仙波糖化工業 【東証スタンダード:2916】「食品業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループにおける経営の基本方針はすべてのステークホルダーから信頼を得て、ブランド力を向上させることです。言い換えれば、よいものを作り、顧客信頼度を向上させ、収益を伸ばすことで株主、従業員、地域社会への還元を増やす企業を目指して取り組んでまいります。
(2) 経営環境
新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が撤廃され、経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナ情勢、中東情勢をはじめとした国際的な様々な要因から、原油価格や原材料価格が高止まりし、円安も継続しており、先行き不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、インバウンド消費の拡大等による外食需要に持ち直しの動きが見られるものの、家計面では長引く物価高による節約志向が高まっており経営環境の厳しさが増しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
食品業界は、人口減少による国内市場の伸び悩みから競争がさらに激化するとともに、少子高齢化の進行に伴う市場構造の変化が懸念されます。当社グループは、市場ニーズの発掘と自社商材新製品の素早い投入とグループ経営力強化で中期的な収益拡大を図っております。成果は徐々に浸透しつつあるものの、今後も更なる収益力向上に向けて、海外顧客開拓を意識した新製品の開拓加速や営業強化に取り組むとともに、内・外生産拠点の整備に注力してまいります。
自社商材開発は、市場が求めるテーマを主体的に見つけ、営業部門と研究開発部門、生産部門の連携強化でスピーディーに新製品上市を図ります。グループ経営力強化は、HALAL対応を含めた内・外生産体制の最適化推進など、製造コスト低減に加え海外市場への本格参入に向けた様々な布石も着実に行ってまいります。
(4) 目標とする経営指標
当社の経営指標は簡易営業キャッシュフロー(営業利益+減価償却費)です。簡易営業キャッシュフローを最大化させることで成長の為の投資資金を確保する一方、株主還元強化を図ってまいります。
(5) 次期の業績予想
当社グループは、更なる企業価値の向上に向けて、国内は顧客ニーズに対応する高付加価値の自社商材開発や受託商材への提案営業を強化する一方で、海外は早期に事業の収益貢献を図ってまいります。
次期の業績予想につきましては、売上高は198億円(前年同期比3.5%増)、営業利益は8億80百万円(前年同期比27.4%増)、経常利益は9億円(前年同期比19.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億50百万円(前年同期比31.2%増)を予想しております。
(6) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、いかなる経済環境においても安定して高い収益を確保できる事業構造への転換を図っていくため、次の課題解決に積極的に取り組むことにより、ステークホルダーの皆様からのご期待に応えていく所存であります。
① 既存事業の市場変化対策
既存製品では、特にカラメル・焙焼品、サプリメント商材、メディケア関連市場商材等が競合激化に加え、商品寿命が短期化しております。新規ユーザーの獲得も含めて、当社の商材開発力を前面に出した提案営業を徹底させてまいります。また、部門毎の収益管理の強化を更に努め、感染症など不測の事態が生じた場合においても、収益基盤を確保する経営をしてまいります。
② 海外市場開拓
当社収益は、人口減少や少子高齢化が進み、食品消費量の伸びが期待しにくい国内市場に極めて依存しております。一方、近年は、アジア市場での日本食文化が浸透しており、日本食需要も拡大しております。当社グループでは、アジア市場における日本食需要の立ち上がりに対応すべく、新商材の開発やベトナム子会社による生産体制の確立及び輸出対応強化と中国子会社の再構築を図るなど、海外市場開拓を着実に進めてまいります。
③ 原燃料価格の高騰
ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスクの高まり、為替相場の大きな変動により原材料価格・エネルギーコストの高止まりや世界的なインフレが続いており、適切な値上げや製品設計まで遡った抜本的見直しが急速に迫られております。
当社グループでは、メーカーとしての原点にかえって構造改革を推進してまいります。
④ サステナビリティ経営の構築
当社はSDGs・ESGプロジェクトを発足し、環境への配慮と人的資本を意識した企業活動を推進してまいります。
また、働き方が多様化するなか、「人材こそが企業価値を向上させる」を基本とし、人間力を兼ね備えた信頼されるプロフェッショナル人材の育成と働きやすい組織風土及び環境の整備に努め、人材の価値向上に取り組んでまいります。
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