企業兼大株主住友商事東証プライム:8053】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

●中期経営計画「SHIFT 2023」(対象:2021年度~2023年度)の進捗

 当社は、「SHIFT 2023」において、高い収益性と下方耐性の強いポートフォリオの構築に向けた「事業ポートフォリオのシフト」、その実効性を担保するための「仕組みのシフト」と「経営基盤のシフト」に取り組んでおり、それぞれのシフトの進捗状況は以下のとおりです。


(1) 事業ポートフォリオのシフト

 当社は、すべての事業を、組織の枠組にこだわらず戦略単位でStrategic Business Unit(SBU)にくくり、市場の魅力度と当社グループの強みの発揮度を軸に4つのカテゴリーに分類し、当社の強みが発揮できる事業分野へ経営資源(資金・人材)のシフトを進めています。

<4つのカテゴリー>

・好機を逸することなく戦略的に撤退し、経営資源の回収を図る「バリュー実現」

・効率性向上等により既存の収益の柱を更に太くする「バリューアップ事業」

・事業規模の拡大を通じて収益の柱の育成を目指す「注力事業」

・次世代のビジネスを育成し、新たな収益の柱を目指す「シーディング」

(a)2022年度の各カテゴリーの進捗


(b)DX(デジタルトランスフォーメーション)によるビジネス変革及びサステナビリティ経営の高度化

 事業ポートフォリオのシフトを後押しし、既存ビジネスの機能・収益性向上や新規ビジネスの創出を促す取組として、DXによるビジネス変革やサステナビリティ経営の高度化にも注力しました。

DXによるビジネス変革

・既存ビジネスにおけるDX実装による機能・収益性向上:

 国内スーパーマーケット事業における需給予測やヘルスケア事業におけるデータ分析高度化等が進捗

・次世代成長戦略テーマにおけるDXを掛け合わせた新規ビジネスの創出:

 脱炭素、モバイル決済サービス、DX支援サービス等が進捗

サステナビリティ経営高度化

 持続可能な社会の実現のために当社が取り組むべき6つの「重要社会課題」(2020年に設定)に関して、各SBUの取組や全社制度の運用開始など、社内における浸透や進捗が加速しています。2022年度の主な取組例は、以下のとおりです。


 詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照願います。

(2) 仕組みのシフト

 事業ポートフォリオのシフトを実効性のあるものとするために、仕組みのシフトも推進しました。具体的には、以下に取り組みました。

・各SBUの戦略の進捗状況のモニタリング及び戦略の見直しの要否を議論するPDCAサイクルの実施

・事業投資の成功確度向上と価値最大化に向け、投資案件選定指針の制定による投資規律の厳格化及び投資パフォーマンス連動報酬制度の導入・運用

・次世代エネルギー、社会インフラ、リテイル・コンシューマー、ヘルスケア、農業等の成長戦略テーマの取組体制の整備・強化

・部門の枠組を超えた、よりダイナミックな事業ポートフォリオシフトに繋げるべく、全社最適で投下資本を配分する仕組へ変更

(3) 経営基盤のシフト

 当社が中長期的に成長、発展していくための経営基盤についても、着実に強化、拡充を進めています。

 ガバナンスの強化

・2022年度:中長期的企業価値向上・経営目標達成の動機付け強化を目的とした役員報酬制度の改定

  (報酬水準・報酬構成比率の見直し、業績連動賞与における総支給額の算出に当社株価成長率を反映)

・2023年度以降:株式報酬制度の評価指標に非財務指標(気候変動問題対応、女性活躍推進、従業員エンゲージメント)を追加

 人材マネジメントの強化

 年次概念に囚われない登用や女性登用、執行役員への登用を含むキャリア人材の積極登用、採用手法の多様化・通年化など、「Diversity, Equity & Inclusion」を更に推進

財務健全性の維持・向上

 デッド・エクイティ・レシオは昨年度末の0.7倍を維持、リスクアセットもコア・リスクバッファーの範囲内に収めています。(注)

(注)「コア・リスクバッファー」とは、「資本金」、「剰余金」及び「在外営業活動体の換算差額」の和から「自己株式」を差し引いて得られる数値で、当社は、最大損失可能性額である「リスクアセット」を「コア・リスクバッファー」の範囲内に収めることを経営の基本としています。

●中期経営計画「SHIFT 2023」完遂に向けた取組

 上記で述べた2年間の進捗を踏まえ、「SHIFT 2023」の最終年度である2023年度は、その完遂に向けて、以下の分野に重点的に取り組みます。


 当社は、成長性及び業績の安定性を更に向上するために「SHIFT 2023」を完遂し、どのような外部環境であっても株主資本コストを上回る利益をあげられる体質をつくり、株主還元の充実も図っていきます。また、建設的な対話を通じ、市場からの信頼向上に繋げられるよう努めていきます。

