八十二銀行 【東証プライム:8359】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行および当行グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当行はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した際の対応に努めてまいります。
なお、本内容には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1 信用リスク
主なリスク | 概要 | 対応策 |
不良債権の状況 | 国内外および県内の景気動向の変動により、取引先の財務内容・経営状況が悪化した場合には、当行の不良債権および与信関係費用が増加し、業績に悪影響を及ぼすとともに、自己資本の減少を招く可能性があります。 | これらのリスクへの対応として、取引先との関係強化や途上与信管理を通じて、取引先の実態把握を強化し、実態に応じた適切な格付を付与するように努めております。また、貸倒引当金の算定にあたっては、予想損失率については景気循環サイクルを勘案した長期平均値をベースに足元の状況や将来リスク等を踏まえて決定するなど、経済状況の低下時に対応した十分な貸倒引当金を計上する仕組みとしております。 |
貸倒引当金の状況 | 当行では、貸出先の状況、債権の保全状況および一定期間における予想損失率等に基づき算出した予想損失額に対して貸倒引当金を計上しておりますが、著しい経済状況の悪化や担保価値の下落、その他の予期せざる事象により、予想損失額算出の前提と大幅な乖離が生じた場合は、貸倒引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、業績に悪影響を及ぼすとともに、自己資本の減少を招く可能性があります。 | |
権利行使の困難性 | 不動産市場における価格の下落または流動性の欠如、有価証券価格の下落などの事情により、担保権を設定した不動産等の想定価格での換金、または貸出先の保有する資産に対する強制執行が事実上できない可能性があります。この場合、与信関係費用が増加するとともに不良債権処理が進まない可能性があります。 | |
地域の経済動向に影響を受けるリスク | 当行では、総貸出金の約46%が長野県内向けであり、貸出金や信用リスクの増減等は長野県の経済動向に左右される可能性があります。 また、長野県内向け貸出金のうち、中小企業・個人向け貸出比率は、長野県内向け総貸出金の約73%となっており、信用リスクの増減等は、中小企業の業績や個人の家計動向に影響を受ける可能性があります。 |
2 市場リスク
市場リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、資産・負債(オフ・バランスを含む)の価値が変動し当行が損失を被るリスクであり、以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主なリスク | 概要 | 対応策 |
金利リスク | 当行は、日本国債、米国債等の金利リスクのある債券を保有しており、内外金利が大幅に上昇した場合は評価損が発生し、当行の業績に影響を及ぼすとともに、自己資本比率の低下を招く可能性があります。 | これらリスクへの対応としては、リスクとリターンのバランスを適切に保ち、リスクテイクを適正規模に調整するため、市場環境・経営体力などを勘案し、半期ごとに市場リスク管理方針を定めております。市場リスク管理方針では、取引の種類・取引先ごとに取扱うことのできるリスクの最大量・損失の限度などを定め、この限度の範囲内で業務遂行するほか、リスクの状況を毎日担当役員に報告し、迅速で適切な対応を実践しております。 |
価格変動リスク | 当行は市場性のある株式を保有しており、大幅な株価下落が生じた場合は減損または評価損が発生し、当行の業績に影響を及ぼすとともに、自己資本比率の低下を招く可能性があります。 | |
為替リスク | 当行は、保有する外貨建資産および負債について、為替リスクを回避する目的からヘッジを行っておりますが、適切にヘッジされない場合には、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
3 流動性リスク
流動性リスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と市場の混乱等により市場において取引ができない、あるいは通常よりも著しく不利な条件での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)であります。
主なリスク | 概要 | 対応策 |
流動性リスク | 当行は、特に外貨資金において市場からの調達依存度が高くなっております。内外景気の急激な悪化や金融市場の混乱、当行の業績悪化や格付低下等により、通常より高い金利による調達を余儀なくされること、あるいは調達自体に困難が生じることで、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | 対応策としては、市場調達や短期調達への過度の依存を抑制するための管理指標を設定し、先々の市場調達額が過大とならないよう日次で管理しております。また、複数の取引先とコミットメント方式の通貨スワップ契約を締結し、外貨資金調達に困難が生じた場合に備えております。 |
4 オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクは、銀行の業務の過程、役職員の活動もしくはコンピュータ・システムが不適切であること、または外生的な事象により損失を被る顕在化したリスクおよび潜在的なリスクであり以下のとおり当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。
主なリスク | 概要 | 対応策 |
事務リスク | 当行の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより損失を被る可能性があります。 | これらリスクへの対応としては、オペレーショナル・リスク顕在化の未然防止並びに影響の極小化を図るため、年度ごとにリスクアセスメントを実施し、本部の業務所管部が、オペレーショナル・リスクの低減活動を実施しております。 |
システムリスク | コンピューター・システムのダウンまたは誤作動等、コンピューター・システムの不備等に伴う損失、さらにコンピューターの不正使用、外部からのサイバー攻撃などによる情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービスの停止、社会的信用の失墜などにより、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
法務リスク | 取引の法律関係等の不確実性、および法令遵守状況が不十分であることにより損失を被る可能性があります。 | |
人的リスク | 人事運営上の不公平・不公正(報酬・手当・解雇等の問題)・差別的行為(セクシャルハラスメント等)などに関連する重大な訴訟などが発生した場合、社会的信用の失墜などにより当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
