千葉興業銀行 【東証プライム:8337】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティへの取組み
サステナビリティを巡る諸課題について、当行グループはリスクと機会の両面がある事を認識しております。企業理念である、「地域とともに お客さまのために 『親切』の心で」に沿って、地域に根ざし、地域とともに存続・発展する地域金融機関の社会的責任として、企業理念に基づく事業活動の展開により、ステークホルダーの皆さま(お客さま、株主、従業員、地域社会)の成長と発展に貢献することを目指し、サステナビリティへの取組みを推進してまいります。
① ガバナンス
当行グループは、気候変動をはじめとする環境問題については「環境方針」を、社会課題の解決については「人権方針」を制定し、地域の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄に貢献すべく、サステナビリティを経営戦略の重要事項の一つとして位置付けて取り組んでおります。
サステナビリティへの取組みについては、取締役頭取を委員長とするサステナビリティ推進委員会にて審議・決定を行い、委員会での取組状況等については、年1回以上定期的に取締役会に報告しております。その他推進方法などについては、「『サステナビリティ』への取組みに関する基本方針」を定めております。
これにより、取締役会がサステナビリティへの取組みに対し適切に監督する体制を構築しております。
[取締役会にて付議・報告した事項(2022年度)] | |
1.TCFD提言への賛同・開示 | |
| TCFDの4項目に基づいた開示内容の検討 |
2.サステナビリティ推進委員会の設置 | |
| より発展的な組織体とするため、サステナビリティ推進会議から改組 |
3.サステナビリティ関連規程の制定等 | |
| 環境方針、人権方針、調達に関する取組方針の制定、行動憲章など関連規程の改定 |
4.サステナビリティに関する取組状況 | |
| TCFD開示内容の検討(シナリオ分析)、サステナブルファイナンスの推進方法、金融リテラシー教育の取組みなど |
② 戦略
当行グループの地元千葉県では、緑豊かな自然に囲まれた地域でありながらも、商工業が盛んな地域でもあります。しかしながら、近年気候変動が原因となる度重なる異常気象により、甚大な被害が発生しており、地域の環境保全をはじめとした持続可能な社会貢献は使命であります。
使命を果たすべく、当行グループでは基本的価値観である企業理念の実践に向けて長期的な視点に立ち、3つのサステナビリティ重点項目(マテリアリティ)を定めて取り組んでおります。重点項目へ取り組む事で、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当行グループの持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、その結果、地域の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄に貢献してまいります。
サステナビリティ重点項目の取組みを通して地域社会と当行グループに与えるリスクと機会を評価し、サステナビリティ推進委員会等において戦略・計画を審議・決定し、ステークホルダーの皆さまへ情報開示を行ってまいります。
③ リスク管理
地域の経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄にあたって、気候変動をはじめとする様々なリスクがあると認識しております。
また、気候変動に起因するリスクが、地球環境や地域経済のみならず当行グループの経営戦略や財務計画に大きな影響を与えるリスクであると認識しております。当該リスクについては、影響を把握、分析するとともに、信用リスク管理やオペレーショナルリスク管理等、統合的リスク管理の枠組みで対応する体制を構築してまいります。
環境・社会に負の影響を与える可能性のある特定のセクターへの投融資に関しては、「投融資ポリシー」を定め、これを公表しております。ポリシーに基づいた責任ある投融資を通じ、地域金融機関として、環境・社会的課題の解決に取り組むお客さまとともに、持続可能な社会の実現に努めてまいります。
④ 指標及び目標
当行は、様々なステークホルダーの価値創造に配慮した経営と当行の持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現すべく、以下の中長期的なKPIを設定しております。各KPIは、サステナビリティ推進委員会において進捗状況を確認してまいります。
項目 | 目標値 | ||
2025年3月まで | 2030年まで | ||
マテリアリティ1:産業の活性化と千葉の魅力創造 | |||
