企業兼大株主住友化学東証プライム:4005】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) サステナビリティ全般

①ガバナンス

 当社は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載の企業統治の体制を採用しております。この体制において、当社グループの経営に関わる重要事項について、広範囲かつ多様な見地から審議する会議・委員会を設置することで、業務執行や監督機能等の充実を図っており、サステナビリティに関しては、「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。

 当社グループは、住友の事業精神、経営理念に基づき、サステナビリティの推進、すなわち「事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らの持続的な成長を実現する」ために、サステナビリティ推進基本原則を定め、これに沿って取り組みを進めております。

 サステナビリティ推進委員会は、グループの取り組みを総合的に把握し、サステナビリティへの貢献を俯瞰的に検証し、社会課題解決への統合的な取り組みを加速させることを目的として、とりまく状況を踏まえ、課題や取り組みの方向性について審議するとともに、取り組みの具体化に向けて各執行機関に必要な指示・提言を行っております。年2回の会議を開催している同委員会では、委員長である社長の下、各事業部門統括役員・コーポレート部門統轄役員・海外地域統括会社社長を委員として任命しつつ、さらに、社外取締役・社外監査役も毎回参加して活発な議論を展開しております。

 サステナビリティ推進委員会 体制図                  2023年3月31日現在


        2023年4月1日付で、事務局に経理部が加わっております。

(関連する他の主要会議・委員会)

・経営会議 

 サステナビリティに関連した事項を含む、経営戦略や設備投資など重要事項の審議

・レスポンシブル・ケア委員会 

 気候変動など環境関連課題への対応を含む、レスポンシブル・ケア活動に関する年度方針や中期計画、具体的施策の策定、実績に関する分析および評価

・カーボンニュートラル戦略審議会

2050年カーボンニュートラル実現に向けたグランドデザインの立案・審議および推進

・リスク・クライシスマネジメント委員会

 地震災害や異常気象による風水害、パンデミック、治安悪化等、個別のリスク・クライシスの対処方針等を審議

・人権尊重推進委員会

 グループ全体に向けた人権尊重に関する啓発の実施、バリューチェーン全体における人権尊重のための施策の立案と実行

②リスク管理

 当社では、当社グループの各組織がその本来業務の一部として、自らの業務遂行上のリスクを適切に管理するためにさまざまな対策を講じております。それに加えて、各種の会議体が連携して、当社グループのリスクマネジメントを推進しております。

 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ハ)リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。

 リスクマネジメント推進体制図


③戦略

 当社は、当社グループのサステナビリティの推進を「事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、自らの持続的な成長を実現すること」と定義し、その達成を通じて企業価値の向上に取り組むこととしております。経済価値と社会価値をともに創出していく、すなわち「自利利他 公私一如」の実現を目指すことで、企業価値の向上を図ります。

 そうした持続的な価値創出のため、経営として取り組む重要課題を特定するとともに、これらの重要課題を中期経営計画へと落とし込み、さまざまな施策を遂行しております。

(重要課題の特定プロセス)


(経営として取り組む重要課題)

 当社グループでは、経営として取り組む重要課題を、大分類として「社会価値創出に関する重要課題」、「将来の価値創造に向けた重要課題」、「事業継続のための基盤」の3つに整理しております。

 その上で、環境・食糧・ヘルスケア・ICT関連の4分野への貢献を、「社会価値創出に関する重要課題」として特定するとともに、イノベーションの推進、DXによる競争力強化、および人材(DE&I、育成・成長、健康)を、「将来の価値創造に向けた重要課題」に位置づけました。また、当社がかねてよりグループを挙げて進めてきた、労働安全衛生・保安防災、製品安全・品質保証、人権尊重、サイバーセキュリティ、コンプライアンス、および腐敗防止を、「事業継続のための基盤」として引き続き取り組むこととしております。


④指標及び目標

 当社「経営として取り組む重要課題」のそれぞれについて、主要取り組み指標「KPI」を設定しております。これらのKPIを活用して取り組みの進捗状況の管理と開示を進めるとともに、社内外のステークホルダーとの対話を推進し、取り組みの充実と加速につなげてまいります。各KPIの詳細については、サステナビリティデータブック2022(P.19~27)およびサステナビリティデータブック2023(2023年8月下旬頃公開予定)をご覧ください。

