不動テトラ 【東証プライム:1813】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
当社グループは国土づくりを通じて社会に貢献し続けるという使命をステークホルダーの皆様に広くご理解いただき、それに向けた価値観、目標を当社グループ内で共有するため、以下の通り経営理念を定めている。
<経営理念>
Mission (使 命): 豊かで安全・安心な国土づくりに貢献します
Value (価値観): あらゆる変化を進化に換えて未来に向かって歩み続けます
Vision (目 標): 世代を超えて生き続ける独自の技術を提供します
また、この経営理念を実現すべく、「土木、地盤改良、ブロックの3事業が協調し、海に陸に、持続的な成長を目指します」を経営方針としている。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
国内の景気は引き続き緩やかな回復が続くことが期待されるが、海外景気の下振れが日本の景気を下押しするリスクとなっている。建設市場においては、建設投資は引き続き堅調に推移していくものと想定されるが、資材価格や人件費の高騰に加えて、次期から適用される時間外労働の上限規制への対応が課題となる。
また、当社グループの持続的な成長・発展のためには、建設需要の新規建設から維持管理・リニューアル事業への転換、建設物価上昇による事業量の減少、少子高齢化に伴う担い手不足など建設業界でおこる変化に対応して、市場ニーズに応じた技術開発、建設DXを軸とした生産性向上、働き方改革と人材確保などに加えて、カーボンニュートラルへの対応など地球環境や社会の持続性を重視する施策も取り入れながら対処していくことが課題となる。
このため2018年度より、長期的視点に立ち中期経営計画を3期に分け遂行することとし、3期目(2024~2026年度)は「収穫・実現」の期間と位置づけ、その基本方針に基づいて各種施策の展開に取り組む。
(3) 目標とする経営指標
<長期目標>
| 2017年度 | 2027年度 | |
売上高 | (既存分野) | 628億円 | 800億円 |
(新規分野) | ― | +α | |
営業利益率 |
| 5.9% | 5.0%以上 |
◆前中期経営計画の成長・拡大に引き続き、更なる経営資源への投資、収益基盤の多様化に取り組む。
<新中期経営計画(2024~2026年度)の概要と経営目標>
○基本方針
基本方針① | 新規事業の創出と事業領域の拡大 |
建設産業のライフサイクル・長期化を踏まえ、事業ポートフォリオマネジメントの高度化から、事業領域の拡大、新規事業の創出を目指す。 |
基本方針② | 経営理念を基盤としたESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実践 |
経営理念に基づき新たに制定した「サステナビリティに関する基本方針」に沿って、優先的に取り組む重点施策(マテリアリティ)を特定。各施策でKPIを設定・管理しESG経営を実践する体制を構築する。 | |
(サステナビリティ基本方針) 不動テトラグループは経営理念に基づき、さまざまな社会基盤の整備を通じて豊かで安心・安全な国土づくりを促進し、持続可能な社会の実現を目指します |
基本方針③ | 資本コストを意識した経営の実践 |
事業成長の実現に資する財務戦略・資本戦略を実行。資本コストを意識し、事業ポートフォリオの高度化を図るなど持続的成長を追求することで、最終年次の2026年度にはROE9.0%の達成を目指す。 |
基本方針④ | 人的資本経営の推進 |
従業員の働きやすさ(ウェルビーイング)、働きがい(エンゲージメント)を追求し、魅力ある会社、選ばれる会社の実現。 人材採用、人材育成、最適配置を通じて、人的資本の最大化、企業価値の向上を目指す。 |
○経営目標(連結ベース) |
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項目 | 目標 |
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①業績目標 | 3ヵ年累計営業利益 | 120億円以上 |
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②資本効率目標 | 2026年度 自己資本当期純利益率(ROE) | 9%以上 |
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③株主還元目標 | 配当性向 | 40%程度、60円以上 |
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○全社数値目標(連結ベース) | (単位:億円) | |||
| 前中期経営計画実績 | 新中期経営計画 | ||
2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | ||
受注高 | 2,071 | 750 | 765 | 775 |
売上高 | 2,052 | 715 | 745 | 780 |
営業利益 | 96 | 30 | 42 | 48 |
営業利益率 | 4.7% | 4.2% | 5.6% | 6.2% |
ROE | 6.3~7.1% | 6% | 8% | 9% |
○セグメント別の事業方針と戦略
事業 セグメント | 新中期経営計画(2024~2026年度) | |
事業方針 | 事業戦略 | |
土木事業 | 新たな挑戦へのリ・スタート ~成長路線に向けた事業基盤の強化~
| ①事業規模拡大 ・既存領域における差別化戦略 ・リニューアル事業への積極的参画 ・環境関連事業の強化(研究開発・調査・設計・施工体制整備) ②積極的成長投資 ・自社独自技術の開発促進(差別化戦略) ・環境性能及び作業性能の高い作業船新造による他社との差別化 ・業務提携、M&A及び関連会社との連携強化を積極的に推進 ③生産性向上 ・DXソリューションの積極的取り組み ・生産性と安全性を向上させるための新技術導入 ・社員の意識改革による時間管理の最適化 ④人的投資 ・施工要員の確保と離職率低減 ・人材育成・教育研修の充実 ・中堅・若手技術者の育成強化(早期戦力化) |
地盤改良事業 | ・必要な経営資源への投資と展開による事業の持続的発展 ・社会課題解決による存在意義向上と地盤を礎とした新たな領域の拡大 | ①民間事業の拡大 ・民間事業への重点営業 ・改善/開発された工法(リソイルProなど)による営業展開 ・グループ会社(愛知ベース工業等)との連携強化による建築市場の拡大 ②成長市場への展開と事業領域の拡大 ・新たに開発する工法による市場の創出 ・エネルギー関連施設など拡大市場への売込み強化 ・バイオマス混合CPによるカーボンニュートラル市場への事業展開 ③海外事業の安定化 ・AGIとの連携強化によるアメリカでの受注拡大 ・アジアでのローカル人材の育成による体制強化 ④社内体制・システムの効率化 ・ICT技術による業務効率化、DXの推進など |
ブロック事業 | ・安定的黒字化を目指した事業の再構築 ・既存事業にとらわれない各種施策や新規事業への取り組み | ①事業モデルの変換と収益源の確保 ・3Dプリンタなどをベースとした事業の模索(製品・施工) ・環境配慮型コンクリートなどをベースとした事業の模索(材料) ・他企業との業務提携の拡大・促進、洋上風力発電事業への参画 ②分野別シェアの維持・拡大 ・ICT技術を活用した老朽化対策需要の取込 ・高波浪領域での競争力強化、河川・砂防市場でのシェアアップ ・防衛関連プロジェクトへの参画 ・海外展開(ライセンス事業の拡充・ODA案件の取込) ③収益力の向上 ・市場規模に見合う型枠保有適正化 -事業規模に則した適正な要員体制、設備投資水準 -物価高を反映した適正な賃貸料の追求(賃料アップ) ④ESG経営を意識した企業価値向上 ・施策:ブルーカーボン・グリーンインフラ関連事業への取組推進 (産学共同事業への参画、民間企業・漁協等との協業) |
以上のように、長期目標及び新中期経営計画を実現するため、様々な課題への対応と持続的成長に向けて掲げた方針に取り組み、投資と株主還元を両立させながら、更なる企業価値の向上を目指していく。
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