| ESG投融資・サステナブルファイナンス累計実行額 | 1,500億円以上 | 5,000億円 |
マテリアリティ2:千葉の未来を担う人材の育成 | |||
| 女性役職率 | 30%以上 | 35%以上 |
| 金融リテラシー教育参加人数 | 3,000人以上 | 延べ1万人 |
マテリアリティ3:安心して暮らせる豊かな千葉の実現 | |||
| CO2排出量の削減率(2013年度比) | △35%削減 | △46%削減 |
(2)気候変動への取組み [TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)]
気候変動に起因する異常気象の発生により、甚大な被害が頻発しています。地元千葉県においても、豪雨等による災害が発生しており、気候変動への対策は地域にとって大きな課題であると認識しております。
当行は2022年9月にTCFDに賛同表明しており、TCFDの枠組み(「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」)に基づき開示内容の拡充、体制整備の取組み等、適切に対応してまいります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティへの取組みにおけるガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティへの取組み ① ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当行は、持続可能な社会の実現に向けた気候変動への対応としてリスク(移行リスク、物理的リスク)及び機会の両面として捉え、短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸に基づき、以下のとおり認識しております。
分類 | 種類 | 内容 | 時間軸 |
移行リスク | 政策・法規制 | ・気候変動に関する政策や規制の強化による、お客さまの事業への影響に伴う与信コストの増大 | 中・長期 |
技術・市場 | ・気候変動に起因する市場の変化により、資金調達が困難になる、ないし調達コストの上昇 | 中・長期 | |
・脱炭素社会への移行に伴う新たな技術等の導入や産業構造の変化による既存資産等の減損や収益悪化 | 中・長期 | ||
評判 | ・炭素排出セクターに対する投融資継続によるレピュテーション悪化 | 短・中・長期 | |
物理的リスク | 急性 慢性 | ・台風・豪雨による風水災に伴うお客さまの事業停滞による業績悪化影響及び担保価値の毀損を通じた与信コストの増大 | 短・中・長期 |
・異常気象等による当行資産の毀損に伴う事業継続への影響、管理コストの増加 | 短・中・長期 | ||
・海面上昇によるお客さま及び当行の営業拠点被災に伴う損失の発生 | 長期 | ||
機会 | 商品・サービス | ・気候変動に関するサステナビリティへの取組みに対するコンサルティングやファイナンスによる支援の増加 | 短・中・長期 |
資源効率化 | ・省資源、省エネ、再生可能エネルギーの活用による事業コストの低下 | 短・中・長期 |
イ.リスク
(ⅰ)シナリオ分析の実施
今年度はTCFD提言に基づき一定のシナリオのもと、低炭素経済への移行に伴いGHG排出量の多い金融資産の再評価によりもたらされる移行リスク、及び気候変動による洪水リスクの影響によりもたらされる物理的リスクについてシナリオ分析を実施いたしました。
(ⅱ)移行リスク
・分析対象としてGHG排出量が比較的高い資産であるエネルギーセクターを選択のうえ、エネルギー関連事業者(電力、ガス、石炭・石油関連の事業者)、鉄鋼関連事業者を個社別に特定いたしました。
・リスク重要度評価、事業インパクト評価を行い、大規模企業、上場企業については個社別分析を実施(ボトムアップアプローチ)し、その他の事業計画・財務等の多くの情報が得られない先は拡大推計(トップダウンアプローチ)し、評価いたしました。
項目 | 概要 |
リスクイベント | ・炭素税導入による費用増加 ・脱炭素社会への移行に伴う設備投資、研究開発費の増加 ・再生可能エネルギーへの転換に伴う市場影響 |
シナリオ | NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)のシナリオのうち、Net Zero 2050・Below 2℃シナリオ ・Net Zero 2050:厳しい気候政策等により2050年にネットゼロを達成するシナリオ(1.5℃未満シナリオ) ・Below 2℃:やや厳しい政策が導入され、温暖化を2℃以下に抑えるシナリオ(2℃以下シナリオ) |
分析手法 | ・ボトムアップアプローチ:個社別に2050年までの財務内容を推計 ・トップダウンアプローチ:個社別分析の結果をもとに利益率やコスト率の平均をベースに推計 |
