不二越
【東証プライム:6474】「機械」
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企業概要
当社グループは「成長企業への挑戦、夢をかなえるものづくり企業へ」という長期ビジョンのもと、材料から工具、機械設備、量産部品の生産までをカバーする総合機械メーカーとして、ロボットを核に、世界最高水準の技術をもって、新商品、特に他社にないオンリーワン商品を開発して市場に投入し、ものづくりの革新をリードしてまいります。
自動車のEV化や、ものづくりのAI化の動きを機敏に捉え、市場の変化に対応した商品開発を進めていきます。
開発にあたっては、市場の動きを注視し幅広く情報を集め、従来分野にこだわらず、新規市場・新規分野を含め、将来性のある新規開発テーマの発掘を強力に進めています。
また、オープンイノベーションを志向し、顧客やサプライヤー、大学・研究機関との共同開発を推進することで、開発のスピードアップを図っております。
さらに、開発テーマとそのプロセスにAIの活用を積極的に取り入れ、商品の付加価値向上と開発業務の効率化に取り組みます。
これらの活動に伴う当連結会計年度の研究開発費は、機械工具事業で2,921百万円、部品事業で1,722百万円、その他の事業で583百万円となり、総額で5,227百万円となりました。
当連結会計年度の主な活動状況および開発成果は、次のとおりであります。
(1)機械工具事業
ロボットでは、主力である小型ロボットMZシリーズの拡充を図りました。まず、協働ロボット「CMZ05」のシリーズ機として12kg可搬の「CMZ12」を、また標準型のMZについては、電子基板の搬送やマシンローディングなどに適した高速型搬送ロボット「MZ12W」および「MZ15H」を新たに市場投入しました。さらに、MZ25の強化型として「MZ35S」を加え、ラインナップを拡充しました。
今後も協働ロボットを中心に拡充を図るとともに、AI技術を取り込んだ使いやすいロボット機能とシステムを提案し、幅広い自動化ニーズに応えてまいります。
工具では、加工後のバリの発生を極小化した「バリレスシリーズ」を市場に投入いたしました。「切削加工でバリが出るのは当たり前」、「加工後のバリ取り作業は不可欠」とされていたこれまでの常識を覆し、バリ取りや検査の工程を削減することで、大幅なコストダウンと時間短縮が図れたことが市場から高く評価されました。また、2024年11月からは、非鉄金属加工用もラインアップに加え、EVなど高まっている需要が高まっているアルミ加工にも対応しました。なお、本製品は、ものづくり日本会議/日刊工業新聞社主催の2024年「“超”ものづくり部品大賞」で「モノづくり日本会議 共同議長賞」を受賞しております。
工作機では、2024年10月に歯車研削盤「GSGT260」を市場投入いたしました。さらに、高能率・高精度な歯車複合加工機「スカイビングギヤシェープセンタ」のシリーズ拡充、拡販に取り組んでいます。
今後も、機械・工具の双方を提供できる世界でも類のないメーカーである特長を活かし、更なる高精度・高効率な歯車へのとり組みや、仕上加工分野など、ユーザの要望に応えた工作機械の開発を進めてまいります。
(2)部品事業
ベアリングでは、自動車分野に対して、EV化で新たなニーズがある小型軽量化、低損失化、高速化、耐電食に対応した軸受を開発し、市場投入しています。また、産業機械分野に対しては、多点接触玉軸受や薄肉軸受の展開により、機器の省スペースおよび小型軽量化に貢献しています。
油圧では、工作機械分野向けに、油圧ユニットNSシリーズ「type-S」を市場投入しました。これは、IPMモータを搭載した省エネ性の高いユニットであり、さらに無線通信式の電磁比例弁との併用により、工場のIoT・DX化による効率化に対応した商品となっています。なお、本製品は、日刊工業新聞社主催の第67回十大新製品賞「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞しております。
カーハイドロリクスでは自動車用のソレノイドバルブ、アクチュエータ、ポンプの技術を基盤としたEV、産機用商品の開発を進めています。得意とする小型化技術と、漏れ低減や消費電力低減などの高効率化技術により商品の機能を高め、用途拡大とラインナップ拡充に努めます。
(3)その他の事業
マテリアルでは、材料の面から不二越全社の新商品開発を後押しすべく、切削工具向けの高性能な超硬合金や、ベアリング、アクチュエータ部品に使用される高機能材料の開発を進めています。また、基礎開発を続けてきた摩擦かくはん接合(FSW)技術を用い、異なる金属が接合された新しい部材の開発へ展開、今後の拡大が見込まれるEV市場に向けた商品化を進めるなど、市場のニーズに応える新素材開発を進めております。
サーモテックでは、ヒートポンプを採用した省エネ真空脱脂洗装置「NVD-10HP」を2024年11月に市場投入いたしました。また、2024年2月に市場投入しましたフッ素樹脂に特化した射出成形機「NIF-20Ⅴ」につきましては、今後シリーズ化を進め、顧客のニーズに応える商品を開発していきます。
これら社内製造ラインで培った真空・熱処理・コーティング技術を基盤とした装置開発に取り組んでおります。熱処理装置関連では、真空浸炭炉、真空脱脂洗浄装置の更なる省エネ化を進め、脱炭素社会に向け貢献できる商品開発を引き続き行ってまいります。
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