住友商事 【東証プライム:8053】「卸売業」 へ投稿
企業概要
●当社が目指すもの
当社は、当社グループのコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」に込めた「世界を、社会を、人々の暮らしを、より豊かにする」という想いと共に、社会課題の解決を通じて社会と共に持続的に成長する企業グループを目指しております。
●中期経営計画「SHIFT 2023」(対象:2021年度~2023年度)の総括
当社は、2021年度から2023年度までの3か年を対象とする「SHIFT 2023」において「事業ポートフォリオのシフト」、「仕組みのシフト」、「経営基盤のシフト」の3つのシフトを着実に実行し、当社事業ポートフォリオの強化に向けて総力をあげて取り組みました。
(1) 定量計画の成果
当社の利益水準は前中期経営計画期間と比べて大きく向上し、「SHIFT 2023」開始時に計画値として
掲げた水準を超える結果となりました。ROEは2021年度・2022年度ともに16.2%を記録しましたが、2023
年度は一過性損失もあったことから9.4%となりました。
3年合計キャッシュ・フローは、一株当たりの配当額の増加や自己株式取得などによって株主還元を充
実させつつも、株主還元後フリーキャッシュ・フローの黒字を確保し、財務健全性を維持しました。
(2) 「SHIFT 2023」における主な取組の総括
「SHIFT 2023」においては、構造改革の遂行により、下方耐性を強化しつつ、収益力を一段レベルア
ップさせました。
また、気候変動や人権など社会課題に対する中期目標に基づき各Strategic Business Unit(SBU)が戦
略的に取り組むとともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けたポートフォリオシフトや人権デュ
ーデリジェンスの実施等、サステナビリティ経営を推進しました。
新中期経営計画においては、事業ポートフォリオ変革をより一層加速させます。そのために資産入替
を含めた新陳代謝を高め、成長を牽引する収益の柱の構築にこれまで以上に重点的に取り組みます。
●マテリアリティの更新
「中期経営計画2026」で新たな成長ステージに移るにあたり、社会課題の解決に資する価値創造が当社グループの持続的な成長に繋がるとの観点から、マテリアリティを更新しました。気候変動や生物多様性の喪失など社会課題の一層の深刻化等の外部環境の変化や当社グループの強み、ステークホルダーからの期待も踏まえ、当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一層のコミットメントを示すものであります。
マテリアリティ毎に設定した長期・中期目標に対してアクションプランを策定・実行し進捗レビューを行うPDCAサイクルを継続することで、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現してまいります。例えば、世界全体で取り組むべき喫緊の課題である気候変動問題に関しては、サプライチェーン全体を俯瞰した取組を通じ、社会のカーボンニュートラル化の実現に向けてより一層貢献してまいります。
●中期経営計画2026
新しい成長ステージに入る「中期経営計画2026」のテーマは「No.1事業群」であります。競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「事業ポートフォリオ変革」を加速させます。そのために、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組みます。
(1) 事業ポートフォリオ変革
以下の取組を通じて事業ポートフォリオの新陳代謝を加速させることで、成長を実現します。
・魅力ある市場で強みや競争優位性を発揮できる事業への経営資源(資金・人材)の重点配分
・資産入替による経営資源の回収を含む、打ち手と時間軸を定めた低成長事業の再構築
・4つの事業戦略分類や事業別の資本コスト対比での事業戦略管理の継続活用
(2) 強みを核とした成長
① 競争優位のある事業をより強く
・成長事業において長年にわたり蓄積してきた事業経営ノウハウやネットワーク、強固なポジショ
ニング等の強みの磨き上げ
・新しい営業グループとして結集したSBU間での連携強化による、成長事業を起点とした産業の枠組
を超えた新たな価値創造
② デジタルとグリーントランスフォーメーション(GX)で加速する新たな成長
デジタルで加速する新たな成長
・デジタルによる、当社事業の強み・競争優位のさらなる強化、及び新たな強みの育成による成長
の加速
・デジタルによる、経営基盤・業務の変革、及び当社事業の収益拡大と事業創出・変革を実現する
ことでの稼ぐ力の強化
GXで加速する新たな成長
・GXによる当社事業の強み・競争優位のさらなる強化
・様々な産業分野における、脱炭素・低炭素エネルギー源への転換などに関する、市場形成を含め
た収益化までの時間軸も考慮した取組
・GXの基盤となるサステナビリティ経営の更なる推進(サプライチェーン全体での温室効果ガス排出
量の可視化、人権・自然資本への影響等も統合的に勘案した課題解決の実践)
(3) 成長の原動力の強化
① 戦略軸の組織体制への移行・見直し
経営会議及び営業組織の体制を以下のとおり見直し、全社最適の視点と営業グループの視点を組
み合わせ、強い組織力と総合力を追求していきます。
・意思決定の高度化とスピード化のための経営会議の構成メンバー及び決議方法の見直し
