企業兼大株主北越コーポレーション東証プライム:3865】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループの研究開発部門は、生産技術本部下にある研究所と機能材営業本部下にある商品開発室を中心に構成されております。また、カップ事業推進室も紙容器や軟包材関連製品の新規採用にも注力しております。生産技術本部はこれらの研究開発活動を総括し、生産技術部が営業部門や工場の製造部門及び研究所と緊密な連携をとり、お客様の要望に直結した新製品開発を行っております。

紙パルプ事業の研究開発活動の項目は以下のとおりであります

  (セグメント別では、紙パルプ事業の占める割合が大きいため、その他のセグメントについては省略しております。)

(1) 洋紙及び白板紙分野

洋紙分野では、カップ用途向けの開発、生産を積極的に行っており、輸出向けに加えて国内向けの採用案件も徐々に増加しております。また新潟、紀州両工場の設備特性を活用した加工原紙等の開発にも注力し、国内外で新規採用をいただいております。今後も新規品種開発、並びにその要求特性に応じた設備対応を積極的に実施してまいります。

白板紙分野では、従来の紙器用途に加え、食品一次容器向けの開発を行い、採用事例が多くなっています。継続して食品関連分野でのニーズの掘り起こしと開発促進を図り、お客様のご要望にお応えしてまいります

(2) 機能材分野

機能紙分野では、マイクロチップ向けチップキャリアテープ原紙、逆浸透膜(RO膜)支持体の品質改善及び新規開発に取り組むと共に、需要に応じた生産体制の構築にも継続して取り組んでおります。また、濾過・分離分野については、脱フッ素、生分解性のフィルタの開発に取り組んでおります。脱フッ素に関連して、2023年4月に開催された「第40回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会」において、当社が発表した「有機フッ素化合物(PFAS)不使用濾材の開発」が会長奨励賞を受賞いたしました。一方、特殊紙分野では、脱プラスチック、減プラスチックを目標に食品包材、透明紙、紙カトラリー、フック・ハンガー等、分野を問わず環境に配慮した紙素材の開発を進めております。

(3) 段ボール原紙分野

段ボール原紙分野では、さらに製品品質の安定と供給体制の拡充を図ると共に、薄物化のニーズや中芯用途以外のニーズにもお応えできるように、製品開発を継続推進してまいります。

(4) 新規開発分野

研究所では、空気、水、脱プラスチック、生分解、脱フッ素等をキーワードとする環境面に注目した新製品の開発を展開しております。特に注力している開発は、ULPA、HEPAに代表される国内屈指の高性能エアフィルタ濾材及び逆浸透膜支持体、脱プラスチック紙基材分野であります。フィルタ分野においては、多層フィルタ、ノンフッ素フィルタ、生分解性フィルタなど、市場の評価を開発品に反映させるべく改良を進めております。逆浸透膜支持体は、既存品の競争力強化を進めるとともに従来から更に機能性を高めた新製品の市場投入の準備を進めております。脱プラスチック紙基材分野では、ポリエチレンラミネートを使用していない水系塗工液を塗布した紙基材「パンセ」が食品包装用として採用が進んでおります。今後はさらなる高機能性付与を視野に入れて、新規製品開発を促進してまいります

商品開発室では、2023年4月より機能材開発室から商品開発室へ改称いたしました。セルロースナノファイバーやナノカーボンなどの先端素材の応用から、紙製のパッケージング材料の開発まで幅広い領域で活動しております。ナノカーボンを用いた電磁波ノイズ抑制シートは、モバイル機器等の漏洩電磁波を防止するだけでなく、回路やケーブル中を伝わる伝導ノイズまで抑制する効果が確認されております。従来品より幅広い周波数帯に対応しており、次世代通信機器、電子機器での評価が進んでおります。加えて、航空宇宙分野に向けた電磁波吸収体の開発も進めており、大学、研究機関と共に各種評価を行っております。紙製のパッケージング分野においては、エンドユーザーと協力して各種包装機に対応した用紙や加工方法等の設計を進めており、開発品が食品用軟包材として採用される例も増えてまいりました。今後も引き続きユーザーとの接点を増やし、ユーザーにとってメリットのある紙の提案を進めてまいります

 当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は732百万円であります。
 なお、パッケージング・紙加工事業における研究開発費は12百万円であり、パッケージング・紙加工事業等を含めた全セグメントの研究開発費は745百万円であります。

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