上新電機 【東証プライム:8173】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしています。
当社グループは、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描いて、経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》に改定いたしました。
社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込めました。
そして、この新経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値や経営ビジョン、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定いたしました。
① 2つの社会価値
当社グループは、新しい経営理念《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》のもと、『高齢社会のレジリエンス強化支援』と『家庭のカーボンニュートラルの実現』という2つの社会価値の創造に取り組んでまいります。
家電販売を主とする小売業にとって、将来像に大きな影響を与えるものは、大きく2つあると考えております。1つ目は「少子高齢化」であります。「少子高齢化」による人口・世帯数の減少、高齢単身世帯の増加は、消費者の購買行動の変化と市場規模の縮小、労働人口の減少という課題を内包しています。当社グループは、リスクとしてこの課題に対処しつつ、新たな事業機会として捉え、当社グループが提供すべき社会の持続的な発展を支える価値のひとつを『高齢社会のレジリエンス強化支援』といたしました。
当社グループは、「レジリエンス」を“元の状態への復元”に留まらず、“変化への適応”と考えております。超高齢社会に変化していくことを踏まえ、その変化の中でもチャンスを見いだし、保有する営業ノウハウを上手く掛け合わせ、新たな付加価値を生み出し、提供し続けることを目指しております。
2つ目は、「気候変動」であります。当社グループは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を2021年7月に表明し、提言に基づき、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の全4項目について、積極的に情報開示を行っております。気候変動をはじめとする環境問題は、生物多様性を脅かすだけでなく、世界経済にきわめて大きな影響を与える重大なリスクだと言えます。その対策としてのカーボンニュートラルな社会の実現は、世界共通の目標であり、日本も2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを2020年10月に世界に公約しました。世界各地で頻発する大規模自然災害を目の当たりにして気候変動への対応が喫緊の課題であるとの認識は高まっています。企業にとって環境課題はリスクですが、人々の環境認識の高まりは、対処の仕方一つでチャンスに転化することもできます。当社グループでは家電販売を通じて、創エネ・蓄エネ・省エネ性能の高い家電製品(太陽光発電・蓄電池・省エネ家電製品など)を普及させるとともに、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に加え、新たにサーキュラーエコノミーの推進による循環型社会の構築にも積極的に取り組み、社会価値の向上に貢献してまいります。
② 経営ビジョン
当社グループは新経営理念のもと、2つの社会価値の創造を実現するために、『家電とICTの力で生活インフラのHubになる』を経営ビジョンと定めました。2つの社会価値を創造していくためには、人の生活基盤である家庭内インフラの維持・充実が必要不可欠であると考えております。当社グループは、これまで家電販売を通じて、さまざまな家電製品を日本国内に広く普及させてまいりました。今後は、ICTの高度化・技術革新が、家電をIoT家電に進化させ、ICTが社会インフラの高度化ツールとして、少子高齢化への対応、産業・雇用創出、安全・安心な街づくり、社会インフラの老朽化への対処といったさまざまな場面で活用されていくと考えております。当社グループは、「家電製品を普及・浸透させる力」「ICTの高度化・技術革新の力」で、お客さまの生活インフラのHub(活動の中心地・拠点)になることを目指してまいります。
③ 7つのマテリアリティ(重要課題)
当社グループはさらに、新経営理念、経営ビジョンの実現に向け、当社グループの企業価値創造に対する影響度が高く、優先的に取り組むべき7つのマテリアリティ(重要課題)と14の取り組み課題を特定いたしました。
なお、特定にあたっては、投資家とマルチステークホルダーの両視点を踏まえ、当社グループにとってのリスクと機会を分析の上整理を行い、各取り組み課題毎に長期目標、KPIとその達成のためのアクションプランを策定いたしました。
マテリアリティの内容は、多様化する超高齢社会を支える商品・サービスの提供と家庭内カーボンニュートラルの実現を取り組み課題とする『1.生活スタイルの変化を先取りした豊かな暮らしの提案』、データセキュリティの強化と製品品質・製品の安全性確保を取り組み課題とする『2.安全安心な製品・サービスの提供』、資源循環社会の構築と気候変動問題への取り組みを取り組み課題とする『3.地球環境と調和した豊かな社会への貢献』、環境の変化に応じた人財の確保・育成とダイバーシティ&インクルージョンとワークライフバランスに主眼を置いた安心・安全な職場環境の構築を取り組み課題とする『4.多様な人財が活躍できる働きがいのある労働環境の実現』、人権尊重と地域に密着したビジネスの深耕を取り組み課題とする『5.地域社会との共生の推進』、CSR調達基準/倫理基準に基づいた調達、サービス提供の実施を取り組み課題とする『6.責任ある調達及びマーケティング』、コンプライアンスの徹底/リスクマネジメント/企業モラルの維持とコーポレートガバナンス/グループガバナンスを取り組み課題とする『7.企業統治の強化』であります。