分析対象 | エネルギー関連事業者(電力、ガス、石炭・石油関連の事業者)、鉄鋼関連事業者 |
分析期間 | 2022年12月末を基準として2050年まで |
分析結果 | 与信関係費用:累計3億円~14億円 |
(ⅲ)物理的リスク
・取引先の所在地や担保所在地について、ハザードマップ(想定最大規模と計画規模)と結合して複数確率年洪水の考慮を行い、当該災害発生時の債務者区分に与える影響(債務者区分影響)と保全に与える影響(保全影響)の分析を行いました。
・債務者区分影響は、企業が保有する建物や有形固定資産の被害額(直接被害額)と営業停止に伴う被害額(間接被害額)を推計し、企業の財務内容等に与える影響を算出、債務者区分を付与し引当の増加額を算出いたしました。保全影響は、建物等の担保棄損による引当の増加額を算出いたしました。
・算出した引当の増加額を2050年までに発生する確率と気候変動による洪水頻度の増加を考慮し、複数シナリオでの引当増加額を算出いたしました。
・また、同様に銀行本支店の洪水による固定資産の毀損についても推計を行いました。
項目 | 概要 |
リスクイベント | 洪水による ①融資先の事業の中断や事業拠点の直接被害に伴う財務内容の悪化 ②担保物件の毀損 ③銀行本支店の資産の毀損 |
シナリオ | IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によるRCP(代表的濃度経路)シナリオ(RCP2.6:2℃シナリオ及びRCP8.5:4℃シナリオ) |
分析手法 | ・ハザードマップのデータ(想定最大規模、計画規模)から洪水発生時の取引先の直接被害額と間接被害額から財務への影響と担保(保全)への影響を算出したうえで、シナリオを踏まえ推計した2050年までの洪水発生確率・洪水頻度の増加を勘案し、与信関係費用の増加額を算出 ・銀行本支店については建物被害額を算出 |
分析対象 | 貸出のある国内法人及び個人事業主、銀行本支店の固定資産 |
分析期間 | 2022年12月末を基準として2050年まで |
分析結果 | 与信関係費用:3億円~5億円、銀行本支店被害額:最大1億円 |
(ⅳ)シナリオ分析の結果
今回の分析対象やシナリオの前提条件のもと、移行リスクでは与信関係費用が累計で3億円~14億円、物理的リスクでは与信関係費用が3億円~5億円、銀行本支店の資産の毀損は最大1億円となり、ポートフォリオ全体への影響は限定的であるとの結果となりました。
引き続き対象セクターの拡大など充実化へ取り組んでまいります。
(ⅴ)炭素関連資産
当行の与信残高(※1)に占める炭素関連資産(※2)の割合は31.79%です。
(※1)2023年3月末の貸出金、支払承諾、外国為替、銀行保証付私募債の合計。(ただし、再生可能エネルギー発電事業として太陽光発電事業を除く)セクターの分類方法については、日本銀行が制定した「業種分類一覧表」の分類を基に、当行が判定。
(※2)炭素関連資産:当行では2021年10月におけるTCFDの一部改訂を踏まえ、炭素関連資産を4つのセクター別に定義しています。
当行与信残高に占める4セクター毎の割合は以下のとおりであります。
エネルギー | 運輸 | 素材・建築物 | 農業・食料・林産物 |
0.84% | 2.95% | 26.15% | 1.85% |
ロ.機会
当行は、地域とお客さまの環境負荷低減と脱炭素経営実現へ向けた取組みに積極的に関与することにより、環境や社会の課題解決に貢献するとともに、持続可能な社会実現と企業価値向上を図ってまいります。
また、脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの資金需要に対するファイナンスの提供やコンサルティング等ソリューションの提供を通じて脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。今後、より多くのビジネス機会を創出するため、お客さまの温室効果ガス削減やエネルギー効率の向上に向けた取組みの支援等、脱炭素化を支援するサービスを充実させてまいります。
[当行のサステナビリティ支援ソリューション]
お客さまのニーズ | 当行のソリューションラインナップ | |
サステナビリティに向けた実効的な取組みを始めたい | サステナブルファイナンスの提供 | ・ポジティブインパクト・ファイナンス |
脱炭素に向けた課題把握や目標設定を行いたい | お取引のGHG排出量可視化、目標設定 | ・GHG排出量算定支援 |
・SBT認証支援 | ||
SDGsに関する取組みを始めたい | SDGsに関する取組み支援 | ・ちばSDGsパートナー登録推進 |
③ リスク管理
気候変動に関する主なリスクは、サステナビリティへの取組みにおけるリスク管理に含めております。詳細については、「(1)サステナビリティへの取組み ③ リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
