三菱食品 【東証スタンダード:7451】「卸売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、2024 年度からの新たな経営計画として、2030 年度を最終年度とする「MS Vision 2030」を策定いたしました。
サステナビリティ対応の重要性が高まっていることを踏まえ、当社グループのパーパス「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」に「サステナビリティ重点課題の同時解決」を加え、パーパスを実現するための新たな経営ビジョンとして「MS Vision 2030」を策定いたしました。また、ビジョンを支える価値観(バリュー)には、当社グループの全役職員が心得るべき「行動指針」と、三菱グループの経営の根本理念である「三綱領」を設定しております。
当社グループはこれまで3ヶ年~5ヶ年の中期経営計画を策定してまいりましたが、先行きが極めて不透明で変化が激しい時代に合わせて、これまでの短期スパンでの緻密な積み上げ方式での計画策定を取り止め、「2030年頃の在りたい姿」を起点にして設定したチャレンジングな目標からバックキャスト型の成長戦略を組み立てる方法へと経営の在り方をあらためます。
(2) 経営環境、課題認識、及び成長戦略
外部環境認識を踏まえた当社の課題認識は次のとおりであります。
・ 国内人口の加速度的な減少(国内需要の縮小と変化)
・ テクノロジーの進化(リアルとネットでのハイブリッド競争激化)
・ 地政学リスクの高まりやサステナビリティ課題の深刻化(複雑化する社会的要請)
・ 将来の予見性の低下(組織や人財の学習スピードが重要に)
このような課題認識のもと、当社グループは、2030 年に向けて策定した経営計画「MS Vision 2030」では以下の3つの成長戦略テーマに取り組んでまいります。なお、これらの成長戦略は「当社の強みである経営資本」を最大限に活用することや「サステナビリティ重点課題の同時解決」に繋げることで、その独自性が担保され、差別化が図られています。
(当社を取り巻く課題と対応策)
① デジタル活用
急速に進化するデジタル・生成AIなどの技術を徹底的に活用することで、「新たなビジネスモデルによる需要創造」「業務効率化・生産性向上」「SCM機能強化」を推進いたします。
(新たなビジネスモデルによる需要創造)
当社が保有する多様な出荷データに、独自の属性やPOSなどの外部データを組み合わせた当社ならではのビッグデータを活用し、新たな付加価値の創出を図る当社独自のビジネスモデルであるDD(データ×デジタル)マーケティング事業を更に加速し展開していくことで、取引先とのより強固なパートナーシップを構築してまいります。
(業務効率化・生産性向上)
基幹システム「MILAI」のアップグレードと、デジタル・AI技術の活用を通じ、当社のみならずサプライチェーン全体の仕事の進め方を変革し、自ら圧倒的な生産性を発揮する企業に生まれ変わると共に、取引先のコスト削減にも貢献できる仕組みを整備してまいります。
(SCM機能強化)
デジタル技術を駆使し、需要予測・需給調整機能の高度化推進、輸配送の効率化、トラックの余積スペースの活用などを進めるとともに、同業他社や非食品分野の取引先と協業することで、サステナブルな物流体制を構築してまいります。
② 新たな需要の獲得
国内市場の急速な縮小が見込まれると同時に少子高齢化の進展や外国人居住者の増加などによって、生活者のニーズは今後ますます多様化していくことは確実であり、当社はこれらに対応するため、国内市場ではこれまで蓄積してきた生活者理解の知見やデータ分析能力を最大限活用し、市場ニーズに即した「オリジナル商品の開発力強化」と「海外ブランドの調達力強化」を図ってまいります。
また、海外市場では急速に高まっている「日本食・日本の食文化の需要」に対応し、各海外市場の特性や成長余力の観点から、製造・卸・小売・外食を問わずサプライチェーン全般を対象に成功モデルの確立を図ってまいります。
③ 人的資本強化(人財育成)
事業戦略と連動した人財ポートフォリオのあり方を明確にして、成長戦略の実行に不可欠なデジタル人財・海外人財・専門人財を確保・育成してまいります。
人事育成強化の施策として、チャレンジと成長を促す人事制度の浸透を図りながら、社員の自律的なキャリア形成を支援すると共に、デジタル系・語学系などの研修プログラムの強化を推進し、当社の求める人財像である「チャレンジする自律したプロ人財」を継続的に育成してまいります。
社内環境整備の施策として、AIなどの活用により業務プロセスを抜本的に見直し、効率化・生産性を向上してまいります。また、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」「健康経営」「働き方改革」を継続して推進することで「働きやすく、働きがいのある組織風土」の醸成を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2021年度から2023年度を最終年度とした「中期経営計画2023」では、定量目標として経常利益220億円、自己資本利益率(ROE)8%以上を掲げておりました。これら定量目標の達成状況については、「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析(4)経営上の目標の達成状況について」をご参照ください。
また、2024 年度から 2030 年度を最終年度とする新たな経営計画「MS Vision 2030」では、以下の目標を掲げております。
■ 2030年に目指す在り姿
(経済価値)
・ 経常利益:500 億円(当期純利益:350 億円)
・ 配当性向:40%以上
・ R O E:10%以上を維持
・ 配当方針:累進配当政策維持(2024 年度累進配当政策導入)
(社会・環境価値)
・ 社員エンゲージメントスコア:70%以上
・ FTSE(※) ESGスコア :4.0 以上 ※Financial Times Stock Exchange の略
・ 食品廃棄量:50%以上削減(2016 年度対比)
・ CO₂排出量 :60%以上削減(2016 年度対比)
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