これらのマテリアリティを一過性に留めることなく、持続的かつ長期的に経営マネジメントの中で取り組んでいくことにより、事業活動を通じて、当社としての社会的責任を果たし、その結果が企業価値の増大につながっていくよう、引き続き努力してまいります。
④ リスク管理
当社グループは、新経営理念及び経営ビジョンを実現するため、ジョーシングループの価値創造に対する影響度が高く、優先的に取り組むべき7つのマテリアリティ(重要課題)及び14の取り組み課題を特定いたしました。これらのマテリアリティを実践するため2021年10月より、関係する全社会議(経営会議とCSR委員会)を統合し「サステナビリティ委員会」として審議・推進することといたしました。
サステナビリティ委員会は、業務執行取締役、執行役員、常勤監査役、各部門長(子会社役員含む)で構成する全社会議とし、ジョーシングループの価値創造実現に向けて、長期的な目標からバックキャストし、設定した取り組み課題の進捗管理や各事業部門の活動及び部門横断的なプロジェクトの推進・啓発・管理・指導等を実施いたします。
また、これまで経営会議及びCSR委員会にてそれぞれ実施してまいりました財務・非財務に関する基盤的な重要課題についても、サステナビリティ委員会にて引き続き進捗を管理してまいります。
「3 事業等のリスク」にもリスク管理に関して記載しておりますのでご参照ください。
(2) 重要なサステナビリティ項目
前述のサステナビリティに関する考え方、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は、①気候変動問題への取り組み、②人的資本への取り組みであり、それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方、取り組み、指標及び目標等は次のとおりであります。
① 気候変動問題への取り組み
当社グループはいち早く1998年に環境理念を制定し、2000年には本社ビルにてISO14001を取得するなど、常に業界トップランナーとして環境負荷軽減に取り組んでまいりました。さらには《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》という経営理念のもと、「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を経営ビジョンと定め、「高齢社会のレジリエンス強化支援」と「家庭のカーボンニュートラルの実現」の2つの社会価値の創出に向けた取り組みを進めております。
さらに、企業活動を通じてお客さまの日常生活を、より安全・安心に、より健康的で快適にお過ごしいただくための生活インフラの一部を担う企業との自負の下、日常の企業活動を推進しております。お客さまに健康的で快適な生活をお届けするためには、その生活基盤の前提として気候変動をはじめとする環境問題への取り組みは不可欠であります。当社グループでは「地球環境と調和した豊かな社会への貢献」を経営上のマテリアリティ(重要課題)の1つに掲げ、取り組みを推進しております。
当社グループは小売業であり、排出するGHG(温室効果ガス)排出量の大半が店舗における電力の使用によるものであります。そのため、まずは各事業所におけるカーボンニュートラルの早期実現に着手しており、各事業所で使用している電力の再エネ化(再生可能エネルギーへの転換)を大きく進展させております。
当社グループは、自家発電・自家消費による自社エネルギー自給率の向上を目的に設置可能なすべての事業所に太陽光発電システムの設置を推進しております。これらの取り組みの成果として、2022年度自社において直接受電契約をしている事業所における年換算CO2削減量(主に事業所における間接排出量)は、2013年度の総排出量の64.6%となります。
脱炭素社会実現への貢献という視点では、自社活動における排出だけでなく、サプライチェーン全体のGHG排出量削減にも目を向ける必要があります。当社グループにおいては2021年度、初めて排出量の算定を行い、スコープ3の全体像の把握をいたしました。今後は2050年に向けた削減策をお取引先さまであるサプライヤーとともに検討・協力をしてまいります。
また2021年7月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同表明しており、将来の脱炭素社会への移行において、気候変動に係る規制対応は「リスク」になるものの、製品需要の変化に対応した営業活動は「事業機会」になると捉えるなど、気候変動が当社の事業に与える「リスク」と「機会」を特定・分析し、それらに対する「対応策」についても策定いたしました。
今後におきましても2050年カーボンニュートラルを到達点とする目標「ジョーシン・グリーンスマイルチャレンジ2050」の達成とともに、さまざまな環境課題への取り組みに対して、グループ一丸となってさらに強力に推進することで、企業価値の向上を図るとともに、「家庭のカーボンニュートラルの実現」達成に向けて取り組んでまいります。
2023年度環境マネジメントシステム(EMS)における組織
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| 取締役会 |
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| 執行役員会 |
