企業兼大株主三菱UFJフィナンシャル・グループ東証プライム:8306】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 わが国は少子高齢化や人口減少等の構造的課題を抱え、世界的にも低成長が常態化しつつあります。また、環境・社会課題への意識の高まりや、デジタル技術進展に伴う異業種の金融事業への新規参入の継続、足元ではインフレ率の高止まりや再加速の懸念、地政学リスクの高まり、欧州や米国を中心とした金融市場・金融システムの不安定化等、当社を取り巻く経営環境は大きく変化しています。

 当社は、こうした変化を正しく読み解いたうえでそれを飛躍のチャンスに変え、新しい時代において社会をリードする存在でありたいと考えています。2021年4月に「世界が進むチカラになる。」を当社の存在意義(パーパス)として設定し、2021年度からの3年間を対象とした中期経営計画では「企業変革」、「成長戦略」、「構造改革」を主要戦略の3本柱として掲げ、2021年度に引続き、2022年度もこれら戦略を当社グループ一丸で推進し、成果を挙げることができました。

2022年度も、環境変化に応じたビジネスモデルを作り上げ、また、その結果として収益力向上及びROEの改善を実現することを通じて、お客さま・株主・社員をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応えてまいります。

 中期経営計画では、めざす姿として「金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー」を掲げています。そこには変化の激しい時代において、「全てのステークホルダーが次へ、前へ進むためのチカラになりたい」という思いを込めております。「デジタル」、「サステナビリティ経営」、「挑戦・スピード」をテーマに変革を進め、お客さまと社会の課題に徹底的に向き合い、課題解決に努めております。

また、持続的成長・企業価値向上の為には、MUFGの事業ポートフォリオを収益性がさらに高く安定的なものにすることが重要であり、その実現に向けては、成長領域に対する戦略出資が重要な手段だと考えています。加えて、社員が活き活きと働ける会社を目指し、新たな価値を生み出す成功体験、また挑戦している社員の可視化を通じ、パーパス起点での挑戦が広がる好循環の構築を目指します。

 これらの取組みを通じた経営方針のキーワードは三つ、「デジタルトランスフォーメーション」、「強靭性」、「エンゲージメント」です。

 一つ目は、「会社のあり方をデジタル化する」。実際にはリアルとのバランスではありますが、社会のデジタルシフトに対応するために、第一に掲げました。

 二つ目は、「事業としての強靭性の重視」です。今回の危機で、MUFGはどんな環境においても信頼され続ける存在でなければならないと、改めて考えさせられました。金融機関としての健全性を確保して、経営資源を当社の有する強みのある領域へと重点配置いたします。

 最後が、「エンゲージメント重視の経営」です。これは、大きな変化が会社ひいては社員一人ひとりに求められるなか、変革の方向性に対する共感性を大切にし、社員間や組織間、お客さまとの間、また社会とも共感できる、皆が参画意識を感じられる、魅力的な会社にしていきたいと考えるものです。

(2) 経営環境

 当連結会計年度の金融経済環境でありますが、世界経済は、コロナ禍に起因する各種の供給制約やウクライナ紛争によるエネルギー価格高騰が招いた世界的なインフレの高進、それを受けた各国での大幅な金融引き締めが景気を下押ししたものの、「ウィズコロナ」を前提に経済活動の正常化が進んだことで、全体としては緩やかながら回復を続けました。もっとも、ウクライナ紛争は長期化の様相を呈しているほか、これまでの金融引き締めの累積的な効果により世界経済への下押し圧力は一段と強まってきており、2022年末以降、景気の減速基調が明確化してきています。また、2023年3月以降に発生した欧米の金融システム不安については、今後、実体経済への影響が顕在化してくるリスクも否定できません。わが国では、2022年3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、経済活動の正常化とコロナ対策の両立が着実に進展しており、景気は緩やかな回復を続けています。

 金融情勢に目を転じますと、株価は、ウクライナ紛争など地政学リスクを巡る緊張が高まり、さらに各国中銀が金融引き締め姿勢を強める中で値を下げる局面もありましたが、概ね高値圏で推移しました。金利については、米欧での急速な利上げを受け、2022年後半にかけて市中金利は上昇基調で推移しましたが、その後は、途中上下しつつも、徐々に水準を切り下げてきています。わが国では、短期金利は低水準での推移が続きましたが、長期金利は、2022年12月の日銀によるイールドカーブ・コントロールの一部見直しによりやや上昇しました。ドル円相場は、2022年10月には32年ぶりに151円台まで円安が進行しました。その後は政府・日銀の為替介入や米国の利上げペース鈍化、日銀の政策見直しなどにより、円安進行には歯止めが掛かり、円高・ドル安方向にやや水準調整された形で推移しています。