・戦略に応じた組織構成の最適化及び機動力向上のため、20の営業本部を戦略単位毎に44のSBUに再
編し、SBUを束ねる組織として営業グループを設置
・営業グループにコーポレート機能の一部を組み込み、より自律性を高める組織運営体制を構築
・当社グローバル拠点が一体となって行う、世界各地域におけるSBU戦略遂行や収益向上の取組
② 人・組織のエンパワーメント
新たな組織体制で価値創造の原動力である人材の力を引き出し、戦略の実行力を強化していきま
す。具体的には、「事業構想力」、「リーダーシップ」、「スピード」を3つの優先事項として、以
下のような様々な施策を実施していきます。
・求める人材要件の明確化を起点としたタレントマネジメント
・権限委譲を伴うラインマネージャーエンパワーメント
・リーダーが率先するオープンでフラットなコミュニケーション
(4) 定量計画
① 経営環境
当社は、2024年4月1日付で、「事業部門」・「エネルギーイノベーション・イニシアチブ」及び
「本部」・「部」を廃止し、戦略事業単位である「Strategic Business Unit」(SBU)をベースとした
組織運営を行っております。SBUを束ねる組織として、新たに「鉄鋼」「自動車」「輸送機・建機」
「都市総合開発」「メディア・デジタル」「ライフスタイル」「資源」「化学品・エレクトロニク
ス・農業」「エネルギートランスフォーメーション」の9グループを設置しております。
全般
世界経済は、緩やかな景気回復基調が継続する見通しであります。しかし、これまでの物価上昇や
金融引き締めが個人消費や設備投資の重しとなっております。
先進国経済のうち、米国は緩やかな景気回復基調が続くと見込まれます。ユーロ圏経済は足踏みが
続いてきましたが、今後は緩やかな持ち直しの動きに転じると見込まれます。日本は、一部で足踏み
となっておりますが、総じて見れば緩やかな景気回復基調が続いております。新興国経済のうち、中
国では不動産部門の不振が景気の重しとなり、成長ペースの鈍化が継続する一方で、他の多くの新
興・途上国では緩やかな景気回復が続くと見込まれます。
今後のリスクとしては、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢の更なる緊迫化、
物価上昇の再加速やそれに伴う金融引き締め政策の強化、新興国の債務問題、北東アジア、中東・北
アフリカなどの地政学的リスクの高まりなどが挙げられます。
鉄鋼グループ
当グループは、鋼管・鋼材などの鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。
鋼管分野では、米国では鋼管価格が足元低調に推移しているものの、鋼管需要の回復に伴い、鋼管価
格も緩やかに上昇する見通しであります。非米向けは、引き続き需要好調の見通しであります。ま
た、世界各国でエネルギー安定供給の重要性から石油・ガス開発は維持され、加えて脱炭素に向けた
エナジートランジションの動きも継続するものとみられます。
鋼材分野では、物価上昇の影響を受けた買い控えにより、自動車、家電、建築土木において需要が
弱含みとなりました。とりわけ中国では不動産部門の不振により内需が振るわない状況が継続する
中、中国国外への輸出量を含め、今後のグローバル市場全体における鉄鋼の需給動向を注視していき
ます。
このような環境を踏まえ、当グループとしては既存事業を堅持しつつ、当グループが強みを有する
事業・地域に経営資本を傾注し、収益力を強化してまいります。また、DXを通じた新たな価値提供、
再生可能エネルギー・CCSなどカーボンニュートラル化に資する鉄鋼製品・サービスの供給による産
業のGX実現への貢献にも取り組んでいきます。
自動車グループ
当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の
製造、販売、リースならびにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。
当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの
伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラ
ル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高ま
っております。一方で、地政学リスクがもたらすサプライチェーンに与える影響、原材料コスト・人
件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。
このような環境を踏まえ、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長
促進、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、自動車
リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大と新たな事業機会の取り込み、
Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでいき
ます。
輸送機・建機グループ
当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船
舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業
投資を行っております。
当グループを取り巻く事業環境は、金融政策の影響や金利高止まりによる景気減速懸念はあります