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| サステナビリティ委員会 |
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| 環境管理委員長 (取締役兼社長執行役員) |
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| 環境マネジメントシステム委員会 |
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| 環境管理責任者 |
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| 環境監査委員長 |
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| 環境マネジメントシステム事務局 |
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| 環境管理副責任者 |
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| 内部環境監査チーム |
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| 本社該当各部署 |
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| 各事業所 |
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【家庭のカーボンニュートラルの実現】による財務・非財務資本の強化
当社グループは、マテリアリティ(重要課題)の1つとして、「生活スタイルの変化を先取りした豊かな暮らしの提案」を掲げており、その中で2つの取り組み課題「多様化する超高齢社会を支える商品・サービスの提供」及び「家庭のカーボンニュートラルの実現」の解決に向けて取り組んでおります。家庭のカーボンニュートラルの実現によって、リスク側面では気候変動リスクの低減になると同時に、機会側面ではJoshinブランドの確立に伴う競争優位性が確立され、収益拡大につなげることで、財務・非財務資本の更なる強化を目指してまいります。
2050年にカーボンニュートラルを実現するため、長期視点からのバックキャストで、創・蓄・省エネに関わる商品サービスの拡販など各施策を実行していくと同時に、家庭内で使用する使用電力についても再エネ電力の取次など今後検討してまいります。当社内におきましても全事業所の再エネ電源比率100%達成など操業時のカーボンニュートラルに向け、取り組み基盤を拡充してまいります。
A.気候変動
(a) 気候変動への考え方
気候変動をはじめとする環境に係る課題が深刻化しています。国内においても異常気象による大規模な災害が発生するなど大きな影響をもたらしており、もはや気候変動は企業にとって欠かすことができない最重要課題といえます。
このような状況下におきまして、当社グループは「地球環境と調和した豊かな社会への貢献」をマテリアリティ(重要課題)の1つと位置付け、環境課題におけるリスクと機会に対し適切に対処すべく、その一環としてTCFD(気候関連財務情報開示タスク)の開示推奨項目である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿って情報開示を行ってまいります。
当社グループはGHG排出量の削減など、全社的な取り組みを一層進めるとともに、積極的な情報開示に努めてまいります。
TCFD | 項目の詳細 | 推奨される開示内容 | 説明 |
ガバナンス | 気候関連のリスク及び機会に係る組織のガバナンス | a) 気候関連のリスク及び機会について | 環境に係る取り組み施策に関して気候変動プロジェクトにて提起し、さらに財務非財務に関する基盤的な重要課題の進捗管理を行う「サステナビリティ委員会」にて協議を行ったうえで「執行役員会」、さらには「取締役会」に諮っております。 |
b) 気候関連のリスク及び機会を評価・ | 「気候変動への取り組み」に対しては「気候変動プロジェクト」において推進し、その取り組み内容を、業務執行取締役、執行役員、常勤監査役、各部門長(子会社役員含む)で構成し、代表取締役 兼 社長執行役員を委員長とするサステナビリティ委員会へ定期的に報告することで気候変動への取り組み状況をモニタリングする体制を構築しております。 |
戦略 | 気候関連のリスク及び機会が組織のビジネス・戦略・財務計画への現在及び潜在的な影響 | a) 組織が識別した、短期・中期・長期 | 当社グループの気候変動に係るリスク及び機会の起点としては2025年までを短期、2030年までを中期、さらに2050年までを長期の目標として、組織に重要な財務的影響を及ぼすリスクと機会を、今後もシナリオ分析によるプロジェクト内での検討を基に「サステナビリティ委員会」にて審議・推進を行い、最終的に取締役会への報告を行ってまいります。 |
b) 気候関連のリスク及び機会が組織の | 当社グループは、気候変動がグループに与えるリスク・機会及び事業に与えるインパクトの評価とその対応策構築を目的として平均気温が1.5-2℃及び4℃上昇時シナリオ分析を実施しております。 それぞれの平均気温上昇時に移行/物理リスクと機会において事業インパクトを特定し、2030年までの対応策実現に向けて動き出しております。 これらを前提に、気候変動の影響を分析し、いずれの平均気温上昇時においても事業戦略や中期経営計画にて新たな成長機会を策定いたします。 | ||
