協和日成 【東証スタンダード:1981】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「私たちは常に進化する強い意志を持ち、心一つにして一流に向かい羽ばたき続けます。」を企業スローガンとして掲げ、ガス・電気・水といった人々の暮らしや産業に欠かすことのできないライフラインを支えることによって、社会に安心と心地よさを提供し、豊かな未来のために貢献することを社会的使命としております。
その社会的使命を果たすために、協力会社も含めた企業集団として、確かな技術ときめ細かな感性でお客様の信頼にお応えし、お客様から選ばれ続けていただくこと、当社の社員が安心して働ける職場環境を提供し、「感じ・考え・自ら行動する」企業風土を醸成していくことを経営の基本方針としており、健全な経営を継続的に行ない、その利益を適正に還元することが社会的責任を果たすことであると考えております。
(2)目標とする経営指標
当社は、企業の総合的な収益力を示す指標として、売上高経常利益率を重視しており、2022年度を初年度とする3か年の中期経営計画「STEP 2024」の最終年度となる2024年度には、売上高経常利益率4.0%の達成を目指しております。
目標達成に向けては、対処すべき課題に対し、中長期的な経営戦略のもと、諸施策を確実に実践するべく取り組んでまいります。
(3)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
2024年度は、分譲マンションに持ち直しの動きが見られるものの、資材価格の高止まりや労務単価の上昇などによる建設コストの増加が重しとなり、住宅着工戸数は2023年度と同水準に留まることが予想されております。一方で、近年の気候変動の影響による気象災害の激甚化・頻発化、南海トラフ地震・首都直下地震の発生可能性の切迫を受け、2021年度より始まった「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」による防災・減災対策、予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策が着実に推進されていくことが見込まれております。また、住宅分野における政府の省エネキャンペーンによる補助金政策等が寄与していることに加え、事務所などにおける省エネ対策や働きやすいオフィス環境等への関心の高まりなどにより、既築建物の維持管理・更新市場も堅調に推移することが見込まれております。加えて、主要取引先の設備投資計画についてもほぼ横ばいで推移することが予測されており、当社を取り巻く事業環境は大きく変化することはないと予想されます。
しかしながら、2025年度以降当社の売上・利益の大きな柱であるガス導管事業においては、新たな経年管取替工事が主流となるため、売上・利益面において今までと異なった局面を迎えるものと想定されます。また、建設業界における就労者の高齢化と担い手不足、2024年4月1日より適用となった時間外労働上限規制を含む働き方改革への対応など、様々な課題が顕在化してきております。
2024年度は、3ヶ年の中期経営計画「STEP 2024」(Sustainable Evolution Plan)の最終年度となります。社会課題解決へ向けて企業への期待が高まる中、前述の事業環境の変化に対応し、社会との共生を図るとともに、100年企業として成長し続けるため、「サステナビリティ経営」を基本方針として次期中期経営計画の方向性を意識しつつ、「事業戦略」、「CSRの推進」、「株主還元の強化」、「筋肉質な企業体質作り」、「経営基盤強化」の5つの重要施策を引き続き推進してまいります。
「STEP 2024」では、前中期経営計画に引き続き「変わる・変える・創る」をスローガンに、本中期経営計画期間において、将来を見据えた事業ポートフォリオの構築を図り、同時にかねてからの課題である一社依存度の低減を図ることとしております。
持続的に発展、成長するために、既存の事業領域に加えて、建物内の設備工事を担う建築設備事業を新たな中核事業の一つに育てあげることを「事業戦略」の最重要施策に掲げております。長年、都市ガス供給網の整備などを主力事業としてきた当社は、「ガス工事に強い会社」というイメージが先行しておりますが、これまで培ってきた、エネルギー会社・ゼネコンから地域の工務店などといった幅広いお客様との信頼関係を生かしながら、給排水衛生設備や空調設備、給湯暖房、電気などを一括受注・施工できる体制を整備し、「ガス工事だけでなく、建物内の工事は全て任せられる総合設備工事会社」としての認知度を高め、幅広い顧客ニーズに対応しつつ、ライフラインを支えるという社会的使命を果たしてまいります。
一方で、2022年4月の東証市場再編を契機に、2023年1月には上場維持基準に関する経過措置の終了期間が明確に定められたことに加え、3月には「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」「建設的な対話に資する「エクスプレイン」のポイント・事例」が公表され、高度なガバナンス体制作りと資本問題への取り組みも従来にも増して重要な経営課題と認識しております。次期中期経営計画において、資本コスト・収益力・資本効率等を踏まえた経営指標の設定と達成に向けた具体的な施策を示せるよう検討するとともに、コーポレートガバナンス・コード各原則における当社の取り組みについて継続的に点検を行ってまいります。
このほか、環境への対応や多様な働き方の実現、事業運営の基盤となるコンプライアンスも推進してまいります。さらに、構築中の基幹システムについては2025年度からの運用開始を目指し、業務プロセスを見直し、内部統制の文書化の再整備を行うとともに、デジタル技術の活用推進等で全社的な業務の効率化を図ってまいります。加えて、2023年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果に基づき、働き甲斐のある職場環境の整備を推進するとともに、建設業にとって欠かすことのできない安全衛生や品質、さらには人権といったサステナビリティリスクを含むリスク管理についても、社長を委員長とする経営品質委員会を中心に、実効性の向上に注力してまいります。
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