対応と研究開発業務のさらなる効率化を目的として品質技術部技術開発グループを設置し、対応力の向上を図っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は218百万円でありますが、研究開発活動が各セグメント別に関連づけられないものもあるため、セグメント別の研究開発費の金額は記載しておりません。
当社グループは、既存事業の強化と事業領域の拡大を図る目的で、既存事業の周辺領域への展開も含めた以下の研究開発テーマに取り組んでおります。
(1) 廃硫酸・硫酸リサイクル領域への展開(新技術導入)
石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引き取り、硫酸を精製し、各種メーカーへ販売する現行のリサイクル事業に対し、新技術導入による処理量並びに受入れ廃硫酸の種類の拡大、さらには廃硫酸以外の含硫黄廃棄物からの硫酸産出など、さらなるリサイクル源の拡大に向けた研究開発を進めております。また、受け入れる廃棄物の種類拡大だけでなく、再生硫酸の純度向上による用途拡大を目的とした研究開発にも取り組んでいます。
(2) 既存製品の抜本的なコスト低減技術・安定製造化技術の開発
塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ、併産される塩素や水素の生成比率に応じた高付加価値機能化学品製造技術の研究を進めております。
(3) ニッチ市場に特化した事業の強化・新製品開発
工場排水や下水排水に利用されている水処理凝集剤について、水処理凝集剤の安定性向上や、高凝集性の付与により顧客側で使用量を削減できることを提供価値とした製品開発に向けた研究開発を進めております。また、健康食品関連食品用の日持ち向上剤分野においては、利用対象食品の拡大の観点での顧客価値向上を目指した研究開発を進めております。加えて、他社からの製造開発委託案件の事業化に向けた研究開発にも取り組んでおります。
(4) 脱塩素セメント原料リサイクル事業の開始
セメント工場から排出される焼却飛灰の塩素・重金属を除去し、セメント原料としてリサイクルするための脱塩事業を2023年3月期に開始いたしましたが、これに加えて、地方公共団体から排出される一般廃棄物由来の飛灰をリサイクルする技術を確立すべく、研究開発を進めております。
(5) 当社製造製品販売後の回収・再利用検討
当社製造品目として販売を行っている水硫化ソーダ・水酸化アルミ・酢酸ナトリウムについて、顧客側で廃棄される廃棄物を引き取り、当社での製造時の原料としてリサイクルするための研究開発を進めております。現時点においてはラボベースではありますが、一部製品はリサイクルを実証済みであり、事業化の可能性検討とマーケティングを並行して実施しております。
(6) 次世代電池領域でのリサイクル
次世代電池の開発時及び普及後に排出される廃棄物の処理には、硫黄化合物やナトリウム化合物の処理が課題となるため、現在、電池一般のリサイクルの将来像調査、レアメタル回収事業の可能性調査、事業化に向けた研究開発を産学連携のもとで進めております。
(7) 各種塩事業における生産性向上技術検討、新用途の開発支援
品揃え充実を目指し、微粒塩や飼料塩等の製造技術確立に向けた研究開発を進めております。
- 検索
- 業種別業績ランキング