経営として取り組む重要課題とKPI

社会価値創出に関する重要課題

KPI

環境分野への貢献

 

 ・気候変動の緩和と適応

・グループの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)

 ・資源循環への貢献

・製品ライフサイクルを通じたGHG排出削減貢献量(電池関連)

 ・自然資本の持続可能な利用

・Sumika Sustainable Solutions認定製品の売上収益

 

・エネルギー消費原単位指数

 

・石化関連環境負荷低減技術のライセンス数

 

・製造プロセスに使用したプラスチック再生資源の量

食料分野への貢献

 

 ・持続可能な農業の推進

・鶏などの動物性たんぱく源の増産効果

 

・アグロソリューション資材が使用された農地面積

ヘルスケア分野への貢献

・熱帯感染症対策資源により守られた人数

 

・アンメット・メディカル・ニーズの高い領域での継続的な医薬品の創出

ICT関連分野への貢献

・偏光フィルムを使用したモバイル端末数

将来の価値創造に向けた重要課題

KPI

イノベーションの推進

・特許資産規模

DXによる競争力強化

・デジタル成熟度

人材:DI&I、育成・成長、健康

・グループ各社において、それぞれの環境に応じたKPIを設定

(2) 気候変動対応

 気候変動対応に関連し、当社は、2017年6月にTCFD提言が公表されると同時にその支持を表明しました。同提言の4つの開示項目「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標及び目標」に沿った当社グループの気候変動問題への取り組みは以下のとおりであります。

①ガバナンス

 「(1) サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載の枠組みにおきまして、気候変動については特に以下の体制で対応を行っております。


②リスク管理

 当社では、持続的な成長を実現するため、事業目的の達成を阻害する恐れのあるさまざまなリスクを早期発見し、適切に対応していくとともに、リスクが顕在化した際に迅速かつ適切に対処すべく、リスクマネジメントに関わる体制の整備・充実に努めております。気候変動問題は、その発生の可能性と影響度の観点からの評価等を通じて、当社グループの中長期的な主要リスクの一つとして位置付けられており、グループ全体のリスク管理プロセスに統合されております。

③戦略

 当社は、「経営として取り組む重要課題」の一つとして掲げている環境分野への貢献の中に「気候変動の緩和と適応」を明記しており、2021年12月、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたグランドデザインを策定しました。「責務」(当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づける)と「貢献」(当社グループの製品・技術を通じて世界のGHGを削減する)の両面から気候変動への取り組みを推進しております。

カーボンニュートラル実現に向けた投資

 2019年度から、社会全体のカーボンニュートラルの実現に貢献すべく、個別の投資案件についてGHG排出量の増減が見込まれる場合、インターナルカーボンプライス(1トン当たり 10,000円)を反映した経済性指標を算出し、投資判断を実施しております。

(投資規模)

 2013年度から2021年度までに、約800億円のカーボンニュートラル関連投資を実施または意思決定しました。今後、2030年度にかけて約1,200億円の投資を検討予定であり、合計で約2,000億円規模の投資を想定しております。

(「責務」に関する具体的な取り組み)

・千葉工場、愛媛工場の再構築 (エチレンプラント停止、液相法カプロラクタムプラント停止等)

・製造プロセスの徹底的な省エネ・合理化(Best Available Technology(BAT)活用)

・燃料転換(LNG導入等:愛媛工場・千葉工場)

・再エネ電力の導入推進

・CO2以外のGHG排出量の削減

「貢献」に関する具体的な取り組み

製品のカーボンフットプリント計算ツールの普及(無償提供)

炭素資源循環システムの構築

・カーボンネガティブへの挑戦

・その他の炭素資源循環に関する技術・製品の開発

 シナリオ分析や、その他の気候関連情報については、サステナビリティデータブック2022(P.109~121)およびサステナビリティデータブック2023(2023年8月下旬頃公開予定)をご参照ください。

