三菱瓦斯化学 【東証プライム:4182】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する事項
① ガバナンス
サステナビリティに関する重要な事項は、管理部門長等が参加する諮問機関「サステナビリティ推進委員会」での検討を踏まえ、社長を議長とし、社外を含む全取締役を主構成員とし、監査役等も参加する「サステナビリティ推進会議」で審議・決定されます。
なお、サステナビリティに関する特に重要な事項は、「サステナビリティ推進会議」での審議の後、取締役会として決議します。
② リスク管理
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは「社会的価値と経済的価値の両立」を目標に掲げ、経営として取り組むべき最重要課題(マテリアリティ)を特定、それらに関わるリスクと機会を把握することで、リスク管理を実施しております。
マテリアリティの特定にあたっては、数多の社会課題等を「ステークホルダーにとっての重要度」と「当社グループにとっての重要度」の2つの観点で評価し、「サステナビリティ推進会議」での審議を経て、取締役会にて決議しております。
③ 戦略
「② リスク管理」に記載のとおり、当社グループはマテリアリティを特定した上で、それらに関わるリスクと機会を把握、リスクの低減に努めるとともに、社会課題を解決する新たなビジネスモデルの創出を通じて、持続可能な社会と企業の持続的成長を目指します。
④ 指標及び目標
当社グループは、マテリアリティ毎にKPIを設定し、マテリアリティマネジメントの進捗管理を実施しています。
当社グループでは、「① ガバナンス」及び「② リスク管理」の枠組みにより、「気候変動への対応」と「人的資本への対応」を特に重要な課題と判断し、それぞれ、以下のとおり「戦略」への取組・「指標及び目標」の設定を行っております。
なお、その他の課題に対する「戦略」・「指標及び目標」については、統合報告書(https://www.mgc.co.jp/corporate/report.html)をご参照ください。
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
① 戦略
当社グループは、温室効果ガス(以下「GHG」)排出量の削減目標を定め、着実な削減に取り組んで参ります。本取組に強みを有する既存事業からの展開や研究開発力を活用、その他の事業や社外との協働も進めます。移行段階では、GHG排出の少ないLNG発電による電力の活用や、再生可能エネルギーの導入を進めていき、加えて、各種カーボンフリーエネルギーシステム、CCUS(※)、リサイクルシステムの確立や実装等を具体的な施策とし、削減への取組を進めていきます。
※CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):排出した二酸化炭素を回収・貯留する技術、及び貯留した二酸化炭素を化学品原料等に利用する技術
加えて、気候変動リスクの定量的な把握を行うため、インターナルカーボンプライシング制度を導入しております。CO2排出量の増減を伴う設備投資計画において、社内炭素価格(1万円/MT-CO2換算)を適用し換算した費用あるいは効果を投資判断における一助として運用し、CO2排出削減を推進、低炭素社会構築に資する技術・製品の創出を促進します。
また、当社グループは、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(以下、TCFD)の提言に賛同しました。気候変動が当社グループに及ぼすリスクと機会を評価し、シナリオ分析を通じてレジリエンスを強化するとともに、ステークホルダーとの健全な対話を推進していきます。
これまで、当社グループの基盤事業及び差異化事業である MXDA、MXナイロン、過酸化水素、ポリカーボネート、光学材料、脱炭素剤事業のシナリオ分析を行い、2つのシナリオに基づき気候変動が事業に及ぼす影響の分析、対応策の検討を行いました。
産業革命前からの気温上昇を+2℃以下に抑えるシナリオにおいては、脱炭素化に向けた炭素税の導入、GHG排出規制強化によるコストの増加が、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループは、事業ポートフォリオの再構築、省エネルギー、再生可能エネルギーの導入、GHG排出の少ないLNG発電による電力の活用などにより、影響の抑制を図っていきます。また、脱炭素社会における金属・従来材料の代替によるさらなる軽量化 、再生可能エネルギーのインフラ整備、高付加価値製品市場の拡大は、当社グループの事業拡大の機会であると分析しています。
一方温暖化が十分に防止されず、産業革命前からの気温上昇が+4℃となるシナリオにおいて化石資源の価格高騰、ユーティリティコストの上昇、自然災害の甚大化による工場操業への影響が、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループは、化石由来原料 からの転換、製品の高付加価値化、BCPの強化などにより、影響の抑制を図っていきます。また、新興国の人口が大きく増加することから、市場開拓を加速致します。