有形資産リスク | 災害その他の事象から有形資産が毀損・損害が発生した場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
風評リスク | 諸リスクの顕在化および風評・風説の流布等により、当行の社会的または取引市場における評判が低下し、当行の業務運営に支障をきたした場合、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
システミック・リスク | 資金決済システム等において、構成員の支払不能が他に波及してシステム全体が混乱し、他の構成員から損失を被る可能性があります。また、金融システム混乱のために負担を余儀なくされる可能性があります。 | |
情報資産リスク | 情報管理のための制度やコンピューター・システムが不十分であることから、顧客情報、経営機密情報等の漏えい、紛失、改ざん、不正利用等が発生し、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
交通事故・違反リスク | 当行職員を当事者とする交通事故・違反により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
対企業犯罪リスク | 当行に対する外部の犯罪行為により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
外部委託リスク | 委託・提携業務に関する事故により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
関連会社リスク | 関連会社に関する事故により損失を被り、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
5 その他のリスク
その他のリスクとして、次のものがあります。
主なリスク | 概要 | 対応策 |
自己資本比率に関するリスク | 当行は、海外営業拠点を有しておりますので、連結自己資本比率および単体自己資本比率は「銀行法第14条の2の基準に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められる国際統一基準が適用されます。 当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなり、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。 当行の自己資本比率に影響を及ぼす主な要因は以下のとおりであります。 ・債務者および株式・債券等の発行体の信用力悪化により生じるリスク・アセットおよび期待損失額の増加 ・与信関係費用の増加による自己資本の毀損 ・有価証券ポートフォリオの価値の低下 ・繰延税金資産の計上にかかる制限 ・自己資本比率の算定基準等の変更 | これらのリスクの対応としては、自己資本およびリスク・アセットを考慮した事業計画を毎年度策定しております。 また、ストレステスト等による自己資本の評価を定期的に実施することにより、規制で求められる自己資本比率を順守することに努めております。 |
気候変動リスク | 気候変動リスクは、経済・社会の脱炭素化の進展に伴う移行リスク」と、温暖化の進行に伴う「物理的リスク」に大別されます。移行リスクでは、脱炭素社会の移行過程における新たな政策・規制の導入、脱炭素化に関する技術的進歩に伴う既存技術の陳腐化、消費者の嗜好の変化による経済への影響等により、当行および取引先の事業や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。また、物理的リスクでは、気候の変化や自然災害の甚大化により、当行および取引先の事業や財務に悪影響を及ぼしたり、担保資産の価値の棄損等により、当行の与信関係費用が増加したりする可能性があります。 | 当行は、TCFD提言への賛同を表明し、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでおります。 |
主なリスク | 概要 | 対応策 |
地域経済の環境変化によりもたらされるリスク | 当行の主要営業基盤である長野県において、大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、当行資産の毀損による損害の発生および取引先の業績悪化による信用リスクの上昇など、直接的または間接的に、当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した際の対応に努めてまいります。 |
格付の低下によるリスク | 当行は、格付機関より格付を取得しております。今後、当行の収益力・資産の質などの悪化により格付が引下げられた場合、当行の資金調達等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
退職給付費用が増加するリスク | 年金資産の運用利回りが低下した場合や退職給付債務計算の前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付費用が増加することにより当行の業績に影響を及ぼす可能性があります。 | |
制度・規制変更に伴うリスク | 当行および当行連結子会社は、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って、業務を遂行しております。将来における法律、制度、規制等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行および当行連結子会社の業務遂行や業績等に影響を及ぼす可能性があります。 | |
競争に伴うリスク | マイナス金利が解除されましたが、依然として日本の金融制度は大幅に規制緩和されており、競争が激化している状況に変化はありません。その結果、他の金融機関等との競争により想定していた収益が上げられない可能性があります。 | |
当行の事業戦略が奏功しないリスク | 当行は、長野銀行との経営統合を含め、収益力増強のために様々な事業戦略を実施しておりますが、様々な要因によりこれらの戦略が当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。 | |
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る制裁等のリスク | 当行グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要な課題と位置付け、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、マネー・ローンダリング等に関する法令等遵守状況が不十分であった場合には、国内外の当局による制裁金等の行政処分、コルレス契約を解除されることによる海外送金業務の停止、社会的信用の失墜などにより、グループ全体の業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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