企業兼大株主京セラ東証プライム:6971】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 当社は、創業以来、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」という経営理念のもと、社会と京セラグループの双方が持続的に発展できるよう、事業を通じた社会課題の解決に向けて取り組んでいます。また「社会との共生。世界との共生。自然との共生。共に生きる(LIVING TOGETHER)ことをすべての企業活動の基本に置き、豊かな調和をめざす。」という経営思想のもと、持続可能な社会を目指し、サステナブル経営を推進しています。なお、サステナビリティに関する取り組みの詳細については、当社ウェブサイト及び統合報告書をご参照ください。

(1)気候変動への対応

a. ガバナンス

 当社は、気候変動問題を重要な経営課題の一つとして位置付けており、2020年3月よりTCFDへの賛同を表明するとともに、ガバナンス体制の確立、リスク管理、戦略、指標及び目標の設定を行い、気候変動対策を推進しています。トップマネジメントが出席する京セラグループサステナビリティ委員会において、気候変動に関する目標や対策について審議し、決定しています。気候変動対策について取締役会に報告するとともに、グループの経営幹部が出席する国際経営会議にて共有しています。また、京セラグループサステナビリティ委員会の下部組織として対策を推進する長期環境目標推進タスクフォースを設置し、京セラグループ長期環境目標の達成に向けて取り組んでいます。

b. リスク管理

 当社は、気候変動に関するシナリオ分析を定期的に実施し、リスク及び機会の識別、評価並びに管理を行っています。リスクの評価手法として、気候変動に関わるリスクと機会をバリューチェーンごとに抽出した上で、移行リスクと物理リスクに分類するとともに、社会情勢及び当社の事業への影響度を考慮し、重要度を評価しています。

c. 戦略

 当社は、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)等による情報に基づき、「1.5℃シナリオ(注1)」及び「2.6℃シナリオ(注2)」を用いて、2030年の自社の事業への影響及び顧客の業界の変化を把握するとともに、京セラグループの気候変動に関するリスク及び機会を分析しています。特に、当社が展開している再生可能エネルギー関連事業については、脱炭素化の動向が重要であるため、1.5℃シナリオにおける各種エネルギーの普及パターン等を設定し、それぞれのリスク及び機会が与える財務上の影響額を評価・分析しています。また、その分析結果に基づき、2031年3月期温室効果ガス排出量削減目標の達成、2051年3月期カーボンニュートラルの実現を目指しています。

(注1)2100年に世界平均気温が産業革命以前に比べ1.0~1.8℃上昇するシナリオ

(注2)2100年に世界平均気温が産業革命以前に比べ2.1~3.5℃上昇するシナリオ

d. 指標及び目標

 京セラグループの長期環境目標は次のとおりです。なお、温室効果ガス排出量の削減目標については、SBT(Science Based Targets)の認定を取得しています。

・温室効果ガス排出量(Scope1,2)削減目標(1.5℃水準) :2031年3月期46%削減(2020年3月期比)

・温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)削減目標(1.5℃水準):2031年3月期46%削減(2020年3月期比)

・再生可能エネルギー導入量              :2031年3月期20倍(2014年3月期比)

・2051年3月期カーボンニュートラル

(注)Scope1:燃料使用に伴う直接排出

   Scope2:外部から購入する電力や熱の使用に伴う間接排出

   Scope3:Scope1、2以外の間接排出(原料調達、輸送、使用、廃棄、従業員の通勤、出張等)

(2)人的資本・多様性に関する取り組み

 京セラグループの発展を支えてきたものは、常に高い目標を持ち、チャレンジし続ける企業風土と従業員にあります。その根幹にあるものは、「人間として何が正しいか」を物事の判断基準とした経営哲学「京セラフィロソフィ」です。京セラグループでは、共通の考え方である「京セラフィロソフィ」の継承・実践による経営理念の浸透に加え、業務を遂行する上で必要な専門知識・技術の習得等、従業員の能力開発に注力しています。また、多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場環境の整備に取り組むことも重要と考えています。

a. 戦略

(a)経営哲学「京セラフィロソフィ」の理解・実践を通じた人材育成

 当社は、京セラフィロソフィの教育及び浸透を図るため、代表取締役会長を委員長とした「全社フィロソフィ委員会」を設置しています。当委員会は京セラグループ全社のフィロソフィ教育方針を策定するとともに、フィロソフィの理解促進及び実践に向けた施策を審議・決定しています。また、各部門においてフィロソフィ推進委員を選任し、経営哲学が息づく企業文化の醸成と継承を図る体制を構築しています。

