中部水産 【名証メイン:8145】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、水産物流通の基幹システムである中央卸売市場の卸売業者として、多様化し、変化する消費者ニーズに対応した安全、安心で良質な水産物の安定供給、適正な価格形成、効率的な物流機能、的確な情報提供などによって、地域社会の食生活の充実安定に寄与するとともに、営業力の強化と経営の効率化により強固な経営基盤を確立し、企業体質の充実を図ることにより、将来にわたる安定した健全経営を基本方針としてまいります。
(2)経営戦略等
少子高齢化や人口減少などによる市場規模の縮小に加え、消費者の食生活の形態や購買行動が変化する中で、市場外流通との競合は一層激しさを増しております。
このような状況のもとで、当社は、多様化する消費者ニーズに対応するため、広範な情報収集や企画提案力を高め、荷主や販売先の開拓を図り、加工、物流などの市場機能を充実させ、集荷力や販売力を強化してまいります。また、卸売市場の活性化とそれに伴う新規取引先の獲得につながる体制を構築するとともに、業務の効率化や環境の変化に応じた組織改革を不断に実施して、企業体質の強化を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業価値を高めるための指標として、当期純利益を重視しておりますが、天候不順などによる自然の状況や海洋環境が業績に及ぼす影響も大きいことから、中長期の目標数値は設定しておりません。当社では、当事業年度の目標数値及びその達成状況を基本的な経営指標としております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
水産物卸売業界におきましては、気候変動による海水温上昇や異常気象の影響による漁獲量の減少、水産資源管理のため強化される漁獲規制、海外での旺盛な需要による国内流通の不足など、集荷面で難しい対応が求められています。また、魚食離れの進行、市場外流通の拡大、ネット通販の普及による販売チャネルの変化、水産物の価格変動や流通コストの上昇が利益を圧迫する要因となるなど厳しい事業環境が続くものと思われます。
このような経営環境のもとで、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のための諸課題に取り組み、安定的な収益の確保と経営基盤の確立を図ってまいります。
また、健康経営やESG活動を推進し、職場環境の整備、海洋における持続可能な環境保全に取り組んでまいります。
① 収益力の向上
主力事業の水産物の卸売部門は、集荷の強化対策を地域、魚種、荷主別に構築し、集荷の拡大、新産地開拓並びに商品の発掘に邁進してまいります。また、外部環境の変化に対応するために、消費者ニーズを的確に捉え、生産者と仲卸業者などとの繋がりを深め、当社内の営業推進室と連携して、スピーディーに情報収集や企画提案を行ない、販売体制の強化に取り組んでまいります。
冷蔵倉庫部門は、営業の強化並びに新規顧客の開拓、保管貨物の管理の徹底などにより、事業の拡大と収益の確保を図ってまいります。
② 企業体質の強化
管理面では、法令遵守などコンプライアンス体制の整備、充実を図ると共に、業務改革を推進します。また、予算、債権、在庫などについて管理を徹底するとともに、業務の見直しによる経費削減に取り組み、経営効率化のための情報システム投資や人材育成のための研修投資を継続的に実施してまいります。
③ 安全、安心で良質な商品の提供
食品表示や異物混入などの問題に消費者の関心が高まるなかで、食品の安全性と品質管理の重要性を従来にも増して認識し、安全安心委員会を中心とした品質管理体制を充実させてまいります。中央卸売市場としての公共的使命を担う企業として、信頼性の確保と向上に努めてまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング