企業兼大株主内田洋行東証プライム:8057】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティに関するガバナンス及びリスク管理

 当社グループは、企業理念に基づき、お客様における社会構造変化への対応を、「働き方変革」、「学び方変革」においてご支援すること、および事業活動において社会・環境問題をはじめとするサステナビリティをめぐる課題に対応することを、持続的成長を土台としたサステナビリティの基本的な考え方とし、第16次中期経営計画(2022年7月期~2024年7月期)を策定し、デジタル社会の実現、「人」と「データ」への投資の強化、新たな地方創生という大きな社会課題への挑戦を進めております。

 気候変動対応については、環境関連担当役員を委員長、社長をオブザーバーとするサステナビリティ小委員会において気候変動による事業、経営への影響を四半期毎に議論しています。議事内容は、経営会議に報告され、重要事項に関しては取締役会に報告・共有をしております。なお、リスク管理については取締役会および経営会議の監督、指導のもと、ISOで規定された環境マネジメントシステム推進体制により社内各機能組織から関連情報を集約し、気候変動関連リスクの選定と重大性の特定を行い、対応策の計画と検討を実施します。

 人的資本への投資については、当社グループが持続的に成長していくための特に重要なテーマと位置付けて、人員構成に関する議論、人材育成・研修計画、マネジメント体制などの重要なテーマおよびリスクについて社長を含むすべての社内取締役から構成される経営会議に報告、付議されます。重要事項に関しては必要に応じ取締役会に報告・共有をしております。

(2)気候変動への取り組み

① 戦略

 当社グループの事業範囲において想定し得るリスクと機会を抽出し、影響の大きさと発生の可能性の2軸からそのインパクトを評価して重点となる項目を絞り込み、対策を整理しています。なお、分析にあたりIEA(国際エネルギー機関)およびIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の示す以下の2つのシナリオを参照しています。

●1.5℃未満シナリオ:気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ( IEA-NZE )

●4℃シナリオ:気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ( IPCC-AR5(第5次評価報告書)-RCP8.5)

 分析の結果、リスクについて、1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行に向けてカーボンプライシング等の政策や環境規制の強化が想定されており、当社グループにおいては、原材料や製品の調達価格の上昇が予想されます。これに対しては、グループ内に留まることなく外部サプライヤーとの脱炭素に向けた協働を進めることを含め対処して参ります。加えて、環境意識が高まる中、気候変動対策や中長期目標の進捗に遅れが生じた場合、お客様をはじめとする様々なステークホルダーからの信頼が低下し、購買基準が厳格化したお客様を中心に顧客離れが進み、売上の減少等につながる恐れがあります。

 また、4℃シナリオにおいては、台風等風水害の激甚化が想定される中、異常気象や自然災害による当社工場や倉庫、営業所等の拠点、調達先の被災により、営業活動の停滞や在庫等の毀損、ひいてはお客様からの信頼低下や逸失利益の発生につながる恐れがあります。これらリスクに対して、当社グループは既に一定程度のレジリエンスを持つものと認識しておりますが、今後も最新の動向や技術を把握しつつ、その強化に努めて参ります。

 一方、機会については、1.5℃シナリオと4℃シナリオの両方において想定されます。お客様における気候変動対策を、ICTと環境構築の両面でご支援するなかで、その獲得を目指して参ります。

 リスクと機会、および取り組みの方向性の一覧につきましては、以下のURLからご参照ください。

<リンクアドレス>

https://www.uchida.co.jp/company/csr/environment/10.html

② 指標と目標

 当社グループでは、気候変動のリスクと機会に対応することを目的として、昨年2022年にCO2排出量削減の中長期目標を設定しています。再生エネルギーや将来の新たな技術なども活用することで、目標達成に向けて引き続き努めて参ります。なお、本年において、この中長期目標に変更はありません。