c) 2℃以下シナリオを含むさまざまな | 当社グループは組織戦略のレジリエンスを検証するにあたり、リスクごとの事業インパクト分析を実施し、その結果を基にシナリオ分析を実施いたしました。 ここから求められた定性的及び影響が大きいと想定される項目において、今後この結果を用いて当社の戦略に影響を及ぼすリスク及びその対応策を分析し、部門別の重点施策やサステナビリティ経営の基本戦略などに活用することで、レジリエンス保持に努めております。 |
リスク管理 | 気候関連のリスクについて組織がどのように識別・評価・管理しているか | a) 組織が気候関連のリスクを識別・評 | 当社グループにおけるリスクマネジメント体制におきまして、リスク管理体制の核となる「リスク管理委員会」及び「サステナビリティ委員会」を設置し、気候変動関連を含むグループ全体のリスクについての識別・評価・管理を実施しております。 |
b) 組織が気候関連のリスクを管理する | 現在のところ、「気候変動プロジェクト」によってリスクの特定、事業インパクトの評価及びそれらの対応策を策定し、「サステナビリティ委員会」によって審議がなされております。 加えて、本社部門においてはISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築しており、この体制の下においても法令遵守などのリスクのモニタリングを行っております。 | ||
c) 組織が気候関連リスクを識別・評価 |
指標と目標 | 気候関連のリスク及び機会を評価・管理する際に使用する指標と目標 | a) 組織が、自らの戦略とリスク管理プ | 気候関連のリスク対応において、GHG排出量の削減及び当社設備における太陽光発電または再生可能エネルギーの導入が重要であると認識しております。したがって、GHG排出量及び太陽光発電、再生可能エネルギー導入比率を指標としております。短期的な目標として「SBTiの認定」を中長期的な目標として、「マテリアリティ取り組み課題上の主な目標」を定め、指標をモニタリングし、戦略の進捗管理及びリスク管理を実施してまいります。 |
b) スコープ1、スコープ2及び該当す | 「GHG排出量削減への取り組み」及び「サプライチェーンにおけるGHG排出量の把握」(後述)にて記載しております。 | ||
c) 組織が気候関連リスク及び機会を管 | 「気候変動取り組みロードマップ」(後述)にて目標を記載しております。 |
気候関連リスクと機会の分析 |
| ●は、平均気温が1.5-2℃のシナリオを想定 | ||||
| 〇は、平均気温が4℃のシナリオを想定 | |||||
大分類 | 小分類 | 項目 | 概要 | 財務への 影響度 | 対応策 | |
1.5- 2℃ | 4℃ | |||||
移行リスク | 政策と 法規制 | カーボンプライシング導入 | ●世界各国で導入が進んでいるカーボンプライシングが日本においても想定され影響が大きい。
〇カーボンプライシング導入による価格上昇への市民の賛同が得られず、導入は進まない。光熱費等当社のコストに及ぼす影響は小さい。 | 大 | 小 | ●外部調達、PPA、自家発電により自社契約における全事業所の100%再エネ化及び賃借物件における再エネ化のさらなる推進 ●事業所における省エネの推進 ●脱炭素化を目的とした電動車両の導入 〇空調機器の増設・断熱素材増量のための設備投資、化石燃料由来エネルギーと再エネの外部調達、PPA、自家発電を適切に組み合わせリスクを最小化する。 |
市場 | エネルギー価格高騰によるコスト増 | ●電力需要の増大によって電力価格が上昇し、各事業所のエネルギーコストが増加。また化石燃料が高騰し物流・配達の燃料コストが増加する。
〇風水害激甚化や化石燃料生産国の紛争による供給停止等の不安要素によって、エネルギー価格高騰の可能性がある。 | 大 | 小 | ●再エネ調達、省エネ、炭素クレジットを組み合わせた脱炭素化の実施 ●脱炭素化を目的とした電動車両(EV及び水素車両)の導入を検討 〇空調機器の増設・断熱素材増量のための設備投資、化石燃料由来エネルギーと再エネの外部調達、PPA、自家発電を適切に組み合わせリスクを最小化する。 | |
環境配慮製品への需要シフトへの対応遅れ | ●環境配慮型の暮らしの提案において、他社に遅れをとった場合、来店客減少など売上高の低下につながる。
〇意識の低下に伴い、環境配慮型製品への著しい需要シフトは想定されず売上高の減少は限定的。 | 大 | 小 | ●〇家庭内カーボンニュートラルの実現に向けた、環境配慮型商品の販売強化、住機能化リフォームの推進 ●〇環境と省エネに配慮した店舗づくり ●〇一般コンシューマ及び小規模事業者向け再エネ電力の提案。 | ||
評判 | 消極的な気候変動対応によるレピュテーションの低下 | ●消費者との接点である家電量販店が気候変動対応に消極的であれば、環境配慮型製品普及のボトルネックであると評価され、株価下落、売上低下の要因となる。
〇激甚災害の頻発などサプライチェーン全体の事業継続体制が注視される中、気候変動対応に消極的であることがボトルネックであると評価され、株価下落、売上低下の要因となる。 | 大 | 大 | ●家庭内カーボンニュートラルの実現に向けた、環境配慮型商品の販売強化、住宅環境の高機能化リフォームの推進 ●環境と省エネに配慮した店舗づくり ●レピュテーション向上のためにTCFD提言に向けた情報の開示及び気候変動を巡る国際イニシアティブへの賛同及び情報の開示 〇気候変動リスクを考慮した事業継続マネジメント体制の構築と推進 | |
物理的リスク | 急性 | 風水害の激甚化による事業停止リスク | ●店舗や物流・配送拠点にて大規模な台風、豪雨等の発生による売上減少が想定されるが、発生及び影響は限定的。