 当社は、全社フィロソフィ委員会の方針に則り、グローバルに京セラフィロソフィ教育を展開しています。経営幹部には、代表取締役会長とフィロソフィをテーマに対話するセッションを開催し、フィロソフィを兼ね備えた次代の経営リーダーの育成を図っています。さらに、階層別研修の実施やフィロソフィ手帳の配布、フィロソフィ実践体験談の優秀作品の表彰を行うなど、フィロソフィの浸透を図ることにより、経営理念の実現に貢献する人材育成に努めています。

グローバルフィロソフィセミナー

(代表取締役会長と海外経営幹部)

京セラフィロソフィ手帳

(多言語に翻訳された手帳を海外従業員にも配布)

(b)人材の能力開発

 当社は、人材の能力開発において、多様化するニーズに幅広く対応するため、マネジメント、専門技術・技能、DX、語学等、多岐にわたる研修を体系的に実施しています。また、従業員の自律的なキャリア構築の支援策として自己啓発プログラムの充実化を図るなど、人材育成に取り組んでいます。

(c)多様な人材の活躍及び働きやすい職場環境の整備

 当社は、従業員一人ひとりが持つ個性・価値観を尊重し、多様な人材が働きがいをもって活躍できることが重要であると考えています。この考え方に基づき、従業員エンゲージメントの向上や、在宅勤務制度及びフレックスタイム制度等の柔軟な勤務体系の導入、仕事と育児・介護等との両立支援を推進しています。

 また、女性管理職比率及び男性の育児休業取得率の向上に向けて、管理職の理解促進を図るための研修に加え、女性管理職候補者向け研修やロールモデル座談会、男性の育児休業取得者向けセミナーの開催等を実施しています。さらに、利便性や快適性を追求した働きやすく、魅力ある職場環境の整備に取り組んでおり、社員同士の交流の場として、コミュニケーションスペースや共用のワークスペースを設置するとともに、2023年3月より京セラグループの首都圏に所在する拠点を利便性の高い地域へ段階的に移転しています。

きりしまR&Dセンター 交流ラウンジ

京都本社カフェテリア

新東京事業所

(港区オフィスビル内)

b. 指標及び目標

 当社は、上記「a.戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標は、次のとおりです。

・京セラグループにおける「京セラフィロソフィ」の更なる浸透・実践の推進

・女性管理職比率    :2026年3月末までに8%達成(注)

・男性の育児休業取得率 :2026年3月末までに50%達成(注)

(注)いずれも提出会社における目標数値です。

 なお、女性管理職比率及び男性の育児休業取得率の実績については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率並びに労働者の男女の賃金の差異」を参照ください。

(3)人権に関する取り組み

a. ガバナンス及びリスク管理

 世界的な人権に対する意識の高まりにより、自社だけでなくサプライチェーンにおける人権問題にも対応が求められていることから、当社は人権に関するリスクをコーポレートリスクとして位置付け、「リスクマネジメント委員会」にて、方針の決定や対策の進捗状況のレビューを実施しています。

b. 戦略並びに指標及び目標

 当社は従業員、顧客、株主・投資家並びに取引先等、京セラグループに関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重し、人権リスクの軽減を推進しています。当社はEU紛争鉱物規則などの法規に対応しており、調達する鉱物に紛争や人権侵害などのリスクが存在するか調査し、リスク評価や是正措置を行うなど、人権に関するリスクの軽減やサプライチェーンの透明化に取り組んでいます。また、人権尊重の活動の一環としてRBA(Responsible Business Alliance)への加盟や、当社及びサプライチェーンに対する人権デューディリジェンスの実施、ハラスメント・差別の禁止教育等を実施しています。

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