以上のとおり、気候変動は、当社グループの経営に悪影響を与えることが懸念されるものの、当社グループは化学製品・素材製品から機能製品に至る多様な事業 ポートフォリオによりリスク対応が可能であり、当社グループに与える財務影響は低減できることを確認しています。
今後、エレクトロニクスケミカル、電材事業にもシナリオ分析の範囲を広げ、結果を開示していきます。
② 指標及び目標
当社グループ(※)は、2050年カーボンニュートラル達成に向けて、GHG排出削減の長期目標を設定しております。
※当社単体及びScope1,2を有する連結子会社
2030年目標 | 2050年目標 |
Scope1+2 2013年度比36%削減 | カーボンニュートラル達成 |
当社グループのGHG排出量推移は、統合報告書(https://www.mgc.co.jp/corporate/report.html)をご参照ください。
(3)人的資本への対応
① 戦略
1.人材育成の考え方
当社グループは、「社会と分かち合える価値の創造」を存在理念とし、経営理念の中で「働きがいのある場を作り、意欲と能力を重んじ、活力ある集団をめざす経営」を掲げています。その実現に向け、グループ各社において、制度の整備・拡充、教育等に取り組んでいます。
当社では、MGCグループミッション「社会と分かち合える価値の創造」の実現を目指し、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして、個性を磨き、知識と能力を高め、意欲高く高い目標を掲げ、それを達成することを通じて自己を実現する活性化された職場をつくるため、人材育成基本方針を策定しています。
本方針では、求められる人材像として「自律的で意欲にみちた従業員」「あたたかい感性豊かな従業員」「仕事を通じて考え、学ぶ従業員」、育成方針として「全ての従業員の特長を活かす育成」を掲げ、多種多様な従業員が各々の個性を生かして活躍できる社内環境の整備に取り組んでいます。
2.具体的な取組
・働きがいのある企業風土の醸成
当社は、従業員の働きがいや生産性の向上、イノベーション創出に不可欠な取り組みとして、働き方改革を推進しています。長時間労働に頼らない働き方を可能とするため、業務フローの見直しや会議時間の短縮等に取り組んできました。2020年からはスーパーフレックスタイム制(コアタイム無し)、在宅勤務制度もトライアル運用を開始し、より柔軟な働き方が可能な環境の整備を進めています。
また、当社の年次有給休暇(年休)取得率は80~85%程度(非管理職では90%程度)で推移していますが、ワークライフバランスの観点から年休取得に対する従業員の意識をより深めるため、KPIとして「年次有給休暇取得10日未満者割合:2023年度0%」を掲げ、社内広報誌の発行やポスターを掲示し、従業員意識の醸成や職場の雰囲気づくりに注力し、年休取得が少ない層も含め、更に年休が取得しやすい環境整備を推進しています。
≪年次有給休暇取得率(全社員)推移≫
※当社単体ベース
≪年休取得推進の社内広報誌≫ ≪年休取得推進ポスター≫
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社は、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を「全ての従業員が個性を活かして活躍し認め合うこと」と定義し、「多様な価値観・考え方を尊重する意識づくり」「多様な働き方を可能とする環境づくり」「人材の多様化と一人ひとりを活かす組織づくり」「個々の強みを発揮できる人材づくり」「心と体の健康づくり」をD&I推進基本方針として掲げ、多様な人材が個性や能力を発揮して多様に活躍することによる「人と組織のパフォーマンスの最大化」、多様な価値観・考え方・視点・知識を持つ人材が協働することによる「イノベーション創出」や「意思決定の質の向上」を目指しています。
また、少子高齢化に伴い労働力人口が減少する中、女性の活躍を推進することは、中長期的な企業競争力の維持・向上に不可欠と考えており、女性従業員やその育成を担う管理職向けに各種研修を行うなどして、女性従業員のキャリア開発支援を進めています。さらに、文化・習慣・経験・技能等が異なる外国人や中途採用者は、新たな視点やアイデアをもたらす貴重な「多様性人材」と捉えています。「イノベーション創出」や「意思決定の質の向上」がより進むよう、留学生採用や中途採用を積極的に推進しています。
② 指標及び目標
「① 戦略 2.具体的な取組 ・働きがいのある企業風土の醸成」に記載のとおり、KPIとして「年次有給休暇取得10日未満者割合」を掲げております。
≪年次有給休暇取得10日未満者割合(KPI)≫
| 目標値 | 実績値 | |||
2023年度 | 2030年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
年次有給休暇取得 10日未満者割合 | 0% | 0% | 15.1% | 11.7% | 4.0% |
※当社単体ベース
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