〇主に店舗や物流・配送拠点にて大規模な台風、豪雨等が発生した場合、店舗の来店客数減少、従業員の通勤経路寸断や物流・配送拠点の在庫不足・在庫毀損による販売機会の減少により売上高が減少する。 | 小 | 大 | ●〇気候変動リスクを考慮した事業継続マネジメント体制の構築と推進及びリスク管理委員会における気候変動リスクのコントロール ●事業所及び一般コンシューマ向け蓄電池の取り組み 〇事業拠点(物流センター、サービスセンター、店舗等)の強靭化工事の実施 |
風水害の激甚化による自社拠点の損害発生 | ●店舗や物流・配送拠点にて大規模な台風、豪雨等の発生時、店舗や配送拠点の水害によってコストは増加するが、影響は限定的。
〇店舗や物流・配送拠点にて大規模な台風、豪雨等が発生した場合、水害による在庫毀損に伴う費用、損壊による修繕コストの増加が発生する。 | 小 | 大 | |||
機会 | エネル ギー源 | 再エネ電力市場への販売参入による収益の向上 | ●拡大する再エネ電力市場に参入することで売上高は増加する。投資、コーポレートPPA、VPP及び再エネ電力プラン提案等が考えられる。
〇4℃上昇時における消費者の意識は薄いので影響は限定的。 | 大 | 小 | ●〇太陽光発電設備導入による自家発電の実施及び電力会社との連携によるVPPの実施等再エネ関連ビジネスの実施 |
製品サ ービス | 気候変動対応製品・サービスによる売上高の増加 | ●気候変動に関する意識の高まりを受け、環境配慮型製品・再エネ電力導入プラン等サービスの売上高が増加する。
〇平均気温上昇に伴い、エアコン・冷蔵庫の需要が年間を通して高まる。その他、災害対応用品や住宅堅牢化、水害を逃れるため高台等への移転が増え、住居移転に伴う買い替え需要も見込める。 | 大 | 中 | ●〇家庭内カーボンニュートラルの実現に向けた、環境配慮型商品の販売強化、住宅環境の高機能化リフォームの推進及び創・蓄・省エネ製品販売推進による顧客のCO2削減サポートの実施 ●〇環境と省エネに配慮した店舗づくり ●〇一般コンシューマ及び小規模事業者向け再エネ電力の提案。 | |
市場 | 環境配慮型の暮らしに関わるスタートアップなど他社とのアライアンス | ●気候変動に関連するスタートアップへの出資や他社とのアライアンスを実施し、環境配慮型の暮らしに関わる製品・サービスを提供することで、売上高は増加する。
〇環境配慮型の暮らしに関わる売上は限定的ではあるが、製品・サービスに対するニーズは高く、平均気温上昇に対応する製品・サービスを提供することで、売上高は増加する。 | 大 | 中 | ●脱炭素サポート企業との協業によるサプライチェーン排出量の可視化算出作業の効率化及び一般コンシューマ向け再エネ電力と環境配慮型商品とのセット販売など資本提携も視野に入れたアライアンス等によるカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーのビジネスモデル確立 〇スタートアップや他社とのアライアンスを通した平均気温上昇に対応する製品サービスの強化 |
(b) GHG(温室効果ガス)排出量削減への取り組み
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| 当社グループの7つのマテリアリティのうち、「地球環境と調和した豊かな社会への貢献」を重要課題の1つと位置づけております。これらの課題に対し、グループ各社やステークホルダーとの連携のもと、その貢献と適応に取り組んでまいります。 グループ全体におけるGHG排出量削減を全社が一丸となって戦略的に取り組み、社会課題の解決を通した新たな事業機会を創出することにつなげてまいりたいと考えます。 なお、ステークホルダーからの信頼を高めていくために、スコープ1(直接排出)及びスコープ2(間接排出)について2021年度より第三者保証を受けております。 これらの取り組みを通じて、当社グループにおけるサステナビリティ報告のさらなる信頼性向上を目指してまいります。 |
保証対象情報 | エネルギー消費量、GHG排出量 (スコープ1、2) |
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保証対象範囲 | 上新電機株式会社及び子会社3社(ジョーシンサービス株式会社、ジェー・イー・ネクスト株式会社、ジョーシンテック株式会社)のうち、2023年3月末時点に国内に所在する拠点 |
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(c) サプライチェーンにおけるGHG排出量の把握
| スコープ3主要なカテゴリーの検討結果(2022年度) |
| ジョーシングループ全体におけるサプライチェーンを通じたGHG排出量のうち、スコープ3※(スコープ1、2以外の間接排出)については、2022年度、GHG排出量に該当する全カテゴリーを把握いたしました。 | ||
スコープ3 カテゴリー | 各カテゴリーの概要 | 算定結果 |
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GHG排出量 (t-CO2) | 比率 (%) |
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1 | 購入した製品・サービス | 原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達 | 945,803 | 20.5 |
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2 | 資本財 | 生産設備の増設(複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上) | 31,371 | 0.7 |
