保土谷化学工業 【東証プライム:4112】「化学」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「化学技術の絶えざる革新を通じ、お客様が期待し満足する高品質の製品・サービスを
世界に提供し、環境調和型の生活文化の創造に貢献する」ことをPURPOSE[経営理念]としております。
現在は、中期経営計画「SPEED 25/30」(2021~2030年度)で掲げるVISIONに基づき、企業活動を推進しております。
(2) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の持ち直しが見られ緩やかな回復基調となりましたが、
継続している不安定な国際情勢等の影響によるエネルギー価格の高止まり、円安の長期化、それらに伴う物価の上昇等、依然として先行き不透明な状況は継続しています。
このような状況下、当社グループは、機能性色素・機能性樹脂・基礎化学品・アグロサイエンス・物流関連等の各分野において、独自の技術力やネットワークを活かし、研究開発・生産・販売部門が三位一体となり、
お客様の多種多様なご要望に対応し、常に高品質の製品やサービスを提供してまいります。
当社グループの力をさらに高めるために、今後も、コスト競争力・収益力・リスク抵抗力に対し優位性を持った当社グループの経営基盤を構築すべく、以下に述べる中期経営計画を達成していく所存であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年度を初年度とする中期経営計画「SPEED 25/30」を開始しています。
「SPEED 25/30」は、その策定にあたって前中期経営計画の課題を踏まえつつ、200年企業を目指す
当社グループが、不透明な今後の10年間でどの様に成長を実現していくか?を念頭に置きました。
先行きを見通すことが難しい中、将来の「メガトレンド」を意識し、「2030年度のありたい姿」を設定。
「バックキャスト」に基づき、今後10年間の当社グループの成長シナリオを策定したものとなっています。
また、その中間地点として、「2025年度までの目指す姿」も明確にしています。
[「SPEED 25/30」のVISION]
目指す企業像
スペシャリティ製品を軸としたオリジナリティにあふれるポートフォリオと環境に優しいモノづくりで、
持続可能な社会の実現に貢献する企業
[「SPEED 25/30」のメッセージ]
保土谷化学グループは
S:スペシャリティ製品を軸としたオリジナリティにあふれる
P:ポートフォリオを構築し
E:エンゲージメントの向上による
E:ESG経営の推進と
D:DXによる競争力強化で
目指す姿(2025年度)・ありたい姿(2030年度)にスピーディーに変わっていきます
[2030年度のありたい姿]
項目 | 「ありたい姿」 | |
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事業強化 | 事業ポートフォリオが適切に構成されている | DX
の
推進 |
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規模拡大 | グローバル市場に新製品が継続して創出されている | |
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効率化 | 高い生産性を実現している | |
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従業員視点 | 働きがいが向上している | |
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社会的視点 | SDGs 達成に貢献し、環境に優しいを実現している | |
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株主視点 | 長期に継続して安定的な配当を実現している |
[2025年度までの目指す姿]
項目 | 「目指す姿」 |
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事業強化 | ・「戦略事業」「基盤事業」それぞれの持続的な成長を実現 ⇒選択と集中を進め、新たなポートフォリオを構築 |
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新製品創出 | ・戦略事業の技術革新を推進し、事業拡大に貢献 ・研究開発テーマの早期事業化 ・新たな領域展開のために研究開発テーマの持続的な創出 |
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生産性向上 | ・新製品を速やかに立ち上げる体制の完備 ・環境に優しい製品を、常に高い生産性で、安全・安定に、生産 |