④指標及び目標

気候関連のリスクに対する指標

 気候関連のリスクに対する指標として、総合化学企業として世界で初めてScience Based Target(SBT)に認定されたGHG排出削減目標を活用しております。当社グループ※1の2030年のGHG排出量(Scope1+2)の削減目標は50%※2で、2021年12月にSBTのWell Below2.0℃基準の認定を取得しております。2030年までは、既存プラントの製造プロセスにおける徹底した省エネや燃料転換と、現時点で利用可能な最善の技術(BAT)の活用による目標達成を目指します。一方、2050年のネットゼロに向けては、既存技術のみでの対応は難しく、カーボンネガティブやCCUS※3など、革新的な技術が必要になります。この開発と早期の実装を目指し、検討を進めてまいります。

 ※1:住友化学+国内外の連結子会社

 ※2:2013年度比

 ※3:工場等から排出されたCO2の回収・有効利用・貯留

  (CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)


 2023年3月期のGHG排出量(Scope1+2)は、住友化学レポート2023(2023年7月下旬頃公開予定)にてご覧いただけます。また、Scope1排出量およびScope2排出量それぞれの値については、サステナビリティデータブック2023(2023年8月下旬頃公開予定)をご参照ください。

 (参考)2021年度エネルギー消費量およびGHG排出量

GHG排出量をGHGプロトコルに基づいて算定し、連結売上高99.8%以内の主要な連結子会社を対象範囲として算出しております。

GHG排出量

(千トン-CO2e

 

当社および
国内連結子会社

海外連結子会社

合計

Scope1排出量

5,996

596

6,592

Scope2排出量

245

811

1,056

合計

6,241

1,407

7,648

気候関連の機会に対する指標

 気候関連の機会に対する指標として、Sumika Sustainable Solutions(SSS)を活用しております。SSSとは、気候変動対応、環境負荷低減、資源有効利用の分野で貢献するグループの製品・技術を自社で認定し、その開発や普及を促進する取り組みであります。2021年度までに認定製品の売上収益を5,600億円とすることを目標としてまいりましたが、これを達成しました。そして新たに、2030年度の目標を2021年度比2倍以上となる1兆2,000億円に設定しました。なお、2022年度の売上収益は6,828億円であります。


(3) 人的資本・多様性

①戦略

 100年余の歴史を有する当社は、これまで一貫して「人こそ最重要の経営資源」という考えを堅持し、「人材確保」「公平な処遇」「育成・成長」の3要素を変わらぬ人事理念として継続しております。この人事理念のもと、当社グループでは、「経営として取り組む重要課題」の一つに「人材:DE&I、育成・成長、健康」を掲げ、将来の価値創造に向け人材戦略を展開しております。

人事制度体系)

 当社の人事制度では、各人の役割や責任の大きさおよび達成した実績と、その過程で発揮した能力や行動とを合わせて成績評価することとしております。本制度によって、意欲と能力がある社員は早期に上位の役割にチャレンジすることが可能となり、社員の「成長したい」という自発的な意欲の醸成を図っております。

 また、海外グループ会社のマネージャー以上の層を対象に住友化学本体管理社員と共通の人事制度を導入し、企業理念に基づいた価値観の共有をはじめ、育成・成長ならびに活躍機会の提供を推進しております。

 人事制度の理念・狙い


ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)

 当社グループは、「DE&I推進に関するグループ基本原則」に基づき、女性、外国人、経験者採用者(中途採用者)をはじめとした多様な従業員の個性や属性の違いを尊重し、それを活かすことができる組織風土を醸成するために国内外グループ各社と連携してDE&Iを推進しております。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進に関するグループ基本原則

多様な発想と価値観は、住友化学グループの競争力の源泉の一つです。新たな価値の創造に挑戦し続けるために、従業員一人ひとりの個性や属性の違いを尊重し、相互に緊密なコミュニケーションのもと多様性を受け入れ活かす
ことができる組織風土を醸成します。こうした考えのもと、私たち住友化学グループは、ダイバーシティ、エクイティ&
インクルージョン(Diversity, Equity and Inclusion)を推進します。

 また、当社は、ノーマライゼーションの社会の実現に向けて、障がい者雇用に取り組んでおります。2017年には、障がい者の社会参画を支援し、勤労意欲のある障がい者の雇用機会を提供するために、株式会社住化パートナーズを設立しました。今後も引き続き、障がいのある人が活躍できる環境を、当社・住化パートナーズ一体となって提供してまいります。

