企業兼大株主北川鉄工所東証スタンダード:6317】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、企業ビジョンを「株式会社 北川鉄工所はものづくりという業にあって、お客様の喜びを我々の喜びとし、素直な心を尊び、勇気ある行動を敬い、自己実現の場として自律した活力あるリーダーを育成し、技術を誇り、未知なる世界に挑戦するQuality Businessを実践する集団である。」と掲げ、グループ社員全員でこの価値観を共有して実践することが、ものづくり企業としての企業価値の向上につながるものと考えております。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは2021年度に長期経営計画「Plus Decade 2031」を策定し、その中で2031年度に連結売上高1,000億円、2026年度に連結営業利益で過去最高益となる60億円を目標としておりました。同時に、資本コストを意識した収益の確保を目指すべく、2026年度に投下資本利益率(ROIC)を6%以上、合わせて自己資本利益率(ROE)も8%以上を目標とし、加えて資本政策面においても、キャピタリゼーション比率を意識し、新規事業投資と株主還元を行いつつ、目標数値を25~30%と設定し自己資本と有利子負債のバランスを図ってまいりました。

 しかしながら、計画策定後、地政学リスクの高まりや原油価格の高騰、急激な円安進行の影響により事業環境が大きく変化し、今後も先行きが不透明な状況が続くものと考えております。

 このような状況を踏まえ、2024年度も引き続き当期の業績見通しの達成に注力するとともに、2024年6月21日からの経営陣新体制で、その後の事業環境に適合した中期経営計画を策定いたします。新たな目標につきましては、開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは2021年に、長期経営計画「Plus Decade 2031」を策定し、グループ全体の視点から、事業ビジョン、組織ビジョンを明確化し、中長期的な戦略に取り組んでおります。この「Plus Decade 2031」のビジョンは「4つの価値観を実践し、世界基準の成長を実現する」です。

 当社の行動原理である「4つの価値観」を実践することで、世界経済の成長に立ち遅れることなく、継続した事業規模の拡大に取り組んでまいります。

 また、「Plus Decade 2031」の骨子として以下の3点を重点項目に挙げております。

①事業構造の転換

 当社グループは、工作機器事業・産業機械事業・金属素形材事業の3事業を主として行っております。これら既存事業のバランスを見直し、周辺領域への事業展開を推進することで事業ポートフォリオの再構築を図ります。

②経営品質の進化

 最先端情報技術の社内実装に挑戦し、現有する技術基盤と組み合わせ新たなものづくりを共創します。また、AIを用いた品質情報分析による不良率の低減や、3Dモデルを用いた設計による提案力の強化を図り、より一層の価値提供に取り組んでまいります。

③人材育成

 当社は企業成長の根幹は人材であるという思想のもと、「働きやすく、成長できる企業へ」をテーマに、自ら学習し、思考し、行動できる社員の育成を図ります。企業だけでなく共に働く社員の成長を促し、継続的な事業規模の拡大を目指してまいります。

(4) 会社の対処すべき課題

①事業ポートフォリオの転換

 経営資源の選択と集中という観点から、抜本的な事業構造の変革を推進するとともに、社外連携やM&Aの活用による既存事業の市場拡大および新規市場の開拓に努め、持続的な企業成長に資する新たなビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。

②既存事業の基盤強化

 キタガワ グローバル ハンド カンパニー(工作機器事業)は、新商品の市場投入による効果的な製品ラインアップの拡充、海外拠点の強化や現地販売代理店との連携による海外展開の推進、製造リードタイムの短縮による生産性の改善などに取り組んでまいります。

 キタガワ サン テック カンパニー(産業機械事業)は、コンクリートプラント事業では生産体制の再構築や開設した東日本サービスセンターによるサービス体制の充実を図ってまいります。荷役機械事業は開設した福山テクニカルセンターを中心に技術力の向上を図り、クレーン製造で培った技術の横展開による新たな商品開発を行ってまいります。自走式立体駐車場事業は工事現場における施工対応力や積算精度を高め、安定した収益確保に取り組んでまいります。

 キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(金属素形材事業)は、国内外の生産拠点で生産性と品質レベルの向上に取り組むことで既存事業の収益性を高めるとともに、素材開発を中心とした新商品や新規事業開発にも取り組んでまいります。

③働きやすく成長できる環境の構築

 多様な働き方や、1on1ミーティングなど「対話」を中心としたコミュニケーションの拡充により一人ひとりが安心して働ける環境整備を進めてまいります。また、個々のキャリア形成支援、評価・処遇等の人事制度の見直しにより、成長や働きがいを社員が実感でき、自律した活力ある人材への育成を目指してまいります。

④デジタル技術活用による業務改革

 業務オペレーションの効率を高めるために、積極的にデジタル技術の導入を目指します。3DモデルやAI、ARなどの先端技術を積極的に推進し、生産性の向上や新たな付加価値の創出に繋げていきます。また、情報セキュリティー対策の充実や基幹システムの再構築によりIT化のリスクの極小化を目指してまいります。

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