前澤給装工業 【東証スタンダード:6485】「機械」 へ投稿
企業概要
当社グループは、気候変動や人的資本(人材の多様性を含む)などあらゆる環境・社会課題の顕在化に伴うサステナビリティへの取組を行っていくことが当社グループの課題であるとの認識のもと、気候変動に対するさまざまな取組と透明性の高い情報開示など、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に向けた対応を行うとともに、今後も、事業への影響分析や気候変動による機会やリスクへの取組など、TCFD への対応を行ってまいります。
また、サステナビリティの取組をより一層強化、推進していくため、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しており、事業活動や経営戦略との一体化を図りながら、サステナビリティにかかる取組を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
① 当社は、『品質は人格であり、安全は協調であり、独創は改革である』という指針のもと、「サステナビリティ基本方針」を制定し、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献することで持続可能な社会の実現と企業価値向上に努めてまいります。
② 当社では、気候変動問題はサステナビリティに関わる重要な課題の1つと考え、取締役会における監督とサステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築しています。
③ 取締役会およびサステナビリティ委員会は、地球環境の保全・管理が人類共通の重要課題であることを認識し、事業企画部事業企画課等からの定期的な報告に基づき、気候変動問題に関する重要事項について審議し、その取組を監督してまいります。
④ CO2排出量削減などの気候変動緩和策については、サステナビリティ委員会の事務局である事業企画部事業企画課が会社全体の取組を推進しています。
[気候変動対応ガバナンス 体制図]
(2)戦略
① 当社では、将来の気候変動が当社事業に与える影響を検討するため、シナリオ分析に取り組んでいます。
② シナリオ分析にあたっては、「1.5℃~2℃シナリオ」、「4℃シナリオ」を含む複数の気候変動シナリオを想定し、リスクと機会の両面から、気候変動に伴う中長期の社会環境及び当社の事業環境の変化について分析しています。
リスクの内容 | リスク 項目 | リスク 種類 | シナ リオ | 影響度 | 緊急度 | 想定される対策 |
地震、台風、豪雨などの大規模災害の増加に伴う事業への影響(供給体制、資材調達の低下) | 物理 | 急性 | 4℃ | 中 | 高 | ・事業継続計画(BCP)の策定、適切な運用 ・原材料調達先の多様化、製造工場の分散(安全、安心な製品の安定供給) |
原材料、物流費等高騰 | 物理 | 慢性 | 4℃ | 中 | 中 | ・配送方法の見直しによる輸送効率の向上 ・梱包材、梱包方法の見直し ・原材料調達手段の多様化(複数購買、現地調達の拡大) |
環境関連の規制強化(炭素税導入等)に伴うコスト増 | 移行 | 政策 | 1.5℃ ~2℃ | 中 | 中 | ・太陽光パネルの設置による再生可能エネルギーの導入による CO2排出量の削減 ・環境負荷低減型製品の開発 |
気温上昇に伴う現場の業務効率低下、事故発生率の増加 | 物理 | 慢性 | 4℃ | 中 | 高 | ・作業場環境の改善、温度設定の奨励、全社的な環境保全活動の推進(ペーパーレス化の推進他) ・廃棄物の削減 ・IT技術の活用 |
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保に向けた人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。
①多様性の確保についての考え方
当社は、性別、国籍、採用時期等にかかわらず、能力を重視した人物本位の人材登用を実施しております。多様な視点や価値観を有した人材は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支える原動力であり、重要な資本であるとの認識の下、更なる活躍が果たせる就業環境・制度の整備に努めております。
②多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標
a.女性の管理職への登用
女性活躍推進法に基づき策定を行った「一般事業主行動計画」において、2026年までに女性管理職比率を5%以上(現在2.2%)にする目標を掲げ取り組んでおり、現在、将来の管理職層の選抜・登用に向けた研修制度を導入して能力・意識の向上に努めております。
b.外国人の管理職への登用
外国人の管理職への登用については、当社の事業領域が国内に限られている特性に鑑みて、目標は特に定めておりません。なお、海外子会社においては、現地で採用した女性社員を董事(副総経理)として登用しております。
c.中途採用者の管理職への登用
中途採用者の管理職への登用については、能力を重視した人物本位の登用を実施しているため、目標は特に定めておりません。管理職への登用比率は28.0%です。
③多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備
多様な人材が活躍を果たしていくためには、個々の社員が自己実現を可能とする自己キャリア形成や柔軟な働き方を選択できる制度や仕組みの構築が必要であると考えます。当社では全ての従業員に対し、年度教育計画に基づいた階層別、職務別などの研修機会の提供や公的資格取得、自己啓発に対する支援制度を整え、人材育成に取り組んでいます。また、人事制度の見直しに加え、柔軟な働き方実現のためテレワーク、フレックスタイム制度の導入や介護休業、介護時短時間勤務など従業員支援のための制度整備も実施しております。
(3)リスク管理
① 当社は、事業に関するリスクを最小化するために、「リスクマネジメント基本方針」を定め、主なリスクを発生頻度、脅威度等に基づき、総合的に判断して特定、評価しています。
② 当社の気候関連リスクと機会については、事業企画部事業企画課が中心となり、気候関連リスクの重要度評価およびリスクと機会が当社事業に与える影響について特定・評価し、その取組の進捗状況等について取締役会に報告しています。
(4)指標及び目標
① 当社は、「CO2排出量の削減」をサステナビリティにおける最重要課題の一つとして認識し、中長期の削減目標を設定、排出量の削減に積極的に取り組んでいきます。
② 当社のうち福島工場は、「環境方針」に基づき、ISO14001に準じた環境マネジメントシステムを導入し、環境負荷低減に取り組んでいます。
③ オフィス活動を通じた環境貢献、再生可能エネルギーの導入の推進等、事業活動を通じた環境貢献について環境目標を設定し、年間のCO2排出量を算出のうえ継続的に管理していきます。
④ 当社において識別した気候リスクと機会を踏まえ、今後は、対応策を策定し、経営・事業計画への組み込みを進めていきます。また、気候変動による物理的リスクの緩和や機会の活用に向けた各種指標についても設定し、定期的なモニタリングの実施を目指していきます。
⑤ 当社では、CO2排出量削減目標を設定し、2014年3月を基準年として、2031年3月までに50%削減を目指し、取り組んでまいります。
| 基準年 | 過去3か年実績 | ||
2014年3月 (第58期) | 2021年3月 (第65期) | 2022年3月 (第66期) | 2023年3月 (第67期) | |
スコープ1(t-CO2) | 666.0 | 393.5 | 688.0 | 491.1 |
スコープ2(t-CO2) | 6,008.0 | 4,927.5 | 4,937.4 | 4,957.4 |
CO2総排出量(t-CO2) | 6,674.0 | 5,320.9 | 5,625.4 | 5,448.5 |
(注)CO2総排出量は、スコープ1(自社での直接排出量)、スコープ2(自社での間接排出量)を対象に算出しています。また、スコープ3(サプライチェーン排出量)については、今後、主要サプライヤーと連携し、削減に取り組んでいくこととします。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保に向けた人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
管理職に占める女性労働者の割合 | 2026年3月までに5% | 2.2% |
男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数割合 | 2026年3月までに70% | 62.7% |
男性労働者の育児休業取得率 | 2026年3月までに100% | 14.3% |
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