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4 | 輸送、配送 (上流) | 調達物流、横持物流、出荷物流(当社が荷主) | 29,323 | 0.6 |
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5 | 事業から出る 廃棄物 | 廃棄物(有価のものは除く)の当社以外での輸送、処理 | 12,374 | 0.3 |
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11 | 販売した製品の使用 | 使用者による製品の使用 | 3,581,667 | 77.6 |
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その他のカテゴリー | 16,040 | 0.3 |
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スコープ3合計 | 4,616,578 | 100.0 |
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(d) 気候変動取り組みロードマップ
気候変動に係る対応は、当社グループ全体において多大な影響を及ぼす喫緊の課題と認識しております。
当社グループは気候変動を全社経営レベルのリスクかつ機会と捉え、ライフサイクル全体での負荷低減を目指してまいります。
目標と施策 | ~2025年 | ~2030年 | ~2050年 | ||
全事業所における再生可能エネルギー電源比率100%の早期実現 | 自社受電契約事業所における再生可能エネルギー電源比率100%達成 <2023年> | テナント店などの賃借物件への再生可能エネルギー電源比率引き上げに向けた交渉 | 全事業所における再生可能エネルギー電源比率100%達成<2040年> | ||
主な取り組み内容 | |||||
●非化石証書の裏付けがある100%再生可能エネルギー電源への転換<2023年> | ⇒ | ●賃貸人に再生可能エネルギー導入の交渉・協議を行い施設全体を再生可能エネルギーでの運営を行う<2030年> | ⇒ | ●再生可能エネルギーの導入が難しい事業所については、クレジット(Jクレジット・グリーン電力証書)の利用を検討<2050年> | ⇒ |
自社受電契約事業所における自家発電比率向上に向けた取り組み | 自社エネルギー自給率向上のための太陽光発電システム導入を推進し、自社受電契約事業所における自家発電比率25%達成<2030年> | 自社受電契約事業所における自家発電比率50%達成 | |||
主な取り組み内容 | |||||
●設置可能な自社受電契約事業所への太陽光発電システム+蓄電池導入による自家発電・自家消費推進<2030年> | ⇒ | ●2012年から実施している約6.5 MWのFIT(全量買取)事業が終了したのち、卒FITとして自家発電・自家消費を行う<2050年> | ⇒ | ||
●PPA(電力販売契約)提供会社との協業による自家発電導入推進及び、VPP(仮想発電所)による事業所の電力需要の管理・制御<2030年> | |||||
サプライチェーン全体におけるGHG排出量の管理及び削減 | スコープ3主要カテゴリーのGHG排出量削減目標数値化設定完了 | スコープ3対象主要カテゴリーのGHG排出量削減活動実施 | スコープ3対象全カテゴリーにおけるGHG排出量100%削減達成 | ||
主な取り組み内容 | |||||
●スコープ1、2に続いてスコープ3の15項目のうち主要カテゴリー12項目のGHG排出量削減目標を算定。そして算定後は排出量上位のカテゴリー1及び11について対象部署との連携にてGHG排出量削減活動を実施<2030年> | ⇒ | ●上流・下流に係る配送プロセスや各社生産工程におけるGHG排出量を掌握し、サプライチェーンすべてのGHG排出量を可視化して100%削減に向けたアクションを開始する<2050年に削減完了> | ⇒ | ||
●対象カテゴリーの選定及びそれらの定量把握を経て、GHG排出量削減に向けたプロセス及び進捗状況をCDP気候変動プログラムやTCFDシナリオ分析において開示<2025年> | |||||
TCFD提言に向けた情報の開示及び国際イニシアティブへの賛同 | 気候変動に関する国際イニシアティブへの賛同及び認定<2025年> TCFD提言に基づくシナリオ分析の定性/定量化 | SBTiなどの基準に基づいた目標及びアクションプランの取り組み継続 | CDP気候変動プログラムの策定、最上位ランク入り<2035年> | ||
主な取り組み内容 | |||||
●シナリオ分析に基づいた「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標・目標」の定量化目標の策定 | ⇒ | ●「SBTi」及びCDP気候変動プログラムの参画により設定した環境目標をクリアするための取り組み実施<2030年> | ⇒ | ●2030年までのアクションプランを踏まえ、これらを2030年以降も継続して取り組むことにより、CDP気候変動プログラムにおいて最上位ランクを目指す<2035年> | ⇒ |
気候変動リスクと機会に対するアクションプランの具現化 | |||||
●再生可能エネルギー導入などのカーボンニュートラル目標設定による「RE100」への参画、さらにシナリオ分析・サプライチェーン排出量削減目標の策定による「SBTi」への参画など国際イニシアティブへの積極的な参画<2025年> |
B.カーボンニュートラル社会実現に向けた店づくり