(3) 対処すべき課題

 主たる戦略の柱として「企業変革」、「成長戦略」、「構造改革」を当社グループの各事業会社、事業本部、コーポレートセンターが一体で推進しています。

「企業変革」では、会社のありようを変える、変革を進めていくという観点から、「デジタルトランスフォーメーション」、「環境・社会課題への貢献」に取り組むとともに、スピードと挑戦をキーワードに「カルチャー改革」を推進します。

「成長戦略」では、収益力を強化すべく、「ウェルスマネジメント」、「経営課題解決型アプローチ」、「アジアビジネス」、「GCIB & Global Markets」、「グローバルAM(アセットマネジメント)/IS(インベスターサービス)」を推進します。

「構造改革」では、強靭性の確保に向け、「経費・RWAコントロール」、「基盤・プラットフォーム改革」及び低採算事業の見直しや新規ビジネスへの挑戦といった「事業ポートフォリオ見直し」を推進します。

 当社グループは、お客さま、社員、株主等、ステークホルダーの安全確保を最優先とし、社会機能の維持に不可欠な金融インフラとして、事業者の資金繰り支援等の施策を通じ、お客さま・社員・株主をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えてまいります。


(A)  企業変革(DX)

① デジタルトランスフォーメーション

 あらゆるお客さまに対するデジタルサービス接点の強化、商品・サービスのデジタル化を推進します。デジタルを活用した業務量削減に取り組んでまいります。

② 環境・社会課題への貢献

 環境・社会課題解決と経営戦略の一本化をより一層強化するため、優先10課題を起点にした事業戦略、リスク管理、社会貢献施策を展開します。

③ カルチャー改革(スピード・挑戦する文化)

パーパス(存在意義)起点での行動を促し、自由闊達な企業風土を醸成し、戦略のスピードアップや社員の自律的な挑戦を促進します。

(B) 成長戦略

④ ウェルスマネジメント

 総合的な資産運用を支援するためのインフラ整備や人材投入、法人オーナーへのソリューション提供を通じてビジネスを強化してまいります。

⑤ 経営課題解決型アプローチ

日系大企業のお客さまの経営課題に向き合い、リスクテイク力を強化し、グループ一体で課題解決に取り組んでまいります。

⑥ アジアビジネス

 連結子会社のBank of Ayudhya Public Company Limited(タイ)、PT Bank Danamon Indonesia, Tbk. (インドネシア)を中心に、アジアを面で捉え成長を取込みつつ、デジタル化を推進します。

⑦ GCIB & Global Markets

 機関投資家へのリバランスを含むポートフォリオの最適化を推進。GCIB・市場本部の一体運営を通じ、資産回転・クロスセルを強化してまいります。

⑧ グローバルAM/IS

 業界成長が望める海外資産運用・管理領域において、当社の強みを活かした受託ビジネスを推進します。

(C) 構造改革

⑨ 経費・RWAコントロール

 成長に必要な投資は行いつつ、ベース経費の削減を徹底します。低採算案件から高採算案件へのシフトによりRWAをコントロールします。

⑩ 基盤・プラットフォーム改革

 デジタルシフトに必要な投資を効率的・効果的に実施します。改革に必要な手続・ルールの簡素化、意思決定プロセスの見直しに取り組んでまいります。

⑪ 事業ポートフォリオ見直し

 低採算事業への資源配分を見直しに取り組んでまいります。他社との連携他、新規事業への取り組みを強化します。

(4) 目標とする経営指標

本中期経営計画では、中期経営計画の最終年度である2023年度の財務目標の水準を以下のとおり設定しております(2021年5月公表)。

〔ROE目標・資本運営のターゲット〕


〔ROE目標達成に向けての3つのドライバー〕


*1 バーゼルⅢ規制見直しの最終化によるリスク・アセット増加影響を反映させた試算値。その他有価証券評価

 差額金を除く

*2 親会社株主に帰属する当期純利益

*3 中長期の経費率目標(60%程度)は不変

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