企業京福電気鉄道東証スタンダード:9049】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

 当社グループでは、以下に掲げる「経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシー事業を中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図ってまいります。

<経営理念>

 京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。

<経営姿勢>

・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。

・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。

・人と自然を敬愛します。

(2) 中長期的な経営戦略

 当社グループは、確実に成長を続けるとともに、これまで培ってきた地域の皆さまとの関係をベースとした事業基盤を一層強固なものとすることにより、これからも株主さま、お客さま、地域の皆さまから安定して支持していただける企業集団として永続していくことを目指し、2023年5月に「京福グループ中期経営計画2025(2023年度~2025年度)および2030年度の経営目標を定めております。

<基本方針>

・当社グループは、コロナ禍後の新たな事業環境に適応し、ビジネスチャンスを確実に生かすことで成長を図るとともに、適切な投資を行い、安定的に経営を持続していくことを目指します。

・新たに生まれる人の流れを確実に取り込むことで、地域インフラとしての重要性向上を図ります。

・安全・安心に関する取り組みを着実に継続するとともに、これまでにない輸送の価値をお客さまに提供します。

・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献するとともに、一定規模の不動産投資を行うことにより、よりよいまちとくらしを創造していきます。

・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固な組織体を目指します。

<具体的な取り組み>

①運輸業

・運輸安全マネジメントの着実な継続

・嵐山線に新型車両、回生ブレーキ等を導入

・嵐山線ダイヤ改正

・嵐山線バリアフリー化のさらなる推進

・電気バス・ユニバーサルデザインタクシーの導入

・老朽施設の建て替えなど適切な設備投資

②不動産業

・収益物件の取得

・賃貸住宅ランフォートシリーズ(京都)、Kフォートシリーズ(福井)の展開拡大

・地域密着型の宅地分譲事業の強化

・福井地区社有地の活用促進

③レジャー・サービス業

・施設運営体制の強化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル)

・嵐山線沿線の観光資源の掘り起こしと連携強化による誘客策の企画・実施

・AIのさらなる活用などによる情報機能の充実(ボートレース事業)

・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館)

④福井地区運輸業(京福バスグループ)

・交通系ICカードの導入

・北陸新幹線と福井県内に点在する観光地をつなぐ「二次交通」としての機能強化

・「ふくいMaaS」としてシームレスなモビリティサービス提供

・事業拠点のさらなる集約と営業強化

⑤管理部門

・誰もが働きやすい職場環境の整備

・KES(Kyoto Environmental Management System Standard・環境マネジメントシステム)認証に基づく活動の継続

<賃金配分および投資額資金配分および投資額>

 持続的な成長と企業価値の向上につなげるため、各事業において成長・戦略投資と維持・更新投資を行うとともに、株主還元については安定的な配当の継続を目指します。

<定量目標>

 中期経営計画の期間中(2023年度~2025年度)に各施策を進めることで営業利益を確実に積み上げ、2030年度において営業利益20億円を達成するとともに、各年度安定的に10億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。

(3) 経営環境

 2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行して以降、経済活動の正常化やインバウンド旅客の本格回復が進みました。他方で、コロナ禍を経て、お客さまの価値観や消費動向について不可逆的な変化も生じております。当社グループの事業エリアである京都エリアについては、今後インバウンドを中心に観光客のさらなる増加が見込まれるほか、福井エリアでは北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業後の環境変化が予想されます。加えて、2025年に大阪・関西万博が開催されることに伴って、新たなお客さまの流れが生じるものと想定しております。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

「京福グループ中期経営計画2025(2023年度~2025年度)」の初年度である2023年度は、北陸新幹線金沢・敦賀間延伸開業に向けた各施策を実施しました。北陸新幹線延伸開業後の動向を注視しながら福井地区事業のさらなる活性化を目指します。

安全・安心の着実な推進として、嵐山線では嵐山本線中間駅のバリアフリー化、踏切更新、その他老朽施設の更新投資を、バス・タクシー事業では計画的な新車導入など、適切な投資を推進します。

沿線深耕と地域貢献への取組み」として、京都地区では「映像・映画のまち太秦」をはじめ、沿線地域の魅力の深掘りと発信により、観光の活性化にさらに取り組みます。また新たな賃貸物件の取得等により賃貸収入の増収を図るとともに、「よりよいまちとくらしの創造」につながる不動産賃貸業を推進します。福井地区では、乗合タクシーやデマンドタクシーの運行とサービス向上など、グループのバス・タクシー各社共同できめ細やかな交通サービスの提供を維持し、観光・生活両面で地域のにぎわいづくりに貢献します。

「持続可能な経営」として、嵐山線で新型車両7両の導入など車両のVVVFインバータ制御・回生ブレーキ化、京都バス㈱・京福バス㈱のEVバス導入などハード面に加え、行政による観光分散化策など、地域一体での環境負荷低減に向けた取り組みへの協力・連携をさらに強化します。

 またバス事業を中心とする要員の確保、頻発する自然災害に備えた訓練等の各対応は喫緊の課題であると認識しており、合わせてガバナンスの強化、多様な人材がいきいきと活躍できる企業風土・職場づくりに継続して取り組みます。

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