企業加藤製作所東証プライム:6390】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(気候変動対応について)

 当社は「優秀な製品による社会への貢献」を経営理念として創業以来、様々な製品の技術革新に長年取り組んでまいりました。昨今、世界規模で気候変動対策が叫ばれるなか、当社は本件の対応を重要な経営課題の1つと捉え、2020年に「エネルギー管理委員会」を設置し、生産拠点の使用エネルギーの把握と省エネルギー化に向けた取り組みを推進しております。また、2023年には取締役会の下に「サステナビリティ委員会」を新設し、会社全体で事業活動における脱炭素化、技術革新による持続可能な社会への貢献を目指した活動を進めております。

 なお、当社は、2023年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)へ賛同を表明いたしました。以下、TCFDの提言に基づき、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4項目の概要について説明いたします。

 <ガバナンス>

 当社は、サステナビリティ活動のさらなる推進を目的として、2023年に取締役会の下に代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を新設いたしました。同委員会は、その下部組織である「環境分科会」「人事分科会」で気候変動を含むサステナビリティへの対応について、検討・協議・戦略立案・実行計画の策定・目標の設定したものを同委員会にて審議および進捗モニタリングを行い、取締役会に報告し、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。

■ガバナンス体制図


■会議体の説明

会議体

役割

取締役会

サステナビリティ委員会より定期的に報告を受けるとともに管理・監督を行う。

サステナビリティ委員会

「環境分科会」「人事分科会」での検討・協議・戦略立案・実行計画の策定・目標作成したものを審議し、活動の進捗状況を取締役会へ報告をする。

環境分科会

ESG、TCFD、SDGs等の気候変動全般の指標及び目標の立案や課題解決に取り組み、その進捗をモニタリングし、サステナビリティ委員会へ報告をする。

人事分科会

ESG、SDGs等の人材戦略やダイバーシティといった人事関連の課題への対応や取り組み目標の立案ならびに目標に対する進捗モニタリングを行い、サステナビリティ委員会へ報告をする。

 <戦略>

 当社が中長期的に成長を遂げていくためには、気候変動対応が不可欠であるとの認識から、CO2削減に取り組んでまいります。また、当社ではTCFD提言に基づいたシナリオ分析により、2030年における各セクターの事業環境に対する変化とそれに伴う財務面での影響を予測いたしました。なお、シナリオ分析にあたっては、環境問題に関する積極的な政府政策が講じられる場合の1.5/2℃シナリオに加え、政府政策が消極的で、気候変動による物理的な影響が顕著になる4℃シナリオも含めた複数のシナリオを用いております。

■使用したシナリオの説明

分類

1.5/2℃シナリオ

4℃シナリオ

概要

21世紀末の平均気温が、産業革命以前と比較して1.5/2℃の上昇に抑制されるシナリオ。各国政府が現在公表している気候関連の公約が達成されるほか、より積極的な政策がとられることが想定されるため、社会的な変化(移行)による影響が大きい。

21世紀末の平均気温が、産業革命以前と比較して4℃上昇するシナリオ。気候変動が進行し、平均気温の上昇や異常気象の頻発化など、物理的な影響が大きい。

考察の対象

移行による影響

・Net-Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)

・Announced Pledges Scenario(APS)

・Stated Policy Scenario(STEPS)

物理的な

影響

・Representative Concentration Pathways(RCP2.6)

・Representative Concentration Pathways(RCP8.5)

 当社はシナリオ分析の結果として、1.5/2℃シナリオおよび4℃シナリオにおいて、それぞれ当社事業に重大な影響を及ぼすと考えられるリスクと機会を特定いたしました。まず、1.5/2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による操業費の増加、鉄鋼・アルミをはじめとする原材料価格の高騰などが代表的なリスクであると考えており、当社は事業活動全体でその対策を進めております。具体的な事例としては、照明機器のLED化、エアコンの温度設定管理、コンプレッサーの出力調整、夜間及び休日の待機電力削減、ボイラーの稼働時間調節など省エネ設備の導入や管理面の強化により、エネルギー使用量とCO2排出量の削減に取り組んでおります。併せて、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減、製品価格の安定化を目的に各サプライヤーとのコミュニケーションを強化し、CSR調達を推進しております。

 一方、当社事業に関わる機会については、環境配慮型製品の需要が拡大することが想定されるため、当社では、引き続き環境に配慮した低燃費製品の開発・販売を進めてまいります。2023年にREGZAMシリーズの新機種として欧州や北米の排出ガス規制に対応した油圧ショベル「HD820-8」の販売を開始いたしました。また、ディーゼルエンジンでの走行、作業を電動モーターでアシストする「ハイブリッドラフター」の販売を2024年春に予定しております。

 4℃シナリオにおいては、異常災害の激甚化による事業活動の停止や労働環境の悪化といった生産面への低下を起因した収益性悪化をリスクとして考えております。これらのリスクに対し、当社は調達網の強化や高効率化を目指した設備投資などを対応策として講じる予定です。一方、機会については、各業界での労働環境の悪化によって、省人化、自動化への需要が高まることを想定しております。当社では2019年にJAXAとの共同研究を株式会社熊谷組とともに締結し、林業機械システムの自動化に向けた取り組みを進めており、今後も本件を含め自動化や遠隔操作技術の研究・開発を積極的に推進してまいります。[1]