人材の育成・成長)

 当社は、「育成と成長」を基本理念とする人事制度に則り、多様な能力・資質を有する人材の育成に向けた教育体系を構築しております。2022年度より、年齢や職種等に関わらず、従業員が必要な時に必要なタイミングで知識・スキルのアップデートを行えるよう「SUMIKA ラーニング・スクエア」と称して、学びのプラットフォームを整備し、自律的・自発的な「学び」を支援しております。また、ポジションや役割に応じ、階層別のマネジメント強化プログラムや、グローバルビジネス展開に対応した語学力向上等、ステップワイズな研修体系を整えております。

(健康)

 社員が心身ともに健康な生活を送り豊かな人生を実現できるよう、社員の健康課題の解決・改善に向けた様々な支援施策を推進しております。

 また、各種健康支援施策を推進するにあたっては、取締役会や経営会議において、その取り組みの方向性について機会を捉えて議論するとともに、毎年開催する産業医連絡会において、全社統括産業医や各事業所の産業医が議論し、全社施策や目標の設定への意見をいただくなど各施策の有効性を高める体制・仕組みとしております。

 このような体制の下、当社では、「すみか『こうします』宣言」のなかの一つであり、会社・健康保険組合共同で策定した「すみか健康社員宣言」において、歩行習慣の定着を目的としたウォーキングイベントの開催や、運動習慣の定着を目的とした提携スポーツジムの拡充、睡眠改善のためのプログラム、禁煙を目指す社員へのサポート等、「食事」「運動」「睡眠」「禁煙」「こころ」の5分野で、具体的なアクションアイテムに取り組んでおります。

②指標及び目標

 「経営として取り組む重要課題」として「人材:DE&I、育成・成長、健康」を掲げ、各国・各社でそれぞれの環境に応じたKPIを設定し、グループ全体で取り組みを進めております。

(当社の「人材:DE&I、育成・成長、健康」のKPI)

(i) ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I) 

 当社は、2022年度までのKPIとして「課長相当職以上の女性社員の割合」「男性社員の育児休業取得率」を掲げ、実績を大きく向上させてまいりました。

 実績(2016~2022年度):

・「課長相当職以上の女性社員の割合」 4.5%(2016年度)⇒  9.5%(2022年度)

・「男性社員の育児休業取得率(※)」  25.3%(2016年度)⇒ 77.4%(2022年度)

               ※当年度子が生まれた社員のうち、当年度中に取得をした者

 2023年度以降の新KPIについては、採用、育成、昇進、環境整備等、一連の女性活躍推進施策の進捗をトータルに反映しうるものとして「管理社員への登用率」に焦点をあてる等、以下2項目を設定、DE&I推進の取り組みをさらに加速させてまいります。

DE&I

管理社員登用者における女性比率を2023~2027年平均で15%以上とする

 

子が出生した男性社員の育児休業もしくは育児関連諸休暇の当年度中取得率を90%以上とする

(参考)

・ 住友化学本体の部長職と海外グループ会社幹部人材の合計に占める、外国人幹部人材の割合は、2023年4月時点で20.9%となっております。

・ 経験者採用者(中途採用者)の管理職比率は、2023年4月時点で27.1%となっております。

・ 障がい者雇用率は、2022年6月時点で2.54%となっております。

(ⅱ) 育成・成長

 自らが学び、成長していくことを促進するため、「いつでも、どこでも、何度でも」をコンセプトに、自ら選択し、受講できる研修プログラムを提供しております。

育成・成長

2024年度までに全社員の50%以上が自己応募型研修プログラムを受講する

自己応募型研修プログラム

① 学びのプラットフォーム「SUMIKAラーニング・スクエア」

 業務に関連する総合的な知識を身に付けるための社内プログラム(全50コース、順次拡大)

② 「自己啓発講座」

 ビジネススキルや語学等、自身のスマートフォンやPCでの学習が可能なプログラム(全700コース・6,500本)

 実績(2022年度): 24.6%

(ⅲ) 健康

健康

「健康経営優良法人(ホワイト500)」の継続認定

 実績(2023年3月): 2017年度から6年連続で認定継続


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