前澤化成工業 【東証プライム:7925】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
サステナビリティの取組を進めるため、気候関連リスク等、サステナビリティ課題の評価と対策に責任を有するサステナビリティ委員会を設置しています。当委員会は、代表取締役社長を委員長とし、サステナビリティ活動方針の策定や各種取組の目標設定、KPIの進捗状況の確認を行います。
各事業部に配置されるサステナビリティ推進チームの活動状況については、当委員会を通じて取締役会が報告を受け、監督する体制を採用しております。
(2)戦略
TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスクと機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
リスク機会一覧及び物理拠点リスク等を踏まえ、影響範囲が大きい項目として、以下3つを抽出しております。
1.低炭素製品開発の技術リスク及び機会 1.5℃
詳細 | 対応策 |
≪想定される環境≫ ・日本の住宅メーカーや建設会社が事業を通じて環境負荷低減の取組を進めている ・建設業界は原料調達(カテゴリ1)及びカテゴリ11の割合が大きい特徴があり、管工機材は住宅メーカーや建設会社のカテゴリ1に該当 ・脱炭素の機運が高まる中、カテゴリ1削減のために低炭素の管工機材の需要が高まることが想定される
| 管工機材の低炭素化の開発を検討・着手する
≪リスクの低減≫ ・低炭素の素材への切り替え ・エネルギー由来の低炭素化 (再エネの使用、エネルギー使用量の削減) |
≪課題≫ ・低炭素化(代替素材の使用等)の技術開発が課題 ・一方で、製品の低炭素化が実現した場合、事業機会の拡大が見込める | ≪機会の獲得≫ ・上記の取組をCFP(製品ごとのライフサイクルCO2排出量)として数値化し、顧客に訴求 ・鉄製と比較し、長期間使用できるため新規生産によるCO2排出抑制できることを訴求 |
2.原油価格変動の市場リスク 4℃
詳細 | 対応策 |
≪想定される環境≫ ・1.5℃シナリオでは、脱炭素機運の高まりにより原油価格の下落が見込まれるが、4℃シナリオでは原油需要の高まりにより、原油価格の高騰が予測されている ・原油価格の変動により、石油由来の資材価格も変動することが想定される
| 原油由来の購入資材の割合を低減する
≪リスクの低減≫ ・低炭素の素材への切り替え、配合比率の変更 ・原油由来の原材料の使用量削減 ・エネルギー由来の低炭素化 (再エネの使用、エネルギー使用量の削減) |
≪課題≫ ・原油価格の変動による、コスト変動リスクが課題 |
3.異常気象によるサプライチェーンの寸断や事業の中断の物理的リスク 1.5℃、4℃
詳細 | 対応策 |
≪想定される環境≫ 今後気温上昇が続くことが想定され、1.5℃、4℃シナリオのいずれの場合でも極端な大雨のリスクが高まる。その結果、本社拠点やサプライチェーン上で洪水リスクが高まる
| 熊谷第二工場の浸水対策・本社機能のバックアップをする ・原材料調達先の分散化
<工場> ・浸水壁、堤防、土嚢や止水板などの浸水対策 ・在庫・重要設備の高所配置 ・電源のバックアップ ・生産拠点のバックアップ ・製品在庫保管場所の分散
<本社> ・本社機能のバックアップ (本社でしかできない業務がある場合)
<原料調達先> ・原材料調達先の分散化(企業、国、エリア等) |
≪課題≫ ・熊谷第二工場(0.3~3m)、本社(2F, 0.5~3m)、が浸水した場合に備え、事業への影響を最小限に抑えることが課題 ・サプライヤーが被災した場合であっても、安定した原材料調達が課題 |
また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、従業員の多様性を確保することが当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するとの考え方を基本としております。
2023年度を最終年度とする3か年中期経営計画「Look Forward 2023」におきましては、女性従業員比率拡大の数値目標を定めるとともに、フレキシブルな体制の構築をテーマに掲げ、より働きやすい雇用環境整備に取り組んでおります。
女性従業員比率については、2024年3月末に20%を目指しており、まずは女性従業員が活き活きと働ける会社となるべく「女性活躍推進チーム」を立ち上げ、経営に資する提言を発信すべく活動しております。また、働きやすい雇用環境の整備として、在宅勤務・テレワーク、フレックスタイム制の導入など場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を試行しており、育児世代の支援策として育児制度の対象期間を小学校就学の始期まで延長するなど制度の柔軟化も進めております。
上記に加え、当社は従業員のキャリア形成を効果的に促すため、会社における教育及び研修に加え、従業員個人の志向に合わせた自己啓発支援制度など多様な教育体制を整え、従業員一人一人の価値向上に取り組んでおります。
(3)リスク管理
サステナビリティマネジメント体制構築のため、サステナビリティ課題を検討する横断的な組織として、サステナビリティ委員会を設置しております。サステナブルな課題に関するリスクは、内部統制委員会と連携しながら、サステナビリティ委員会で識別されます。識別されたリスクは、サステナビリティ委員会及び内部統制委員会で協議され、取締役会にて協議・承認されます。
影響度が大きいと判断したリスクについてはサステナビリティ推進チームを中心に各本部・部署と連携し、リスクの対応を行い、サステナビリティ委員会及び取締役会にて対応状況をモニタリングします。
(4)指標及び目標
上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関して、中期経営計画「Look Forward 2023」において定めた目標及び実績は、次のとおりであります。
指標 | 2023年3月期(実績) | 2024年3月期(目標) |
女性従業員比率 | 18.9% | 20.0% |
障がい者雇用率 | 2.9% | 法定雇用率+0.2%(2.5%) |
有給休暇取得率 | 58.9% | 65.0% |
なお、気候変動関連リスク機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2021年度はScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」、及びScope3にあたる「サプライチェーン排出量のうち、Scope1とScope2以外の間接排出量」を算定しました。
今後も温室効果ガス排出量の把握を継続し、対象範囲の拡大・排出量の削減ができるよう、体制の構築や目標の設定を進めてまいります。
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