イ.ESG投融資・サステナブルファイナンス
当行では、地域の環境保全及び経済・産業・社会の持続的な発展・繁栄に貢献することを目的とするファイナンスを「ESG投融資・サステナブルファイナンス」と定義し、推進しております。
[ESG投融資・サステナブルファイナンスの主な商品] |
・「サステナビリティ・リンク・ボンド」や「グリーンローン」など、国際原則・政府の指針を基準としたローン商品や債券 |
・お取引先のSDGs達成に向けた取組支援を行うローン商品 |
・SDGsの取組みに寄与する私募債の引受 |
・環境負荷低減をはじめとした、地域振興や人材育成など地域の持続的な発展・繁栄に貢献する融資 等 |
※上記以外の商品も含みます。 |
ESG投融資・サステナブルファイナンスの累計実行額目標及び実績は以下のとおりであります。
ESG投融資・サステナブルファイナンス累計実行額 | 目標値 | 2022年度実績 |
中期経営計画(2024年度まで) | 1,500億円以上 | 1,416億円 |
2030年度まで | 5,000億円 |
ロ.CO2排出量の削減
当行のCO2排出量を2013年度比で、2024年度までに△35%、2030年度まで△46%削減することを目標とし、実績は以下のとおりであります。
(注)1.エネルギーの使用の合理化等に関する法律(いわゆる省エネ法)に基づく定期報告書におけるScope1及びScope2のCO2排出量となります。
2.当行単体のScope1及びScope2を集計しております。
(3)人的資本
① 戦略
イ.経営戦略と人材戦略の関係性
・「親切なパートナーとして皆さまの幸せをともにデザインし続ける」という長期経営ビジョン実現のために、従業員一人ひとりがお客さまの親切なる相談相手として常に考え行動する「コンサルティング考動」を実践しております。
・当行では、「コンサルティング人材」を「コンサルティング考動」を実践する人材と定義し、全従業員がお客さまに感動を与え、新しい価値創造を担う、質の高い「コンサルティング人材」になる事を目指しております。
・「コンサルティング人材」が、常に変化・多様化するお客さまの潜在ニーズを共有し課題を解決していくためには、その専門性を常に高めていく取組みが不可欠であり、今後の外部環境変化に対応すべく経営方針・経営戦略の理解及び変化にチャレンジする組織・文化を創り上げていくことを人材育成にて実践しております。
・多様な「コンサルティング人材」が、様々な場面において最大限の能力を発揮し、活躍できるような人材活用と環境整備を行っていくことが不可欠であると認識しております。
ロ.人材戦略における課題認識
・コンサルティング考動のレベルの底上げ
・対面コンサルティングのスピード・質の強化
・新しい価値創造や専門分野への対応を可能にする多様な人材の確保
当行は上記の課題認識を踏まえ、「人材育成理念」及び「人材活用理念」を通して経営方針の実現と企業価値の向上に努めてまいります。
ハ.人材戦略の全体像
・人材戦略は、長期経営戦略の実現・企業価値向上に向け、「人材育成戦略」及び「人材活用戦略」によって構築しております。
・また、経営戦略実現に向けた推進力及び人材戦略・経営戦略の結びつきをより強固にすべく、従業員エンゲージメントを高めてまいります。
ニ.人材育成戦略
当行では次の理念と基本方針に基づき、従業員の能力開発強化に取り組んでおります。
[人材育成理念]
・当行の経営方針を理解・共感し、高い成果を上げることができる人材を育成する
・全員が常に変化を先取りし、迅速・果敢にチャレンジする組織・文化(マインド)を全員で創り上げる
[人材育成の基本方針]
・自律性の追求 学ぶ努力を怠らず、高い目標にチャレンジする従業員を尊重した能力開発支援を行う
・多様性の追求 従業員の成長・役割に応じ、多種多様な能力開発支援を行う
・公正性の追求 透明性のある客観的プロセスに基づき、役割・成果に見合った能力開発支援を行う
[目指す人材の姿]
・学習し続ける 顧客の幸せを探求し、新しい価値を生み出すため、学習し続ける
・共感する 株主・地域社会の幸せを探求し、持続可能な繁栄を分かち合うため、社会とのつながりを大切にし、社会に共感する
・自律・協働する 自身の幸せを探求し、自身の成長を遂げるため、自律的に多様な人と協働する
<具体的な取組事項>
「コンサルティング考動の底上げ」、「伴走型コンサルティングにおける対面コンサルティングのスピード・質強化」に向け、次の2点に取り組んでおります。
○ 継続的で多種多様な能力開発機会の提供
「コンサルティング考動の底上げ」「対面コンサルティングのスピード・質強化」のためには、常に学習し、自律的に多様な人と協働しながら成長していくことが必要です。そこで、「8,000本超の動画教材やグループによる協働学習、対面・非対面研修を織り交ぜた継続的な学習」を強力に進めてまいります。