(4) 定量計画

① 経営環境

全般

 世界経済は、米国を発端とした金融不安やロシア・ウクライナ情勢の不透明感が払拭できない中、成長は鈍化する見通しです。金融引き締めや資源・エネルギーの高騰による原材料価格の上昇などを起因とする物価の高止まりが、企業・家計の経済活動の重石になっています。先進国経済のうち、米国経済は個人消費が支え減速するもののプラス成長を維持し、日本経済は緩やかな回復傾向が続くとみられます。一方、ユーロ圏経済は外需回復の遅れや不安定なエネルギー供給の影響を受けて低迷が続く見通しです。新興国経済のうち、中国の経済活動は、ゼロコロナ政策の撤廃、不動産市場の持ち直しなどで回復の動きが続くとみられます。その他の多くの新興・途上国では緩やかな回復が続くとみられます。リスクは、金融業界の混乱、ウクライナでの戦闘激化、新型コロナウイルスの再拡大、物価高の長期化とそれに伴う金融引き締めの影響、新興国債務問題の深刻化、北東アジアや中東・北アフリカなどにおける地政学的リスクの高まりなどが挙げられます。

金属事業部門

 当部門は、鋼材・鋼管などの鉄鋼製品を幅広く取り扱っています。

 鋼材分野では、足もとでは自動車、家電、建築土木における需要が横ばい、あるいは弱含みとなっている一方で、生産コストの上昇等に伴い上昇していた鋼材価格が調整局面を迎えています。更には中国では需給不均等による国内市況の下落、中国国外への輸出量が拡大に転じており、今後のグローバル市場での需給動向を注視していきます。

 鋼管分野では、米国では昨年度の極めて逼迫した需給環境の反動として開発業者による発注調整が生じており、足もとでは鋼管価格が反転下落基調にありますが、ガスを中心とした鋼管需要は堅調に推移すると見通しています。従い一定の調整期間を経て鋼管価格も徐々に回復すると見通しており、非米向けについては引き続き需要堅調の見通しです。また、世界各国でのエネルギー安全保障の観点から、脱炭素に向けたエナジートランジションへの動きが加速するとみられます。

 このような環境を踏まえ、当部門としては中長期的視点で確実に持続的成長を果たせるビジネスモデルへの再構築を完遂します。また、DXを通じた新たな価値提供、再生可能エネルギー・CCSなど社会のカーボンニュートラル化に資する鉄鋼製品・サービスの供給による気候変動問題への対応をはじめ、サステナビリティ経営の高度化にも引き続き注力し、取組んでいきます。

輸送機・建機事業部門

 当部門は、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーン展開する自動車・建設機械・船舶事業、高い専門性を持つ航空宇宙関連事業を中心に、各種取引及び事業投資を行っています。

 当部門を取り巻く事業環境は、世界的に移動需要の回復・伸長が見られる一方、一部の地域における地政学的リスクの高まり、半導体不足がサプライチェーンに与える影響、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しています。また、各セグメントにおいて、脱炭素社会や循環経済の実現への貢献ニーズが高まっています。

 このような環境を踏まえ、当部門では低採算事業からの撤退を含む構造改革を完遂するとともに、強みを持つ事業の収益性改善と基盤拡大に注力します。具体的には、リース・ファイナンス事業における資産効率の改善と成長分野での優良資産積み増し、建設機械事業における事業基盤拡大と成長市場の需要取込みを進めていきます。

 また、新たな社会ニーズを機会と捉え、次世代燃料船の開発や航空機パートアウト事業、自動車分野におけるEVとエネルギーマネジメントの掛け合わせ事業等、将来の柱となる新規案件の創出・育成にも取り組んでいきます。

インフラ事業部門

 当部門は、水・鉄道などの社会インフラ事業、EPCビジネスや発電事業などの電力インフラ事業、海外工業団地、保険事業を含む物流インフラ事業を行っています。

 当部門を取り巻く足元の環境としては、電力EPCビジネスでは複数案件で完工を実現し、また発電事業も堅調ながら、国内の電力小売事業では燃料価格高騰に伴う電力調達コスト増加の影響が生じています。このような環境下、当部門は顧客との契約更改を含む市況変動リスクのマネジメントを一層強化すると共に、世界的な環境意識の高まりによる低炭素社会の到来、新興国を中心とした旺盛なインフラ需要を商機と捉え、新たな取組みを加速させます。

 具体的には、地域社会全体のニーズを捉えた質の高いインフラアセットを提供すべく、上・下水事業、スマートシティ開発、鉄道・空港・港湾事業など、社会インフラ事業に積極的に取組みます。更に2050年のカーボンニュートラルを達成すべく、再生可能エネルギー発電事業に注力し、当社発電ポートフォリオの低炭素化を促進します。加えて、エネルギーイノベーション・イニシアチブとの共創により、再生可能エネルギー発電や環境価値を活かした国内電力小売事業を中心に、新たな電力・エネルギーサービスの事業化を推進します。

メディア・デジタル事業部門

 当部門は、ケーブルテレビ、テレビ通販、及び5G関連などのメディア事業、ICTプラットフォーム、デジタルソリューション、デジタルメディアなどのデジタル事業、携帯電話販売、海外通信事業などのスマートプラットフォーム事業を行っています。