<CO2排出削減目標>

・削減目標:2030年までに基準年比50%削減、2050年までに100%削減

・基準年:2022年7月期

・対象スコープ:Scope1およびScope2

・対象地域:国内および海外

・対象企業範囲:本体および連結子会社

<現在のCO2排出量>

 当社グループでは国内外すべての連結子会社を対象として、Scope1およびScope2の排出量の算定を行っています。

・算定対象期間:2023年7月期(2022年8月度~2023年7月度)

   Scope1              :2,081 t- CO2 (前年比98.2%)

   Scope2(マーケット基準)     :4,708 t- CO2 (前年比98.3%)

   Scope1+2(マーケット基準)合計 :6,789 t- CO2 (前年比98.3%)

<ご参考>

   Scope2(ロケーション基準)    :4,272 t- CO2 (前年比94.1%)

   Scope1+2(ロケーション基準)合計:6,353 t- CO2 (前年比95.4%)

 目標達成に向けた削減初年度にあたり、エネルギー効率の良い営業車両への切り替え、オフィス・倉庫・工場照明のLED化等の施策をグループで推進した結果、活動量が昨年度より増加している状況下においてScope1,2の削減を実現しました。

<Scope3排出量の算定について>

 本年、内田洋行本体を対象としてScope3の算定を開始しました。2023年7月期のScope3排出量につきましては、算定が完了次第の公開を予定しています。

(3)人的資本に関する考え方及び取り組み

① 戦略

<人材育成方針>

 外部環境の急激な変化に対応できる思考・行動様式を持ち、主体的にキャリアを切り拓く人材の育成を進めており、人材開発を専門とするグループ会社とも緊密に連携しながら研修を強化しております。研修は特に、管理職、管理職候補、女性社員、若年層、またICT事業の基盤となるシステムエンジニアの育成に力を入れています。

 イ 管理職

 マネジメント力強化を目的に役職別研修や選抜型研修、外部プログラムへの派遣を行い、より広い視野・高い視座の獲得を進めております。

 ロ 管理職候補

 管理職候補の育成の場として選抜型の研修を行うとともに、研修を通じたアセスメントや外部機関のテストを用いた適性評価も進めております。

 ハ 女性社員

 女性社員を積極的に採用しつつ、研修や外部ネットワークを活用した啓発機会を設け、就業意識の向上とリーダーマインドの醸成を図っております。

 ニ 若年層

 入社から5年間にわたる長期研修プログラムを設け、将来を支える若年層の能力強化に取り組んでおります。

 ホ システムエンジニア

 システムエンジニア向けの技術研修の実施、公的資格取得の支援を行っております。また、当社独自の育成計画として体系的な知識・技術の習得を進めるため、様々な市場や事業のプロジェクトを2年以上かけてローテーションするプログラムを設け、広範囲に専門性を発揮できる人材の育成に取り組んでいます。

<社内環境整備方針>

 社員がキャリアを形成していくうえで、仕事と生活を両立できる環境を整備することは企業の社会的責任であり、人材の定着・確保に加えダイバーシティを推進するうえでも必要な施策と考えます。特に育児や介護によってキャリアを中断することなく安心して働き続けられるよう、各種制度の充実に努めております。

 また、企業が従業員の健康に配慮し、高い生産性や創造性を安定的に発揮できる環境を整えることは、企業の業績向上にもつながる戦略的な取組みであると捉え、産業医・内田洋行健康保険組合と緊密に連携し、より健康的で働きやすい職場づくりを推進しております。

 なお、人的資本をめぐる課題への取り組みについてはCSRレポートに記載し、当社ホームページ上で公表しております。

② 指標と目標

項目

目標

2023年7月期実績

10事業年度前に採用された女性の継続雇用割合の男性継続雇用割合に対する比率

80.0%以上

100.0%

新卒採用における女性割合

40.0%以上

43.9%

管理職に占める女性労働者の割合

5.0%以上

6.1% (注)1

育児休業取得率

女性:育児休業取得率 80.0%

男性:育児休業等+育児目的休暇取得率 50.0%

女性100.0%

男性86.6%

(注)1 管理職に占める女性労働者の割合については、2023年7月21日時点の数値となります。

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