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経営基盤強化 | ・組織能力の向上 ・働きがいの向上 ・社会的価値の台頭への対応 ・財務面でのさらなる改善 ・業務効率の向上 |
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成長に資する「戦略投資(事業〈M&A含む〉・設備・IT・インフラ)」の実行 | |
「サステナビリティの推進」 「DXの推進」 |
上記、「2025年度までの目指す姿」の実現に向けた、事業面での進捗は下記のとおりです。
[機能性色素セグメント]
有機EL材料 :新製品の開発により大手顧客による採用がさらに拡大
バイオ材料 :SFC(韓国)のBio Park(研究開発・生産拠点)が稼働を開始
-次世代医薬品である核酸医薬原料向けオリゴ核酸への参入を目標
アルミ着色用染料:環境対応型製品の対応が進展。郡山工場での生産が拡大
その他 :ペロブスカイト型太陽電池材料、近赤外吸収色素
▶REXCEL(韓国)を連結子会社化 (2023年度より)
・「忠州キャンパス」では、第2工場を新設
・「陰城キャンパス」では、2024年6月に新工場が竣工
これら2つの戦略投資により、有機EL材料の一部の工程の生産能力を倍増させるとともに、
独自の精製技術を活かした、半導体レジスト材料の展開等を進めていきます。
[機能性樹脂セグメント]
樹脂材料 :バイオPTGは、一部顧客に採用。既存需要と新規需要の獲得に向け、重点的に活動中
新規ポリオール(PTG-SOFTENA)も上市を達成。国内外の既存・潜在顧客へのPR継続、
評価受領、データ蓄積を行い、採用を推進する。
ホスゲン誘導体 :剥離剤向けホスゲン誘導体(ODI)は生産能力の増強を完了
各種ホスゲン誘導体の新たな需要獲得に向け、試作品生産用ベンチスケールの新設に着手
▶ 欧米拠点とともに、国外マーケットの需要を獲得し販売拡大を目指す。
[基礎化学品セグメント]
過酸化水素 :効率的な生産体制と販売価格の是正により収益改善を達成
過酢酸 :サニテーション、食品向けで本格的な市場調査、採用活動を推進
[アグロサイエンスセグメント]
農業用過酸化物 :段階的設備増強(第一期)を実施し、既存取引先の課題解決に取り組むとともに、
緑化・園芸向け需要の開拓も実施し、販売対応を加速
▶朝日アグリア(有機肥料メーカー)と新たな複合農業資材の共同開発を積極的に推進中
[物流関連セグメント]
・ISOタンクコンテナ保管事業が拡大中
上記の進捗を踏まえ、当社グループの「2025年度までの目指す姿」に向けて、2024年度以降も、引き続き、
下記の重要施策に取り組みます。
〔事業強化〕
・有機EL:日本国内評価拠点の強化、販売チャンネルの多様化
・環境対応型アルミ着色用染料の販売拡大
・バイオPTGの販売拡大
・農業用過酸化物の事業拡大
〔新製品創出〕
・有機EL、環境対応型アルミ着色用染料、新規ポリオールの開発推進
・ペロブスカイト型太陽電池材料、近赤外線吸収材料、有機正極材料の新規テーマの探索を推進
〔生産性向上〕
・アルミ着色用染料の増産体制の確立
・ホスゲン誘導体の増設検討と推進
・新製品開発に資する試作専用設備の設置
・原単位削減のコストダウン
〔経営基盤強化(DXの推進)〕
・業務改革の推進と基幹システムの更改に向けた各種検討の推進
経営目標(財務目標)
連結 | 2023年度実績 | 2024年度予想 | 2025年度経営目標 |
売上高 | 442億円 | 480億円 | 500億円 |
営業利益 | 39億円 | 45億円 | 75億円 |
営業利益率 | 8.9% | 9.4% | 15% |
ROE | 5.5% | ― | 9% |
経営目標(非財務目標)
連結 | 2023年度実績 | 2025年度経営目標 |
エネルギー原単位(※) | 0.506kl 売上高・百万円当たり | 0.606kl 売上高・百万円当たり |
二酸化炭素排出量原単位(※) | 0.842t-CO2 売上高・百万円当たり | 0.868t-CO2 売上高・百万円当たり |
産業廃棄物発生量(※) | 2,523t | 前年度発生量以下 |
ESG評価スコア(FTSE Russell 評価) | 3.0(2022年度実績) | 3.7 |
エンゲージメントスコア | ― | スコアの段階的向上 |
女性管理職比率 | 11.3% | 13% |
(※)2024年5月20日現在の推定値です。確定数値は、本年度発行の統合報告書で開示予定です。
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