 当部門を取り巻く環境としては、メディア事業では、生活様式、消費行動の変化に伴い、視聴形態の多様化や非対面・非接触での新たなサービス提供のニーズが見込まれることに加え、5G関連では高速・大容量通信の需要拡大により、携帯キャリアの基地局整備が進んでいます。デジタル事業では、デジタル技術による社会課題の解決やビジネス変革の機会が拡大し、DXソリューションのニーズが高まっています。携帯電話販売事業では端末の高価格化、オンライン契約形態の導入などの市場変化が加速しています。海外通信事業ではミャンマー及び新たに参入したエチオピアにおける地政学的リスクはあるものの、地域の発展に伴うニーズが見込まれます。

 このような環境を踏まえ、メディア事業では新たな視聴サービスやオンライン診療などの生活周辺サービスの拡充、5G関連では基地局シェアリングの早期拡大に取組みます。デジタル事業ではSCSKとともにDX事業化やスタートアップ企業との共創による新たな価値創出への取組みを加速します。携帯電話販売事業では端末流通市場の変化に対応した新ビジネスの構築に取組みます。また、海外通信事業ではミャンマー・エチオピアの動向を注視しながら慎重に取組みます。

生活・不動産事業部門

 当部門は、リテイル、食料、ヘルスケア、建設資材、不動産などの分野において事業を展開しています。

 リテイル分野のスーパーマーケット事業は、内食需要の落ち着きや電気代等コスト上昇の影響を受け足元は低調な推移となりました。食料分野においても、ロシア・ウクライナ情勢の影響に伴う輸送費・資材費等のコスト上昇の影響を受けました。コストの高止まりは懸念されますが、いずれも、生活を支える事業としての重要性は引き続き高いものとなっています。

 ヘルスケア分野では、国内における高齢化の進展に伴う調剤医療費の抑制、在宅介護、オンライン診療などで事業機会の拡大が見込まれます。

 建設資材及び不動産分野では、米国金利上昇に伴う資金調達コストの増加を受け海外事業は低調に推移した一方、国内事業は堅調に推移しました。今後も政策金利の動向や建設コスト上昇に伴う影響には注視が必要です。

 このような環境を踏まえ、当部門は、マーケットを慎重に見極めながら、事業の継続及び将来の成長のために必要な施策を引き続き実行していきます。リテイル分野・ヘルスケア分野では、小売現場ならではのデータ活用や、ドラッグストアにおける全自動調剤導入など、現場の課題解決、機能の高度化を目指したDXの取組みを推進していきます。食料分野では、量販店向けの底堅い需要や産地の多角化などを捉えた収益確保に努めます。不動産分野では、引き続き多様なアセットタイプを取り扱うポートフォリオ経営の推進などによる安定した収益基盤の強化に取組んでいきます。

資源・化学品事業部門

 当部門は、資源・エネルギー分野では、金属資源・エネルギー権益の開発・生産及び販売事業を、化学品・エレクトロニクス分野では、基礎化学品、農業資材、医薬、化粧品、動物薬、エレクトロニクス材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しています。

2022年度は、資源・エネルギー分野にて資源全般の市況が高騰し、鉱山事業、トレードビジネスともに業績は好調に推移しました。化学品・エレクトロニクス分野でも農業資材やEMS事業などで需要の増加を捉え、業績は堅調に推移しました。2023年度は資源全般に加えて、穀物、基礎化学品ビジネスにおいても市況が軟化傾向であり、今後の動向を注視していきます。

 このような環境を踏まえ、資源・エネルギー分野では、資源上流権益の安定操業を継続するとともに、市況リスク管理を徹底いたします。また、2050年の住友商事グループのカーボンニュートラル化に向け、資源上流権益ポートフォリオ再構築、次世代エネルギー関連事業の開発に取り組んでいきます。化学品・エレクトロニクス分野では、農業資材事業をはじめとする既存事業の収益基盤強化に注力するとともに、循環経済推進に向けたグリーンケミカル分野での新規事業開発に取り組んでいきます。

② 定量計画

・業績見通し

 今般、足元の状況を踏まえ、業績見通しを以下のとおりとしました。


 世界経済の先行き不透明感は増しているものの、概ね足元の事業環境の継続を見込んでおり、2023年度の利益予想は4,800億円としています。前期比では、資源ビジネスは資源・エネルギー価格の軟化などにより減益、非資源ビジネスは横ばいを見込んでいます。

 なお、当社は最適な経営資源配分を通じた事業ポートフォリオのシフトの実行に向けて、「SHIFT 2023」の対象期間だけに限らず、常に3年先までの定量イメージを持ちながら戦略議論を実施しており、以下のとおり2025年度までの利益イメージを示しています。


・キャッシュ・フロー計画

「SHIFT 2023」において、株主還元後フリーキャッシュ・フローの黒字を確保する方針を堅持し、投融資と資産入替を着実に進め、高い収益性と下方耐性の強い事業ポートフォリオへのシフトに取り組んでいきます。



(5) 株主還元方針

 株主還元方針については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。

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