また、スキル別の公募型プログラムや思考力強化プログラム、マネジメント・リーダーシップ開発プログラムを拡充してまいります。
○ 異業種交流の拡充
「伴走型コンサルティングにおける対面コンサルの質強化」には「顧客に対する非金融・情報提供の拡充」が欠かせません。そのためには、「これまで以上にお客さまに共感し、つながりと絆を深め、親密度を高める」とともに、従来の枠にとらわれない「新たな視点・発想の習得」「新たな価値創造」が必要です。そこで、前年度より当行の研修プログラムをお取引先従業員にも開放し、異業種交流ワークショップをスタートさせました。今年度は2023年1月に開設した研修施設「幕張学問所」を拠点に、異業種交流ワークショップを拡充してまいります。
ホ.人材活用戦略
当行では次の理念と基本方針に基づき、従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮し活躍できる体制の構築に取り組んでおります。
[人材活用理念]
・年齢、性別、雇用形態に影響されない能力本位の人材活用を行う
・多様な人材の可能性を最大限引き出すための環境整備を行う
[人材活用の基本方針]
・若手 能力と成果に応じた適切な評価と納得性のある処遇の実現
・女性 仕事と生活の両立支援を通じて、就業年数の伸長と更なる職域拡大に取り組む
・外部人材・パートタイマー 様々な働き方に対応できる雇用条件を整備し、多様な人材を活用
・シニア リスキリングを通じて、各自の持つスキル・専門性を発展的に活用
[目指す組織]
・躍動する 一人ひとりが主体的・能動的な意志をもって、存分に活躍する
・変化する 既存の価値観にとらわれず、環境変化を先取りし自ら変化していく
・挑戦し続ける 失敗を恐れることなく、新しい課題に積極果敢に挑戦し続ける
<具体的な取組事項>
「価値創造や専門分野への対応を可能にする多様な人材の確保」に向け、次の取組みを実施しております。
○ 若手の活躍推進
入行直後からキャリア開発研修や人事部面談を通じてキャリア自律の意識醸成を図り、毎年、自身のキャリア志向について、自己申告する仕組みや申告を踏まえた配属、またポスト公募制を採用し、行員のチャレンジを促し抜擢する仕組みなどを導入しております。
○ 女性の活躍推進
以前から女性の活躍推進を積極的に行い、仕事と私生活の両立支援や職域拡大に取り組む。これまでの取組みが奏功し、幹部行員として位置づけられる、経営職の女性比率は8.7%となり、女性の支店長は2023年4月には58名中13名となりました。
対外的にも、えるぼし最上位認定や全国の金融機関として初めてとなったプラチナくるみんプラスの認定など、高い評価を受けております。引き続き男女差異のない採用や人事制度を運用するとともに、女性の出産育児支援、男性の育児参加を促進してまいります。
○ 外部人材・パートタイマーの活躍推進
外部人材を様々な条件で受け入れることのできる就業体制を整備いたしました。具体例としては、日数・時間・場所に制約されず、就業することが可能です。また、パートタイマーの正規社員登用も積極的に行っており、これまでに約60名超が行員に転換いたしました。
○ シニアの活躍推進
シニア人材が、リスキリングを通じてそれぞれの持つスキル・専門性を発展的に活用できるよう、キャリア研修を実施するとともに各種研修コンテンツを提供しております。また、行内の専門職要件を整理し、年齢にかかわらない活躍の場を提供しております。
② 指標及び目標
指標及び目標については、以下のとおりであります。
人材戦略実現に向けた要素 | KPI | 2022年度 実績 | 2025年3月 目標値 | |
エンゲージメント | 組織活力アンケート結果(前年比) | 74 (+1) | - | |
育成 | 継続的で多種多様な能力開発の機会 | 従業員一人当たりの年間研修回数 (従業員一人当たりの年間平均育成プログラム参加時間) | 34.8回 (47.7時間) | 26.5回 (-) |
異業種交流の拡充 | 異業種交流機会の提供回数 | 12回 | 12回 | |
ダイバーシティ | 多様な人材の 活躍推進 | 女性比率(行員のみ) | 40.1% | - |
女性役職者比率 | 35.1% | 35% | ||
女性管理職比率 | 24.1% | - | ||
女性経営職比率 | 8.7% | 10% | ||
安全 | 月平均時間外勤務時間数 | 2時間55分 | - | |
有給休暇取得日数 | 14.4日 | 14日 |
(注)1.2022年度実績は、2023年3月31日時点で集計したものであります。
2.連結グループにおける主要な事業を営む当行単体の従業員を対象として集計しております。
- 検索
- 業種別業績ランキング