[1] https://kato-works.co.jp/profile/news/pdf/20190130_jaxa.pdf

<リスク管理>

 当社では、気候変動に関連するリスクは事業活動に重大な影響を及ぼすと捉えており、常に全社でリスクの管理・監督ができる管理体制を整備しております。当社は取締役会に加え、すべての執行役員が出席する経営執行会議においても、事業で発生する恐れがあるリスクについての情報共有を行っております。

 また、各事業部門では、自部門が関与するリスクの特定・評価及び各リスクの詳細な発生確度や影響度合について、適宜必要に応じ経営会議体に付議し、議論を行っております。

<指標及び目標>

 気候変動の国際的な枠組みが強化されるなか、事業活動で排出されるCO2を削減することは、現在当社を含めた多くの企業が直面する重大な課題と認識しております。当社は、2018年度を基準年として、2030年度までに排出量(Scope1+2)を38%削減する目標を設定いたしました。これらの目標を達成するため、当社は事業活動におけるエネルギー利用のモニタリングを行っております。今後は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーを導入するなど、カーボンニュートラル達成を目指してまいります。

■Scope1+2排出量(2018~)

 

2018年度(基準年)

2019年度

2020年度

2021年度

Scope1+2(t-CO2

7,615

7,326

6,606

6,803

2018年比削減率

-

▲3.8%

▲13.3%

▲10.7%


(注) 上記数値は、当社国内拠点の合計値であります。

(人的資本多様性)

 <戦略>

 当社における人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針は以下のとおりであります。

 人材育成方針

 当社は、人こそが経営における最重要資源の一つであるという考えのもと、人材の育成とその活用について継続的に取り組んでまいります。当社では「創業以来のパイオニア精神を抱き新たなものを生み出し挑戦し続ける人材」、「社会の要求を的確に捉え機敏に対応し続ける人材」の育成を目指し、社員の個々の意見を尊重するとともに、その能力を伸ばしていく環境整備に努めてまいります。

 人材の登用状況

 人材の登用状況について、グローバルブランド「KATO」として多様な価値観や個性からこそ生み出される新たな技術、組織風土の醸成に大いに期待し、多彩な人材が活躍し続けられる環境整備に努めており、性別、国籍、人種、民族、宗教、社会的身分、障害の有無、性的指向を問わず人材の登用を行っております。

 2023年3月現在における当社管理職のうち20.2%が中途採用者であり、今後もスキル・経験等を総合的に判断し、積極的に中核ポストへの登用を行ってまいります。

 一方で、女性の管理職登用につきましては、建設機械業界という業種に加え、女性が活躍できる分野が長きに渡り限られていたこともあり管理職・次期管理職候補者の女性比率が相対的に低い状況にあります。当社では現在、設計や溶接等のこれまで就労機会が少なかった技術・技能枠での新卒採用、さらに就業環境の改善や出産・子育て支援制度の拡充など就業者数の拡大と離職率低減に繋がる施策を推進し、将来的に中核ポストを担う女性社員の増加に努めており、昨年度は新たに1名の女性管理職の登用と、2023年4月の新卒採用においては、新卒採用者全15名の内女性3名(20.0%)を採用しております。

 外国人につきましては、国内外の拠点にて就業できる当社グループの強みを活かし、人材の確保に努めております。新卒者の採用が多いため管理職登用には相応の時間を要すことから現段階においては特に採用と育成に注力しており、2023年4月の新卒採用者においては、新卒採用者全15名の内、新たに3名(20.0%)の外国人を採用しております。

 <指標及び目標>

 当社の現状として、同業他社と同様に他の業界に比べて、労働者に占める女性労働者の割合が低いことから、管理職に占める女性労働者の割合も低いものとなっております。上記に起因して男女の賃金においての差異も生じており、今後改善に向け、新卒中途問わず女性の採用強化にこれまで以上に努めるとともに、引き続き将来の担い手の育成に尽力してまいります。また、直近における賃金差異の改善に向けた取り組みとして、2020年7月より、過去に一般職として採用された社員を総合職に変更するとともに、職種及び給与基準の一律化を行いました。

 男性労働者の育児休業取得率につきましては、制度への社会的な理解増進に伴い徐々に取得率が向上しているものの、さらなる取得率向上を目指し、引き続き制度の案内等社内外への周知を徹底してまいります。その他、当社独自の仕事と子育てを両立させるための取り組みとして、有給休暇とは別にチャイルドケア休暇制度を設けており、小学校卒業までの子を養育する社員を対象にこどもの入学式、卒業式、運動会などの学校行事への参加やこどもの育児・看護のために使用できる休暇をこども1人につき最大25日付与しております。今後も男女問わず仕事と子育てを両立出来る環境の維持向上を目指し、各種取り組みを推進してまいります。また、当社グループでは上記「<戦略>」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(2023年3月31日時点)

管理職に占める女性労働者の割合

2030年度までに3%

0.9%

男性労働者の育児休業取得率

2030年度までに35%

30.0%

全労働者の男女の賃金の差異

2030年度までに75%

68.8%

(注) 上記数値は、当社単体の合計値であります。

PR
検索