地球温暖化の抑制、そして人と自然が調和した社会を目指して、各店舗の改善に努めております。環境面では、省エネの取り組みとして各店舗に「エアコンの省エネ運転制御」「店舗照明の調光システム」「LED照明器具」などを順次導入しております。省資源・リサイクル面においては、お客さまにご協力いただいて「簡易包装」を推進しております。このほか、駐車場の緑化によりヒートアイランド現象を抑制する「ジェイ-ecoパーキング」導入など、GHG排出量削減への取り組みなども積極的に行っております。
GHGを排出しないクリーンなエネルギーの太陽光発電システム導入に加え、太陽光発電によって生成された電力を自家消費し、余剰電力については売電を行う設備を備えた店舗を新設いたしました。さらに今後は、再生可能エネルギーへの電源の切り替え、電気自動車(EV)充電システムの導入など、最先端の設備を順次導入し、気候変動への取り組みを店づくりに反映させてまいります。
② 人的資本への取り組み
A.経営戦略に紐づく人財戦略
従業員の積極的な経営参画により新たなお客さま満足を企業価値向上につなげ、経営理念《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》を実現いたします。「働きやすさ」を「働きがい」へ、そして「従業員オーナーシップ」「従業員エンゲージメント」へとスパイラルアップさせる人財戦略によって、一人ひとりの従業員の成長を当社グループの持続的成長につなげてまいります。
「働きやすさ」 | 多様な働き方が受容される職場環境の整備 |
| 「従業員オーナーシップ」 | 自律性をもった働き方の促進 |
従業員が一人ひとりに合った柔軟な働き方を選択でき、また、その働き方が受容される職場環境を整備いたします。さまざまな価値観やライフスタイルをもつ従業員が「働きやすさ」を感じながら就労継続できる制度や環境を整えてまいります。
・介護相談窓口の運用開始(24時間365日、無料で電話相談可) ・育児短時間勤務制度利用期間を子が中学校卒業までに拡大 ・育児短時間勤務制度勤務シフトを多様化 |
| チームと自らの役割を認識し、当事者意識をもって向き合う姿勢をもつことで、個人のみならず組織のパフォーマンス向上につながります。自ら学び成長する機会として、各階層での研修を実施しております。
・入社3年目社員対象「セルフリーダーシップ研修」によるキャリ アオーナーシップの確立 ・50歳を迎える社員対象「キャリアプラン研修」による中高年期の キャリア形成支援 ・通信教育の推奨と修了時の補助金(費用の75〜100%)支給 | ||
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「働きがい」 | 対話の促進によるモチベーションアップ |
| 「従業員エンゲージメント」 | 信頼関係に基づく貢献意欲を |
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| 育む |
十分なコミュニケーションにより上司からの期待が本人に伝えられ、自らの役割を明確に認識すること、そして役割に応じて適切に評価され、公平な機会を与えられることが、働きがいにつながります。
・エンゲージメント・サーベイ(2023年度導入)結果をきっかけと した現場の対話促進 ・従業員の意見を基にした多様な働き方の構築 ・マネジメントレビュー面談の実施 ・自己申告書による適材適所配置 |
| 従業員が会社の存在意義や方向性に共感できれば、従業員と会社の信頼関係は深まり、従業員エンゲージメント向上につながります。 当社グループは、従業員エンゲージメントの向上による新たなお客さま満足の創出を持続的な成長と企業価値の向上につなげてまいります。
・ダイバーシティ・カウンシルを通じた従業員の経営参画による従 業員エンゲージメントの向上 (全社Webアンケート「J-Voice」や社内コミュニティによる意見 発信、カウンシルによる多様な働き方の企画・立案) |
【多様な人財が活躍できる働きがいのある労働環境の実現】による財務・非財務資本の強化
従業員エンゲージメントの高度化による組織のパフォーマンス向上
当社グループの人財戦略ではダイバーシティ&インクルージョンを柱とし、多様な人財が活躍できる働きがいのある労働環境の実現に向けた施策推進により、従業員エンゲージメントの高度化を企業価値の向上につなげることに最も力を注いでおります。個の充実がもたらす力を組織のパフォーマンス向上につなげ、社会が必要とする新たな価値を創り出してまいります。
企業価値向上と経営基盤強化の好循環を生み出す
人的資本への積極的な投資によって人財を確保し、既存事業の持続的成長と多様な専門性を新たなお客さま満足の創出につなげます。健康経営推進により多様な人財のポテンシャルを最大限に引き出して企業価値を向上させ、経営基盤を強化する好循環を生み出します。
B.社内環境整備方針
当社グループでは、多様な人財の活躍こそが新たな事業価値を捉えて持続的成長につなげていく組織力の源泉だと考えております。「生活インフラのHub」となって社会に貢献するとともに、当社グループの企業価値を向上させるためには、社会が抱える課題やニーズを捉え新たな価値を生み出すことが必要であります。そのために当社グループでは、一人ひとりが公平な機会を与えられ、心身ともに健康で働きがいを感じながら活躍できる社内環境を整備してまいります。
そして、多様な人財の自由な発想から生まれるアイデアを新たなビジネスに結実させ、サステナビリティ経営を推進してまいります。
C.人財育成方針
当社グループは、人財育成は持続的成長に向けた投資であると考えております。環境の変化を敏感に捉え、会社の仕組みやビジネスモデルを変革できる意欲的な人財を育成するため、従業員の意見発信機会の創出と政策への反映により、従業員の経営参画を促しております。そして、一人ひとりがJoshinブランドに絆を感じて自発的に能力を発揮し、新たな価値の創出に積極的に貢献する意欲を引き出しております。私たちは、豊富な知識や経験をもつ従業員によるサービスで、新たなお客さま満足を創出し、企業価値の向上につなげてまいります。
