企業伊藤忠エネクス東証プライム:8133】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、経営理念「社会とくらしのパートナー~エネルギーと共に・車と共に・家庭と共に~」のもと、半世紀以上にわたり安定的にエネルギーとサービスを皆様にお届けしてまいりました。急速に進む脱炭素社会への潮流にも対応すべく、環境ビジネスや次世代エネルギーにも早くから着手しており、2021年に「サステナビリティ方針」を策定し、更に優先的に取り組むべき重要課題を特定いたしました。グループ全体で中長期的にサステナビリティ課題の解決に向けた取り組みを加速しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ方針

 伊藤忠エネクスグループは、

“社会とくらしのパートナー”として、

 エネルギーとサービスをお届けすることを使命とし、

 人々の豊かなくらしと持続可能な社会の発展に貢献しつつ

 自らの企業価値の向上を目指します。

・事業を通じたカーボンニュートラル社会への貢献

・エネルギーの安定供給を通じた豊かな地域社会への貢献

・ステークホルダーから信頼されるガバナンス体制の構築

(2)サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)

①気候変動~カーボンニュートラル社会実現への貢献~

②エネルギーへのアクセス~エネルギーの恵みをすべての人に~

③人材活用~多様な価値創造を生む人材戦略~

④コーポレートガバナンス~透明性、実効性のある公正な意思決定~

(3)サステナビリティガバナンス

 当社は2021年にサステナビリティ委員会を設立し、グループ全体のサステナビリティ課題を長期的視点で、審議・モニタリングしております。当事業年度におきましては、気候変動関連を中心に議論を実施いたしました(開催数7回)。サステナビリティ委員長は業務執行取締役が努め、重要な課題については主に経営会議で議論を行い、適宜、取締役会に報告、あるいは必要に応じて取締役会が承認しております。同委員長は取締役会、経営会議に出席しているほか、リスクマネジメント委員長も兼任し、事業戦略及び全社のリスク管理においてサステナビリティの観点を反映させております。委員会の委員には職能部長が任命され、また必要に応じて各営業部門の統括責任者も参加し、サステナビリティに関する施策を各組織が迅速に実行する体制を構築しております。

(サステナビリティに関わるガバナンス体制)

(4)リスク管理

 当社では、全社のリスクマネジメント体制のもと、経営と事業への影響が大きいリスクを重点リスクとして、経営会議の諮問機関であるリスクマネジメント委員会で識別・評価しております。気候変動リスク及び機会については、サステナビリティ委員会が中心となり、リスク・機会の双方の議論並びにモニタリングを実施し、戦略策定・個別事業運営の両面で審議のうえ、主には経営会議で議論し、必要に応じて取締役会にも報告しております。また、当社では各事業部門に裁量権を委譲し迅速な意思決定を実現する一方で、事業案件の規模や条件によって案件審議会にて審査を行う仕組みを実施しており、重要な投融資実行を検討する際に、ESGデューデリジェンスチェックリストを活用し気候変動を含めた環境リスクや人権、労働環境や安全衛生等に関する影響評価を行っております。

(5)気候変動への対応(TCFD提言に基づく開示)

①戦略

 当社グループは気候変動に伴う様々なリスク・機会を事業戦略策定上の重要な観点の一つとして捉えております。気候変動の影響は中長期的に顕在化する可能性があることから、短期だけではなく中長期的視点で検討を行っており、中期経営計画の策定過程で検討結果を反映させてまいります。

(a)シナリオ分析について

 シナリオ分析の検討に際しては、国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)及び国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC: International Panel on Climate Change)を参照し、2℃未満を含む2つのシナリオから、当社への影響が大きい項目について抽出・分析いたしました。シナリオ分析結果におけるリスク・機会は、政策や技術等による社会変化によって生じる「移行」側面と自然災害や気温上昇等によって生じる「物理的」側面を考慮しております。

(前提)

時間軸

シナリオ分析

~2050年

財務影響評価

2030年時点

算定対象範囲

単体+連結子会社(全事業)

(b)シナリオ分析結果

 事業影響度は、2030年時点を想定しております。影響の大きさを傾きで示し、リスクの場合はマイナス影響、機会の場合はプラス影響を示しております。

(当社事業のリスク)

(当社事業の機会)

(当社の対応方針)

(c)財務影響評価

 当社グループは、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、TCFD提言に沿った情報開示の拡充に取り組んでおります。財務影響試算は、多くの潜在的リスク・不確実な要素・仮定を含んでおり、実際には、重要な要素の変動により、各シナリオとは大きく異なる可能性がございますが、今後、分析精度の向上を目指してまいります。

a. 移行リスクによる主な財務影響

(ⅰ)炭素税導入によるコストの増加

 当社グループは、2030年までに自社排出分のCO排出量を50%削減する計画を掲げております(2018年度比)。その場合の炭素税の影響コストは増加となりますが、当社グループは環境負荷の一層の低減と環境対応型事業の強化によってカーボンニュートラルの実現を目指すことで当該リスク対策に努めてまいります。

(ⅱ)電化の進展・環境意識の高まりによる石油需要減少

IEA WEO2020のSDSシナリオでは、2030年に国内石油需要が2020年対比で20%程度減少するとされており、当社グループの国内向け石油製品販売量の低下は収益を圧迫する可能性がありますが、従来から展開している低炭素商材である様々な代替燃料の更なる販売強化により、石油製品需要減少分を上回る収益向上を目指してまいります。

b. 移行機会による主な財務影響

(ⅰ)再生可能エネルギー需要の増加

 脱炭素・循環型社会の進展に伴い、再生可能エネルギーやEVに対する需要が増加すると想定しております。これらの市場規模拡大を推定したうえでの2030年時点における当社グループの再生可能エネルギー事業やEVビジネスに関する営業利益は、現時点に比し大幅な増加を見込んでおります。当社グループは経済性、利便性も追求しながら、環境価値が高い成長事業に積極的に取り組んでいくことで、一層の企業価値の向上を図ってまいります。