が、足元では航空需要は2019年の水準まで回復し、海上貨物輸送やインフラ建設・更新の需要は堅調
で、いずれも引き続き成長が見込まれます。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な
要請が一層高まっております。
こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上と基盤拡大に注力します。リー
ス・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では事業基盤
の拡大と商品・サービスの多様化を進めます。
また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業
における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進
め、成長を加速していきます。
都市総合開発グループ
当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラの開発・運営・アセットマ
ネジメント事業、建設資材の製造・販売及び産業機器の販売事業、物流・保険関連事業を展開してお
ります。
不動産分野では米国のオフィスビル賃貸市況の低迷等により海外不動産事業は低調に推移しました
が、国内不動産事業は堅調に推移しました。また国内の建設資機材及び機械設備のトレード事業もコ
ロナ後の国内設備投資の回復により堅調を維持しました。マクロ環境としては引き続き、自然環境や
次世代生活環境への危機意識の高まり、地政学リスクへ対応するための市場ニーズやビジネスモデル
の変化が挙げられますが、日米を中心とした政策金利動向やコスト上昇に伴う不動産等の市況の変化
には注視が必要であります。
このような環境を踏まえ、自然環境に配慮した安心安全で災害に強いインフラ開発や街づくりの需
要や、地政学リスクや環境問題に対応するためのグローバルな製造・流通網の変革ニーズを商機と捉
え、機構改正により融合した当グループの不動産とインフラのビジネス推進力でグローバルに都市総
合開発事業を展開していきます。
メディア・デジタルグループ
当グループは、デジタルソリューション事業、情報通信インフラ事業、モバイル付加価値サービス
事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、グローバルCVC
事業(ベンチャー投資)を行っております。
取り巻く環境として、デジタル関連事業ではデジタル技術による社会課題解決やビジネス変革の機
会が拡大し、DXソリューションのニーズが高まっております。情報通信インフラ事業ではミャンマー
及びエチオピアの地域の発展に伴うニーズ拡大が見込まれます。5G関連では高速・大容量通信の需要
拡大により、携帯キャリアの基地局整備が進んでおります。メディア関連事業では、視聴形態の多様
化や新たなサービスのニーズが見込まれます。
このような環境を踏まえ、デジタル関連事業では提案力と事業基盤を強化・拡大し、コンサル・DX
事業に取り組みます。情報通信インフラ事業では長年の通信事業経験を活かした通信キャリア向けサ
ービスの開発・展開に取り組みます。5G関連では基地局シェアリング事業拡大に取り組みます。メデ
ィア関連事業ではJCOM社の企業価値最大化と従来のテレビ通販事業からテレビとECを融合したビジネ
スモデルへの変革に取り組みます。
ライフスタイルグループ
当グループは、食品スーパー・ブランドなどのリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事
業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニックなどのヘルスケア事業を展開してお
ります。
リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健
康に関する消費者意識の高まりが見込まれます。ヘルスケア分野においては、高齢化加速に伴う医療
費適正化ニーズが加速する見通しであります。また、全般的に気候変動や地政学リスクの継続や人件
費・燃料費の高止まりの懸念があり、動向を注視していきますが、生活を支える事業としての社会的
重要性は引き続き高いものになっていくものと見ております。
このような環境を踏まえ、リテイル事業を中心に圧倒的な顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、
データ活用によるマーケティング及びDX推進によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組
みます。また、国内外の医療費高騰の解決に向け、プライマリケア・地域包括ケア関連事業の拡大に
努めます。食料分野では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとネットワークを生かした収益
基盤の拡大と成長が見込まれる分野への事業展開を図ります。
資源グループ
当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも当
社事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。
資源価格は、2022年度から全般的に落ち着きを見せ、足元は軟化傾向にありますが、中長期の市況
変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチ
ェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、当社ならではの経
験・強みを発揮し、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の
改善・強化を進めております。
下振れ耐性の強化と収益基盤の拡充の観点から、足元では、マダガスカルのニッケル事業の再構
築、既存権益の安定操業の維持・拡大、将来的に需要増が見込まれる金属資源等の優良資産の積み増
しに向けた取り組みの他、環境負荷の低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与する
バリューチェーンの構築を推進しております。当グループは、これらの取り組みを通じて、日本及び
世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指します。
化学品・エレクトロニクス・農業グループ
当グループは、基礎化学品、農業資材、医薬、化粧品、動物薬、エレクトロニクス材料・製品の開
発、製造、販売事業を展開しております。
2023年度は、農業資材分野においては市況悪化及び天候要因により、エレクトロニクス材料・製品
分野においては半導体需要低迷により、低調な推移となりましたが、2024年度は、農業資材分野にお
ける事業環境の改善や半導体の需要回復、基礎化学品分野の堅調な推移などを見込んでおります。
このような環境を踏まえ、農業資材分野では、販売事業の地理的拡大及び機能の拡充に注力し、イ
ノベーション分野のビジネスを推進します。2023年度に米国硫酸事業を買収した基礎化学品分野で
は、強みである顧客・仕入先、製造事業、物流アセット等の事業基盤を活かした機能の拡充により、
収益力及び下振れ耐性を更に強化します。グリーンケミカル分野では、カーボンニュートラル及び循
環経済に資する取り組みや、経済安全保障のニーズの高まりを踏まえた新規事業の開発に注力してい
きます。また、ライフサイエンス分野やエレクトロニクス分野においても、変化を先取りし、新たな
ビジネスを創出していきます。
エネルギートランスフォーメーショングループ
当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権
益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資
する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。
電力EPCプロジェクトでは複数案件で完工を達成し、発電事業も堅調に推移しております。国内電
力小売事業においては、顧客との契約更改を含む市況リスクマネジメント強化の結果及び電力調達価
格が年度を通じて安定的に推移したことにより収益改善を果たしております。
エネルギー分野においては、一部トレード事業において前年度好調の反動があったものの、市況の
高止まりや価格変動を上手く収益化したことにより、エネルギートレードビジネスは好業績で推移し
ました。このような環境を踏まえ、当グループでは世界的な地政学リスクの高まりに備えるためにも
市況変動リスク管理を一層強化いたします。
また2050年のカーボンニュートラルを達成すべく、当社発電ポートフォリオの低炭素化を促進する
新たな電力・エネルギーサービスの事業化を進め、次世代エネルギー関連事業の開発にも引き続き取
り組んでいきます。
不可逆的なGX潮流を事業機会と捉え、脱炭素・循環型エネルギーシステムの構築やサステナブルな
カーボンサイクル実現を通じて、住友商事グループ全体のエネルギートランスフォーメーション事業
を牽引していきます。
② 定量計画
・利益計画
「中期経営計画2026」の期間においては、ROE12%以上を維持しつつ、競争優位を発揮する成
長事業を伸ばすことで、2024年度は5,300億円、2026年度は6,500億円の当期利益の実現を目指し
ます。
2024年度業績見通しの内訳は以下のとおりです。
資源ビジネスは、前期好調だったガストレード事業の反動、及び石炭価格下落の影響により減
益となりますが、非資源ビジネスは、鋼管事業、建設機械事業、不動産事業、アグリ事業などを
中心に着実な利益成長を見込んでいます。
・キャッシュ・フロー計画
資産入替とキャッシュ・フロー収益力向上により2.8兆円のキャッシュを創出し、財務健全性を
維持しながら、創出したキャッシュを成長投資と株主還元に適切に配分してROEの向上を図りま
す。
(5) 株主還元方針
「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については、「SHIFT 2023」を通じて実現した基礎的な収
益力の向上、継続的な財務基盤の強化、持続的成長のための投資資金の確保などの要素を総合的に勘案
し、以下のとおりとしました。
・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施
・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す
(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うことを指します。
詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
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