D.取り組み項目
(a) 人財戦略の精神的基盤:人権尊重
ⅰ) 「国連グローバル・コンパクト」に賛同、署名
2022年7月18日、国連グローバル・コンパクト(以下、国連GC)に賛同を表明する署名を行いました。国連GCは、持続的な社会を実現していくための「人権の保護」、「不当な労働の排除」、「環境への対応」、「腐敗防止」の4分野10原則に企業が賛同して国連と結ぶ誓約(コンパクト)です。当社グループは、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を未来の世代に引き継いでいきたいという想いを込め、経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》と定めました。国連GCへの賛同により、今後も持続可能な社会の実現に向け人権や環境等に配慮した経営を積極的に進めてまいります。
ⅱ) 「ジョーシングループ人権方針」を制定
2022年12月23日、当社グループは「ジョーシングループ人権方針」を制定いたしました。創業以来の「常に相手の立場にたって行動する」という社是「愛」の精神を基に、「国際人権章典」や「労働における基本原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言」、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等に則った内容といたしました。経営理念《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》を実現し、従業員をはじめとするステークホルダーに笑顔をもたらすために、人権尊重を精神的な基盤として社会と常に協調し、「ジョーシングループ人権方針」を遵守した経営に努めてまいります。
なお、「ジョーシングループ人権方針」の項目は、以下のとおりであります。
1.基本的な考え方 2.国際人権基準の尊重 3.適用範囲 4.重要と考える人権課題
5.人権デュー・ディリジェンスと救済・是正 6.情報開示 7.理解・促進・浸透
ⅲ) 「人権啓発推進室」を新設
2023年4月1日、「ジョーシングループ人権方針」に基づき、「人権啓発推進室」を新設いたしました。従業員やお客さま、地域社会の皆さま、協力会社やお取引先さまをはじめとするビジネスパートナーなどのバリューチェーン(供給網)のステークホルダーに強制労働や児童労働がないか、人種、宗教、性別等の差別がないか等の人権侵害が発生していないかを確認し、人権リスクの予防・改善に取り組みます。具体的には、1.人権侵害を特定 → 2.防止と軽減措置 → 3.実効性を評価 → 4.結果開示の4つの手順を定期的に繰り返す「人権デュー・ディリジェンス」の体制を構築して運用してまいります。
(b) 従業員エンゲージメントの高度化
ⅰ) ダイバーシティ・カウンシル
ダイバーシティ・カウンシルによる従業員の経営参画
ダイバーシティ・カウンシルは、従業員が意見を発信し、その声をスピーディーに経営層に伝え政策に反映させる仕組みであります。2022年度の活動により、以下を実現いたしました。
・育児短時間勤務制度
利用期間の延長(小学6年生から中学3年生まで引き上げ)
勤務シフトの柔軟化(シフトパターンを6パターンに改訂等)
・希望者への旧姓対応開始
・D&Iポリシー公表
| 回 | 開催日 | カウンシル 主な協議テーマ |
| ※メンバー20名(店舗・Web・サービス部門スタッフと管理部門管理職)による、1時間のzoomミーティング | ||
| 1 | 7月26日 | ・メンバーの「仕事でワクワクすること」紹介 ・スケジュール共有 ・ポリシー案 |
| 2 | 9月27日 | ・旧姓対応 ・育児短時間勤務制度 子の対象年齢引き上げ、勤務シフト柔軟化 |
| 3 | 10月25日 | ・旧姓対応 ・育児短時間勤務制度 子の対象年齢引き上げ |
| 4 | 11月22日 | ・旧姓対応 ・ポリシー案 ・育児短時間勤務制度 子の対象年齢引き上げ |
| 5 | 1月31日 | ・育児短時間勤務制度 柔軟化 ・役職定年後の働き方検討 |
| 6 | 2月28日 | ・育児短時間勤務制度 柔軟化 ・役職定年後の働き方検討 |
| 7 | 3月6日 | ・長時間労働是正に向けた議論 |
ⅱ) ダイバーシティ推進体制イメージ
(c) 従業員の成長や活躍の基盤となる「健康経営」の推進
ⅰ) 健康経営の推進目的
| 労働集約型産業の当社グループにとって、従業員一人ひとりの「こころとからだの健康増進」はさまざまな経営課題を解決し、経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」を実践する上での基盤となる重要な要素だと考えております。 当社グループは、利益追求と従業員のこころとからだの健康増進の両立が、従業員の成長と生活向上だけでなく、会社の活力向上と経営理念の実現へとつながり、会社と従業員が"Win-Win"の良好な関係になることを目的に健康経営を推進いたします。 |
|
ⅱ) 健康経営の推進体制
健康経営の推進には、従業員一人ひとりへの会社による関わり方がその効果や速度を左右するため、経営トップによる強いリーダーシップの下での推進体制の構築が必要だと考え、2022年10月に、経営トップによる「ジョーシングループ健康経営宣言」を社内外へ発信し、推進体制を構築いたしました。
ⅲ) 健康経営の取り組み
・からだの健康増進
当社グループの健康課題を抽出し、課題改善計画の策
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