(ⅱ)代替燃料需要の増加

 脱炭素・循環型社会の進展に伴い、これから2050年に向けて、水素、再生可能エネルギーやEVに対する需要が増加すると想定しております。当社グループは新たな事業領域・環境対応ビジネス・次世代エネルギーへ積極的に取り組み、持続的成長を実現してまいります。

②指標・目標

 当社グループはGHG排出量の削減について、当社グループが排出するGHGを2030年50%減(2018年度比)、2050年カーボンニュートラルを目標にしております。また、サプライチェーン全体の排出量の削減と当社事業を通じた社会全体のGHG排出量の削減に貢献し、オフセットゼロを目指してまいります。今後、毎期GHG排出量削減に関して進捗を管理及び取締役会へ報告し、進捗状況を開示いたします。

(a)GHG排出量の削減目標

 

2030年

2050年

Scope1+Scope2

当社グループ排出のGHG

50%削減(2018年度比)

当社グループ排出のGHG

カーボンニュートラル

Scope3及び

社会全体への貢献

サプライチェーン排出量の削減及び当社事業を通じた社会全体のGHG

排出量の削減に貢献し、オフセットゼロを目指します。

(b)GHG排出量

           (単位:千t-COe)

 

2022年度

Scope1

505

Scope2

61

合計

566

(注)1.GHG排出量算出における当社グループとは、単体+連結子会社(Scope1・2については従業員数10名以下の会社を除く)としております。

2.GHG排出量は、WRI(世界資源研究所)とWBCSD(世界環境経済人協議会)が主導して開発されたGHGプロトコルを用いて算出しております。

3.GHG排出量の算出においては、エネルギー起源COを集計対象としております。

4.千t-COe未満の端数を四捨五入して表示しております。

5.上記数値は第三者保証を受けていない概算値であります。2022年度の第三者保証を取得した確定値につきましては2023年9月発行予定の当社統合報告書(エネクスレポート2023)をご参照下さい。

(6)人的資本・多様性に関する考え方及び取組

①基本方針

 エネクスグループでは「企業にとって最も大切な財産は“人”である」と捉え、人材こそが当社グループにおける価値創造の中心であり、当社の持続的成長と企業価値向上の原動力であると考えております。また、多様な価値観を尊重し、人材が活躍できる働きがいのある会社を目指し、以下の人材戦略に取り組んでおります。

(a)目標を共有し、各々の立場から貢献する働きがいのある職場環境の醸成

(b)国籍・性別・年齢等に捉われない多様な人材が活躍できる場の確保・提供

(c)社員一人ひとりの個性・役割を尊重した人材育成プランの策定・推進

②施策

(a)社内環境整備

 社員の多様性を尊重し一人ひとりが自ら強みを存分に発揮でき、その強みを最大限活かす職場作りに取り組み、誰もがいきいきと働くことができる働きがいのある会社を目指しております。

2016年に開始された「ENEX EARLY BIRD」では20時以降の残業原則禁止や年間有給休暇取得率80%以上、コミュニケーションの質向上などを目標に掲げ、「家族や社会に誇れる会社」「互いを思いやり働き続けられる環境作り」が進んでおり、社員の自律的成長に繋がっております。

(b)多様性の推進

 当社グループは持続的な成長を遂げるため、ダイバーシティステートメント(2021年)のもと、あらゆる差別を禁止し、社員の個性と多様性・価値観・人権を尊重しております。国籍や性別を問わず多様な人材の確保や若手の管理職登用を積極的に進めているほか、個々の能力を最大限活かせる職場環境の整備も強化しております。社員一人ひとりが個を認め合い、ビジネスに更なる変革を起こせるよう様々な取り組みを引き続き推進してまいります。

(c)人材育成

 新入社員から中堅社員、経営幹部などそれぞれの役割に合わせた教育研修や自発的な学びを啓発するための通信教育など多彩な教育体制を整えております。今後は、成長したい社員の挑戦を本気でサポートすべく、テクニカルスキルや、ヒューマンスキル研修の更なる充実を図り、個の強さを追求し人材の価値を高めることで企業成長に寄与してまいります。また、2023年度より保養所兼研修所を設置、当社グループの一体感の醸成にも注力してまいります。

③指標・目標

 基本方針に基づき、多様な人材が活躍できる誰もが働きがいのある会社を目指し、当社は以下の項目を進捗を測る指標として取組を推進してまいります。

分野

開示項目

2022年度

流動性

採用者数

28名

ダイバーシティ

女性管理職比率

3.9%

労働環境

有給休暇取得率

88.9%

(注)1.上記は当社の人的資本に関する実績です。

2.採用者数は新卒採用人数とキャリア採用人数の合計です。

3.当社における女性管理職比率目標は2030年10%、2035年30%です。

4.当社における有給休暇取得率目標は、毎年80%以上です。

<注意事項>

 「サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載された数値、予測及び将来の見通しについては、本内容の発表日現在までに入手可能な情報、一定の前提や予測に基づくものです。そのため、実際の業績、結果等は、今後の経済動向、市場価格等の様々な不確定要素によって大きく異なる可能性があります。当社及び情報提供者は、掲載された情報に基づいて被ったいかなる損害について、一切責任を負いかねます。

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